事故の被害について簡単に保険会社が支払ってくれないケース・・・例を挙げますと、過失割合での主張、全損での損害額(修理費に満たない)、格落ち損害、双方に過失がある場合の代車代、業務での休車損害、法人経営者の休業損害、これらが代表的でしょうか。
もちろん、損害が生じたことについては、丁寧に証拠を揃えて交渉します。場合によっては、弁護士などを介して進めることになります。筋の通った主張や、民法に沿った要求であれば、渋々保険会社は応じると思います。一方、どう考えても無理筋な要求、疑わしい損害額、法律上叶わない主張、これらはいくら弁護士を介しても、裁判で訴えても、ダメなものはダメです。
問題は、ダメな理由を丁寧に説明しても、納得して頂けない方です。損保代理店の場合、それが契約を頂いているお客様となります。私も代理店時代、支払わない保険会社と、請求するお客様の板挟みになり、苦慮したものです。それでも、熱意をもってご説明することで、ご理解頂けたと思います。しかし、どれだけ丁寧に時間をかけて、心を込めて説明しても、ダメな方がわずかにおります。この場合、契約は落ちても仕方ないと思っています。100%他人を説得することなどできません。人は神ではないのです。
姿勢としては、熱意とポリシーをもって臨むことです。被害にあったお客さまの心情を汲みつつ状況をご理解頂くこと、感情を理解しつつ冷静に考えて頂く事、それらを尽くしてもダメなら、お別れも仕方ないとした経営理念です。
損保マン(代理店)からの相談の一定数は、「請求は困難だが、お客様が納得しない」件です。秋葉としては、いつも以下のように対応しています。
「代理店さんはどこまでいってもお客様の味方でなければなりません。そこで、私のような部外者、あるいは法律の専門家である弁護士から、是非や対策を説明します。」
このような第3者の説明を尽くした結果、お客様は少しづつ冷静になって頂けます。このような人の機微を知って、”説得ではなく納得”を促すことによって、少なからずご理解下さいます。それでもダメな方・・・今後のお付き合いは考えた方が良いと思います。顧客との関係上、万事、お客様の要望に押される関係が良いとは思いません。わからず屋とは、結局どこかで関係は破綻します。早い見切りも大事かと思います。ベテランの損保マンは、皆これをわきまえています。