裁判所へは久々です。入り口から鳴り物入りの裁判の傍聴のため、マニア?の列がありました。やはり地裁でも東京は物々しさが違います。

 案件を弁護士に引き継いだ後も、書類の収集等で被害者さんと弁護士の間をつなぐ仕事は続きます。この被害者さんとも、もうすぐ2年の付き合いです。この裁判は後遺障害の有無、程度を争うもので、医学的な証明も含め非常に長く、難解な審議となっています。初期にしっかり後遺障害の認定がなされていれば、このような苦しい戦いを避けられたはずです。

 受傷時に救急車で運び込まれた場合、病院は選べません。しかし早い時期に間違いのない治療及び診断ができる病院へ行かないと、後遺障害の認定まで悪影響が続きます。本件はその最悪例と思います。被害者も最適な治療先に落ち着くために、主体的に動く必要があるのです。そしてその助力をすることが私たちMCの仕事でもあります。

 交通事故の解決はまず弁護士が浮かびます。しかし交通事故を専門に、もしくは精通している弁護士に巡り合わなければ、おざなりな結果を招きます。しかし行政書士やメディカルコーディネーターが前面に立って「交通事故の解決は私たちに!」と訴えても被害者のほんの一部にしか声は届きません。多くの方は弁護士に相談します。それが重篤なケガであったり、難しい交渉が必要なものであれば当然のことです。やはり現在推し進めている弁護士との連携、共同受任体制が現実的です。

 「立証」と「賠償」という交通事故の2大局面に対し、弁護士がメディカルコーディネーターを上手に使いこなしていくことが理想です。しかしまだまだ多くの弁護士がその有用性に気付いているとは思えません。アプローチをするべき対象は被害者だけではないのです。受傷直後から担当し、MCを寄り添わせること・・・これができればこのような厳しい裁判をせずに済んだのです。引き続き、「受傷初期からの完全対応」を弁護士に対しても訴えていく必要があります。今日の裁判はそれを再確認させられるものでした。  

 裁判官:「この書類は誰が書いたのですか?」

 原告側証人:「行政書士さんです」

 口頭陳述でこのようなドキッとするやり取りがありました。

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 and I’ve been working like a dog  ♪

4時起床、申述書仕上げ、7時事務所から自動車で出発、3時間かけて千葉県九十九里へ病院まず1件、その後野田市へ病院2件目、越谷の事務所に戻り電話かけまくり、自動車置いて、電車に乗り換え都内、弁護士事務所へ、そして新橋の病院3件目、その病院に夜11:50まで・・・タクシーに乗り、0:20銀座オフィスに戻る、当然pm9:00からのスカイプ会議に間に合わず(皆さんごめんなさい)・・・しかも今日の病院訪問はほとんど目的果たせずに /(´Д`。)  

  こんな日もあるさ、さっさと寝ます! I should be sleeping like a cat

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 二日間の横浜~厚木相談会を終えて帰宅しました。今回の所感を少し。

1、相談者の数は減少か増加か?

 ここ数か月、首都圏の複数会場、複数の弁護士事務所の報告を聞きますと、相談者が増えているところと減っているところと2分化傾向です。どこの会場、事務所もHPでの募集が中心ですが、もはやHPでの差別化も古い考えのようです。派手で情報が豊富なHPがあまりにも増加し、かえって没個性になっているのかもしれません。  では増加傾向の会場や弁護士事務所は・・・分析したデータからではなく、あくまで私の推論ですが、相談会の定期開催や全国展開、その活況ぶり、これが目を引いているように思えます。交通事故被害者をお客さんとみなすのは不謹慎ですが、いわゆる「客が客を呼ぶ状態」でしょうか。「人の集まるところに人は集まる」心理はすべてに共通のようです。

 今月はすでに4回の相談会に参加していますが、定期開催しているところは安定的に相談者も伸びています。  相談依頼があったら個別にアポを取って事務所で面会をしている=昔ながらのやり方では効率が悪いばかりではなく、じり貧のようです。相談会のネットワーク網の充実は正しい方向性と思っています。

2、心身症患者は相変わらず多い

 厚生労働省の統計でも心の病気、心身症の患者さんは軽重合わせて国民の約30人に1人とも言われています。心を患っている、もしくは予備軍の人が交通事故にあったら・・・多くの場合、他覚的所見が少ない割に重篤な症状に陥ります。中には僅かな衝撃の事故でも体が動かなくなってしまったり、痛みや不眠、めまいなど不定愁訴が何年も続いてしまう・・・毎回、このような被害者さんが必ず一人はいらっしゃいます。乱暴な言い方ですが、交通事故の解決とはつまり、お金での解決です。その為に私たちのできることは損害・障害の立証であって、治療はもちろん、心の病を癒すようなことは専門外です。  しっかり補償を受けて解決を目指す、事故の収束に前向きな姿勢の方ならお役に立てます。しかし医師でも原因のわからない、そして精神的な病の方にはお力になれないのです。

3、遅い、遅すぎる・・

 今回の相談会でも受傷後3年もかかってこれから賠償交渉という方も目立ちました。もちろん重篤な骨折により手術を繰り返したならば、相当の年数がかかってしまいます。しかし当然ながら回復も進み、後遺障害の等級はダダ下がりです。もちろん限界まで回復を目指す努力は大賛成です。しかし症状固定とは症状の増悪緩解が一定の状態になった時期を指します。もう少し早めに等級申請し、早期解決するべきではないかと思う方が少なくありません。なぜなら、事故が解決せず、仕事に復帰せず、だらだらリハビリを続けた結果、社会からの断絶と社会的信用を失うといった、2次的な被害を被るからです。

 ある程度回復努力を果たし、一時金をもらってさっさと交通事故被害者から卒業し、不便ながらも仕事復帰し、傍ら地道なリハビリを継続する、このうようなロードに乗ってもらいたいと思います。

     だって胃を全摘出した人でも半年後は働いてるのですよ!

 (保険屋さんの気持ち=「なんで交通事故被害者だけそんなに長引くのよ!」)

  追伸: M事務所の皆様、M先生、T先生、K先生、本日はありがとうございました。

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 神奈川県集中、2日連続の相談会です。首都圏の活況は続いています。交通事故被害者の増加は喜ぶべきことではありませんが、多くの被害者に適切な解決へ導くべく、こちら側もさらなる奮起が必要です。

 この地域では病院同行をするメディカルコーディネーターが不足しています。地味でマイナーな仕事からか、適材の発掘が進みません。被害者に寄り添い、損害・障害の立証をお手伝いする人材を広く求めています。資格、経験は問いませんが、できれば40歳未満の女性が望ましいです。メディカルコーディネーターは女性のしなやかな感性が生きる仕事です。現場へ直行・直帰、フレキシブルな勤務体制なので、既婚・子育て中の主婦でも可能です。

 詳しくは↑お知らせの募集欄からお問い合わせ下さい。

 イメージ的にキリッとした姉御肌、篠原 涼子さんかな?

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 今日は病院4か所同行、かなりタイトな移動スケジュールでした。今日の医師面談から感じたことを少し。文例研究シリーズは明日から再開します。

 メディカルコーディネーターの業務は医師に診断書・検査を依頼し、医証の収集を行い、障害・損害の立証を実現することです。しかしこれだけではありません。最も重要な事が含有されています。それは障害を残さず、完治を目指すことです。それはもちろん医師の仕事であって、私達ができることは限定されます。しかし稀に立証作業を通じて、医師が気付かなかった病変部をみつけることがあります。「〇〇症の疑い」から確定診断へ、そして医師の適切な治療へつなげます。また、場合によっては紹介状を依頼し、専門医への受診に誘導することもあります。これらの業務も一種の「連携」であると言えます。  昨日の面談の2件は改善が進まない症状について、改善の見込みや時期について医師と打ち合わせを行いました。そして想定できる障害等級と症状固定時期の検討を行い、等級の上下が読めない以上、症状固定時期を延ばして治すことに舵を切りました。早期の症状固定によるメリット、デメリットの観点も必要ですが、それはあくまで完治と言う究極の目標に付随されるべきことです。  昨日の医師は常に患者側の声に耳を傾け、このような検討にも心を砕いて下さいます。大変ありがたく思っております。 

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 交通事故・後遺障害の立証に必携、交通事故110番「部位別マニュアル」に新刊が加わりました。

平成23年3月の改定に準拠、「新基準対応版」です。等級申請手続きや裁判でもまだ手探りの感がある障害ですが、最新データとともに多くの実例を盛り込みました。高次脳機能障害を担当する弁護士、行政書士、医療関係者、各関係団体の皆様へ是非お手に取っていただきたく思います。

『交通事故 後遺障害診断書 高次脳機能障害』  著者 宮尾 一郎 (NPO法人交通事故110番 理事)     秋葉 祐二 (行政書士)

 ご購入はこちら→ http://jiko110.com/scb/shop/shop.cgi?No=86

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 文例研究シリーズの合間に少し違う話題を。

 首都圏相談会・交通事故戦略会議も規模が拡大、弁護士事務所の協力もあり、全国各地で開催されています。全国の行政書士、MCも大車輪の活躍です。私が担当する首都圏も行政書士2人、MC2人の4人で担当していますが、多くの弁護士事務所の参入で、年中無休状態です。  先週金曜日は新しい試みとして平日に開催してみました。相談者さんも休日の方が足を運びやすいであろうと、土日中心の開催でしたが、平日もなかなかなもの、9名のご参加を頂きました。それぞれ解決に向けて皆真剣です。いくつか所感を。

1、弁護士事務所をはしご

 事故の解決を誰に委ねるか?相談者さんによってはかなり勉強をしています。そしてほとんどの弁護士事務所が無料相談会を開催していますので、複数に当って比べている熱心な被害者も増えました。いままでの弁護士の対応であれば、「症状固定し、後遺障害等級を取ってから」ではないと話が進みません。いずれの弁護士事務所でも「何級が取れるのか?」には慎重な対応となっていると思います。  しかし私達は違います。骨折部位、骨折の状態、治療の経過、現在の状況から、何級が想定されるかを検討します。さらに「このままの状態では腕で〇級、足で〇級」と断言するようにしています。等級の認定が解決へ向けての最大論点です。そして「それまで何をすべきか」、「最後にどのような交渉手段をとるか」・・・必要な事務と落着点を整理します。  私たちの相談会ではこの「目標とロードマップ」を提案することを主眼にしています。曖昧さを排除しなければ、被害者は情報過多で迷ってしまう傾向があるからです。よい道筋を示すことができたでしょうか?

2、優等生の被害者

 相手の保険会社ともめ続けて、いよいよ相手保険会社も弁護士を入れてきました。「さぁ困ったどうしよう?」、この段階で相談にいらっしゃる被害者さんも少なからずおります。散々無茶な請求を行い、怒りにまかせて罵って・・・相手保険会社の態度を硬化させた結果です。正直、弁護士はこの状況での受任を嫌います。後遺障害等級がとれないのなら尚更です。治療費や休業損害の継続についての交渉は医療立証が難しいだけではなく、その獲得金額からでは弁護士報酬は多く頂けないからです。結果として弁護士に受任されず、弁護士デパート(めぐり)、、途方に暮れて、相手弁護士(保険会社)に屈します。 続きを読む »

 全国の行政書士、メディカルコーディネーターと定期的に情報交換をしています。理想は定例の研修会の開催ですが、全員が同時に集合するのは至難です。しかし技術を活用、スカイプを使えば全国同時にテレビ電話状態で会議ができます。第一回目は先週土曜日の深夜、6名同時にスカイプ会議となりました。連絡事項は各担当から一斉に行い、資料は随時その場でメール送信します。利便性抜群です。

 私達の話題は常に後遺障害認定の最新情報です。現在抱えている案件について、次々と質問が飛び交います。質問に対して6人の中から経験者の回答がなされ、皆同時に勉強ができるのです。この仕事は経験則に基づく情報の集積と少しの創造性です。全国に情報を共有できる仲間がいること、これが何より被害者救済の力になります。    しかし4時間もの電話に付き合わせてしまい・・・途中、お手洗いに行く者や飲食する者、寝る者?まるで女子高生の長電話です。    神戸の事務所は途中電気が消され真っ暗になってしまいました。秀くん先生は暗闇からの参加でした。

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  まだまだ暑い日が続いていますが、本日8/31は夏を惜しみ、満月の光のもと、某デパートのビアガーデンで暑気払いでした。  日ごろお世話になっていますY弁護士事務所のお招きで、私と山崎先生の2名は2次会のカラオケまでごちそうになりました。もう感謝感激です。  またなんと言っても平素の業務とは違った顔?の先生方に接することができて、爆笑の連続です。体の疲れより精神の疲れがやっかいですが、お陰様で大いに癒されました。

   

 カラオケでは小室〇哉、尾〇豊、槙原〇之などが次々と・・・「この人は実刑判決?執行猶予?」等、確認しながら刑法の勉強にもなりました。

 Y事務所の皆様、ありがとうございました。

P.S. 

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 昨日は都内の某耳鼻科へ。脳の障害を原因する嗅覚、味覚の異常を訴える被害者さんをお連れしました。

 医師から検査の立会についてご許可を頂きました。私は出来るだけ検査に立会うようにしています。まさに被害者と一心同体で進める立証作業です。しかしそれだけではありません。実際に体験、見学すると障害への理解がぐっと深まります。書物だけの知識ではぼんやりしたイメージしか持てませんが、見たもの、体験したものは段違いです。

嗅覚

1、T&Tオルファクトメーター

 甘い匂い、焦げた匂い、腐敗臭 等々・・・5種類の匂いを試験管のような筒の先につけて、それを嗅いでもらい、濃淡0~5まで段階評価します。特に腐敗臭は同じ部屋にいても匂ってきます。この強烈な匂いが匂わないの?・・・嗅覚が完全脱出した被害者さんもいました。時間はおよそ20分程度です。           

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 先週は茨城、昨日は群馬、北関東の各地で協力弁護士が続々と名乗りを挙げています。既に全国各地の交通事故、被害者救済の志を持った先生方とタッグを組んで共同歩調をとっています。しかし首都圏は東京を中心に活動していますので、意外と北関東は手薄なのです。

 茨城では7名の被害者の相談をお手伝いしました。こちらの弁護士先生は終始、笑顔と温和な雰囲気で被害者に対応していました。とても温かみのある先生で、被害者も安心して帰途についていきました。山崎先生の地元なので、病院対応も含め万全の体制が構築できるはずです。

 群馬の先生とは相談会に向けた打ち合わせでした。都心から高崎線に乗り2時間半、遠路はるばるなどとは言ってられません。志ある先生との仕事の為には遠路も厭いません。しかしながら初対面で激しく叱責を受けてしまいました。言葉使いや姿勢に対してのお叱りです。大勢の弁護士の先生と一緒に仕事をしていますが、慣れからか配慮の足りない事があったようです。被害者救済に突っ走っている中、視界が狭くなっていたのだと思います。反省しなければなりません。同じ歳ながら厳しいご指摘を下さった先生に感謝です。

 あとは栃木も!。北関東地域、今後の進展が楽しみです。

    下館駅。 駅中の空テナント、賃料が月45000円でした!

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 以前、来秋から改定される自動車保険:割引等級の改定について取り上げました。改定の内容は秋以降、各社の全貌が整ってから改めて解説する予定です。

 週刊誌などでもこの改定に注目しているようで、サンデー毎日の記者から取材を受けました。仲間の行政書士である宮崎県の上田先生と私のコメントが掲載されています。

 従来のように保険会社側や保険評論家なる先生方だけではなく、NPO法人交通事故110番の代表、宮尾 一郎氏をはじめ、保険のユーザー側からの意見も求められています。

 全国紙なのでここでも取り上げましょうか。

(クリックすると大きくなります。少し重いですが文章は読めます)

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 長期の休み明けには相談メール、電話が集中します。

 メールで必要情報を明示してくださる相談者さんへは非常に答えがし易いです。基本的な情報を把握できるので、大まかな方針が示し安く、細部を聞きこめば、より踏み込んだ話も可能です。

 対して電話の方は、一から基本的な情報を聞かなければならないので、長電話になりがちです。お互い非効率的であるといえます。また名前も名乗らないような非常識な方も多く、一方的に断片的な質問、断定的な答えを求めてくる特徴があります。

「〇〇の場合、保険はおりますか?」・・・事故全体の情報がないと「支払われるケースもありますが、支払われないケースもあります」と答えなければならなくなります。

「私の障害は何級が認定されますか?」・・・これも画像も診ずに、電話の話だけでは絶対的な答えなどできようがありません。

 このような相談者はきっと明確な答えが得られず、方々へ電話しているのだと思います。

 自身の事故を本気で解決したいのなら、安易な電話作戦など甘いですよ。それ相当の準備、姿勢で臨んで下さい。自ら基本事項が整理できる、メールフォーム(お問い合わせの欄をクリック)の利用をお勧めします。

 なにより解決に向けて周到かつ前向きな被害者さんを助けたいのです。

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 今日から通常業務復帰です。休み中も細々と事務をやっていました。クライアントさんのみならず、仲間のM/C、行政書士、弁護士からも毎日のようにメールがきました。皆も完全に休めないようですね・・・

 さて本日は厚木で4件の被害者対応です。M事務所の弁護士先生と共同で面談し、M/Cを派遣するもの、直ちに賠償交渉に入るもの等々・・・交通事故解決のロードマップを作成します。この解決への道筋ともいうべき計画を作るには、弁護士は当然として、M/C(メディカルコーディネーター)を含めたチーム体制が効果的です。

 賠償交渉前にやることがたくさんあります。相手保険会社との折衝、医師との打合わせ、症状に応じた検査、後遺障害等級の申請、労災の申請、刑事記録の取得、ご自身加入保険の洗い出し・・・これらを弁護士先生が一人で担うのは現実的ではありません。これらをM/Cや他資格者、事務所内の補助者等が分担します。これは保険会社類似の体制といえます。 例えば交通事故の加害者になった場合、まず加入している保険会社に事故報告をします。そしてサービスセンターと呼ばれる事故対応セクションにおいて、被害者のケガ・病院の対応を人身担当者、被害者の車の修理・弁償の対応を物損担当者、そして担当者のもとで、医療調査員、物損アジャスターなど複数の人員が動きます。また場合によっては顧問弁護士、顧問医師などが助力します。  これを被害者側で構築していこう! 

 これが私達が現在、推進している完全解決メソッドです。

 この体制が進展すれば、規模の大きい弁護士事務所などは保険会社の逆サービスセンターになります。

 被害者救済の最も進化した体制作り・・・これも私たちのライフワークのようです。

  p.s. 

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 サッカーは男女とも好調、メダルまでもう少しです。男女とも頭を使った試合運び、必死に走りながらも11人が計算をしながらゲームを進めているように感じます。特に先取点を取ってからの落ち着いたゲーム展開に感心させられます。国際経験を多く積んだ選手によって、もはやサッカー後進国ではなく、先進国を目指す中堅国の余裕でしょうか。あとは何かの勢いが味方してメダルを奪取してほしいです。もちろんゆっくり見ている時間はないですが応援しています。

 サッカーに限らず多くの球技において先取点は大事です。特にサッカーは先取点がゲームを決める競技と言えます。前回ワールドカップのデータによると全112試合で逆転勝ちはわずか3試合。引き分けの16試合を除くと93試合は先制点を取ったチームが勝っています。先取点を取ったチームが勝つ確率は実に83%にもなったのです。その他Jリーグのデータでも先取点を取ったチームの勝率は常に70%オーバーです。   タイトルからサッカー話で終始してしまうところですが、ここで交通事故賠償へ話を展開します。

 賠償交渉とは被害者側が加害者にまず「いくらいくらの損害を弁償して下さい。」からスタートします。そしてその根拠である資料と証拠を相手に示さねばなりません。法律用語で言うところの「挙証責任は原告(被害者)にあり」です。まずこれが原則と思って下さい。

 しかし交通事故の場合、そうでもないのです。それはダメな弁護士と保険会社担当者の関係で成立します。昨年も取り上げましたが、交通事故に不慣れな弁護士に交渉を依頼した場合の最悪例を参照して下さい。  →  首都圏相談会2月お疲れ様でした。そして弁護士について

 委任契約はしたけれど、一向に保険会社に対して賠償請求書を送らない弁護士。そして焦れた保険会社担当者から「こんなもんでいかがでしょうか?」と任意保険基準に色を付けた(少し金額を上乗せした)賠償提示書が届きます。そしてそれをたたき台に「もう少しここを上げて」と形ばかりの交渉をして、示談してしまう弁護士・・・。この弁護士は最初から交渉の主導権を保険会社に渡しています。保険担当者も「この弁護士はくみ易し!」とにんまりです。これは保険会社に先取点を取られたことを意味します。

 賠償の原則どおり、先に「これだけ払え!」を突きつけるのが交渉の第一歩です。払いたくない相手に先に計算させて「こんなもんで」と様子を見られてどうするのでしょう?交通事故賠償でも先取点が命です。なめられた弁護士はどこまでもなめられます。 弁護士に委任したが「仕事が遅いな?」と感じたら、保険会社に請求をしたのか確認する必要があります。

 私たちが連携している弁護士は等級認定後、ただちに請求書を突きつけます。少なくともそのようにすべく私達が支援体制を整えています。

 保険会社に対し証拠を最初からドンと提示、紛争センターでも最初の1~2回での早期斡旋を目指します。

 また某弁護士は裁判において要求されるであろう証拠をなるべく先に集めて、第一回弁論ですべて提出する準備をします。相手保険会社は諦め顔、裁判官も審議が早く進み原告側に好印象です。    交通事故の交渉でも勝ちたいなら先取点を取らなければなりません。

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本日の病院同行は医師面談かないませんでした。この病院では2度目の空振りです。受付では別に面談時間(予約)を取ってほしいとの回答でした。前回は医師から「症状固定時には会います」との回答を得ていたので、少々がっかりです。気を取り直して面談予約したいと思います。三顧の礼など苦になりません。

 前提は病院側の体制、事情を尊重することです。毎日多くの患者を担当する医師にとって1分1秒も無駄にできません。後遺障害や保険会社や裁判など治療後の事など迷惑以外の何物でもありません。患者にとっては今後の治療費の確保にも非常に重要な問題なのですが、医師にとって目の前の治療の必要な患者さんが優先なのです。

 このような医療側の常識を認識した上でメディカルコーディネーターの仕事を進めていかねばならないのです。軽々しく「医師面談は簡単ですよ」などと言う法律家さんは毎回良い医師が続いているだけです。多くの経験を積めばわかることですが・・・。

① まったく面談のかなわない医師、およそ40人に1人です(昨年の統計)。

  ・・・だからほとんど面談OK=97.5%の面談率です。

② さらに面談できるが診断書や紹介状は面倒、検査等も協力しない、とにかく高圧的な医師は10人に1人です(同統計)

  ・・・したがって87.5%まではなんとか協力を取り付けることができます。

③ さらに後遺障害診断書について無関心、てきとう・不正確に書く医師は5人に1人(同統計)

  ・・・したがって67.5%までは私の仕事によって、正確な診断書へ落ち着かせます。

  これらを合計すると「32.5%の医師には大変苦労する」と分析できます。

 ではその32.5%に当たったら、「選んだ医師が悪かったので諦めましょう」と言えますか?

 その被害者は救えないのしょうか? 

 この32.5%がメディカルコーディネーターにとって勝負なのです!

 なんとか医師と面談に漕ぎ着け、後遺障害立証にご理解を頂き、しかるべき検査、診断書の作成まで協力を仰ぐ、そして全くダメなら転院させる。

 67.5%は私ではなくても「そこそこの者」が介入することで助けることができる被害者です。しかし被害者から報酬を頂くこと、それは100%が要求されるのです。絶望的な状況下にある32.5%の被害者を救う、まさに被害者の運命を変える仕事です。

 現在仲間の行政書士、メディカルコーディネーターを目指す人達に「医師100人面談」を運動・推奨しています。それだけ面談すればどんな医師に会おうとおのずと対処方法を身に着け、優良・不良の病院・医師の判別が進み、医療ネットワークが構築されていくからです。    どんな資格を持とうと、どんなに机上の学習を積んでも、知識・情報が豊富なホームページを作成しても、それだけではメディカルコーディネーターとして一人前にはなりません。経験を積まねば実践の役には立ちません、つまり32.5%を救えません。私たち実務家は単に交通事故・後遺障害に詳しい「学者」や「先生」を目指しているのではないのです。

 以上、年間100人の医師と会い、200件の病院同行をした上での意見でした。

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 週末は恒例となりました六本木会場での相談会でした。連携の弁護士、交通事故チームとも呼吸が合ってきました。どのような状況の被害者であっても、各分野の専門家の参加により、しっかり対応できていると思います。  無料とはいえ、相談者にとって有益な回答を行い、納得して帰っていただくことを目標にしています。なかには即時、行政書士、弁護士が有償対応すべき場面もありますが、アドバイスに留めるケースもあります。それはある程度解決の形が見えてきて、被害者本人で完遂できそうな場合です。もう一つは逆に高望みせず、現実的に進めるべきと判断されるケースです。

 例えば14級が認められた被害者ですが、「12級の可能性はないか?」、このような相談も毎回のようにあります。対して多くの専門家は「12級は難しいから・・・」曖昧な回答を行います。結果、被害者はさらにモヤモヤして帰途に着きます。私たちの場合は、症状と画像、診断内容を見比べ、さらに腱反射など神経症状を実際にテストします。なぜ12級ではなく14級なのか、しっかり検証します。多くの方はこれで納得しています。

 また、ここ数回で目立つのは「なぜに14級がとれず非該当なのか」です。以前も14級9号について独自理論で解説したことがありました。→14級9号を考える

 14級9号とは「画像や検査、診断内容から神経症状が医学的に証明されていないが、治療経過からそれなりに重篤な症状が推測できるもの」に対して認定されます。それはつまり被害者の窮状が信用してもらえたということです。それが認められなかったのは何故か?・・ズバリ、調査事務所に訴えている自覚症状を信用してもらえなかったのです。  14級すら取れず非該当となった相談者に対して、非該当の理由を資料から必死に読み取ります。それでも明確な理由が見当たらない時があります。よくよく聞いてみると受傷から現在に至るまで、その交渉過程や治療過程で信用されなかった「因果」がでてきます。

 基本は自覚症状を裏付ける医師の診断と画像・検査所見です。加えて症状の一貫性、治療経過の自然さも重要な審査項目です。そして明確な審査基準はないと思いますが、背景に浮かぶ被害者の素性や人間性、これらもしっかり審査されていると思って下さい。調査事務所は年間数万件の後遺障害を審査しているのですよ。どんなに後遺障害に精通した弁護士や行政書士が専門家を名乗ろうと、誰よりも後遺障害審査のプロなのです。私はその事実を謙虚に受け止めています。

 ツリーよりタワー派です。  

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  六本木会場の相談会ですが、月の第三土曜日は今回が最後です。9月からは平日に移り、なるべく隔週で実施していくことになります。そして第三土曜は丸の内周辺で従来の首都圏会議の形を継続します。お陰様で多くの相談者さんの後押しにより、相談会が発展しています。感謝はもちろんなのですが、相談者の増加に複雑な心境になります。   この20年、死亡事故、重大事故の数自体は減少傾向です。しかし後遺障害の申請・認定数は微増を続けています。そして保険会社の対応力ですが、掛け金の自由化にさらされ、なりふり構わず支払削減に走っている会社もあります。被害者を取り巻く環境は相変わらず厳しいようです。 

今日から週明けまで都内滞在です。メール等でのご連絡を推奨します。よい週末を!

 

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  交通事故被害者業務を行う、行政書士、メディカルコーディネーターの仲間が全国に11名おります。日頃、お互い経験則の共有や情報交換を行い、業務に役立てています。全身2千か所に及ぶ交通事故外傷を経験するには、一人の、一事務所の業務では到底追いつきません。また多くの経験則を持ったベテランの指導が絶対に必要です。大勢の被害者、相談者を前に「私には未経験の外傷なので詳しい先生に聞いてみます」ときっぱり答えることができます。世間にはあまたの「専門家」「先生」が事故相談の宣伝をしていますが、一体誰の指導を受けて、どれだけの経験を積んで専門家になったのか気になるところです。多くの相談者から「〇〇弁護士、〇〇行政書士に質問したけど、よくわからない返事だった」と聞くことがあります。これはつまりその先生がよくわかってない証左です。誠実に「わかりません」と答えない事で被害者を迷わせてしまっているのです。 この点において、この道第一人者の指導と、士業、医療のネットワークを全国に持つ私たちのグループを誇りたいと思います、

  さて、神戸の夜では懇親会中でも「排尿障害の検査で・・・・・・括約筋不全で・・・・・審査は・・・・」熱く語る私、対してドン引きのホステスさん。いつでもどんな場所でも交通事故外傷の話題ばかり・・・少々呆れられました。   何と言っても先日ウロダイナミクス検査の成果を得て、得意満面だったもので。(皆さんごめんね)    続きを読む »

 初の横浜相談会、首都圏会議も他士業を巻き込み拡大路線ばく進中です。

 今回印象に残った相談をいくつか箇条書きで。

1、上肢の短縮障害は?

 自賠責保険の認定項目に下肢の短縮障害があります。しかし上肢、腕の短縮については項目がありません。認定上、明らかな障害であれば「相当」という判断をすることがありますが、基準外としてばっさり非該当とする場合もあります。今回の相談者は重篤な骨折、筋損傷の為、可動域制限はもちろん、見た目でもわかる短縮障害となっています。この被害者の障害を立証するために、各士業の連携で総力をあげて取り組みます。

2、なぜに高次脳機能障害が認定されない?

 診断書にしっかり「高次脳機能障害」が書かれているのにまったく無視されています。何故か?  昨年の高次脳機能障害認定基準の改訂で、「疑わしき案件」は調査事務所が医療照会、本人・家族への照会用紙を送ることで「見落とされない」工夫が盛り込まれました。しかしそのような様子もなく、認定結果の理由書でも触れられてません。理由は実に明快でした。提出先はJA(農協)の自賠責共済だったのです。JAでは高次脳機能障害の特別な審査機関がありません。つまり審査担当者が「高次脳機能障害をさっぱりわからない」状態で事務的に判断、処理したものと思われます。  今後、自賠責保険の窓口がJAの場合、気を付けなければなりません。

3、なぜに14級が否定された?

 頚部神経症状、治療実績と一貫性、それなりに条件を満たしているのになぜか非該当の被害者の相談です。私たちもあれこれ非該当の理由を探します。そしてどうやら突き止めたのはMRIの提出がなされていない事でした。骨折等の明確な外傷がない場合で、「局部に神経症状を残すもの」を明らかにするのは軟部組織を描出するMRIが絶対的です。しかしこの被害者さんは「外傷性を明確にする所見がない」との医師のコメントから提出を控えてしまったのです。確かに外傷によるヘルニアや椎間孔の狭窄などは滅多な事では起きません。しかし年齢変性を伴った頚部に、外部からのショックによって神経症状を惹起(じゃっき)する・・・これが外傷性頚部症候群の「引金論」の説明です。  本例は深読みしすぎた失敗例と言えます。

4、何とかして14級を取れないものか・・・

 骨折、腱損傷等、器質的損傷が問われる後遺障害。しかしそれらがないと、いくら痛みが治まらなくても打撲・捻挫の扱いとして後遺障害は否定されます。医学的な常識では捻挫・打撲は一定期間で腫れが引き、「治るもの」なのです。  痛みの残存を訴えるご夫婦の相談者ですが・・・いろいろと知恵を絞って検討しましたが・・・最後には「同乗のワンちゃんはケガしませんでしたか?」と、犬のケガにまで及びました。「ワンちゃんで14級を取れないか」、一瞬真剣に考えてしまいました。  ちなみにペットのケガは法律上、所有物とされ、物損扱いの損害となります。      そして中華街へ・・・

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