今まで大勢の交通事故被害者さんの相談を受けてきました。面談数は2000人まであと少しですが、昨年からのコロナで相談人数は微増で、足踏み状態でしょうか。

 事故相談では、被害者さんの職業は重要な情報です。弁護士にとっては、休業損害の請求に関わることです。私達にとっても、ケガの状態と業種や業務内容から復職時期の想定に関わる情報として欠かせません。もちろん、受任前であれば、被害者さんの意思で教えて頂くことになります。その中で、謎の職業もあるもので、深く聞くことに躊躇われるケース、本当にそうなのか疑問になるケース、すんなり腑に落ちないことが度々ありました。今日はそんな、思わず「?」となる自称の職業を特集したいと思います。
 
1、ネットトレーダーです

 年配の人にとって「?」職業の代表です。元々、株式のトレーダーは存在しています。株もネットで完結する時代ですから、これも含むと思います。問題は、さらに深く「何を扱っているのですか?」と聞くと、より謎が深まる傾向なのです。物品と答える人は、恐らくヤフオクやメルカリで売り買いしているのでしょう。転売ヤーもこれに含むのでしょうか。とにかく、ネット上での転売で生活が成り立っているのか、聞きたいところです。一応、休業損害請求に絡むので、「税金、申告していますか?」と聞くこともあります。たいていは、「していません」とのことです。

 詳しく聞けば聞くほど、職業として成立していないことがわかります。多くは、家でネットゲーにハマっている人達です。ネットトレーダーとは、ニートの仮称に思えることがしばしばです。
 
2、ユーチューバーです

 これもネットトレーダーの亜種に思えます。近年、スポンサーを抱え、仕事として成立している才人もいるそうです。しかし、詳しい人に聞くと、そんな人はほんの一握り、ほとんどは仲間内で観られているだけ、内容も大したことない動画を趣味程度にUPしているだけだそうです。

 それでも、近年の「小学生が将来なりたい職業」でベスト10入りしているからすごい、憧れの職業なのです。まだ、交通事故被害者でお会いしたことはありませんが、遠からずやってくるでしょう。
 
3、ピアニストです

 かつて4人お会いしました。多くはコンサート活動で生計を得ているわけではなく、ピアノ教室のママさん先生です。それはそれですごい達人だと思います。しかし、自信満々にピアニストを名乗る方(圧倒的に女性が多い)に、「ヤマハとか楽器店に所属しているのですか?」と聞くと、「いえ、そうではなく、結婚式で演奏の依頼を受けたり・・」、声が小さくなります。さらに突っ込んで聞くと、「友達の結婚式でピアノを弾いた」程度らしいです。もちろん、税金の申告はしていないそうです。それでは、職業ピアニストとは呼べません。

 結婚式でピアノ弾く程度なら、秋葉でも何度も余興でやっています。その程度でピアニストとは名乗るなどありえません。とかく、芸術系の職業に多くの人が憧れます。しかし、音楽家に限らず、小説家も画家も絶望的に狭き門です。生業にできる人など、ほんのわずかです。それでも、臆面もなく名乗り、あるいは盛ってしまう人が後を絶ちません。

 ある自称ピアニストはご両親と同居で、正確には(近所のコンビニの)アルバイト勤務です。無職とまでは言いませんが、本来の職業は「家事手伝い」「花嫁修業中」が近い・・昭和はこのような便利な呼び方をしたものです。
 
4、公務員です

 詳しく聞くと、市役所や県庁に勤務していません。要するに、役所の下請け企業に勤めています。中には、公務員と肩を並べて同じように働く職種もあるようです。しかし、正確には準公務員と名乗るべきです。公務災害(公務員の労災)が使える方も多いようなので、私達にとっては公務員でも良いのですが・・。

 
 このように、職業を不正確に盛る方は多いものです。ご自身のプライドもあるのでしょうが、一緒に事故の解決に向かうに色々と心配です。
 

 

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