週末に専門書を取り寄せました。ペインクリニック?神経ブロック?星状神経節?漠然とした単語が続きましたがだんだんわかってきました。

 
■ 痛みのしくみ

 痛みには「有用な痛み」と「無用な痛み」の2種類があります。
 体に傷を受け、痛みが起こると、反射的に自律神経系の交感神経が緊張し、副腎(腎臓の上部にあるホルモン分泌器官)からアドレナリン(血管や内臓を支配し、全身の活動力を高める働きをする交感神経を刺激して、心臓や血管の収縮力を高めるホルモン。一般に興奮状態を促すものと解釈されています。)が分泌され、心臓の働きが早くなり、血圧が上がり、呼吸も大きくなります。血管が収縮し、障害された局所への血流が少なくなり、血管が固まり易くなって、血液が失われるのを防ぎます。
こうした自分の体で「痛み」を直そうとするは「有用な痛み」です。これは体を守るための応急処置といえます。しかし何日も、何か月も、何年も、続く慢性的な「痛み」となると話は変わります。
 もう警告の役目はとっくに終わっているのに、スイッチの切れた警報器のようにいつまでも続く慢性の疼痛は「痛み」そのものが病気です。これによって体力が失われ、ケガの回復を遅らせ、辛い状態が続きます。

■ 神経を「ブロック」するとは?

 先週に述べた通り、神経ブロックは皮膚の外から注射針を刺し、麻酔液を注入することです。
つまり、脊髄から分かれる末端神経を麻酔液によって麻痺させ、抹消神経節から脊髄に渡る神経伝達を遮断します。これによって「無用な痛み」の伝導路を断ち切るのです。

■ 星状神経はどこにある?

 先日の被害者さんも「あれって喉から刺すんですね・・」と言っていました。頚部=うなじ、と思う方も多いです。
 頚部の交感神経節は上から、上頚神経節、中頚神経節、椎骨動脈神経節、そして星状神経節の4つです。星状神経節は長さ約3cm、幅1cm、厚さ0.5cmで、最新の研究で第一胸椎の横にあることがわかりました。(古い本では第7頸椎の横と記載されていますがこれは間違いです。)つまり首の付け根、鎖骨のすぐ上のあたりでしょうか。

      ← C7(第7頸椎)の下がT1(第一胸椎)です

 
 出かける時間になってしまいました。明日は自律神経に踏み込みます。