【事案】

自動車を運転し、信号のない交差点に進入したところ、左方より進入してきた自動車に衝突され、負傷した。直後から歩くだけでひどい足の痛みに悩まされる。診断名は載距突起骨折(さいきょとっき骨折)。
 

足のかかとの骨(踵骨)の一部です


まさに、距骨を載せている突起部分です
 
【問題点】

保険会社の担当者と折り合いが悪く、事故から半年経過する前に、打切りと後遺障害診断書の作成を打診されていた。
 
【立証ポイント】

レントゲンでは分かりにくい部位であるため、リハビリ先の医師にMRIとCT撮影の紹介状を依頼し、癒合状態を確かめた上で保険会社に一括対応の延長依頼をすることとした。その結果、まだ突起部が癒合していないということが判明し、少なくとも半年間の治療費確保に成功した。治療期間を確保することができたため、通院の実績を重ねてもらい、癒合が正常であっても最低14級9号が認定されるような土台を作っていった。

その後、半年経過した段階でのレントゲンで、骨癒合の確認が取れたため、後遺障害診断書を作成いただき、審査に付した。本来であれば、症状固定時にもCTを撮影し、初期の画像と比較するのが望ましいが、「レントゲンでも問題ない。」と頑なな態度の医師を説得することができなかった。シンプルな提出書類だったが、審査は滞りなく進み、約40日で14級9号認定となった。

因みに、本件は足関節の可動域制限としても12級の数値にはなっていたが、変形などの癒合不良はなかったので妥当な結果と受け止めた。

(令和5年1月)