おそらく、世界一有名な死亡・交通事故と思います。ほとんど毎日のようにパパラッチに追われる生涯ですから、いつか、このような不幸な事故が起きてもおかしくありません。単なる自損事故では済まれない、やるせない交通事故でした。
パパラッチの責任は・・ ダイアナ妃
イギリス貴族スペンサー伯爵家の令嬢として誕生。チャールズ皇太子と1981年7月に20歳で結婚も1996年8月に離婚。常にゴシップに追われ続けた生涯については、マスコミ報道でご存知と思います(私はまったく興味がありませんが)。
離婚後は慈善活動に幅広く取り組んでいましたが、1997年8月31日、執拗なパパラッチからハイヤー(メルセデス・ベンツ S280)で振り切ろうとして事故。瀕死の状態で救急搬送されたダイアナ妃は、4時間後に息を引き取りました。パパラッチの追跡が交通事故を誘因したとして、大変な問題になりました。
ホテル裏口から出発のベンツは4人を乗せて、追跡してきたマスコミの車をまこうと、135キロ~150キロという猛スピードでコンコルド広場からアルマ広場へ向かう途中、まず、トンネルで他車と接触事故を起こし、次いで、中央分離帯に正面衝突しました。運転手と、当時交際中のドディさんもシートベルトを締めていなかった為に即死、ボディーガードのジョーンズさんのみ生存となりました。後の調査で、実は全員がシートベルトを装着していなかったと判明しました。
付近の通行人であった医師が救急車を呼び、救急隊が到着するまで、その医師と追っていたカメラマンの一人がダイアナの応急処置にあたりましたが、それ以外のカメラマンは写真を撮っているだけ・・彼らは、殺人罪と緊急援助義務違反の容疑でフランス警察に逮捕されました。
自損事故ではありますが、過激なパパラッチの取材が事故を誘因したと言えます。しかし、逃げるためとはいえ、ひどいスピード超過と、何よりシートベルトをしていなかったことに、自己責任は問われます。
交通事故回避と損害の抑制は、スピード順守とシートベルトに尽きる、この基本は変わらないと思います。