最終更新:2019.11.27

 

腱板損傷の後遺障害申請で非該当になる原因と等級をとるために大切な事

 

今回3つのパターンを紹介しますが、⑴、⑵に依頼すると殆どの確率で残念な結果になります。

 

⑴交通事故経験の少ない弁護士

患者の言う事と医者の診断書を信じすぎる傾向にあり。

⑵そこそこ経験がある弁護士

必要無い検査や画像鑑定を行い、結局事故との因果関係を的確に立証できない傾向

⑶秋葉事務所の場合

 

これほど言っても、悲惨な結果になってからセカンドオピニオンで秋葉事務所に来るのです。

もう無理だって…と涙で枕を濡らすこともありますよ。

 

交通事故(肩の後遺症・腱板損傷の後遺症)に強い弁護士と弱い弁護士の典型例

※「後遺症が取れたらご連絡ください」と言う弁護士は論外とします

 

(1)交通事故案件の経験少ない弁護士の場合

診断書を見て、「腱板損傷」を最初から丸ごと信じます。「肩関節の可動域制限が1/2ですので、後遺障害は10級10号が見込めます!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

しかし、自賠責の等級は「非該当」もしくは大サービスで「14級9号」となるはずです。そこで、腱板損傷で10級取り、3000万を超える慰謝料が貰えると、期待させた依頼者から散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、画像所見は相手損保の顧問医の意見書から否定され、負けは必至となりました。毎度お馴染み、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。結局、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果となります。

交通事故に限らず、弁護士先生は、医師の診断書(その他の公文章)を信用し過ぎる傾向があります。イノセントとは言えますが、経験不足は否めません。このようなケースを何件もみてきました。

 

 

(2)交通事故にそこそこ経験ある弁護士の場合

「ちょっと待って、診断書の診断名や可動域の計測値は置いておいて、MRIで腱板断裂の所見は得られているのでしょうか?」からスタートします。そして、訴える症状を検証しますが、微細な断裂、深層断裂、疎部損傷?・・よくわかりません。流行の画像鑑定なども考慮します。つまり、事故受傷との因果関係から、臨床上の診断名が賠償上維持できるか慎重になります。

結局、自賠責の認定結果を待って、認定等級を前提に賠償交渉を計画するしかありません。おそらく10級どころか、12級もつかないでしょう。運よく14級9号が関の山です。問題は腱板損傷」の診断名にこだわる依頼者をどう説得するかでしょうか。

 

 

(3)秋葉事務所の場合は腱板損傷での後遺症等級を逃しません

 

もし気になるならば、実績投稿をご覧ください。

秋葉事務所上肢(鎖骨~腕)の認定実績

 

弊所は最初から「腱板損傷」の診断名に懐疑的です。前提として、受傷機転と治療経緯を慎重に検証します。「その程度の衝撃で棘上筋が切れるの? 直後は激痛で動けないはずなのに運転して帰った? 病院に行ったのは3日後? MRI検査や確定診断も数ヵ月後?」・・これらの事情を聞けば、事故外傷による腱板損傷と思えなくなります。

つまり医者は何かと腱板損傷と診断名を付けたがりますのでまずは、そこを見極める必要があるのです。何故なら自賠責の判断基準を見極める必要があるからです。

 

自賠責の後遺障害認定基準は、診断名や画像所見以前に、まず、常識判断をしているものです。

 

これらの前提に加え、相談会ではMRIの画像所見を見出すまでは、診断名を妄信しません。画像所見の次に肩関節の可動域をゴニオメーターで計測します。診断名+画像所見+可動域の数値の一致を確認します。そもそも、町の個人開業医に専門的な読影を求めるのは酷です。案の定、画像所見は微妙、せいぜい”疑い”の域をでていません。多くは、「陳旧性の損傷」になります。陳旧性とは本件事故ではない、古傷や年齢変性を指します。したがって、「この程度の追突の衝撃で腱板損傷は説得力がありません。もし、衝突の衝撃で棘上筋が切れたのであれば、激痛で救急搬送は必至、大の男でもハンドルなど握れず、運転どころではないですよ」と続けます。

 

以上から、3つの対応を選択します。

 

真性の腱板損傷:事故後遺症10級レベルの立証

 

本件では可能性が極めて低いのですが、もし、棘上筋断裂であれば肩の専門医の診断を乞います。肩関節の1/2制限など、本来、手術が適用される重度損傷です。

秋葉事務所が指定した専門医のもと、もしMRI撮影済みでも再度3.0テスラMRI検査を重ね、専門医の診断書と検査所見を完備します。

それまで通院した小池クリニックの診断や精度の低いMRIはあくまで、補強的な医証へ下げます。そして、間違いのない等級認定を固めてから弁護士につなぎます。

 

1軍の診断書・MRIを揃えて、2軍の診断書・MRIで補強し、信用も固め、見事高い等級を獲得するのです。

 

陳旧性の腱板損傷:後遺症立証の為に必要な事

 

被害者さんの受傷機転と直後の治療経緯から 、恐らく陳旧性の病変と予測できた場合。被害者さんのスポーツ歴、職歴を尋ね、確信を得たら、元々事故前から肩に変性があったと説明、前原さんの理解を促します。

ここでもし本当に肩関節に2分の1制限がかかっていたとしても、2分の1制限を主張すれば詐病者扱いになる場合があるのです。

その基準は先程説明した自賠責の判断基準を知っているからです。

被害者さんには、この程度の病変部で、肩関節が1/2も挙がらないなどと主張すれば、詐病者扱いになりますよと戒めます。

理解を得られたら、早速被害者さんと共に病院へ同行し、立証に必要な検査・診断書を完成しにかかります。

 

もっとも、理解も得られない。明らかな詐病者であれば、初回相談で終了、お帰り願います。

 

事故直後から肩の痛みが発症した場合:腱板損傷で後遺症14級獲得

陳旧性であっても、事故受傷から痛みを発症するケースもあります。これはムチウチに同じく、引鉄論として、医学的に説明がつきます。事故の衝撃でインピンジメント症候群を発症したケースを数件、経験しています。簡単に言うと、歳をとって棘上筋等のささくれが肩関節を動きを邪魔し、中高年のいわゆる四十肩・五十肩の症状となります。これは経年性の内在的な病変ですが、事故を契機に痛みを発することがあります。これを、自賠責は「外傷性の肩関節周囲炎が惹起された」と推測、14級を認定しました。もっとも、歩行中、車にはねられて肩を強打したケースでした。自動車搭乗中にコツンと追突されて・・では一笑に付されます。この手の多くは、頚肩腕症候群と言って、頚部神経症状由来の肩の痛みが原因です。

 

したがって、外傷性肩関節周囲炎にしろ、頚椎捻挫にしろ、真面目にリハビリを継続し、適当な時期に症状固定、先生に診断書の記載をお願いします。ここで、過度な可動域制限の数値などは敬遠させます。できるだけ、肩の可動域は自助努力で回復させるべきです。すると、症状・治療の一貫性から、神経症状の14級9号認定の余地を残します。ややグレーながら症状の信憑性があれば、自賠責も鬼ではありません。

 

こうして、現実的な解決に導くことが、交通事故のプロであると思います。結論として、本件の前原さんは、受傷機転と直後の治療経緯から、事故との因果関係どころか信憑性も程遠く、等級認定は難しいと思います。

ここまで緻密に検証されては、依頼者も納得して解決へ舵を切ります。

交通事故の専門家は、診断名だけで判断せず、陳旧性か事故受傷に起因する所見かを区別する必要があるのです。一歩間違えると、(1)の弁護士さんの例のように、診断名が迷走、事故解決は遠のくばかりです。

 

実はこの記事は前回の続きです

腱板損傷前編

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