自賠責保険の後遺障害審査で必須となる画像、主にレントゲン、CT、MRIなどですが、これを集めるのに一苦労があります。病院によっては、患者自らの請求ですら、快く応じてくれません。提出先や理由を聞かれ、申請書を書くこともあります。ただ、フィルムの時代から比べれば、現在はCDやDVD-ROM化していますので、病院側の手間は減ったと思います。

 また、別の問題として、その価格があります。パソコン操作でソフトに焼くだけの手間、それも15分もあれば完了するものです。手間賃に等しいものと思います。およそ500円~2000円が多かったと思います。クリニックですと、純粋にソフト代として10円~100円だけ、中には0円もありました。一方、医療情報の開示にあたるので、カルテ開示同様、厳密なルールのもと、開示費用に扱いで5000円~数万円がありました。それなりの規模の病院で、費用名目や価格も決まっている印象です。

   前置きが長くなりましたが、私共のような業者、もちろん保険会社からの請求も多いと思いますが、それらに対して異常に高額な請求をする病院が存在します。確かに昔はレントゲンフィルムをコピーする手間があり、フィルム代も安くはないので、画像1枚=1000円程度は普通でした。しかし、現在はディスクに焼くだけ、パソコンのひと操作で完了するのです。それを、未だに画像1枚当たり=〇〇円で計算する院が残っています。レントゲン数枚ならまだしも、CTやMRIは言わば連続写真のようなもので、一部位の画像が数十枚になるのです。数度にわたり検査したとすれば、100枚を超えることは珍しくありません。

 かつて、フィルムが廃れつつある中、ある大学病院に画像を依頼したところ、「1枚あたり1000円ですので、フィルムコピー代は、えーと合計246000円ですが、払えますか?」との回答でした。ほとんどの患者は諦めるはずで、それを期待したような物言いでした。数年前まで、この有名大学病院はディスクに焼かず、(CTやMRIまでも、わざわざ観ずらい)フィルムの対応で、その高額な費用で困っていました。現在はそのような意地悪はしなくなり、ディスク1枚=2000円位で焼いてくれるようになりました。弊所では、この医事課の責任者に、さんざん苦言し続けたかいがあったと思っています。

 最近になっても、個人経営のクリニックで、このようなフィルム時代の名残のような1枚=〇〇円対応がありました。ディスクに焼くだけの手間で、例えば18枚のレントゲンを(おそらくワンクリックの手間なのに)、1枚=2000円+消費税、さらにディスク作成費用加算と言った、ひどい請求がありました。画像検査専門の病院では、放射線科の読影報告書付ながら、ディスク1枚のコピー代は2~3千円です。ただディスクに焼くだけを、いくら自由診療だからと言って、病院側の悪意すら感じます。    このように、自由診療扱いをいい事に、めちゃくちゃに価格幅があることは、業界全体の不審になるものと思いま。つまり、健保治療のようなガチガチの点数制限はないまでも、ある程度の価格相場、推奨金額を決めて頂けないものか、医師会に対して切に願っているのです。  

 

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 私共の業界では、当たり前に使用する専門用語で「ROM」があります。これは医療、とくに整形外科において、医師はもちろん理学療法士・作業療法士などを含め、日常用語レベルです。また、介護関係者にも通じます。    改めて、説明をしておきましょう。   関節可動域をROMと略します(Range of Motion)。これは、体の関節が痛みや傷害などが起きないで運動できる範囲のことです。関節可動域は、どれだけ動くかを角度で表記します。関節可動域は、患者に必要なケアやリハビリ計画を立てるために重要な計測数値です。関節を中心とした身体機能を評価することで、障害の程度や困難となる生活を把握し、改善目標を立てるために役立ちます。

 計測する分度器をゴニオメーターと呼びます。秋葉事務所では4種のゴニオメーターを常備しています。  

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 市場が移転した豊洲埠頭は道幅広く、周囲を億ションに囲まれた新しい街です。本日はこちらに病院同行でした。やや潮風を感じます。      最寄り駅はゆりかもめの市場前です。セカンドオピニオン外来でしたので、予約通りにスムーズに受診できました。ビル内の新しい病院ですが、院内は従来の病院とかけ離れたもので、ホテルのような内装でした。    さて本件ですが、開放骨折を伴う難治性の骨折の治療は、時間がかかります。ひと昔前なら切断肢のレベルだったと思います。専門医の説明によると、骨癒合が進むまで、変形を矯正する為の再手術はしばらくできないそうです。しかしながら、変形・湾曲した長管骨は再骨折の可能性が高く、再骨折すれば直ちに骨の形成術が可能となるそうです。    難治性骨折の治療は長期戦です。幸い労災治療なので、相手保険会社のプレッシャーは弱く、じっくり治療を進め、再手術と症状固定の前後やタイミングを検討することができます。本件は相手が一方的に悪い事故ながら、労災治療のメリットを活かしています。  

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 健康診断で唯一、異常の指摘を受けているがLDLです。いわゆる悪玉コレステロールと言われているものです。この数値が高いと、血管内にプラークが生じ、血管が狭く固く(動脈硬化)してしまい、心筋梗塞や脳梗塞に繋がります。つまり、脂質異常症は、警戒すべき成人病の一つです。

 脂質異常症は、それが自覚症状として、なんらかの発症を得ることがなく、静かに体を蝕むサイレントキラーの一種と呼ばれています。今年の数値は170でした。ここ数年、高値のまま、やや下がってきてはいます。その基準値ですが、119以下を推奨されています。また、140以下なら問題ないとの文献もあります。そして近年の研究結果から、LDL単体の数値だけでなく、HDLとのバランスや中性脂肪の数値と並べて、総合的に判断すべきとされています。

 確かに医師の判断にも幅ができたようで、140超えたら即スタチン服用としない傾向です。その人の体質や、家族の血管系の疾患なども加味して、200未満なら、食事と運動、生活習慣の改善で足りると判断する医師も多いようです。また、高血圧や糖尿病の人は、血管へのダメージがダブルでうなぎ上りで危険度がぐっと上がるそうです。その場合は服薬がより推奨されます。私の場合、20代から現在まで、血圧や中性脂肪が標準値よりもかなり低いので、医師は「それほど危険視する必要はない」とのことです。

 また、LDLが豊富な食品として卵の黄身がありますが、食生活上、控えるよう指導されていたことも、過去のものです。LDLの70~80%は体内で生成されるもので、食べ物からの影響は少ないことが分かってきたからです。脂質や油ものを控えることは変わりませんが、総合栄養食として優れた卵を控える必要など、余程に過剰摂取しない限りないそうです。

 このように、健康診断の数値をどう判断するか、薬の処方、長じては生活習慣の改善とその取り組み方まで、エビデンスは日夜変化しているのです。ただし、来年はLDLを140アンダーにするよう、日々取り組みたいと思います。    

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 ざっくり、血液検査のことを指すものと解釈していました。観血的手術の際、術前検査で血液を調べ、数値が問題なければ手術、との流れでしたので。

 誤解があってはいけないので、少し詳しく調べてみました。   (1)CRPとは

 Cリアクティブプロテインという、たんぱく質の一種を指します。体内で炎症が起きたり組織細胞に障害が起こると、このたんぱく質が増えます。検査の数値から、どの臓器に異常が起こっているかまではわかりませんが、炎症状態の経過を知るには重要です。検査値が非常に高い場合は、結核などの慢性感染症、関節リウマチなどの膠原病、心筋梗塞、肝硬変、悪性腫瘍などが想定されます。軽度の上昇はウイルス感染症、内分泌疾患などが考えられます。CRPの基準値は0.30mg/dL以下となります。   (2)CRPの異常値が出た場合

 CRPが高いときは、まず原因を調べます。関連する検査として、白血球数・白血球分画・フィブリノゲンなどです。正確な病態を把握するためには、他のいろいろな検査や自覚症状、診察などから総合的に判断していきます。CRPは年齢とともにわずかに増加するもので、喫煙者は非喫煙者より高値を示します。また、妊娠後期でも増加します。風邪など、細菌・ウイルス感染後でも高値を示しますので注意が必要です。    経験上、開放骨折と言って、折れた骨が皮膚を突き破った場合、MRSA・感染症に対する警戒が続きます。開放骨折の患者へは、CRP検査がしばらく繰り返されます。熱でも出た場合、医師の警戒はMAXとなります。  感染症にならないよう、手術前の血液検査でも確認必至の数値なのです。  

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 今月になって、そろそろ10年のお世話になっている保険関係者様が2名、ご病気で入院となりました。私と佐藤、それぞれお見舞いに伺うことになりました。緩解と1日も早いご退院をお祈りする次第です。    週末に健康診断を控えて、目下、体を作っています。酒を断ち、食事のバランスとカロリー制限中です。体重は落ちますが、筋肉を保つために筋トレも欠かすことができません。齢50を超えてみますと、健康でいることが一つの目標となっています。なにせ、剣道部の同期達の中で、卒業以降、入院や手術していないのは私だけです。唯一、薬もまったく飲んでいなません。これは、日ごろの健康管理や節制の効果だけではなく、生まれついての健康体に感謝すべきと思います。

 しかし、ちょっと油断すれば血糖値は上がりますし、LDLコレステロールは慢性的に高値です。毎年、健康診断の数値をみて、糖質制限や脂質制限などテーマを決めて取り組むことになります。残念ながら、それが中高年の姿、病院知らず・薬知らずは、地道な努力を重ねるしかないのです。      

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 根治療なので約2ヶ月を要しました。数年ぶりの歯科通いでしたが、大きな変化として、クラウンに対する健保適用の拡大です。    歯の後遺障害、復習 👉 顔面の後遺障害 ⑧ 歯の後遺障害    元々、金ピカ・銀ピカの金属を被せる場合は健保適用です。セラミックや、インプラントなど、白く仕上げるものは自由診療で高くついたのです。今回、白いプラスチック製でも健保OKとなっていました。自費負担が5000円位と、大変に経済的です。今度、別の歯のクラウンがダメになったら、健保で白くできます。よかった。   (以下、厚生省のHPより)

 CAD/CAM冠(キャドキャムかん)・・歯の模型をコンピューターでスキャン、プラスチックとセラミックの混合材で形成する被せ物(歯)です。自由診療となるセラミック製よりは強度が落ち、将来的に変色することがデメリットです。しかし、白い歯を安価で保つことのメリットが上回ると思います。

 それでも、自由診療でバリバリ稼ぐぞ!と言った歯科医では、この健保治療をしてくれそうにありません。通っていた歯科医は大丈夫ですが、都心の歯科医にて健保治療を押し通すのは、過酷な戦いを強いられます。    戦いの記録 👉 夏休み特別企画~歯医者の恐怖    最近のニュースで、きぬた歯科へのグーグル(だったかな?)の書き込みで、患者に成りすまして悪評を書いた都内の歯科医が、開示請求によって明らかになったそうです。同業者の嫉妬、どの業界でも怖いものです。    

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 前回 👉 後遺障害診断書に無駄な記載 ①   ③ 職業

 これは無駄と言うか、無理に書かれない方が良い情報です。このシリーズに挙げることをためらいましたが・・あえて書きましょう。

 医師によっては、患者の名前や住所、生年月日を事務方や患者本人に、あらかじめ記載させる院もあります。そのような患者情報の欄の中で、職業欄はそう重要ではないため、空欄のままとする医師が多いものです。私共も空欄だからと言って、「先生、職業欄に”会社員”と記載が漏れています」など、わざわざ言わないものです。ところが、訴えの信憑性が検討される”むち打ちの14級9号”では、少し気を遣います。例えば、以下の職業はそのまま書くより、書かない方が良いと・・   〇 タクシー運転手

 おそらく、保険会社の社員では、タクシーの運ちゃんに偏見を持っている人が多いと思います。内心、「タクシー運転手は事故慣れしているので、嘘くさく半年も通ったのでは?」と、疑念される事を懸念してしまうのです。むち打ちですぐ温泉療養をしたがるので、保険会社から嫌われています。

  〇 生保外交員

 保険慣れしており、生保のおばちゃんは、都合よく会社員と自営業者の立場をとります。何より、外務員(ほぼ自由業)ですから、通院日数を稼ぎやすいのです。通院の傷害保険に入っていれば、〇日いくらで保険金がでますので、頑張って通うのでは・・と思われます。どうしても、過剰通院と思われる危機感を覚えてしまうのです。   〇 水商売全般

 こちらも残念ながら、保険会社から疑念を持たれがちです。とくに、休業損害で、自分で書いたいい加減な(お手盛り)休業損害証明書が上がってくれば、胡散臭い被害者成立です。源泉徴収票のない自営業者全般に言えますが、第3者の証明が乏しいのです。まして、税金の申告をしていないキャバ嬢(自営業者が多いのです)は、その休業の証明に受任した弁護士も苦慮します。かつて、病院に通って休業しているはずが、(店とグルで)出勤していた方もおりました。

 やはり、お堅い会社員や公務員の肩書が安心できます。職業によっては、あまり具体的に書きたくありません。せいぜい自営業と記載頂くようにしています。   〇 一部上場企業

 逆に、「〇紅」「〇下電器」「〇ニー」など、名の知れた大企業の方は、その信用は絶大です。1日あたりの給与が3万円以上あるような方は、慰謝料や保険金の為に、必死に通院日数を稼ぎません。そもそも、多忙で責任のある部署についていれば、通いたくても通えないのです。そのような身分の方が、業務時間を削ってまで何日も通っている・・症状の深刻度・信用度は爆上がりです。そこで、職業欄にあえて企業名を記載頂いたこともありました。    画像に写る骨折など、はっきりした証拠のない、自分が「痛い」と言っているだけの打撲捻挫での申請には、この職業欄にちょっと気を付けることになります。もちろん、有名企業以外の職業の被害者さんであっても、いたって真面目な方で、ひどい症状に悩まされての申請もあります。そのような人達の信用を担保しなければなりません。そこで、医師が職業欄にタクシー運転手と書こうとした瞬間、「先生、簡単に”会社員”でいいです」と言いたくなるのです。    

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 症状や障害の状態によって、後遺障害診断書の記載項目は絞られます。すべての欄に記載する必要はありません。当たり前ですが、腕の骨折で、目や耳の障害の欄に記載しないでしょう。私達は医師面談の際に、「先生、そこの記載は必要ないです」とお伝えすることがあります。医師や病院スタッフに対し、いらぬご負担となるからです。ご多忙の中の記載依頼ですから、病院側への配慮です。このサイトを医師が観ているとは思いませんが、いくつか挙げてみます。    ① 頚部の運動障害

 打撲捻挫の類で、首が曲がりづらくなったことなど、自賠責保険は認めてくれません。何度に制限されようと、審査上はスルーされます。この角度が必要となるのは、頚椎の骨折・脱臼、あるいは固定術施行の場合です。わざわざ、計測頂くのは申し訳なく、よく提言しています。しかし、医師の無駄な記載率1位だと思う位、ここをしっかり計測・記入下さる先生が多いのです。

② 関節機能障害

 上肢・下肢の骨折後、関節の可動域が制限されることがあります。ただし、画像上「曲がらなくなった」ことがわかるような、骨癒合後の変形や転位(骨がずれてくっつく)、骨が癒合しなかった場合など、物理的に関節が曲がらなくなった状態が障害認定の前提です。つまり、問題なく癒合した場合、可動域制限があっても障害認定は否定されます。明らかにひびが入った程度の骨折で、関節の角度がひどくても、「高度な可動域制限は起きないはず」との結果は見えています。可動域制限を装う悪だくみに加担しないため、嘘や大げさな記録は当然にダメです。嘘くさい角度など、かえって悪印象、痛み・不具合の14級9号の審査に悪影響すらあると思っています。

 また、この30年間の整復術をみていますと、金属(プレートや髄内釘、ワイヤーなど)が、手術の技術と共に進歩しており、可動域制限なく治る傾向です。昔と違って、ヤブは少なくなったと思います。おかげで私共にとっては、機能障害の等級は取りづらくなった印象です。もちろん、患者さんにとっては良い事に違いありません。したがって、明らかに12級レベルの制限がなく治ってる場合や、ほぼ正常値に回復しているのであれば、無駄な計測・記入は控えてもよいと思います。

 ① ②いずれも、医師によっては「通例として、受傷箇所の計測・記録はするもの」と律儀に考えます。その場合は従うようにしています。    つづく 👉 後遺障害診断書に無駄な記載 ②  

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 今月から数回の歯医者通いです。以前、歯医者との苦闘の日々をつづったことがありました。    👉 夏休み特別企画~歯医者の恐怖    都心の歯医者は怖いのです。現在、通っている歯医者さんは普通で、健保治療が中心です。↑のような「なんとか自由診療に誘導するのだ」と言った院とは違います。

 医療者と言えど民間企業ですから、利益追求の姿勢自体は非難されることではありません。ただし、人の健康を支える仕事ですから、露骨な利益優先には、引いてしまいます。医師と言うより、経営効率主義の社長さんと化しています。そのような医師に診てもらいたい患者はいないと思います。    

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 威張る・・・威勢を張って偉そうにする。えばる。    「威」を張る人は、周囲の人へ高圧的、支配的な態度や言動で威厳を保とうとします。周囲から「威」を認められている人は、改めてそのような態度を張る必要はありません。周囲からひんしゅくを買うのは、「威」を過剰に張ること、そもそも「威」がないのに無理している人でしょうか。そのようなトホホ感を示す人や態度について、「格好つけやがって」と揶揄する場合、大阪では「いきっている」と言うそうです。    さて、私達の仕事では、弁護士や医師など、先生と呼ばれる人達に毎日のように関わります。当然に敬意をもって対しています。また、警察官や役所に手続きをお願いすることもあり、平身低頭の日々です。ある意味、お金を支払う立場の保険会社も権力者に値しますので、無礼な物言いは許されません。当たり前ですが、周囲に対して敬意を払うことこそ、仕事の基本姿勢と言えます。

 これは、何も特別なことではありません。すべての仕事に言えることであり、仕事に限らず、他人はもちろん、友人や家族に対しても、人として周囲に敬意を払うことが基本、そう習ってきたと思います。ただし、実際の社会では、敬意の欠片もない人が散見されます。人それぞれですから、一々気にしていられませんが、仕事上、異常なまでに威張る人には辟易させられます。

 ある弁護士ですが、交通事故相談会において、靴を脱いでイスに胡坐をかいていました。相談者に対して、すでに座り方まで親分気取りなのです。当然に言動も高圧的でした。この弁護士さんとは一緒に仕事はできないと感じました。医師も威厳がある職業ですが、15年間で1000人ほどの医師面談を振り返ると、異常に威張る先生は10~20人に1人位でしょうか。多いのか少ないのか・・やや多い印象です。元より尊敬を受ける職業ですから、そこまで威を張る必要などないのですが・・。

 弁護士、医師に限らず、過剰に威張る人には特徴があります。地位やポストが高い人、優秀な人には少なく、下位のポスト、微妙な立ち位置の人に多いようです。警察やヤクザも下っ端がもっとも威張っていて厄介です。何等かの鬱屈がそうさせているのかもしれません。本当に偉い人や人格者は、他者の立場、高低・優劣によって態度や言葉使いを変えることがありません。総じて謙虚な人が多かったと思います。    

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 久々の薬解説ですが、何かと混同されるリリカとタリージェについて整理したいと思います。共に、神経性の痛みを緩和するお薬として、交通事故外傷においても処方されています。    まずは、おさらい 👉 薬シリーズ 3 リリカ    (1)タリージェとは

 神経障害による痛みを緩和させます。痛みを伝達する神経の過剰な亢進(≒興奮)をおさえるお薬です。正式には、ミロガバリン(神経障害性疼痛治療薬)となります。ミロガバリンは、中枢神経系において神経細胞を興奮させるシグナルとなるカルシウムイオンの流入を抑え、神経に興奮を引き起こす伝達物質の過剰な放出を抑えることで鎮痛作用をもたらします。

 副作用として、眠くなる、めまい、ひどいと意識消失に。その他、倦怠感、不眠、頭痛、むくみなどです。

 このようにリリカと同じ効果、ほぼ同様の副作用となります。   (2)リリカとタリージェの違い

 リリカは元々、帯状疱疹などへの対処が主でした。ご存じの通り、現在は神経性の痛みに広く処方されています。タリージェも当初、手指のしびれなどの末梢性神経障害に向けた薬効とされていましたが、同じく広く神経性疼痛に効き目があることがわかりました。

 似ていることばかりの両薬ですが、主成分にやや違いがあり、リリカはプレガバリンで、タリージェはミロガバリンです。医師から聞くと、痛みを抑える効果はリリカのほうが強く、タリージェはリリカより副作用の発症頻度が低いとのことです。リリカの錠剤は細かく調整されており、一粒(5mg)を飲む錠数で調整できます。痛みの強さと副作用のバランスをみて、医師が最大で600mgとして1日あたりの量を調節します。タリージェも医師が量を調整しますが、1回10mgから15mgの範囲(最大で30mgとも)で1日2回投与を基本としています。調整幅はリリカの方が広いと言えます。

 また、それぞれの価格差ですが、リリカにはジェネリックがあることで、タリージェより安いと言えます。リリカのジェネリック名は、成分名のプレガバリンとしているメーカーが多いようです。    

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 交通事故業務をする行政書士は減少の一途と思います。まして、後遺障害を追う事務所は珍しい部類になったと思います。それでも、後遺障害が最も重要な損害立証の場面であり、弊所も病院同行を通じて日々追っています。

 損害賠償金のおよそ70%を占めるお金こそ、後遺障害の慰謝料と逸失利益です。その等級認定は決して軽視できません。等級の取りこぼしは、何十、いえ何百、時には何千万円を失うことになります。もう、こんなことを言う弁護士はいなくなったと思いますが、「診断書は医師が書くもので、それにしたがって審査されるのみです」(だから)「診断書の記載を待っています」・・・これではダメなのです。実は、医師のすべてが障害の有無、程度を完璧に記載するわけではないのです。

 臨床上の医学的判断と、賠償上の後遺障害認定は微妙に食い違いが生じます。例えば、鎖骨骨折後の変形ですが、多少、仮骨形成(癒合の過程で、癒合部が骨が太くなる)から骨折部が盛り上がっていたとしても、医師は後遺症とは考えません。確かに日常生活に重大な支障はないと思います。しかし、後遺障害では、その変形が裸体で確認できれば、体幹骨の変形「12級5号」の評価になります。その自賠責保険金は224万円です。そのような場合、被害者さんに同行し、医師面談にて主治医に説明、記載を促しています。

 たいていの医師はご理解下さり、協力していただけます。まれに、へそ曲がりのお医者さんは頑として認めないこともありますが・・。だからこそ、私達が診察に立ち会った方が、間違いのない後遺障害診断書の記載と、後遺障害の立証が果たせるのです。もし、医師任せ、患者さん任せにしたら・・変形の記載が漏れると200万円以上を失うのです。任せた弁護士も、見逃すことがあります。すべての弁護士先生に後遺障害の知識が備わっているとは限らないからです。。

 やはり、病院同行と診断書記載への監視は譲れない作業です。秋葉事務所にたどり着かず、今日も多くの被害者さんが数百万円を失っているかもしれません。

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 病院通いで最も患者が苦痛を味わうのは、病気の苦しみでも、痛い注射でもなく、長ーい診察待ち時間ではないでしょうか。待つだけで容体が悪化しそうです。

 私達も日々、病院同行で最も我慢を強いられております。予約受診であったとしても、30分待ちは普通です。もちろん、急患などで予約時間通りに進まないことは当然です。しかし、時は令和です。大学病院や総合病院での常態的な待ち時間に対して、わずかでも改善策があると思います。最近は小規模なクリニック、歯科や眼科ではネットでの予約が増えています。スマホの普及率を考えると、高齢者までもがネットで受診予約をすることは困難ではありません。エステなど、他の医療系・医療類似系の院では、空き時間に自ら予約を入れる、あるいは変更・キャンセルなども可能とするシステムが普及しています。

 総合病院向けに予約システムを作るにあたって、様々な問題があると思います。そこは、技術の向上を期待します。何より、「患者を待たせない」病院側の姿勢が問われるのはないでしょうか。

    

   

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 診断書を依頼して、その場で記載する医師もおりますが、平均的には2週間で記載の印象です。日々の診察や治療で激務を強いられる医師にとって、診断書の記載ほど面倒なことはないと思います。患者側としては、頭が下がる思いです。

 どんなに多忙であっても、常識的には2カ月後が限度と思います。また、依頼時に「現在、診断書が溜まっていて、3カ月かかります」と言ってくれる医師は、まだ誠意があると思います。それ位であれば、じっと待っていますが、中には何度催促していても、なしのつぶて、数カ月待たす医師が存在します。単にルーズでだらしない医師と言えますが、まるで、依頼側が諦めるのを待っているかのような悪意を感じることもあります。以下、秋葉事務所での「長期間・診断書待ち」の順位です。   【第1位】14カ月 (脊椎・神経科)

 数えきれないほどの催促電話(医事課に対してですが)、催促の手紙2通、そして催促の面談2回・・・医師は毎回、「わかりました」と応じてくれますが、書きません。しかも、自身の病欠で入院の期間2カ月ほど挟むことに。その後、仕上がった診断書他、意見書ですが、それは精密に細かい字がびっしり、ほとんど虫眼鏡でしか読めませんでした。これを書くのは大変だったと思います。   【第2位】8カ月 (リハビリ科)

 最初の依頼の段階で、「診断書のフォームは?それがないと書けない」などと、敬遠ムード。こちらとしては、奥ゆかしく、まず主治医の記載許可を経て、文章課に診断書一式を揃えて提出のつもりでした。もちろん、翌日には診断書・受付窓口に記載要領をまとめて提出しました。

 その後、何度も電話しても、一向に診断書を書く気配がありません。毎度、催促電話を受ける医事課の担当者も、「先生に伝えます」とは言ってくれますが、明らかにお困りの様子でした。おそらく、このまま、”書かないで済まそう”としているとしか思えません。半年後になって、代理人名でお手紙を投函しましたが、反応なし。そこで最終手段です。できればこんなことはしたくないのですが、その病院の理事長と院長先生宛に、それぞれ簡易書留でお手紙を投函しました。そのお手紙の内容は、「〇〇先生はもはや記載する意志がないと思いますので、別の医師の診断を仰ぎたい」です。この最終手段の後、2週間で診断書が届きました。    【第3位】6カ月~ (脳神経外科)

 現在進行中です。常に診断書が遅い医師であったので、覚悟をしていていましたが、あまりの遅さに提出を待っている保険会社もキレ気味です。再度、面談してお願いしようと思います。    医師には診断権という権利があり、医師法上、記載の判断は、”記載すべきではない理由がない限り”記載する義務があります。義務とは言っても、書かない理由などなんとでも付けられます。つまり、医師次第なのです。  ほとんどの医師は忙しくても、なんとかご記載下さいます。しかし、だらしないを通り越して、↑ 2位の医師も存在します。知人の医師は、「患者を治すことが仕事で、診断書を書くために医師になったのではない!」と言い切りました。診断書など書きたくない、これが本音なのかもしれません。医師も人間なので、すべてが誠実とは言えず、残念ながら人間性に問題がある医師も存在します。そのような医師にあたってしまった患者、被害者さん達は大変なのです。もちろん、秋葉事務所の青筋も立ちっぱなしです。  

 

 

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 整形外科ではおなじみです。むち打ちはじめ打撲捻挫で受診すると、高い確率で処方されます。内科や皮膚科でもこの3セットの処方がみられます。    痛み止めの万能薬 ロキソニン     胃潰瘍の薬 ムコスタ(リパミビド)・・・ロキソニンが胃壁に悪影響を及ぼすので、セットで処方されます。    神経に栄養を メチコバール =ビタミンB12、市販薬(メコバラミンなど)としても手に入ります。どんな病気だろうと、ついでに処方されている印象です。      ロキソニンとムコスタは常備しておきたいお薬です。  

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大谷選手、50-50達成祈願!

 連日、日本人MLB選手(特に大谷翔平選手の活躍はすさまじい)が大活躍していますね。その中で、ダルビッシュ有選手や前田健太選手、大谷翔平選手など数々の名投手が受けたとされるトミージョン手術について記載してみたいと思います。おそらく交通事故でこの術式を受ける方はいらっしゃらないと思いますが(笑)

 トミージョン手術とは、損傷した腱や靭帯を一旦切除し、健側や患側の長掌筋腱や膝蓋腱、下腿・臀部から正常な腱の一部を採取し、移植することで新たに靭帯を作るというものです。移植という言葉が合っているのかは分かりませんが、上腕骨と尺骨に穴をあけ、その穴に介して両端に圧をかけた状態で固定することによって、損傷した靭帯等の代わりになるようします。しかし、定着するまで、ある程度の時間がかかることから、長期的なリハビリをしなければなりません。

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 8月の最終日ですが、今週は台風によって予定が乱されました。台風一過、秋の風を期待したいところですが、9月中旬まで猛暑が戻るようです。今年の夏は猛暑日が実に多かった。     この夏に限らず、今年は後遺障害を立証しきれなかった件が散見されました。どんな難局であろうと、病院同行・医師面談を繰り返し、検査を追加し、文章作成で症状を克明に説明し、これらの作業を通じて打開してきました。しかし、全件に成功したわけではありません。努力むなしく、決め手を欠いた件がありました。

 障害の真実は、被害者自らが訴える自覚症状だけでなく、証拠=画像や検査による立証が必要です。もちろん、付随する医師の診断も必要です。ところが、自賠責保険の判定は、画像・検査に重きを置きます。明らかな医証がなければ、自覚症状など聞く耳持たず、主治医の診断名すら否定されるのです。つまり、患者の言う「痛い」と、医師がつける診断名だけでは、必勝とならないのです。それだけで認定される可能性があるのは、ある意味、神経症状の14級9号だけです。

 このような厳しい立場に陥った被害者さんにとって、「障害は認められて当然」と言った油断は命取りになります。自身の症状を自ら立証しなければ、正当な賠償金にたどり着くことはできません。立証しきれなかった案件について、毎度痛感させられます。

 画像や検査に明確な所見がなければ、苦戦は必至です。この場合、痛みの残存で14級9号だけ確保することだけは維持すべきでしょう。ところが、被害者さんによっては、主治医の不興を買う、医師や病院に食って掛かるなど、治療先をも敵に回す方がおります。医師も人間です。その医師と人間関係を構築できない場合、周囲すべてが敵になってしまうのです。そのような苦境に陥らないよう、私達が病院に同行して進める必要に駆られています。    このように、私達の姿勢は常に、被害者さんに寄り添った医療立証を果たすことです。それでも、100%の勝利にならないことが、弊所の苦悩です。めげずに今年後半も務めていきたいと思います。  

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 相手損保が治療費を病院に直接払ってくれる、これを業界では「一括対応」と呼んでいます。高額な治療費を立て替えずに済む点で、被害者にとって大変に助かります。

 しかし、相手のお金で治療するのですから、治療内容を相手にすべてさらけ出す必要があります。その為、相手損保の担当者は「同意書を提出して下さい」となります。これは、お金を払う側の正当な権利です。ただし、同意書を得た相手損保は、病院に何かと質問や、書類を依頼することが可能となります。とくに治療が長びく場合、書面や面談等で、主治医に経過や症状を聞きます。およそ、治療経緯が良好であれば、治療費打ち切りの言質を取られることにつながります。油断できない点はここです。

 「加害者者側の医療調査」=治療費を払う側が治療の内容を調べてること自体、なんら問題はありませんが、いつも医師の回答が完璧に合っているかは疑問です。治療行為によって、改善が進んでいることを積極的に回答することが容易に想像できます。医師は、治療に全力を注ぎ、後遺症のことを軽視する傾向にあると思っています。だからこそ、症状をシビアに診断書に落とし込むため、秋葉事務所による「被害者側の医療調査」の存在意義があると思っています。    先日も、症状固定に向けて着々と進めていたところ、相手損保から医療調査の書類が届き、すでに医師が提出していることがわかりました。まったく悪意はないのですが、必要な記録が漏れておりました。秋葉側で再度、同じ書類を記載頂き、後遺障害申請の際に自賠責保険に提出しようと思います。もちろん、弁護士を通じて、そのコピーを相手損保に提出し、先の書類を更新させることも抜かりありません。    一括対応は大変に助かる制度ですが、このように、着々と相手損保のぺーすで進められ、不正確な情報が独り歩きすることもあるのです。厳しい見方をすれば、「他人任せ」は自らの立証責任を放棄しているとも言えるのです。  

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 これは今に始まった事ではないですが、医師と円滑にコミュニケーションをとる、つまり、人間関係が良好であることが、損害賠償上でも大事です。

 まず、医師も人間ですから、様々な性格の方がいるものです。当然に、「合う合わない」があると思います。ただし、後の損害賠償において、最も重要な後遺障害診断書を記載頂くのですから、人間関係を良好にしなければなりません。後遺障害診断書とは、医師が記載したくない書類第一位です。懸命に治そうと思って治療にあたるも、治せなかった証明書の記載となるので、その気持ちを理解すべきと思います。

 医師面談の際、その医師の態度で、それまでの被害者さんとの関係がわかります。上手く行っていない場合、こちらの仕事の難易度はうなぎのぼりです。逆に関係が良いと、スムーズに事は運びます。被害者さんのコミュニケーション能力も、交通事故解決の要素になると思います。

 よく、「菓子折り差し入れて」なんてアドバイスをすることがあります。    

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