最近は事務所内で月1~2回勉強会を実施しています。実践的な知識は即、業務の役に立ちますが、知識の根底となる理論を固めておくことも大事です。

 それでは、昨日の「自賠法と民法」のテーマから、よく質問されることについて、質疑応答形式で回答しましょう。 c_n_10

(質問)  交差点で出会い頭の衝突事故にあい、頚椎捻挫になり通院をしています。また、車の修理費も40万円ほどかかるそうです。相手保険会社の担当者は20:80と、私にも20%過失があると言っています。しかし、ケガの治療費は何故か全額払ってくれるそうです。

 どうして、相手の保険会社はケガの支払いは過失減額しないで払ってくれるのに、車の修理費は20%減額するのですか? 人身と物損で過失割合が違うなんて、納得できません(プンプン#)   (回答)  それは自賠責保険が優先的に適用されているからです。ケガの場合、任意保険会社は対人賠償保険で支払いを代行しますが、120万円までは自賠責保険から回収できます。但し、物損に関する支払いは対物賠償保険で支払います。物損には自賠責からの支払いはありません。

 自賠責は被害者の過失が7割以上もあるような事故でもなければ、過失減額なしに100%支払いを受けられます。だからこそ、自賠責の限度120万円までは、任意保険会社は過失減額なしに支払ってくれるのです。

 保険会社の対人賠償保険約款は民法を基にしつつ、自賠法を優先適用している側面があります。保険会社担当者は腹の傷まない自賠責の範囲で支払いを済ますこと、これを常に目標にしています。  20120120続きを読む »