ガソリン臭を帯びたヌルヌル泉、メタメ酸による浴感はまろやか。      山形県の新庄駅から車で30分、穏やかな山里に3軒の宿が連なる羽根沢温泉にちょっと1泊しました。観光地と呼ぶには程遠い、温泉の為の温泉地でした。

 お湯は評判通り、油好きにはたまらない臭いと浴感です。現在はマニアックな温泉地ですが、大正8年に油田採掘の為に発見された温泉として、名を馳せたそうです。かつて、団体客が押し寄せた旅館は広々としていますが、この日の泊り客は数組、夜の旅館内は寂しい雰囲気になります。古い温泉旅館の多くは、おそらく7割は未使用の部屋、物置と化した大広間(宴会場)が残っているのです。

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