慣れない用語が含まれますので、先に解説します。    ○ 肩関節炎・・・中後年の肩の痛み、腕が挙がらないなどの症状の多くは、いわゆる「50肩」、加齢による肩関節周囲炎の診断が多くを占めます。処置として、最近ではヒアルロン酸注射が多いようです。本件の場合は、肩にケナコルト注射を打ちました。これはステロイド系に属し、肩関節腔内に注射して炎症を抑える効果を期待します。   ○ 医療過誤・・・(いりょうかご、 Medical malpractice)とは、治療行為における誤りによって患者に被害が発生すること。医療ミスともいう。   ○ 医療賠償責任保険(医師賠)・・・医師が加入する、医療過誤など患者に賠償責任を負った場合、その賠償金を肩代わりする保険です。主な支払い項目は以下の通り。   ① 法律上の損害賠償金

法律上の損害賠償責任が発生した場合において、被保険者が被害者に対して支払責任を負う損害賠償金

※ 賠償責任の承認、賠償金額の決定についてはあらかじめ保険会社の同意が必要となりますのでご注意ください。   続きを読む »

 自宅での酸素療法はHOTと略称されます。HOTとはHome Oxygen Therapyの頭文字で在宅(Home)酸素(Oxyge)療法(Sherapy)のことです。交通事故外傷では珍しいケースになりますが、肺挫傷などで肺機能が低下した場合、酸素の摂取が低下することがあるようです。自覚症状としては、息苦しさ、わずかの運動で息切れが生じます。    肺の主な働きは、体の中に酸素を取り込み、二酸化炭素をはき出すことです。しかし、肺に病気があると、酸素を十分に体の中に取り込むことができません。肺はもちろん、心臓を含め心肺機能に障害が残る場合に、継続的に酸素吸入が必要となります。具体的な病名として高度慢性呼吸不全患者、肺高血圧患者、慢性心不全患者、チアノーゼ型先天性心疾患患者が挙げられます。

 慢性呼吸不全や慢性心不全などの患者さんで、体の中(厳密に言うと動脈の血液中)の酸素濃度がある一定のレベル以下に低下している患者さんに対して酸素を吸入で投与する治療法です。酸素吸入の為だけに入院を継続するわけにもいかないので、自宅で酸素吸入の装置を購入、またはレンタルすることになります。自宅で酸素を吸入する時は、空気中の酸素以外のガスを吸着して酸素濃度高める酸素濃縮装置)、又は-189℃で液化した酸素をタンクに貯蔵して気化した酸素を吸入する液化酸素の設置型容器を用います。外出の時は、携帯用酸素ボンベを使用します。

 医師は動脈血液の検査や6分間歩行テストをもとに、必要な酸素の量を決定します。その後も、およそ月1回の診察を継続、その際に外出時に使う携帯酸素ボンベの補充をすることになります。 <慶應義塾大学病院さまHPを参考にしました>    今までは、交通事故外傷を起因とする患者さんで2例経験しました。若い人は一定期間を経て改善、HOTを中止しました。高齢者の場合は長期化する傾向です。  

酸素ボンベを携帯する為のリュック(アマゾンで購入できます)

 

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今日のテーマは医療    近年、体内吸収性の固定プレートやスクリュー等を使用した手術が増えてきておりますが、今後、交通事故外傷においても、様々な部位で使用されるケースが増えてくるのではないかと思い、まとめてみました。

 体内吸収性材料とは、字のごとく、時間と共に体内で分解され、抜釘の必要がない新しい器具です。主に頭蓋骨や顔面骨に対する骨接合や骨再建、自家骨移植処置の固定に使用されます。製品名は様々で、メディカルユーアンドエイのラクトソーブや帝人のフィクソーブ、パイオラックスメディカルデバイスのネオフィックス等があります。

 従来、顔面骨骨折等の固定材料はチタンプレートが主流ですが、抜釘の有無を悩む方が多い(整容面を考慮して、金属を一生入れたままにする方が多い印象です。)ため、骨折の状況によって、90年代から導入された体内吸収性材料を使用することが増えてきています。しかしながら、デメリットも当然あるわけなので、患者が選択することはほとんどなく、医師の判断のもと適切な方法で処置されているのです。

 メリットとしては、言わずもがな体内で吸収されるため、再手術の必要がありません。使用部位や使用状況にもよりますが、約3年~数年で吸収されて消失しますので、傷が増えることもなく、体への負担も軽いです。

 デメリットとしては、使用部位等に制限があります。例えば、ラクトソーブに関しては、頭蓋骨、顔面骨及び自家骨移植処置時の骨片固定以外の部位には使用できません。また、固定部位に大きな負担が掛かる場合には使用できません。

 帝人のスーパーフィクソーブに関しては、高強度のため、整形外科、胸部外科などの幅広い分野で使用されているようです。(骨接合術における骨折の接合・骨移植術における移植骨の固定・骨切り術における骨片の固定・靭帯・軟部組織の固定・その他:関節の一時的固定(脛腓関節の一時固定など)に使用されるようです。

 このように、今後、強度や剛性が格段に進化すれば、近い将来、人体のあらゆる部位に金属プレート固定が減り、抜釘を考えずに症状固定(治癒含む)ができるかもしれません。そうなったときには、また自賠責の等級にも変化が起こり、交通事故業界も変わっていくかもしれませんね。    交通事故に遭っていいことはひとつもありません。年末年始はぜひともお身体にお気をつけてお過ごしください。  

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更新2020.2.6

前回記事:新型コロナ感染による傷害保険・休業損害は出るか?

 

横浜港に停泊しているクルーズ船で新型肺炎が船内で猛威を振るい、2月6日の時点で新たに10名の感染が確認されました。これでクルーズ船内の感染者数は20名になりました。今後どこまで船内感染が増えるかはわかりませんが、国内での新型コロナウィルス感染者数は30名を超えました。

2020.2.7 10:00現在新たに41名の感染確認

しかも、3700人中検査をした270数名の中から41名。残りの3000名以上を合わせるとどうなるのか!?

 

ちなみに今回のクルーズ船の検査は全員を検査したわけではありません。

乗客・乗員3700名の中から検疫し、発熱やせきの症状がある人や感染者と濃厚接触者達273人の検体を採取して検査を行っただけです。

なので全乗客乗員の僅か10%未満しか検査ができていません。

しかも新型肺炎は無症状の期間にでも人から人へ移ることが確認されていましたし、ウイルス感染者はまだまだ増えていく予感がしますね。

 

新型コロナ感染のクルーズ船で隔離されている部屋と食事は?

 

クルーズ船でこれから14日間部屋から出られないと思うと非常に辛いですよね。

一体どんな部屋で隔離されているのだろうか?

気になってみて調べてみた。

 

ダイヤモンドスイートルーム

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ども、金澤です

今日も血液クレンジングの事について書いていきます。

今日は前回の続きです。

 

前回を見ていない方はこちら

【恐怖】血液クレンジングが巷ではブームらしい・・・1/2(前編)

 

えー、前回は峯宗太郎医師の意見を探したら、あったと言う内容でしたね。

はい。

 

結論から先に言うと、

血液クレンジング、全く効果が無いとは言い切れませんが限りなくエビデンス(根拠)が低い。

と言う事です。

逆に高いリスクと引き換えにして、その根拠の低い医療疑似行為を受ける価値があるのか?と言うことです。

 

まぁ、世の中には自分が信じたことが絶対と言うような宗教的考えをもった方もいますし、

医療の世界と言うのは結構それが強く出る世界だとも思っております。

 

「一度良い!」と思ったお医者さんにはずっと着いていきますし、

セカンドオピニオンは申し訳ないなんていう感情を持つ人もまだまだたくさんいますよね。

 

薬も一度「効く」と思えば、ラムネ玉処方されても効果があるのがプラシーボ効果。

まさに宗教的な境地です。

 

なのでどんな根拠も覆してしまう信じる気持ちもあるので一概には言えませんが。

 

 

実際に峯宗太郎さんが血液クレンジングの世界中のあらゆる論文を調べた結果は

科学的根拠は限りなく低い。でした。

 

そりゃそうですよね。

オゾンと言うのは活性酸素の塊。

それを血液内に入れる事で酸性にかたむかせて?

逆に抗酸化力を発揮させるなんて、笑えて来ますよ。

 

病院のHPなど、血液クレンジング肯定のHPなんて見ると、

 

「採取したての血液はドロドロなのに、オゾンを加えると綺麗な赤色にもどった!」

と、丁寧な画像付きであります。

 

なんで、こんなことも冷静に考えられないんだろう?

と笑いすら出てこないです。

 

「血液が何故赤いのか」

ここくらい勉強してから、クレンジング受けたらいいんじゃないかな?

血液が赤いのは酸素が含まれているからですよね?

ヘモグロビンに酸素が結合すると赤くなるんです。

 

そりゃ、前腕から取る静脈血なんて体中回って酸素を送り届けた後の静脈血ですよ?

酸素が無いんで黒くてドロドロに決まってる。

それに90%以上酸素でできたオゾン加えるんだからそりゃ赤くてサラサラになるでしょ。

 

これは普通に肺が行っていることです。

肺から出たばかりの血液を肺静脈から採取すれば、そりゃーーーそりゃーーー綺麗な赤色ですよ。

 

普通に肺が行っている事を、わざわざ保険適用外の自費治療を払ってうける。

ちなみに臨床実験をするだけのお金がない今、

まさに自費で受けている患者一人一人が臨床実験のモルモットです。

 

日本の医療ってそういうものなんですよね~

(わかったような口で言う(笑))

 

ちなみに、オゾン療法は一回あたり15000円~25000円前後で価格設定されていますが。

 

おいしいですよね~

自費診療でそれだけもらえたら。

そりゃー個人クリニックにはそんなドル箱手放せませんよね。

 

しかも知ってましたか?

オゾンを注入する機械、めっちゃ安いらしいですよ。

低コスト高リターンの賜物です。

 

 

最後になりますが、もし血液クレンジング受けようと思っている人が居たら。

 

・医学的根拠は確立されていない。

・血液を出し、オゾンを加える過程で万が一細菌やウイルスが混入すれば、感染症のリスクがある。

・継続的にオゾンを入れる事で予測できない健康被害が起こる可能性がある。

・血液の写真でビフォーアフターみて視覚効果にやられてるなら、肺静脈から取った血液は同じ色。

 

と言う事を理解した上で、高いお金を払って受けて下さいね。

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こんにちは、金澤です。

本日は骨折後の骨癒合期間を短縮する治療の話をしていきます。

 

骨が損傷し、治っていくまでには決まった段階があります。

 

 

骨が折れると、骨を包む骨膜が破れ、出血します。

血液内に含まれるカルシウム物質が、折れた骨の隙間を埋めます。

隙間を埋めたカルシウム物質はやがて石灰化を始めます。

そうしてできるのが「仮骨」です。

 

仮骨はやがて本物の骨になり、元通りになります。

 

 

これを骨癒合と言います。

 

骨折の骨癒合期間はだいたいの目安がデータとして出ています。

 

 

「グルトとコールドウェルの骨癒合期間」

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こんにちは、金澤です。

 

今日は最近事務所内でちょこちょこ話題になる、 睡眠時無呼吸症候群について書いていこうと思います。

 

なぜこんな話になるかと言うと、

 

秋葉事務所の秋葉先生が口にするのです。

「最近苦しくて、目が覚める」

「今日は嫌な夢を見た」

 

そう、睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうと、本来体力を回復するために寝ているのに、 呼吸が出来なくなり、寝れば寝るほど疲れてしまう・・・

 

ところで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と言う名前。 何故ここまで浸透したかご存知でしょうか?

 

今の社会ではもはや常識ですよね。 おそらく知らない人は絶滅危惧種レベルです。

 

記憶にある方もたくさんいると思いますが一昔前、山陽新幹線運転手が運転中に居眠りをしてしまった事件。 後の検査で、SASが原因にあたことがわかり、一気に認知度が上がりました。

 

沢山寝ているのに、常に睡魔が襲ってくる。 寝て起きても疲れが取れておらず、むしろ疲れている。

 

そんな異変を感じている方、要注意ですよ!

 

睡眠時無呼吸症候群とは

 

眠っているときに呼吸停止・低呼吸の状態が引き起こされる病気です。

睡眠時に症状が現れる為、発症していても自覚していない方が多く、

潜在患者数は日本国内で200~300万人にのぼると推定されています。

 

無呼吸は、医学的に気道の空気の流れが10秒以上止まった状態と定義されています。

無呼吸が7時間のうちに30回以上または単発で1時間に5回以上確認された場合に、

睡眠時無呼吸症候群の称号が与えられるのです。

 

本人が感じやすい症状として、日中の強い眠気夜間の頻尿、無呼吸状態によるさ体内の酸素不足から、続きを読む »

 現在、秋葉事務所の担当している脊髄損傷(頚髄損傷、中心性脊髄損傷 含)による被害者さんは3名です。受傷直後の相談者さんも2名おります。

 脊髄損傷は一般的には不可逆的、治療による改善が望めない不治のケガです。神経が完全に断裂していない場合、麻痺の強弱はありますが、リハビリでわずかの改善を目指すしかありません。近年、IPS細胞の培養による組織移植によって、あらゆる臓器の取替えが期待されています。将来、人間の体も故障したパーツごとに取り替え、予備部品がストックできるようになるのでしょうか。

 それでも、脳細胞や神経は完全にコピーできるものか懐疑的でした。それら人体の精密部品は完全に解明できないところもあり、素人目にも難しいと思っていました。ところが、今朝のニュースで、実験段階に及んでいることを知りました。以下、産経新聞より抜粋します。  

将来は慢性患者の治療も iPS移植、脊髄損傷に光明

    国がこれまでに承認したiPS細胞による再生医療の臨床研究は、薬など他の治療法が存在する病気が対象だった。だが、脊髄損傷は再生しない神経細胞が傷付くことで起きるため、薬では治せない。慶応大の細胞移植は成功すれば唯一の治療法となるだけに、患者の期待は非常に大きい。

 移植は脊髄を損傷してから数週間の患者を対象に行う。神経細胞は切断された場所だけでなく、周辺でも炎症を起こして死滅し、症状が悪化していくため、早期に移植した方が治療効果が出やすいからだ。

 ただ、慶応大の岡野栄之(ひでゆき)教授は「将来は損傷から長期間が経過した慢性患者の治療もiPS細胞を使って行いたい」と話す。安全性の確認を最優先に、さまざまな知見を蓄積し、適用対象の拡大につなげていく考えだ。

 国内では約20万人に及ぶ慢性患者が不自由な生活を強いられながら、治療法を待ちわびている。今回の臨床研究は、こうした人たちに光明を届けるための第一歩となる。

<産経新聞(伊藤 壽一郎 氏)より>  

iPSで脊髄損傷治療 慶応大が大筋了承、来年にも移植

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 何としてでもわが子に病院を継がせたい、その気持ちはわかります。そもそも、昔から技術職は世襲が普通で、秘伝の伝授のような感覚を持つものでした。医術はその最たるものだったと思います。  ちなみに、漫画家の手塚 治虫 先生は、医大を卒業、ご存知の通り医師免許をもっています。手塚家も代々医師が多く、3代遡る曾祖父は手塚 良仙 先生、有名な緒方 洪庵 先生の適塾の出身で、福澤 諭吉 氏と共に同塾で学びました。功績として、江戸で天然痘の種痘所を開設した中心メンバーで、予防接種の礎となりました。その後、軍医で西南戦争に従軍、赤痢で病没しています。その生涯は、手塚作品の『陽だまりの樹』にドラマチックに描かれています。他に医師を題材とした作品は、無免許医の『ブラックジャック』が有名ですね。  話を戻しますが、現代であっても、親が医師であれば、若手医師にとって家にベテラン医師がいる恵まれた境遇となります。あらゆる職業で、世襲そのものは決して悪い事ではないと思います。私の解釈では、不正をしてでも(つまり、能力が担保されない子に)無理に世襲させることが諸悪の根源であり、機会均等は原則、ルールは常にフェアであるべきと思います。能力が担保されない医師に苦労させられるのは患者です。私達も仕事柄、問題のあるドクターを何度も目にしています。では、一切の不正を廃し、跡継ぎが医師試験に受からない院は廃業させるべきでしょうか・・。

 現状の世襲率が低下すれば、地域医療の窓口たるクリニック、かかりつけ医の減少は確実です。これは直接、患者にしわ寄せとなります。そして、医療業界全体の盤石な体制にも逆らうことになるかと思います。二代目が通うことになる私大医学部の莫大な授業料は減少し、その系列病院の経営にも影響必至です。国公立大、有名私大の医学部に入学できる学生は選ばれた少数です。世襲医師の数を保っているのは、実は二流三流、無名医大の存在なのです。そこにはとんでもない額の学費が動いていると思います。医大や諸医師会への寄付金などもあります。どの業界に同じく、公正・不正問わず、あらゆる利権が渦巻いていることは想像に難くありません。行き着くところ、巨大な医療業界や医師免許制度の抜本的な見直しなのですが、それでも医師会はその政治力を背景に、簡単に利権を損なうような改革はしないでしょう。

 病院も民間企業であるところ、商店に例えれば、代々老舗のお店にとって新規参入者など認めたくないものです。一族の利権・マーケットを守るためには、アンフェアと言われようが、どこの馬の骨ともわからない(大学OBの子ではない)、コネのない(権力者、親族の口利きもない)、取引のない(寄付金を払っていない、ことも含まれますでしょうか)者は、できれば排除したいはず。商売の許可・資格を得るための学校なら、試験で足枷したい・・・このような扱い・慣習はどの業界でもまったく同じです。不公平とは考えず、公益などを持ち出した理由ある秩序と割りきっているかと思います。この構造は歴史が示す通り、そう変わるものではありません。歴史の長い国にとって、”見えない世襲制”とでも言いましょうか、階級制度は表向き廃止されても、脈々たるものが存在し続けています。今回の医大への一斉調査は、「せめて試験制度は公正さを保つこと」、これに留まるように思います。

 親は医師ではないが、志を持って努力している医学生にはエールを送りたい気分です。「2代目のボンボンに負けるな!」「心技伴った良い医者になって!」と。  

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 正式な統計データがあるわけではありませんが、お医者さんの世襲率は9割に及ぶと言われています。実際は9割もいないと思いますが、お医者さんを親に持った子供さんの医学部への進学率は当然に高く、むしろ、親御さんが医者なのに医者になっていない子供さんは珍しい位です。

 私達も日々、個人開業医へ病院同行していますが、個人開業医はほとんど代々同族継承です。他の商店や企業に同じく、家業として継承されています。よく比較される弁護士事務所ですが、多くのボスが事務所の継承問題に頭を悩ましています。つまり、子供が易々と司法試験に受からない現実があるからです。すると、弁護士事務所ボスは、「医者はいいよなぁ~」と愚痴をこぼします。何故か、医者の子は医師免許にほとんど受かるからです。

 このような前置きから、昨今ニュースとなっている東京医大の入試不正問題にすんなりつながると思います。試験で作為的な操作があるのだから、裏口入学はもちろん、医師免許そのものに不正があっても不思議でないと、皆が思うことでしょう。大学病院側の言い分ですが、今回の女子受験者に対する扱いの背景について、医師となった女子が一定の専門科に偏重してしまう、夜間勤務医、僻地勤務医が減ること等、医大側は堂々と釈明しました。これら諸問題は、医療の現場では既に常態化しています。医大側の言い訳は、一見、全体の福祉にかなう様に聞こえます。しかし、それは別の方法、制度改定で対策すべきで、絶対にフェアでなければならない試験でこっそり調整するなど、問題のすり替え甚だしいと思います。そして、この言い訳は表向きで、誰もが裏金の臭いを感じるはずです。  

6大学医学部で不適切入試か 文科省が説明求める

   文部科学省が、全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、調査のきっかけとなった東京医科大のほか、少なくとも6大学で「不適切な入試の疑いが高い」として同省が説明を求めていることが、関係者の話で分かった。

 文科省は23日に公表した中間報告で、「不適切な可能性が高い事案」として

(1)学力検査での得点が同等でも、面接試験で女性や浪人回数の多い受験生を不利に扱った

(2)調査書や出願時の書類評価で現役生にだけ加点し、多浪生と差をつけた

(3)合格圏外の同窓生の子どもらを合格させた

(4)補欠合格者への繰り上げ合格の連絡を得点順ではなく、下位の特定の受験者へ先にした

の4事例を示した

 また、「疑惑を招きかねない事案」として

(1)出願書類に保護者らの氏名や出身校を書かせ、面接で家庭環境や経済状況を詳細に質問

2)補欠合格者の決定が学長や学部長に一任され、公正性を証明する資料がない

(3)合否判定資料に受験者の氏名・年齢・性別・出身校・備考(同窓生・教職員)などの情報が記されているなど

 の5項目も挙げた。

 柴山昌彦文科相は不適切入試の疑いが高い大学の名前は明かさず、大学側の自主的な公表を求めた。ただ、関係者によると、少なくとも6大学があてはまると判断され、文科省が「合理的な理由があるのか」などと説明を求めている。

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 本日は国立病院で介護設備について打合せ。被害者さんを前に、病院職員さん、作業療法士、建築士の先生も交え、大変勉強になりました。交わされる介護機器の名前を一々確認した次第です。

 最新の設備を見学できた事は有意義でしたが、家庭用の器具も日進月歩のようで、各メーカーから多種多様の器具が発売されているそうです。覚え易い器具を一つ紹介します。これは寝たきりや身体麻痺の方が、ベットからの寝起きに使うリフト、通称「つるべぇ」です。NHK大河ドラマ「西郷どん」岩倉具視役の怪演が話題の笑福亭 鶴瓶 師匠を彷彿とさせますが、介護関係の方にはお馴染みの器具です。

 同様のリフト器具は複数のメーカーから発売していますが、この通称がむしろ通っています。トイレ・お風呂用、玄関用、天状吊り下げ型や自走式もあるようです。  

 (株式会社モトリーさまHPより)

   

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 死亡診断書には正式なフォームがあり、記載方法も毎年、厚労省がマニュアルを発行しています。医師はこのマニュアルに沿って記載をしています。国から記載要領が指示されているのです。自賠責保険もこのような診断書作成マニュアルを作成して医師に配れば、世の後遺障害申請者はどれだけ助かることでしょう。後遺障害診断書は毎度、医師の主観・独断で書かれますから、医師が保険や労災の基準を知らなければ、的外れな診断書が頻発することになります。私達もこれで苦労しているわけです。

 やはり、死亡診断書は重要かつ特殊な書類なのでしょう。マニュアルの記載と医師法に沿って確認してみましょう。     (1)死亡診断書、2つの意義

1、人間の死亡を医学的・法律的に証明するため

 客観的な証明書類でなければなりません。人の死亡を証明するに、証明者(医師)による偏見的・独創的な視点では困るわけです。

2、日本の死因統計作成の資料とする

 行政側にとって重要な統計データになります。国が記載方法を指示する理由はここにあります。医師法上も、死亡に限らず診断書の記載はまず、医師の義務であることがわかります。  

第19条2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

  (2)死亡診断書と死体検案書の使い分け

 死亡診断書と死体検案書、名前が違いますが、書式名もそれぞれ併記され、書式は全く同じです。では、どのように使い分けるのか?

○ 死亡診断書

 診療経過中の患者が亡くなり、そしてその死に立ち会った場合。

○ 死体検案書

 ・医師自らが診察していても死亡に立ち会わなかった場合

 ・医師が診察していた時の病気とは関係ない原因による場合

 ・医師自らが診療していなかった患者の死亡の場合続きを読む »

 脳が収まった頭蓋骨と顔面部の境に薄い骨があります。下図の赤い線の部分です。この頭蓋底骨は、頭部への強い衝撃で穴が開く(多くはひびが入る、亀裂骨折)ことがあります。ビール瓶で殴っても折れる可能性があるようです。

 頭蓋骨の底面である頭蓋底は、ちょうど眼の下に位置して、でこぼこで厚さの違う骨で構成され、 多くの孔が開き、視神経、嗅神経、聴神経、血管が走行している複雑な構造となっています。 したがって、この骨折によって、これらの神経の損傷が併発することがあります。

 交通事故受傷後のめまい、失調、平衡機能障害、眼では、視力や調整力の低下などの症状ですが、 傷病名が頚椎捻挫であれば、バレ・リュー症候群として、つまり、頚部神経症状として後遺障害が審査されます。先の諸症状を訴えても、多くは、14級9号が限界となります。視覚、嗅覚、聴覚の障害が交通事故の後遺障害として審査されるには器質的損傷、つまり、骨折があることを立証しなければなりません。ここで発生する最大の問題点が、頭蓋底骨折の見落としです。 続きを読む »

 違いが曖昧な用語について整理したいと思います。知っているつもりが、具体的な説明に窮してしまう専門用語はいっぱいあります。立ち止まって勉強する毎日です。  

脳死と植物状態

 脳死とは、呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など、生きていくために必要な働きを司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態です。事故や脳卒中などが原因で脳幹が機能しなくなると、回復する可能性はなく二度と元に戻りません。薬剤や人工呼吸器などによってしばらくは心臓を動かし続けることはできますが、やがて(多くは数日以内)心臓も停止してしまいます(心停止までに、長時間を要する例も報告されています)。植物状態は、脳幹の機能が残っていて、自ら呼吸できる場合が多く、回復する可能性もあります。脳死と植物状態は、根本的に全く違うものなのです。

 ←脳全体  続きを読む »

佐藤イラストsj佐藤です

 心臓震盪という言葉をご存知でしょうか?    私も依頼者様から伺って初めて知った傷病名です。脳震盪はよく聞くのですが、心臓震盪…。

 心臓震盪とは、「胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態」だそうです。※1比較的弱い衝撃によって起こることが多いらしく、スポーツ中のお子様や若年層に多い症状ですが、一般的に広く知られてはいないようです。

※1:「比較的弱い衝撃とは、胸骨や肋骨が折れたり、心臓の筋肉が損傷するような強い衝撃ではなく、子どもが投げたボールが当たる程度の衝撃です。」

 心臓震盪は衝撃の力によって心臓が停止するのではなく、心臓の動きの中で、※2あるタイミングで衝撃が加わったときに、※3致死的不整脈が発生することが原因と考えられています。

※2:「あるタイミングとは、心臓の収縮のための筋肉の興奮が終わり始める時で、心電図上でT波の頂上から15-30msec(15-30/1000秒)前のタイミングです。」

※3「致死的不整脈とは、心室細動を起こしている状態です。」

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win 糖尿病と交通事故について

 まず、頚椎捻挫(ムチウチ)の症状として、代表的なものは首の痛みや痺れ、手の痺れ等があげられ、ひどい場合には、疲れやすくなる方もおります。この点、糖尿病の症状にも同じような症状があります。交通事故の被害者の中には、元から糖尿病を患っている方もおります。このようなことになってしまうと、医者でも糖尿病によるものなのか、交通事故によるものなのかの区別は非常に困難です。よって、事故以前から手の痺れ等があったのではないかと保険会社は疑ってしまい、治療費を出し渋る場合もあります。仮に治療費が出たとしても既往症とみなされて後遺障害を否定されやすいのが現状です。

 次に、MRI画像を確認してみたところ、後縦靭帯骨化症であったことが判明した場合について説明していきます。

 後縦靭帯骨化症とは、椎体の後面に着いている靭帯が骨化(骨に変性する)する病気です。この骨化した靭帯が脊柱管の狭窄を起し、脊髄や神経根を圧迫すると、手足の痺れ、首の痛みを起します。部位が胸椎や腰椎の場合(頚部に比べ小数ですが)は背中・腰の痛みが生じます。最悪、運動障害も生じる可能性があります。  症状が重い方は手術(圧迫している骨を削る除圧や、除圧後に骨移植やプレート・スクリューで固定する固定術)の必要があります。後縦靭帯骨化症を患ってしまう原因については複数の要因が関与しているのではないかという見解がありますが、明確な原因については不明で、国の特定疾患(難病)に指定されております。ただ、その要因として、肥満や糖尿病等の生活習慣病があげられます。やはり、これまでの相談者で後縦靭帯骨化症を患っていた方の一部は糖尿病を患っておりました。   c_byo_k_8  糖尿病や後縦靭帯骨化症を患った方であっても、症状が出てこなかった場合もあり、交通事故に遭ってからはじめて手のしびれや首の痛みが生じることもあります。しかし、後縦靭帯骨化症の症状はその原因でもありうる糖尿病の症状も重なっており、同じくムチウチの症状にも重なっております。    このような交通事故被害者の症状は元々の疾患であったとして、保険会社は交通事故による症状と見ない場合もあります。保険会社と医師に、「交通事故の後になってから症状が現れた」ことを説明すれば治療費は出してくれるかもしれませんが、手術代の話が出ると打ち切りを迫ったり、最終的に後遺症(後遺障害)を否定されることもあります。仮に等級(このような場合は多くは14級9号)が認められたとしても、後に弁護士が交渉する際に事故との因果関係で争われますので、交渉がしっかりできる弁護士を選ぶ必要があります。

 以上から、糖尿病やそれによる後縦靭帯骨化症を患ってしまうと、いざ交通事故に遭ってしまった暁には他の交通事故被害者よりもとても不利な状況に置かれてしまいます。糖尿病の方々は、交通事故に遭わないよう、普段の生活に十分気を付けて頂く必要があります。もっとも、気をつけていても事故の被害に遭うわけですが・・。

 糖尿病は万病のもとであると同時に真の症状の目くらましにもなってしまうのです。  

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win  糖尿病とは、インスリンの作用がうまくいかず、高血糖状態になってしまう病気です。インスリンとは、血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓などへ取込んで血糖を下げてくれるホルモンです。

 糖尿病は、以下の4つに大きく分類されます。

①1型糖尿病  これは、インスリンを合成する膵β細胞が、免疫異常等によって破壊されてしまうことで発症する糖尿病です。多くは子供がなるものですが、中には成人で発症することもあります。

②2型糖尿病  ①1糖尿病と異なり、これは遺伝的な体質や生活習慣病(高カロリーの食事の取りすぎ、運動不足等)等が原因でインスリンの分泌作用が少なくなったり、働きが悪くなったりして発症する糖尿病です。多くは中高年以降で発症しますが、近年では若年者の発症も増加しております。

③妊娠糖尿病  これは、妊娠中に女性ホルモン等が原因でブドウ糖の処理能力が困難になって発症する糖尿病です。基本的に、出産後には正常に戻ります。

④その他疾患に伴う糖尿病  遺伝子の異常によるもの、他の病気によるもの、アルコールの過剰摂取による膵臓の破壊によるもの、等があげられます。

 これらの糖尿病のうち、日本の糖尿病患者の約95%は、②2型糖尿病です。

 糖尿病の症状として、代表的なものは、

・のどが渇くこと ・尿の量・回数が多いこと ・体重が減少すること ・易疲労性、 ・手足の痺れがあること、 ・目がかすむこと、 ・性機能の不全  等があげられます。

 症状の現れ方は、1型糖尿病の場合は急に発症ずるのに対し、2型糖尿病はゆっくり発症するため、気が付かないまま病気が進行してしまう点にそれぞれ特徴があります。    交通事故に遭われた方の中には、既に糖尿病にかかってしまっている方もおりました。糖尿病の症状は、頚椎捻挫(ムチウチ)や後縦靭帯骨化症の神経症状と重なることがあり、事故による症状であるのか否かの判別が非常に難しいことがあります。    次回は、糖尿病患者が交通事故に遭った場合の立証の厳しさについてまとめていきたいと思います。  

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 開放骨折の場合は、骨が皮膚の外に出てしまいます。これは骨の中にばい菌が入り、感染を起こす可能性が非常に高くなります。処置はデブリードマンと言って、傷口はおろか骨までガリガリ削るように洗浄します。それで一安心ではなく、その後も骨折部位に直接にプレートや髄内釘を接触させた結果、感染を起こし化膿性骨髄炎を引き起こす可能性を残します。ひどいと切断の可能性も予想されます。  kaihou開放骨折のガステロ分類  感染症はMRSA(methicillin‐resistant Staphylococcus aureus メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と呼ばれ、抗生物質が効きづらいので、開放骨折の場合は医師から最も警戒されます。   met  ○ 黄色ブドウ球菌は、基本的に弱毒菌のため、私たちの抵抗力がしっかりあれば、特に重症化することはありません。 MRSAはこの黄色ブドウ球菌の仲間で、性質は黄色ブドウ球菌と一緒ですが、耐性遺伝子を持っており、抗生物質が効きにくくなっています。その為、治療が思うように進まず、患者の抵抗力だけが頼りになる場合が多いのです。重症化すると敗血症、髄膜炎、心内膜炎となり、骨髄炎などに陥って死亡する事もあります。   ○ 緑膿菌は土壌・水中・植物・動物(ヒトを含む)などあらゆるところから分離される常在菌で、ヒト・動物はもちろん、植物にも病気を起こすことがありますが、その病原性は低く、抵抗力のある人はデブリ洗浄で傷口をきれいにすれば、通常は発病することはありません。   続きを読む »

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