【事案】

自動車で信号のない交差点に進入したところ、右方から走行してきた自動車に衝突される。直後から頚腰部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

ご相談を頂いたときには既に1年が経過しており、半年で一括対応終了となったものの、長く通院した方がいいという外部からのアドバイスを鵜呑みにして、その後半年間、健康保険で通院を継続していた。加えて、一括対応中は週3回の頻度だったが、健康保険に切り替わった途端、月2回の頻度に激減していた。

【立証ポイント】

後遺障害診断書を依頼するにあたり、症状固定日を一括対応終了時に遡って作成していただく方針としたが、MRI検査未実施だったことが判明したため、MRI検査の手配後に現在の日程で症状固定する方針に切り換えた。

無事にMRI検査を終え、主治医に「所見もないし、後遺症の申請は通らないよ。」と嫌味を言われながらも後遺障害診断書を作成していただき、審査に付した。

受傷機転、一貫性、所見等いずれも△ではあったが、約2ヶ月の審査期間を経て、14級認定となった。正直、初回申請での認定は厳しいと予想しており、再審査請求を覚悟していたため、依頼者も弊所も大喜びの結果となった。

(令和5年4月)  

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【事案】

道路を横断中、左方より走行してきた自動車に衝突され、足首を骨折した。開放骨折後の骨端線損傷と診断され、経過観察を続けた。   【問題点】

骨癒合が過度に進んでいるため、骨長調整手術を行うことになった。主治医からは「成長が止まった段階まで経過観察しなければ何とも言えない。」との説明を受けたため、ご両親もどこで一区切りつけるのか迷っていた。主治医の見解やご両親のお気持ちも理解できるが、保険会社が10年近く面倒みてくれるはずがない。どこかで「症状固定」としなければならなかった。   【立証ポイント】

症状固定のメリット・デメリットを説明し、ご本人やご両親、主治医が納得するタイミングを模索した。事故から丸2年というところで折り合いがついたため、後遺障害診断時に自覚症状、開放創と脚長差の計測を依頼した。見込み欄には「今後も定期的に経過を観察する必要があり、成長に伴い、骨長に左右差が生じた場合には、再手術の可能性がある。」という関係者全員(相手保険会社は望んでいないと思われるが)が納得する文言を記載いただき、審査に付した。

子どもの骨折(しかも骨端線損傷)では十分な回復が見込め、14級9号に留まる可能性もあった。しかし、「解放骨折」の重傷性から、脚長差の後遺障害が認められた。他に13級以上の認定がなかったということも要因(その場合には、併合扱いになるため、審査が厳しくなる印象がある)の一つではないかと考える。

  今後、成長とともに脚長差が広がり、再手術ということは考えにくいが、可能性はゼロとは言えない。その点、後遺障害認定を得たことで、ご両親も納得の解決へ向かうことができる。   (令和5年8月)  

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【事案】

原付バイクで幹線道路を横断の際、右方よりの自動車と衝突、大腿骨の股関節脱臼骨折と鎖骨の骨折。股関節は人工関節置換術を施行したが、鎖骨は観血的手術を避け、外部からバンド固定&保存療法とした。高齢者の場合、プレート固定を避ける傾向。

クラビクルバンド

【問題点】

外見上、左右差が分かるほどの変形はなかった。   【立証ポイント】

それでも、変形で12級5号が認められれば、併合で等級が一つ繰り上がるので、簡単に諦めることはできない。改めて、受傷初期からのレントゲン、CTを経過的に編集、変形癒合に至るまでの画像を打ち出し、添付した。

変形の認定はあくまで外見からの判断であるが、鎖骨の癒合状態から認定を引き出した。甘めの認定に助けられたと思う。   (令和5年5月)   ※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

原付バイクで幹線道路を横断の際、右方よりの自動車と衝突、大腿骨の股関節脱臼を伴う骨折となった。即座に人工関節置換術を施行した。診断名は大腿骨の骨頭下骨折、頚部より骨頭寄りの骨折のよう。

【問題点】

事故状況から、バイク側の過失が大きく、相手保険会社から一括対応(治療費の直接払い)はされなかった。また、人身傷害も未加入なので、国保のみ頼りの治療となった。それ以外は自己負担と覚悟していたところ、見かねた代理店さまより紹介となった、。

また、本件の特異な点は、介護保険を使って、入院下での集中リハビリとした点です。介護保険に対しても第3者行為届を記載・提出した。次いで、市役所から「国保の第3者届も提出お願いします!」と、弊所に電話が鳴った。どうやら忘れていたよう。   【立証ポイント】

人工関節なので10級11号は確実であったが、介護保険による治療費のレセプト収集など、いつもより取集する書類は多かった。提出後も、事故状況の回答書が要請された。さらに、介護保険使用に関する資料の提出も要請された。任意社の介在の無い場合、審査は慎重になるので仕方ないと言えます。

これらに丁寧に対応を続け、確実に10級11号の認定とした。予想通り、重過失減額から20%保険金が控除されたが、まったく何も保険金が入らないと思っていた依頼者さまにとっては、恵の保険金となった。

賠償交渉が無い事故だと、弁護士は腰が引けてしまいます。このような自身の責任が大きい事故で、困っている被害者さんは多いと思います。   (令和5年5月)    

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【事案】

自転車で直進中、右脇道からの自動車の衝突を受けて転倒、左大腿骨頚部を骨折後、人工関節置換術を施行した。   【問題点】

人工関節の手術後、リハビリを計画していたが、持病での手術入院、さらにコロナ院内感染と、めまぐるしく治療が重なり、落ち着いてリハビリを進めることが出来なかった。何より、病院がコロナ治療と一緒にレセプトを作成したため、公費となるコロナと、健保扱いとなる事故を分けなければならなくなり、5か月も待たされた。   【立証ポイント】

それでも、人工関節なので10級11号は確実であった。レセプトの欠損を説明して提出したが、自賠責は律儀に「書類が揃ってから!」と書類を返してきた。仕方なく、レセプトを待った。また、必要性の薄い可動域計測も追記要請され、それにも対応して再提出、今度は1か月も待たずに認定票が返ってきた。正直、提出書類に関して、もう少し柔軟性が欲しいと思った次第。

(令和5年7月)  

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【事案】

原付バイクでT字路を直進中、狭路から右折してきた自動車と衝突し、負傷した。直後から大腿部の痛み、神経症状に悩まされる。

  【問題点】

救急搬送先では見当違いの部位をレントゲン撮影し、骨折が見逃されてしまった。翌々日に別病院を受診し、即入院・手術が実施された。一安心と思ったら、「症状固定は手術から1年経たなければ判定しない」と言う、頑なな医師であった。また、被害者自身が人に弱みを見せず、医師に「痛みや困窮」を言わない気質であった。   【立証ポイント】

初診時に骨折の傷病名がなかったが、保険会社が一括対応をしているため、その点は問題とならずに済んだ。また、定期的にご家族へ連絡し、痛みを訴えない本人の実状を聞き取り、その内容を細かく描写した。

後遺障害診断書の作成に後ろ向きであった主治医が事故から1年が経過する段階で転勤となったため、後任の医師に自覚症状を説明し、可動域計測、手術痕の計測等、細かく検査していただいた。後遺障害診断書上、股関節の可動域数値は3/4制限となったが、骨折の癒合状態が良好だったため、1ヶ月も経たずに14級9号で認定された。

高齢者が骨折すると、事故前に比べ生活は一変し、ご家族への負担が増大する。その点を踏まえると14級9号認定は軽いように思うが、認定基準に照らし合わせると、仕方がない…と納得せざるを得ない。予想通りの結果ではあるが、モヤモヤが残る案件である。   (令和5年7月)  

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【事案】

自動車を運転中、右方より走行してきた信号無視の自動車に衝突され、負傷した。直後から頚腰部痛に加え、左下肢の痺れ等の神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から半年が経過してからのご相談であったが、なんとか一括対応が続いていたため、MRI検査の依頼をしていただき、その上で後遺障害診断に立ち会った。受傷機転〇、通院回数〇、症状の一貫性〇、MRI検査〇であったため、14級認定は堅いと予想していたが、まさかの1ヶ月足らずで非該当。   【立証ポイント】

腰椎に比べれば、頚椎は改善しているとの事だったため、腰椎・左下肢の痺れに絞って書類を依頼する方針で再度病院に同行、「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」・「神経学的所見の推移について」の記載を依頼した。

画像所見はないものの、症状固定後からは健康保険に切り替えてリハビリを継続していたため、審査側の心証も良く、40日で14級認定となった。本件は夫婦での申請だったため、非該当であろうもう一方に引っ張られた形?となったが、初回申請で認定されるべきだったと思う。弊所がウルトラCで覆したというよりも、本来あるべき位置に戻した案件であった。

(令和5年6月)    

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【事案】

自動車の助手席に搭乗中、右方より走行してきた信号無視の自動車に衝突され、負傷した。直後から頚腰部痛に加え、手の痺れ等の神経症状に悩まされる。   【問題点】

事故から半年が経過してからのご相談であったが、MRI検査未実施の状況で保険会社から治療費を打ち切られた。また、手の痺れがあるにもかかわらず、医師にその旨を伝えていなかった。すぐに病院同行し、後遺障害診断書を依頼した。受傷機転がそれなりの被害なので、淡い期待を抱いて申請するも1ヶ月もかからず非該当であった。   【立証ポイント】

再度病院に同行し、MRI検査の依頼をすると同時に「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」の記載を依頼した。初診時から痺れを訴えていないため、その点は申立書でカバーするとし、主訴を頚椎1本に絞って申請することとした。

幸い、症状固定後も健康保険を使ってリハビリを継続していたため、領収書の写しやMRI画像の打出し等を添付し、異議申立手続きを行った結果、40日で14級9号認定となった。尚、こちらの意図した通り、頚椎でのみ認定を受けることができ、腰椎は”ついで認定”とはならなかった。

(令和5年6月)  

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【事案】

自動車にて信号待ち停止中、後続車に追突される。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。   【問題点】

仕事が多忙であるが故に、通院日数が少々心配ではあった。また、賠償社と弁特社が同じ会社であったため、早期の弁護士介入等ができなかった。   【立証ポイント】

遠隔でのやりとりで、半年間の治療費確保とMRI検査の実施までこぎつけた。MRI検査の結果を伺う診察時に、院長から「申請しても、通るかどうか、認定は厳しいかもね。」と言われてしまった。

その後、病院同行を重ね、自覚症状を丁寧に説明、勝負できそうな後遺障害診断書にしていただけた。通院日数が60日に満たなかったため、ご本人に異議申立の覚悟を促すも、「症状も事故当初に比べれば良くなったし、仕事に集中したいので、どのような結果であっても受け入れます。1発勝負でお願いします。」との決意。

GWを挟んで約40日で吉報が届いた。いい意味で予想を覆されたが、無欲の勝利とはまさにこの案件のことであろう。   (令和5年6月)  

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【事案】

自動車にて直進中、左脇道から侵入の自動車と衝突、受傷したもの。主訴は頚部痛、肩痛、腰痛。   【問題点】

事務所の経験上、追突されるより、出合頭衝突の方が軽傷、したがって認定率が低いように感じる。衝突の瞬間、身構えることができるからかもしれない。

半年リハビリを重ねたが、主治医はそれ程に重篤とは思わなかったようで、後遺障害診断書に「経時的に改善する」と残した。修正をお願いしたが聞き入れられなかった。案の定、その言葉を示した非該当の回答。あきらめようかと考えていた。   【立証ポイント】

言葉は重い。どう覆すか・・医師に『頚椎捻挫の症状の推移について』の意見書で、症状の見通しについて、より詳しく記載頂いた。3カ月程度で軽減する部位は、肩痛・腰痛で、頚部痛は「不変」として頂き、その経緯と言うか、ほぼ言い訳を書きこんだ申立書を提出した。

正直、認定は厳しいと踏んでいたが、久々に予想を覆す判定が届いた。知らせを受けた依頼者さまの涙に、思わず「よかったねぇ」とつぶやいた。

(令和5年6月)  

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【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

ひどい転位や変形の危険がなければ保存療法となる。癒合に問題なければ、12級に届かないどころか、14級も否定されることがある。   【立証ポイント】

後遺障害診断書に骨折部分の痛み、不具合を丁寧に記載頂く。腰痛の残存として14級9号が認定された。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

肋骨の骨折は、ひどい転位や変形の危険がなければ保存療法となる。癒合に問題なければ、12級に届かないどころか、14級も否定されることがある。   【立証ポイント】

後遺障害診断書に骨折部分の痛み、不具合を丁寧に記載頂く。肋骨はわき腹痛として14級9号が認定された。これは、比較的珍しい認定結果と思う。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。  

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【事案】

友人の自動車の後部座席に搭乗・走行中、交差点を赤信号で直進、対抗右折車と衝突したもの。明らかな赤侵入のため、直進車の過失が100%となった。すると、被害者にとって自車の運転者が加害者となる。その損保社の対応で治療を進めていた。骨折箇所は膝(脛骨近位端)と肋骨、腰椎横突起。   【問題点】

加害者となる運転者は友人の為、執拗な賠償請求はしないことに留意する必要があった。

また、骨折状態からプレート固定なく保存療法が選択された。何より、年齢以上に回復が良く、リハビリも精力的に行った結果、膝の可動域はほぼ正常に。   【立証ポイント】

本人の回復努力に敬服も、痛み等不具合は残るはず、主治医に細かく説明し、診断書を記載頂いた。

同乗者の事故ゆえに、自賠責から同乗の理由・状況を調べる回答書が追加要請された。恐らく運転者との他人性(Q)を調べる意図があったと思う。その分、審査期間が延びるも、無事に14級9号の結果を得た。

Q:他人性とは? ⇒ 自分の車を他人に交代して運転させ、その車に同じ目的・行先で同乗していた場合、自賠責はおりません。これは「自分の為の運行」になり、他人からの加害行為から外れるからです。自賠責保険は賠償保険ですから、あくまで他人からの危害でなくてはなりません。

(令和5年5月)

※ 併合の為、分離しています。    

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【事案】

自動車にて走行中、センターラインオーバーの自動車と正面衝突、大腿骨と骨盤を骨折したもの。骨盤の骨折部は股関節の寛骨臼、広範囲に亀裂骨折がみられた。

【問題点】

大腿骨の手術が優先され、寛骨臼は保存療法の方針となった。また、受診するたびに医師が変わり、責任の所在がはっきりしなかったため、治療方針が曖昧であった。   【立証ポイント】

股関節の可動域をご自身でしっかりと確認していただいてから、診察に臨んだ。

計測を実施したところ、伸展は左右差がなく問題なかったが、屈曲は軽度制限(3/4をギリギリ超える数値)、内転・外転は3/4制限、内旋・外旋に至っては1/2制限が残存した。可動域制限を裏付けるために受傷時の画像打出しを後遺障害診断書に添付し、申請したところ、1ヶ月で12級7号が認定された。

(令和4年12月)

※ 併合の為、分離しています  

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【事案】

自動車にて走行中、センターラインオーバーの自動車と正面衝突、受傷した。直後から強烈な神経症状に悩まされる。   【問題点】

体質の問題なのか、骨再生速度が緩やかだったため、事故から1年を経過するも骨癒合が完了せず、ただただ待つばかりの状態が半年間も続いた。また、執刀医が転勤したため、その後の診察では、受診するたびに医師が変わり、誰が主治医なのか定かではなかった。   【立証ポイント】

仕事の都合やご本人の意向で抜釘はしない方針となったため、骨癒合が完了した段階で症状固定とすることとなった。偶然にも、癒合完了を確認したのが、事故当初に診断書を作成してくれていた医師であったため、後遺障害診断の話がスムーズにでき、膝の可動域等を計測していただいた。

膝の曲がりが悪く、12級の数値となったため、修正の必要もなく提出に至った。また、受傷時と症状固定時のCT・XP画像を精査すると、砕けた骨が枝葉のように癒合していることや仮骨形成によって多少角度がついていることが分かったため、画像打出しを添付資料として補完した。

審査に時間がかかると予想していたが、1ヶ月で併合11級(膝の機能障害で12級7号+大腿骨の変形で12級8号)が認定された。骨折の癒合には個人差があると痛感した次第。

(令和4年12月)

※ 併合の為、分離しています  

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【事案】

オートバイで直進中、対向車が駐車場に入ろうと右折、衝突・受傷する。

救急搬送先の診断名は、ざっくり全身打撲。続いて、精査の為にCT・MRI検査の結果、診断名に肩腱板損傷が加わった。その後、肩関節の激痛と挙上不能から、近隣の整形外科で理学療法を継続した。

【問題点】

一向に痛みは治まらず、肩腱板(棘上筋)の損傷も不明瞭のまま・・。相手損保との交渉も紛糾、ついには弁護士を入れられてしまった。この時点で相談となった。

早速、肩のMRIを観たが、初期にひどい炎症が観られるも、肩腱板に目立った損傷は見られなかった。これでは、痛みの14級9号止まりか・・。

医師面談当日、病院前での打合せにて、本人から「肩の骨が出っ張っている」ことを初めて聞いた。早速、シャツを脱いでもらうと、明らかなピアノキーサイン(肩鎖関節脱臼で鎖骨が上に出っ張る)!!! 腱板損傷は誤診で、肩鎖関節・亜脱臼(GradeⅡ)と素人ながら確信した。本件は久々に「誤診を正す」ミッションとなった。

肩鎖関節脱臼とは? 👉 肩鎖関節脱臼   【立証ポイント】

すぐさま、主治医に対して「肩鎖関節脱臼」と鎖骨変形を改めて診断の上、診断書にご記載をお願いしたが、素人診断に耳を貸すほど医師は甘くない。どうしても認めてくれないので、少なくとも左右比較の為に、ケガをしていない方の肩もレントゲン撮影お願いした。それも怒鳴るように拒まれたが、必死に頼み込んで撮って頂いた。

次いで、先の左右比較のレントゲン、肩鎖関節脱臼を示すCT、MRIの打ち出しを独自に編集、5枚の打出しを作成した。この打出し資料を持参の上、MRI検査をした病院に戻り、医師に掛け合って診断名を変更して頂いた。ようやく「肩鎖関節脱臼」の診断名、この時点で事故から9カ月が経過していた。   いざ申請へ、本件被害者さんが肩を写メで残してくれて助かった。これらの写真と先の画像資料に、診断名が遅れた理由を経緯書にまとめ、被害者請求を敢行、わずか1か月で鎖骨の変形が認められて12級5号の認定となった。   最終回の逆転劇、これで賠償金が2倍以上に跳ね上がる。立証の苦労が報われたが、運もあったと思う。医師が診断名を間違えると・・たいてい、取り返しのつかない結果となるのです。

(令和5年4月)  

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【事案】

農作物の出荷場で作業中、フォークリフトのリフトが足指に下ろされて受傷、小指の先、末節骨の剥離骨折となった。剥離(はがれた)骨折は通常の骨折より、実は癒合が悪い。

さらに、痛みは軽減するどころか増悪し、ついに半年後、「痛みの外来」、つまり、専門医によるCRPSとしての治療に切り替った。久々に真正CRPSである。   参考 👉 CRPSについて 概論と近況   【問題点】

ところが、相手損保はCRPS?など奇病・珍病の類は認めない。治療費打ち切り攻勢に。この時点での相談・受任となった。健康保険に切り替えて、相手損保との摩擦を避け、専門医の治療を継続させた。このまま症状が収まればよいが、1年経過をみて後遺障害申請の勝負にでた。

CRPSの認定基準上、皮膚温度の低下、骨委縮、関節拘縮などが認定条件であるるが、足の小指ゆえにサーモグラフィーに左右差がでずらく、末節骨はそもそも委縮しているような骨である。専門医の治療が継続していること、第5足趾ゆえの特殊性を訴えたが・・・温度差の左右差がわずかであること、骨委縮や関節拘縮がないことを理由に初回申請は非該当の回答。

より詳細に神経症状を専用の診断書に記載の上、実態上CRPSに陥っていることを再請求で訴えたが、上部審査での判断はまたしても同じく「基準外」で非該当。いつもの自賠責であれば、「CRPS特有の治療(疼痛コントロール)が10か月も継続され、アロデニア(異常疼痛)が続いていること」から、症状の一貫性と信憑性により14級9号でお茶を濁すはず。担当者の悪意すら感じる結果が続いた。   【立証ポイント】

審査員を変える必要がある。確かに基準は絶対かもしれないが、本件の場合、自賠責の判断はあまりにも硬直に過ぎる。粛々と自賠責共済紛争処理機構に上げて結果を待った。

今度は、CRPSの基準に完全に満たないものの、症状が信用されて最低限の14級9号の回答。困窮の程度から、12級13号を得たかったが、基準の壁から訴訟認定も困難と考え、連携弁護士の賠償交渉へ進めた。悔しいが一矢報いたと思う。

(令和5年3月)  

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【事案】

2輪車で走行中、駅前ロータリーで合流するタクシーと衝突、脛骨&腓骨を骨折したもの。それぞれプレート固定術を施行した。整復と骨癒合は良好、リハビリを継続した。   【問題点】

流行のデリバリー業、ただし、特別加入制度の労災(👉 労災特別加入の対象拡大)に未加入であった。自身の過失も大きく、相手損保の一括対応(治療費の直接払い)は無かったため、自賠責保険とデリバリー業者の傷害保険(👉 フードデリバリーサービスの傷害保険比較 ①)に頼ることになった。  

術後の経過は良好で、膝関節の可動域も回復傾向だった。機能障害の7号を諦めて、できるだけ改善を目指した。具体的には、症状固定まで1年以上取って治療に集中させ、自賠責と傷害保険にそれぞれ入通院の補償を請求、最後に後遺障害は神経症状の認定を目指した。とくに、この傷害保険は中々に補償が手厚く、何より後遺障害の有利なジャッジを期待した。   【立証ポイント】

主治医の技術に敬服するが、「痛み」の残存で少なくとも14級9号に収めたかった。完治を目指す医師とは相反する診断書になるが、渋る医師に渋々記載を促した。

自賠責の14級止まりは想定通り、過失減額なく満額75万円を確保した。期待通り傷害保険は甘く、12級13号を得た! やはり、相手への賠償金の増額余地は乏しく、計画通りここで矛を収めた。   (令和5年4月)  

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【事案】

バイクで交差点を走行中、左側から一方通行を逆走してきた自動車と出合い頭衝突したもの。

右足の甲の骨(第1中足骨)を骨折。折れ方が骨に水平に亀裂が入る珍しい折れ方で、ボルト3本で固定した。骨はなんとか癒合するも、足を踏み込む際に生じる痛みが長く続いた。   【問題点】

母足趾の動きにやや制限が残ったが、用廃の基準1/2以下には及ばず。それでも、なんとか等級をつけたい。   【立証ポイント】

症状固定を急いだ。リハビリ先の医師の計測では、やはり用廃には至らず。しかし、丁寧に痛みの説明を記載頂き、適時、検査を続けたレントゲン画像から14級9号は認めて頂いた。   過失割合は判例タイムから、自動車同士なら、20(直進):80(逆走)が基本。バイクvs自動車であれば、バイク側に交通弱者修正を加えて10:90となる。・・・懸念はあったが、相手損保は最初から0:100で折れてくれた。しかし、14級となれば・・1割修正を言ってきそうです。

(令和5年3月)  

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【事案】

信号のない横断歩道を横断中、右折してきた原付バイクに衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約2ヶ月の入院を余儀なくされた。直後から手首の痛み、不具合に悩まされる。   【問題点】

相手方に任意保険の付帯がなく、加害者との交渉は難航した。毎度のごとく、無保険の相手では自賠責しか頼ることができなかった。また、手首の可動域制限の数値が12級になるかどうかギリギリのラインであった。   【立証ポイント】

本件は抜釘せずに症状固定とした。後遺障害診断では、医師に怒られながら計測に立ち会い、なんとか12級の数値に落とし込むことができた。

また、最終のレントゲンで尺骨茎状突起が癒合せずに遊離骨片となっていることを見つけたため、医師に追記を依頼し、偽関節での合わせ技で併合11級を獲得する方針で申請をかけた。1ヶ月で結果が返ってきたが、尺骨茎状突起の偽関節は認められず、可動域制限のみの認定であった。

尺骨茎状突起骨折の偽関節・・過去、長管骨の変形で12級8号が数件認められていることから、偽関節を主張して再び申請を行ったが、「遊離骨片となっていることは認めるが、骨端部のほとんどを欠損したものとは捉えられない」という理由で認定はされなかった。「偽関節」か「遊離骨片か」・・・根元からそっくり折れなきゃダメ?、骨片の大きさ? 担当者の独断? 認否を分かつ基準が不明瞭に感じた。   認定例 👉 12級8号:尺骨茎状突起骨折(20代男性・東京都)   この認定を覆すことは厳しいと判断し、12級6号で手続きを進めていくことにはなった。モヤモヤが残る案件となった。

(令和5年2月)

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