これは平素から感じることですが、交通事故被害者の対応においても高齢化対策が必要で、それが年々向上していると思います。具体的には、高齢者は事故に遭っても、一人で解決していくことに限界があります。一人では十分に出来ないことが多いのです。警察や病院はまだしも、相手保険会社との交渉には大変な難儀を強いられます。独居の高齢者や、ご家庭の事情でご家族の協力が得られない場合、誰かがフォローしなければなりません。
受任した弁護士がある程度ケアしてくれることを期待しますが、多くの弁護士は契約上にうたわれた賠償交渉しかしません。しかし、交通事故の事務では、健保や労災など社会保険が絡んできます。各種、保険の手続き、病院への検査や診断書の依頼、諸々、自身で動かなければならないことがあります。そして、親切を期待したいところの相手保険会社との交渉です。高齢者向けの親身・親切な対応はあくまで”期待”です。たいていは事務的に進めてしまうと思います。
やはり、弊所のように被害者に寄りそって進めていくパートナーが望まれます。これまでも、独居はもちろん、障害を追った方が交通事故被害に遭い、その特別な対応に追われてきました。当人はもちろん、遠方にお住いのご家族や医師や各役所、そして、受任した弁護士にも大変に感謝されました。
令和5年の統計では、日本の人口は1億2,435万人。65歳以上人口は3,623万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は29.1%となります。ざっくり3人に1人が65歳以上の社会です。私共の仕事が益々、期待されていくと思います。問題は困った人達に私共の存在が届かないことです。毎度の結論ですが、これが最大の課題と思っています。