多くの指の認定例を誇る秋葉事務所でも、まだ未経験の部位・症状があります。今後、それらの受任と実績を待つとして、自賠責・労災の認定基準を明確に把握しきれないケースについて、最新の認例実績をもとに解明していきたいと思います。

 指のケガを検索、秋葉事務所に引っかかった方は、どしどしご相談下さい。初の相談例であっても、指にまつわる経験則は抜きんでていると思いますので。
 

 
【1】 DIP関節における機能障害の等級認定は?

 DIP関節は指の一番先の関節です。根本の関節(MP)、中間の第二関節(PIP)、親指の場合は(IP)・・これらの機能障害、欠損の認定基準は上の一覧表を見れば、容易に判断できます。しかし、細かい症状で悩むことがあります。最初に取り上げるのは、第1関節(DIP)の障害です。機能障害としての認定基準、例えば可動域制限などは明記なく、14級7号が唯一明記されています。
 
「14級7号:1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」
 
 このような障害の代表は、いわゆる「突き指」で第一関節が曲がったまま固まった状態でしょうか。多くは、伸筋腱か屈筋腱の損傷を原因に、そのまま長期間装具固定した、あるいは放置した結果、関節が拘縮してしまった状態です。こうなると、手術での改善も時すでに遅しに感じます。

 この後遺障害で秋葉が感じる謎は、「屈伸できなない=硬直」は当然として、では、「伸ばすことはできるが曲げることはできない(伸びたまま)=伸展拘縮」、逆に「曲げることはできるが、伸ばすことはできない(曲がったまま)=屈曲拘縮」、これらも14級7号に該当するのか?です。 まずは、基礎解説から(交通事故110番より)。
 
(1)伸筋腱損傷の基礎解説
 
指を上から見たときの解剖図

伸筋腱が断裂すると、筋が収縮しても、その力が骨に伝達されることはなく、手指を伸ばすことができなくなります。切創や挫創による開放性損傷と、創がなくて生じる閉鎖性損傷、皮下断裂があります。皮下断裂は、突き指などの外力によって生じるもので、これが圧倒的に多数です。

開放損傷により、手の甲で腱が断裂したときは、MP関節での手指の伸展が不良となります。しかし、手背部の伸筋腱は、腱間結合という組織で隣の伸筋腱と連結しているので、完全に伸展することはできませんが、一定程度までの伸展は可能です。

症状としては、手指の関節の伸展が不良となります。 骨折と違い、強い疼痛を伴うことはありません。DIP、PIP関節の背側での皮下断裂は、放置すると伸筋腱のバランスが崩れ、スワンネック変形やボタンホール変形という手指の変形に発展します。

開放性損傷では、早期に開創し、短縮している腱の断端を引き寄せて、縫合しなければなりません。DIP、PIP関節背側での皮下断裂は、一般的には、保存療法で治療、装具により、手指を伸ばした状態で4週間以上固定します。この間、固定を外さないようしなければなりません。病的断裂では、手関節背側で生じた皮下断裂は、オペが必要です。断裂した腱の断端同士を縫合ができないことが多く、腱移行術や腱移植術などが行われています。

 つづく
 

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