マニアックな分析に突入しております本シリーズ、しばしご辛抱下さい。

 交通事故被害者さんにとっては、単に「判例タイムス」から自らの事故形態を検索し、過失割合の相場さえ分かれば目的は達せられます。しかし、弁護士や保険会社はそうはいきません! 判例の趣旨、改定の背景を知ってこそ、専門家として踏み込んだ考察ができます。実際、このシリーズは今月の埼玉セミナーで取り上げます。単に過失割合を検索するだけでは、すでにAIに仕事を取って代わられています。専門家には、分析の労が課せられると思っています。    前回に続き、T字路判例について、自動車と二輪車を入れ替えた判例も見ておきましょう。今度は車が優先道路になります。   整理・修正 (8)T字路での車vs二輪車   車 vs 二輪車(車が優先道路)

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 「39」では、T字路での自動車対2輪車も整理されています。旧「38」でのT字路事故は車同士の判例のみでした。車vs二輪車の事故の場合は、単に2輪車を交通弱者として、車同士の割合よりバイクを少し有利に修正していたと思います。    これについては、従来からある判例(車vs車)と、新設された判例(車vs二輪車)を比べてみたいと思います。     新設(7)T字路での車vs二輪車     車 vs 車

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 「39」より新設した判例です。追い越しや割り込みの判例は昔からお馴染みでしたが、駐停車していた車が発進、それに後続車が衝突したケースは何故か載っていませんでした。これまでも、追い越しや割り込み接触の事故を参考に、およそA20:B80で決着していたと思います。    変更点(6)駐停車車両が発進し、後続直進車と衝突      A20:B80    ◆ ...

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 すれ違い めぐり会い 

 ・・歌の歌詞によく出てくる言葉と思います。    狭い道路でのすれ違い接触も、もめにもめる事故の一種と言えます。「どちらが中央からはみ出てきたのか」、「どちらが先に進入してきたのか」、「動いていた、止まっていた」などの応酬が続きます。熱くなった契約者様に保険会社もお手上げです。弁護士費用特約を使って争いたいご希望となりますが、たいてい物損事故で争うほどの金額や過失割合にならないことが多く、(お金にならない)弁護士も腰が引けます。

 すったもんだが続き、結局は50:50に収まることが多く、保険会社に戻って支払うことで終わります。保険会社及び代理店、弁護士、裁判所等、皆を巻き込んで争議が続きますが、最初の保険会社同士による解決案と変わらないことが多いのです。

 先日のセミナーでも、「この(しょうもない)ケースの裁判が多く、裁判所がブチ切れたのではないか・・」と、連携弁護士が述懐しておりました。過失相殺の争いの多く、いえ一部は、結果ありきの不毛な議論が多く、膨大な時間と何より周囲の人的負担だけがむなしく続きます。双方あるいは片方の当事者も最後まで納得はしませんが・・渋々従うことに。せめて、応援して尽力してくれた代理店さんに感謝してくれたら良いのですが…不満しか残らない人が多いような…来年も車両保険に入らないのです。はぁ…交通事故争議の面倒さを物語っています。   変更点(4)狭い道路でのすれ違い事故      続きを読む »

 つい先月、連携弁護士より「この新基準で過失割合を交渉しました」との報告がありました。結果、相手損保の主張「基本過失は20:80からですね」を、「基本は10:90からでしょう?」とスタートしました。   変更点(3) 道路外からの進入車との衝突    続きを読む »

 変更点(2) 路上横臥(道路上に寝ている歩行者)事故      39号では、泥酔して路上横臥した高齢者・身体障害者について、高齢者等の保護修正を適用しない方向が明示されました。従来の38号では明確ではなかった部分です。    実は、弊所でも路上横臥者の受傷事故は、記憶にあるだけで4例を相談・受任、いずれも重傷でした。また、その半分はひき逃げとなっています。一方、横臥者の状態は泥酔が多く、相当の過失が取られても仕方ないと言えます。それでも、高齢者や身体障害者だからと言って、修正要素から寝ていた者の過失を軽くすることについて、「そこまで守る必要があるのか?」との疑問はあったと思います。    まず、基本過失は変わっていません。昨年の「過失相殺クイズ」で取り上げた「路上横臥者の事故」の問題・回答は以下の通りです。   (Q)路上に寝ている人をひいてしまった場合   続きを読む »

 簡素過ぎる労災・障害給付用の診断書、かつてはたったA4サイズで、障害のすべての記載が難しい時期が長く続きました。とりわけ関節可動域の欄が足りない。それが、数年前に両面になり、可動域の記載欄が増えました。それでも、多種の障害に対応しきれていないものでした。それが今月、何気なくDLしたら、なんとA3の両面になっていたではないですか!    表 

 裏 続きを読む »

(答)ケンシロウは    ③ 非該当    7つのキズを合計しても、胸部+腹部、背部+臀部の表面積の4分の一以上の面積に及びません      基準ではそうなります。しかし、目立つキズでもありますので、自賠責の審査員や労災の顧問医にサービスで14級を認めてもらいたいところ・・。もちろん、訴訟上では等級を主張すべきと思います。    「北斗の拳」に登場する男たちは、皆キズだらけです。ジャギの顔面醜状痕は当然に7級12号認定です。また、キズではありませんが、ラオウはケンシロウと最初の戦いで秘孔を突かれて鎖骨を骨折し、「上腕神経麻痺」12級13号レベルになったことがありました。一方のケンシロウは、「左上腕三頭筋断裂」14級9号レベルのケガを負ったはずです。二人共、後遺症なく完全回復したようですが・・。   続きを読む »

   最後の第3問、  

お前はすでに認定されている

   『北斗の拳』、昭和世代はもちろん、パチンコなどから幅広い世代に浸透しています。最近、夜中にリメイク版が放送していました。日常露出しない部位のはずですが、毎回、戦いの際に露出しています。さてケンシロウのキズは・・  

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(答)ルフィは   ② 14級相当

 日常露出しない部位(胸部+腹部、背部+臀部)の 表面積の4分の一以上の面積に醜いあとを残すもの外貌に著しい醜状を残すもの      胸腹部では、手術痕=切り傷を多く目にします。顔面と違って、線状痕での判定はなく面積で決まります。その点、ルフィの胸はケロイド状の瘢痕から面積を満たし、認められると思います。

 また、ルフィは顔面、左目の下に線状痕があります。長さ3cmありそうですから、12級14号も認定されると思います。   続きを読む »

 続きまして、第2問 ワンピースからルフィの胸のキズのです。  

俺は海賊王になる! 後遺障害も取る!

     海軍大将 赤犬(サカズキ)の溶岩の拳によって、ルフィの胸には大きな傷が残しました。火傷に近い瘢痕のようです。交通事故でも労災事故でもありませんが、あえて自賠責保険の等級を想定してみましょう。  

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(答)不死川 実弥は   ① 12級相当

 日常露出しない部位(胸部+腹部、背部+臀部)の  表面積の2分の一以上の面積に醜いあとを残すもの外貌に著しい醜状を残すもの

   胸と腹だけではなく、背中や尻も認定されそうです(すると、併合11級)。すべての部位に及ぶキズの多さから、その合計の面積は4分の1(14級相当)を越えるはずです。

 実際の審査では、精密に面積を割り出すような計算は困難ですので、審査員2名によって、総合的な“見た目”から判断しているようです。   続きを読む »

 醜状痕の研修では恒例となった、アニメキャラからの解説です。醜状痕は基準や理屈を延々と説明するより、写真や図で示すことで一目瞭然です。出来れば依頼者様の写真をお見せしたいところですが、守秘義務から絶対に出来ません。そこで、架空の人物を実例とすることが好都合なのです。    かつてのシリーズ 👉 全集中! アニメキャラの醜状痕は自賠責の後遺障害では何級? ① 鬼を連れた剣士     さて、今年は醜状痕でも希少例となる、 「日常露出しない部位」を取り上げます。日常露出しない部位とは、胸部+腹部と、背部+臀部(お尻)のことです。    それでは、第1問  

鬼を滅殺!風柱 お館様に労災をもらうぜ!

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 どんなにうれしくても言ってはいけません。例え家族でも言わない方が良いです。当たったことは必ず漏れ伝わります。  当たった人に対して誰も賞賛などしません。あるのは「嫉妬」だけです。親しい家族も豹変します。必ず、親兄弟・親戚から「お金を貸して」と言ってきます。友人は「奢れ」とたかってきます。断れば関係に亀裂が入ります。例え、おすそ分けをしても、「なんだ、たったの○万円だけか」と、半分ほどまであげないと文句が残ります。皆、不機嫌になるのです。    これは、交通事故被害者にもあてはまります。かつて、脚がズタズタに骨折した被害者さんがおりました。切断は免れましたが、一生片足が不便のままです。入院中からリハビリまで、奥様はもちろん友人まで、色々と助けてくれました。今後も家族の補助は続いていくでしょう。    最初は、気の毒な被害者だったのです。    ところが1年後、この被害者さんの人生は激変します。後遺障害は5級レベルで数千万円の賠償金をとりました。ついで身体障碍者手帳を取得し、大手会社に障害者雇用として就職しました。軽易な業務ながら、中々に良い給与をもらえます。賠償金でレクサスを購入し、高級腕時計を身に着け颯爽とドライブ、高級宿に障害者割引で頻繁に旅行です。それを見た友人は、「あの時、色々と助けてあげたのに、お見舞い返しのタオルしかもらっていない・・」と不満を漏らします。友人が一人、また一人と離れていきました。

 親戚も「お願い、お店の回転資金が苦しくて・・少し貸して」と言ってきます。貸したら戻りません。親戚の借金などは、たいてい踏み倒されます。そして、貸さなければ恨まれます。

 奥様も献身的に介護を続けてきました。今後も一生、面倒を見ていくことになります。治療中は本当によく尽くしてくれたのですが・・・数千万円の賠償金が入った後、「私の介護負担分は?」と折半の要求です。対して被害者さんは「これは俺の慰謝料だ!」と拒絶しました。以来、夫婦仲に亀裂が入って、ついには離婚して財産分与の話にまで発展です。この奥様は「がめつい」のでしょうか? 一生、介護負担の覚悟をしなければならないのに、主人だけが大金を独り占めに我慢がならなかったのでしょう。    この被害者さん、大金を手にしたのですが、周囲の嫉妬と戦う日々となりました。別に運よく宝くじが当たったわけでもなく、脚の障害と引き換えにお金を手にした瞬間、「気の毒な人」から「気に食わない人」になってしまったのです・・。    もう、結論はお分かりですね。”お金が入ったことを人に言ってはいけない”のです。また、それを悟られるような派手な生活も控えるべきなのです。それで周囲の人は嫉妬に狂い、本人は孤独となってしまいます。もう全員が不幸になるだけです。お金などない方が、気の毒な被害者のままで周囲と上手くいったのです。    このような、人間のどす黒い感情を知ってから、私は交通事故被害者さんに、とりわけ大金を得た方に口を酸っぱくして言い続けています。「賠償金が入ったことを言ってはダメです。例え親兄弟でも。」 もし、しつくこく聞かれても、「雀の涙で」と返し、絶対に額を言ってはいけないのです。そして、通帳と印鑑を貸金庫へと指導しています。お金を盗み出すのは、他人や泥棒より家族や親戚ですから。    以上、やや極論に感じた方もいると思いますが、時折、耳に入ってきた実話を総合しました。お金が入ったことが知れると全員が不幸になる、これは法則と思っています。   

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 今年3月末、ついに「判例タイムス」の新版が発売されました。昨年から薄々予想していておりましたが、前号から12年ぶりとなります。かなりの期間が空きましたので、その間、多くの判例の蓄積があったと思います。主な変更点をシリーズでチェックしていきたいと思います。

 まず、最初に挙げるべき最大の変更点を急ぎUPします。   変更点(1) 高齢者修正の年齢基準変更   38号:おおむね 65歳以上   39号:おおむね 70歳以上    従来は65~69歳の歩行者・自転車側に有利な修正(+5~10%程度)でしたが、39号からが70歳以上と引き上げられました。つまり、65~69歳の被害者側には不利な方向へ変更されます。これは長寿化を反映した結果と思います。    私見としては、高齢者と言っても、その人ごとに健康度合いや体力の差が大きくなると思います。元気でジョギングしている現役70歳もいれば、杖をついて病院通いの65歳もいます。一律○歳で高齢者修正をかけることは、必ずしも実状を反映するものではありません。しかし、基準は基準です。過失割合に大きな変化あり、と言えます。    次回 ⇒ 判例タイムス39 その変更点シリーズ ②  

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 4年に1度、オリンピックを超える参加国となる、まさに世界最大のスポーツイベントであるサッカーワールドカップ2026が6月より開催されます。そのサッカー人気ですが、漫画・アニメの代表は「キャプテン翼」で異論はないと思います。アンリ、ロナウジーニョ、デル・ピエロなどスター選手も読んでいたそうです。ガットゥーゾはまさかの石崎推しだそうです。もはや、日本を越えて世界中に影響を及ぼしたコンテンツと思います。    さて、サッカー選手にケガはつきものですが、キャプテン翼では作中、選手(その家族なども含む)が試合中以上に、異常なほど交通事故被害にあっています。この機に調べてみました。噂通り、信じられない位に交通事故の災厄に見舞われていました。   【1】選手   1.MF 大空 翼

 第1話、幼少期の翼君はトラックにはねられます。ただし、ボールを持っていたので、そのクッションのおかげで奇跡的に無事でした。まずは、将来の日本の至宝にケガがなくて良かった。翼君の伝説は交通事故から始まったのでした。    2.GK 若島津 健

 空手出身のゴールキーパーです。日本代表チームで一番ケンカが強そうです。小学生の頃、トラックに轢かれそうな子犬を助けるために大怪我を負いました。肩と足の骨を折って1か月近く入院した為に、全国大会への参加が遅れたそうです。日本のNo1キーパーは若林 源三ですが、彼はちょくちょくケガをするので、若島津の出場が多くなります。    3.MF 岬 太郎

 父は放浪の画家、まるで”裸の大将”山下 清 画伯みたいな父をもった転校族の岬君も被害に。ワールドユース大会の日本代表に合流する前に妹・美子さんをかばって交通事故に遭い、左脚に大きな負傷をしてしまいました。大会出場は絶望と思われましたが、懸命のリハビリで決勝戦に間に合い、途中出場でゴールを決めて日本の優勝に大きく貢献しました。ちなみに妹さんは、放浪の画家に三行半(かどうかわかりませんが)、離婚した母方に残った妹さんです。複雑な家庭ですね。   4.GK ジノ・ヘルナンデス

 ワールドJr.ユース大会前、翼を乗せた自動車が幼女を跳ねそうに、その瞬間、幼女を救ったのはイタリア代表GKのジノ・ヘルナンデス選手でした。幸いと言うか珍しくケガはありませんでした。実は、その幼女こそドイツ代表FWのカール・ハインツ・シュナイダーの妹マリーさんでした。交通事故で3つの優勝候補国が絡むと言ったドラマチックな展開でしたが、この絡みはその後のストーリーにまったく関係なく、「どうして交通事故にこだわるのかなぁ」と疑問だけが残りました。     【2】選手のご家族など    1.FW 日向 小次郎の父

 日向君が小4の頃、父がトラック運転中の事故で亡くなっていることが語られています。小次郎はサッカーの名門、私立東邦学園に中高一貫進学しています。学費は交通事故の保険金、交通遺児への給付金等があてられたと思います。それでも母子家庭4人兄弟の長男となり・・苦労人なのです。   2.MF ステファン・レヴィンの彼女

 スウェーデン代表のエース。ワールドユース大会の1年前に、交通事故でフィアンセであるカレンを亡くしています。それからレヴィンはすっかりスレて、殺人シュートを開発するなどダーティーな選手となりました。しかし、日本との試合中にサッカー本来の姿に気付き、人間性を取り戻していきます。  2026大会では、日本と同じ予選リーグにスウェーデンが入りましたね。3戦目に対戦します。   続きを読む »

 自賠責保険と労災、それぞれの等級が食い違うことは、申請前にある程度の予想はしています。それを踏まえた賠償交渉への対策が望まれます。    実は、弁護士からの相談で多いものは、「自賠責が12級、労災が10級なので、異議申立で自賠責も10級になりませんか?」、逆に、「自賠責が7級、労災が9級、労災も審査請求で7級になりませんか?」等々です。もちろん、等級変更の可能性はあります。それは、申請書類に遺漏があったり、労災の顧問医が独断に過ぎたり、いわば、認定基準以外の問題と言えます。まれに、審査側のミスもありますが、極めて少ないものです。多くの場合、認定内容を分析しますと、「それぞれ(食い違いますが)正しいジャッジです」との回答が多くなります。それでも、依頼者さんの納得が得られず、自賠責に再請求、あるいは労災に審査請求を強いられ、その手間と(無駄な時間?)がかかるようです。

 秋葉事務所では、そのような無駄を極力排除しています。それは、申請前に「自賠責は○級、労災は○級を予想します。理由は、それぞれ認定基準が違い、かくかくしかじか・・。」さらに、食い違った場合の対策を申請前から進めます。したがって、依頼者さんの困惑や怒りは昂じません。    それでは、最後に「食い違い対策」をまとめてておきます。相談中・依頼中の弁護士他に、私達のような見通しと策が無いと見たら・・早めに見切りをつけるべきと思います。簡単な問題ではないと思います。     (1) 等級の食い違いと賠償交渉の実際

 任意保険の多くは、自賠責保険の等級から賠償金を計算します。裁判でも、賠償保険たる自賠責の等級をより参考にします。自賠責保険の認定結果はそれなりに重いのです。ただし、労災の低等級は、相手方の「(自賠責は7級だが)障害は労災に同じく9級では?」と言った反論の材料にされそうです・・・。

 裁判では、被害者側がその反論に対する反論の主張を重ねて、まぁ自賠責の等級が優位に進むことが多いものです。つまり、労災の低等級はややマイナス印象から、何より相手の反論を呼ぶことになり、その反論潰しの面倒が生じると言えます。結果の多くは・・慰謝料は自賠責の等級を維持も、労災の低等級の影響以上に個別具体的な審議の結果から、逸失利益が減らされることが多いようです。

 逆に、労災が優位等級の場合、被害者側は労災の認定等級をプッシュすることになります。結果は上記に同じく、自賠責の認定等級が有利です。しかし、裁判こそ”個別に具体的に”審議する場ですから、裁判官に対し「実際は自賠責等級を上回る障害である」と、しっかり主張します。決め手は、おそらく事故から数年経過しているであろう現在の症状、治療の継続実績や最新の検査結果など、基本通りに証拠を揃えます。単に「労災は○級でしたから!」程度の主張では、補強的な証拠に留まります。    (2) 自賠責保険の等級で勝ち逃げ?

 裁判になると等級が下がりそうな件、相手保険会社が等級の判断を裁判に持ち込もうとする危ないケースがあります。前回の実例にもあったように、症状固定から劇的に回復が進んだケース、自賠責保険の基準が有利に反映し、実状より重いとみられてしまう認定等級などが挙げられます。つまり、裁判含め交渉次第で、自賠責保険の認定等級の維持が困難と思われる件です。この場合、先に保険会社と自賠責保険の等級を基に任意交渉を進め、(多少、妥協しますが)示談を済ませ、その後に労災の申請をかけました(労災・障害給付の時効は5年もあるので)。

 「自賠責で勝ち過ぎた」などとは思いませんが、秋葉事務所ではこのパターンもしばしば・・連携弁護士と呼吸を合わせて進めています。高次脳機能障害に限らず、自賠責の認定等級が圧倒的に有利で、裁判の実質審議に耐えられないケース全般に採用する策です。      ① ただし、先に示談する際の注意 👉 申請の順番が違うだけで!?(労災編)    ② ↑ その解決策 👉 労災が適用できる場合の示談について    ①と②の論点こそ重要です。これを知らない先生に任せると・・大損することになります。交通事故の保険請求・賠償請求とは・・本当に難しい論点ばかりですね。    ※ なお、裁判になってしまうと、労災・障害給付への申請を急かされることになります。なぜなら、裁判官が賠償金の請求額を決定する上で、労災支給分を控除する必要があるからです。      (3) 人身傷害保険も検討する

 もう一つの策です。自身の過失が半分近くあるような事故では、過失減額があります。ガチに相手と争うより、低い保険金額にはなりますが、自賠責保険の等級はそのままとなり、過失減額のない、人身傷害保険への請求で解決することもあります。計算上、有利であることから、過去何度か人身傷害で解決を図っています。  頼んだ弁護士先生には、あらゆる試算をして頂き、ベストな選択をする目が求められるのです。  続きを読む »

 自賠責保険の後遺障害は醜状痕を除き、原則、書面審査です。とりわけ、レントゲンやCT、MRIなどの画像所見を重視します。その徹底した態度は、診断書すら軽視するほどです。診断書で「肩腱板損傷」と診断されていたとしても、それが画像上、明瞭に所見が確認できなければ無視されます。被害者の訴る症状など、もはや参考程度です(もちろん、障害の前提としては必要ですが)。  

 医師の診断よりも、自賠責側の画像判断で決まります。

   また、レントゲンではっきりわかる骨折と違い、靭帯損傷では軽度なものから手術を要する中程度~重度(断裂ですね)まで、損傷の程度が違います。これも、主治医の下す診断名や損傷程度より、画像から”後遺障害と認めるか否か”を検討します。被害者さんがいくら「痛い」、「腕が曲がらない」などと症状を並べても、それに見合った画像所見でなければ信用してくれないのです。

 このような、画像重視の姿勢が度々、被害者さんの訴える症状と認定等級のギャップを生んでいます。

   さて、本題に戻ります。労災の審査と比べてみましょう。    労災では顧問医の診察があります。もちろん、その診察に際し、診断書や画像も当然に提出され、事前・事後に認定等級の検討をします。先に述べたように、自賠責は画像所見でばっさり障害の有無を判断しますが、労災はその性質が”労働者への補償制度”であるところ、本人の訴えや顧問医の診断から、やや画像所見が不明瞭でも、顧問医の判断で認定しています。実際に手首の曲がりが悪いことを、顧問医が診察で確認、あるいは計測することもあります。自賠責は画像を観て「そのような高度な可動域制限が生じるものとは捉え難く・・・」とばっさり否定します。しかし、労災では診察から実状を考慮して頂けるようです。文章審査だけの自賠責と違い、温情を感じるところです。    では、その実例を列挙します。以下の診断名において、自賠責と労災は明暗を分けています。      【1】TFCC損傷の判断 ~ この診断名では、自賠責14級/労災12級は毎度のことです   👉 実績投稿:TFCC損傷、自賠責と労災の違い   続きを読む »

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