骨折した椎体はどこですか?   ⇒ 前回    主に圧迫骨折する椎体としてあげられるのは、頚椎、胸椎、腰椎、とあります。  頚椎はC1~7まで、腰椎はL1~L5までと見ればすぐに数えられる数しかない上、頚椎や腰椎は範囲が狭いため、どこが骨折していて、それが何番目の椎体なのかをすぐに判断できます。これに対して厄介なのが、胸椎です。

 胸椎はT1~12までと頚椎や腰椎に比べて、数が多いです。さらに、胸椎は首の根本あたりからみぞおちあたりまでありますので、範囲がとても広いです。以上から、胸椎を数えるのは、頚椎や腰椎に比べると大変な作業です。

 これは医学について素人ではもちろんですが、医学のプロである医師でも数え間違えたりします。例えば、胸椎の12番目と11番目を数え間違えたり、胸椎の12番目と腰椎の1番目とを数え間違えていたりしたことがあります。圧迫骨折は安静にして(保存療法)、骨の癒合を待つことが多いため、リハビリ等は通常せず、圧迫骨折の部位については、臨床上、痛みの部位と骨折箇所が一致していれば、大きな問題はなさそうです。しかし、圧迫骨折が交通事故によるものの場合、医師に診断書を書いて頂く必要があり、また、後遺障害の手続きがありますと、後遺障害診断書はもちろん、骨折部位の画像を保険会社や自賠責調査事務所に提出する必要があります。書いて頂いた診断書に誤りがあった場合、修正が必要になる場合もあります。

 椎体の番号を数え間違えている診断書や後遺障害診断書はこれまでたくさん見てきました。臨床上では大勢に影響はなくても、保険手続上では所々で大切になってきます(例えば、労災申請や保険申請時に傷病名がはっきりしないと書類が書けないという相談者が過去におりました)。  

 保険手続きをしっかりやるには、画像を見れることが必要です。交通事故や保険手続きに力を入れている事務所であるならば、もし相談者が診断書や画像を持参してきた場合には、画像をしっかり見てあげてください。  

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 お医者さんの全てが名医で、初診で正しい診断名をつけてくれるとは限りません。とくに、事故受傷から期間の開いた診断名は、因果関係を疑われます。本件も受任した弁護士先生が、その危険を察知したのか、秋葉へ相談していただきました。一見、簡単に認定はされないだろうと、釘をさしたが、基本通り圧迫骨折の立証を進め、無事に認められました。簡単な認定のようで、実は危ない経緯だったのです。

こんな仕事の連続です

11級7号:腰椎圧迫骨折(20代男性・埼玉県)

【事案】

オートバイ走行中、交差点で相手方自動車が左方から衝突、さらに、その衝撃で道路右側に激突した。腰と左膝を受傷した。

【問題点】

救急搬送先で腰部打撲、左下腿打撲の診断に留まり、自宅近くの整形外科に転院・リハビリを開始してから、左脛骨不全骨折の診断となった。また、事故から5カ月目のMRI検査によって、腰椎圧迫骨折、左膝靱帯損傷の診断となった。これら診断の遅れが問題。相談に来たのもその頃で、さらに保険会社から治療費の打ち切りを打診されていた。

【立証ポイント】

事故直後のXP画像上、腰部圧迫骨折と見られる箇所はかろうじて確認できたが、他方で事故から数カ月経過後のMRIを確認したところ、年齢が若いためか、水分反応が希薄になっていた。臨床上、骨折が後になって見つかることはあるが、後遺障害等級の審査では因果関係を否定されやすい。主治医に後遺障害診断書に腰椎の圧壊具合を丁寧にまとめて頂き、事故当初のXP画像やMRI画像から骨折箇所をピックアップして画像打出しを作成、補強した。

申請から約1カ月後、首の皮一枚で11級7号が認定される。  

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 1年に2~3件は、審査を間違えたような認定に出くわします。それは、実態よりも軽く判断されることだけではなく、重めの等級が付いてしまうことも含みます。秋葉事務所でも、疑問の残る認定を今年上半期で既に3件カウントしています。

 もちろん、自賠責も労災も厳密な基準が存在し、また、微妙な案件については、自賠責は専門部会があり、13級以上の認定となれば、全件ではないようですが、上部審査を仰ぐことになります。この内部的な基準や審査過程は非公表なので、推察するしかありません。労災は顧問医の診断がありますので、書面審査を原則とする自賠責に比べて、やや安心感をもっています。

 冒頭に戻りますが、明らかな骨折等の器質的損傷があれば、明確な基準に当てはめやすいと思います。しかし、頚椎捻挫などによる神経症状は、客観的な数値がありませんので、症状の一貫性など、全体的に信憑性を判断します。しかし、これもどちらともいえない微妙な判断を強いられる案件もあるはずです。その場合、やはり、審査員の裁量如何になってしまうと思います。年間5万件ほどの14級9号認定に、より精密な調査・審査をすることに限界があります。これ以上、多くの人員や時間を割く事は不可能だと思います。恐らく、14級9号が一番、審査員によって、判断がぶれると思っています。

 その他、鎖骨の変形の判断も、やはり、基準は明確な左右差としていながら、微妙な差の場合は、判断する人の主観に委ねられます。醜状痕なども、○cm以上との基準がありますが、前提として「目立つか否か」を検討しますので、審査側の判断や面接官(1名ではなく、2名となっていますが)の主観で分かれること多々ありました。

 高次脳機能障害の等級判定も、専門的な審査会の合議を経ていますが、障害の実像を1、2、3、5、7、9の6段階で判別することは決して簡単ではないと思います。診断書はじめ、各種検査データ等、提出書類の充実が明暗を分けます。しかしながら、これら書類は自動的に集まるものではなく、医師も完全に把握していません。審査側も、審査上欠かせない書類は追加要請してくれますが、親切に提出すべき書類を教えてくれるわけではありません。したがって、主張していないこと=書面化していない障害は「存在しない」ことになります。ですから、私達のような業者が必要であるとアピールしています。個人的には、自賠責側が被害者さんとご家族に面接する必要性を感じていますが、これも、人的・時間的に不可能でしょう。

 人が審査する以上、このようなジャッジのぶれは仕方ないと言えます。ただし、その結果、数十万~数百万円の賠償金をほとんど決定してしまう、自賠責・後遺障害等級の怖さがあります。この分野のプロを名乗る以上、しっかり証拠や主張を揃え、審査側のぶれを少なくする努力をしていきたいと思います。   

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 圧迫骨折の11級は何度と無く認定を得ています。しかし、8級は椎体が半分以上潰れている必要がありますので、症例も少なく、その点、8級認定は久々です。

 また、高齢者の圧迫骨折は陳旧性の可能性があり、老化で椎骨が既に潰れていることがあります。さらに、潰れが再生するどころか進行することがあります。この病的変化の一例として、骨粗鬆症があります。つまり、医学的な知識基盤が無いと、間違った方向に進みます。そして、医師でもない素人がMRI画像を観つづけている理由は、このような障害の真相を申請前にしっかり把握するためです。

 画像読影は確かに難しいのですが、基本的なことは押さえなければなりません  

8級相当:胸椎圧迫骨折(40代男性・山梨県)

【事案】

自動車で国道を直進中、信号のない交差点を右折してきた車に衝突され、その勢いでガードレールに衝突。車は大破し炎上。直後から全身の痛みに悩まされる。

【問題点】

MRI画像上、外形の圧壊がはっきりと出ており、11級認定は堅かった。しかし、MRI画像を経過的に観ると、圧壊が徐々に進行を示しており、内在的な病的変化も疑われた。また、相談された段階で事故から既に2年が経過しており、1年間は自費でリハビリ継続していた。

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 本件は12級の立証が出来なかった点で負けです。4ヶ所の病院に6回の検査、10回に及ぶ病院同行も成果につながらなかった。

 依頼者さまの胸部激痛の原因を明らかに出来なかった。結果を出せなければプロではありません。年に2~3件は、このような悔しい思いを残すことになります。

全力を尽くした納得感? そんなものはありません!  

14級9号:第一肋骨亜脱臼?(50代男性・茨城県)

【事案】

自動車で交差点を直進横断中、対抗右折車の急な右折で衝突。その衝撃で、シートベルトの食い込みで一番上の肋骨が亜脱臼したと思われ、以後、激しい痛みが続いた。 【問題点】

胸部の痛みの原因を明らかにし、器質的損傷として12級にもっていく・・・簡単なミッションではない。受傷機転から痛みに疑いはないものの、脱臼・骨折がレントゲン、CTからは不明瞭。骨のズレ(転位)や、明らか骨折と変形がなければ、12級13号にならない。このままでは14級が限度となる。

【立証ポイント】

肋骨の状態について、事故前後の比較が出来ないながら、初回申請から3D・CT画像を入念に検証した。また、内在的な理由を求めて、内視鏡を使った食道の検査、嚥下障害の検査も実施した。ついには、都内の大学病院・専門医を渡り歩き、原因追求の手を休めなかった。

想定していたとは言え、初回申請では14級の判断、経過的な画像を打ち出しと画像分析表を付した再請求を試みたが変更なく・・

結果として、12級の壁は厚かった。秋葉事務所としては久々の敗北となった。唯一の救いは、依頼者様の感謝と、納得の上で解決を迎えたことか。  

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 歯の後遺障害は、加重障害の判定(現存障害-既存障害)となりますので、少々、計算が必要です。本件は虫歯等で、補綴(ほてつ・・・金属を被せるなどで治した)歯がなく計算が楽でした。    後遺障害も簡単に認定されますが、後の賠償交渉で逸失利益が取れないんだよなぁ・・。  

14級2号:歯冠破損(20代男性・静岡県)

【事案】

自転車で直進走行中、相手方自動車が左折進入し衝突、顔面を受傷した。左側前歯2本、右側前1本の歯を破損した。

【問題点】

受傷直後に相談を受けたが、その時点で口の痛みがほぼなくなり、食事も可能であった。歯だけに後遺障害を絞ることに。

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 春の重傷認定シリーズの③から⑤は同一案件です。この記事3つを書くことも大変ですが、実際の立証作業も、期間にして6ヶ月、病院同行8回、大変なボリュームでした。通常の3人分どころか、特殊性から5人分の作業に感じました。

 重傷と言うには12級は低目かもしれませんが、本件被害者さんは、事故と手術でずたずたになった腹部の形成のため、背中とお尻から広範囲に皮膚を採取しました。これだけも、被害者の苦しみがうかがわれます。

 本件は併合4級となり、後は十分な賠償金の獲得を連携弁護士に引き継ぎました。相手保険会社の反論はもちろん、裁判になっても、私が集めた医証で一蹴できると思います。

 

12級相当:背部+臀部の瘢痕(20代男性・東京都)

【事案】

歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。

内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の増設を含め、腹部に数度の手術を施行した。胸腹部の手術瘢に加えて、植皮のために背部・臀部の広範囲から皮膚採取を行った。

【問題点】

後遺障害診断書には書ききれないので、別紙記載が望まれる。

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 季節は初夏を迎えようとしていますが、春の重傷認定シリーズ①②に3つほど追加します。この3つは同一案件です。内容ギッシリなので、3つに分けて整理したいと思います。

 第一弾は、案件としてはレアな臓器腹部の障害です。排尿障害の事案は何度も経験してしますが、生殖機能の障害については2度目です。今回、初のリジスキャン検査を実施しました。検査のできる病院と医師は少なく、患者の誘致が必要です。また、費用も健康保険が使えませんので、相手保険会社と(自由診療で高額な)検査費用を巡る折衝が必要です。この点、弁護士の交渉力がものを言います。医療調査の行政書士(あるいは医療調査員)と、対相手保険会社に備える弁護士、この両輪が立証活動を順調にするのです。

 交通事故の中でもとくに重傷案件の場合、行政書士・弁護士の単独受任では心もとないと思います。片方だけの活躍では、本件の立証は難しかったと思います。この両輪体制と専門性を評価、ご依頼下さった依頼者さまの慧眼に敬意を表しています。

   チームで戦っています。士業の連携こそ、専門性が活きるのです!  

6級相当:骨盤骨折・生殖機能障害 排尿障害(20代男性・東京都)

【事案】

歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。

内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の増設を含め、腹部に数度の手術を施行した。不幸にも、最初の術中に低酸素脳の状態が生じ、脳にも障害を残すことになった。

主な症状を列挙すると、生殖機能、排便・排尿の障害、脳由来の神経症状から軽度の言語障害と易疲労性、体感バランス・筋力の低下、4肢の軽度麻痺、さらに、胸腹部・背部・臀部の広範囲に瘢痕・手術痕を残した。

【問題点】

非常に多くの障害を残したことから、検査、診断書記載について、それぞれ担当した専門科の医師の協力を取り付ける必要があった。

自賠責保険が規定する障害の系列について、立証作業を整理・構築でき、必要な検査を熟知している事務所に依頼できるか否か・・本件事故の解決の第一歩を誤ってはいけない。

【立証ポイント】

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(時事ネタからの所感)

 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、これら感覚器の障害は、まず、事故受傷との因果関係が問われます。脳外傷や顔面骨折があれば、神経に直接のダメージが想定されますので、立証は容易になります。一方、頚椎捻挫などで障害が生じた場合、交通事故との因果関係の立証に大変な苦労を強いられます。なぜなら、ストレスや疾患(病気)で一時的に耳鳴りや、聴覚が低下・消失することもあるからです。

 わかりやすく言えば・・、

KEIKOさんの場合⇒くも膜下出血による聴覚障害 = 立証は容易

小室 哲哉さんの場合⇒介護の過労、ストレスによる聴覚障害 = 因果関係?、一過性?から認定は困難

 となるわけです。   (少しマニアックな所感)

 過去に味覚・嗅覚をそれぞれ脱失した場合、自賠責はどちらか片方のみを認定するケースが少なからずみられました。本件では両方、認められました。脳外傷起因は確実で、検査結果も万全であったからだと思います。  12級以上が複数認定されると、等級は一つ繰り上がり、12級相当が2つならば併合11級となるが、本件では高次脳機能障害で7級4号が認定されているので併合6級となる。この場合、12級がいくつ認められても、自賠責の併合ルール上、併合6級の結果は変わらない。偏見を持ってはいけませんが、自賠責は味覚・嗅覚の両方申請の場合、因果関係と検査結果が甘ければ、バランスを見て一つだけ12級認定している印象をもってしまう。そのようなケースではシビアに立証しなければならない。秋葉事務所としても、課題としている分野です。

 常に味覚・嗅覚のダブル認定を目指しています  マーク・パンサーさん(パニック障害と報道されていましたが・・)は元気かな?  

12級相当:味覚・嗅覚障害(50代女性・埼玉県)

【事案】

オートバイで直進中、交差点で左方から相手方自動車が進入し、衝突、受傷した。

【問題点】

事故当初は頭部外傷の治療をメインにしていたため、味覚・嗅覚の検査が後回しになった ...

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 私達の重要な仕事の一つに、検査が出来る病院を確保することが挙げられます。

 医師は通常、治療の為の検査しか行いません。一方、自賠責保険は障害の有無・程度について、その証拠、つまり、検査結果や画像を要求します。それが治療上必要、例えば、手術前の検査であれば医師は普通に実施します。逆を言えば、治療に必要の無い、まして、保険請求や賠償交渉の為などに検査を指示しません。だからこそ、メディカルコーディネーターとしては、検査設備と技師、理解ある医師を各県に掌握していなければならないのです。

 本件によって、また一つ、弊所のリストに耳鳴りの検査先が加わりました。この仕事、知識だけでは絵に書いた餅です。病院の確保こそが被害者を救います。

昨年から耳鳴りの立証、連勝中です!   

12級相当:耳鳴り(60代女性・埼玉県)

【事案】

自転車で横断歩道を走行中、右折車に衝突される。頭部外傷から髄液耳漏、難聴が発症した。

【問題点】

病院・保険会社・労災とのやりとりで疲弊していた。事故から既に5ヶ月経過していたが、聴力検査は行っていたもの、耳鳴りの検査は未実施だった。

【立証ポイント】

急ぎ病院同行し、ピッチマッチ検査・ラウドネスバランス検査の依頼をすると、「ちょうど一カ月前に来たスタッフが、耳鳴りの検査が出来るかもしれない。」ということですぐに検査が実施された。耳鳴りの検査を実施できる病院は少ない為、ラッキーであった。他院への紹介状依頼を想定していたからである。

検査結果をみると、12級が狙える数値であったため、全ての期間の聴力検査を精査・提出し、無事に12級相当が認定された。 続きを読む »

 「実際に事故で折れた歯が3本ないと14級2号にはなりませんよ」・・こんなことを言う専門家が多くて困ります。

 実際に折れた歯に補綴※歯を加えます。さらに、自賠責の歯の後遺障害には「加重計算」という独自のルールがあります。残念ながら、歯科医は自賠責のルールを知りませんし、交通事故の専門家を名乗りながら、このような基礎知識がない先生も少なくありません。したがって、多くの被害者さんは申請せずに、歯の後遺障害はスルー!、鬼スルーとなります。

※ 補綴(ほてつ)とは、歯が欠けたり失われた場合に、冠、クラウン、入れ歯(義歯)やインプラントなどの人工物で補うことを言います。

 歯の加重計算もお茶の子さいさいです  

14級2号:歯牙欠損(40代女性・埼玉県)

【事案】

自転車搭乗中、交差点で右方から来た車に衝突され、前歯を折った。

問題点】

相談時には、歯で後遺障害申請が出来るとは思っておらず、治療完了からそのまま放置していた為、歯科医には診断書の依頼をしていなかった。

【立証ポイント】

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 毎度、華々しい実績を披露していますが、反面、失敗例も存在します。とくに、異議申し立ての成功率は50%前後であり、半分が残念な結果となります。依頼者さまの強い依頼の希望があったにせよ、「無理です」とお断りするべきなのです。再請求の為に、貴重なお金と時間を浪費するのは被害者本人です。被害者さまにとって、結果は常に100%でなければならないのです。

 本件は、認定基準どおりの審査結果ですが、矛盾をはらんだものです。以下、経過をみて下さい。敗北は実績ページに記録されません。それでも、秋葉自身の戒めとして、ここに記録を残します。 「くそっ!」・・依頼者に申し訳ない

変更なし:大腿骨骨折 異議申立(80代女性・熊本県)

【事案】

自動車運転中、センターラインオーバーの対向車と正面衝突、両大腿骨の骨幹部~顆上部を骨折、その他、わずかに腰椎と恥坐骨を骨折したもの。事故前は現役で働いており、年齢以上の体力があった。それでも、高齢ゆえに、両脚の骨折は自力歩行までの回復が危ぶまれた。その後、髄内釘とプレート固定術を経て、歩行回復訓練を続けたが、やはり、歩行器の使用による独歩が限界であった。

【問題点】

既に事前認定で審査されており、右大腿骨は変形による12級8号となったが、左大腿骨は骨癒合が成されたとして、疼痛の残存(神経症状)=14級9号に留まっていた。この結果をもって弊所に相談にいらした。上位等級への変更の可能性を検討すべく、画像を精査した。腰椎と恥坐骨は癒合しているので14級が限度。右大腿骨に一部癒合不良があることに気付いたが、現状、癒合の進行を待つ状態から、再請求の決断に踏み出せなかった。

その後、癒合不良を改善すべく、医師は再手術を決断、大腿骨のわずかな骨欠損部に腸骨を埋没、さらにプレートを固定を追加することになった。ここに至って、ご家族から異議申立ての強い希望を受けて、再び、熊本へ飛ぶことになった。

【反省ポイント】

手術は成功し、術前より骨の強度は増したと言える。しかし、疼痛は相変わらず、なんと言っても、癒合不良という事実があったことが、本手術で証明されたことになる。つまり、癒合不良=器質的損傷が確認できる疼痛であれば、”頑固な神経症状を残すもの”12級13号の要件に合致する。つまり、左右の脚の併合で11級とすべきである。再請求では、この事情を説明した申立書を作成した。添付資料には、受傷後から再手術後に至るまでの10数枚の画像の分析資料、いくつもの手術痕を写した写真、事故前後の日常生活の変化の記録を付した。治療経緯と残存する障害の実態を訴える精密な資料を提示し、自賠責の実情を汲んだ認定を期待したのである。

しかし、「再手術で癒合不良は改善されたので、14級は変わらず」との結果に。それでは、最初の認定、14級は間違っていたのではないか!との反論が残る。このような経緯もあった上、両脚を折って、その後何度も手術を重ね、歩行困難にまで陥ってしまった労苦は顧みられず、基準に沿ったジャッジが下った。

では、相談のあった時点=再手術前であれば12級を認めたのか?このような悔恨も生じる。しかし、骨の変形は画像で判定されるとはいえ、1度目の審査で「(問題なく)癒合された」と判断された以上、容易に覆さないであろう。これが、人が審査するものであるところの難しさかもしれない。本件でも”初回申請で勝負を決めるべき絶対的な教訓”を噛み締めることになった。   追伸:引き継いだ連携弁護士はこの結果を受け、再手術までの治療費を拡張請求し、加えて慰謝料の増額事由に活かすことにしました。再調査の努力と資料は決して無駄にしません。  

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 頭蓋骨骨折、顔面骨折、脳挫傷・・これらの診断名があれば、予後の耳鳴りはじめ、視力・嗅覚・味覚の障害が残存したと言っても信じてくれるでしょう。つまり、後遺障害等級が認定されます。しかし、頚椎捻挫、いわゆる、むち打ちでそれらの障害を訴えても、「なんで捻挫ごときでそうなるの?」との疑義を払拭できません。

 立証のポイントは、1、受傷直後からの訴え 2、早期の検査実施と数値 3、全体的な信憑性 でしょうか。

 本件の立証は、この3つについて、申請側と審査側の双方にギリギリの攻防(正確には調査ですが)が続きました。それでも、最後は人が審査するもの、自賠責は実態を重んじ、そして信用してくれました。

   本件は山本が担当、耳鳴り14級は経験済み、さらに12級も立証完成!  

12級相当:耳鳴り(60代男性・埼玉県)

【事案】

自動車運転中、交差点で信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛や手のしびれのみならず、耳鳴りも発症した。

【問題点】

相談を受けた当時、整形外科の他、接骨院にも通院していたことから、まず整形外科で集中的に治療するよう指示した。また、本件では頚椎捻挫の診断名ながら、事故当初から耳鳴りも発症していた。オージオグラム検査上、検査数値は8000Hzで60dB以上、6分平均で35dB以上出ていたが、診断書上、耳鳴りの記載が登場したのは、事故から1ヶ月後で、かつ、耳鼻科での治療先を探すのに時間がかかったため、耳鼻科での治療開始時期が事故から2カ月以上経ってからとなっていた。

自賠責保険の申請で最高難度の一つと言える、骨折などの器質的損傷がない、「むち打ちで耳鳴り12級」の立証が課せられた。 続きを読む »

山本、連投!

 事故によって圧迫骨折していない場合について    例としまして、骨粗しょう症や、骨粗しょう症とまではいかなくても骨シンチクラフィで骨密度が少なくて骨折しやすい人が、すでに骨折している状態で不運にも交通事故に遭ってしまった場合があげられます。その例では、交通事故に遭うまで痛みがなく、圧迫骨折していたことに気づかなかった方でした。その方は交通事故が引き金となって痛みが出てきたようです。

 交通事故によって圧迫骨折したかどうかの判断は、簡易的なものとして、MRI撮影することで判別可能です。画像上、強い水分反応が出ていれば、事故による圧迫骨折(新鮮骨折)といえるのに対し、事故前から少しずつ圧迫骨折しているような場合、水分反応は低くなります。(以下の画像のように判別可能です)

 しかしながら、事故によって圧迫骨折していないかったとしても、完全に後遺障害等級が認定されないわけではありません。この点、事故が引き金となったことが信用されれば、後遺障害等級で12級13号ないしは14級9号が認定される可能性があります。この場合の注意点としましては、12級13号、14級9号は、痛みなどの神経症状が残存していることが前提とされている等級である点があげられます。よって、事故から痛みなどを発症し、かつ、症状固定時まで神経症状が残存していなければ認定されません。

 以上から、事故によって圧迫骨折しているかどうか判別が困難な場合、後遺障害等級の認定のためには、前回述べたとき以上に、症状が残存しているうちに症状固定(事故から半年後)をする必要性があるといえます。

※ 高齢者の圧迫骨折の場合→「高齢者の骨折にはご注意を・・・」という記事をご参考ください。  

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本日は山本が担当します

 圧迫骨折とは、骨が圧迫されることによって生じる骨折をいいます。骨が折れるというより、つぶれるようなイメージです。圧迫骨折は、一般的に歩行中や自転車登場中に自動車にはねられ転倒、路面に尻餅をつくような縦の強い衝撃によって起こりうるものです。  圧迫骨折をした場合、受傷直後は激痛により、動けなくなることが多いです(救急搬送されることが多い)が、他方で、事故から半年ほど保存療法を続けていれば、痛みは多少残存しますが、軽減しやすいものといえます。そのため、圧迫骨折をしてもすぐにお仕事に復帰できる方も過去にはいらっしゃいました。

 この通り、圧迫骨折の場合、痛みが軽減しやすいものですので、事故から半年が経過した場合、骨の癒合が確認できていて、さらに、主治医のやることが保存療法ぐらいしかない場合には、症状固定することをお勧めします。なぜなら、症状としての痛みがなくなると、その分、後遺障害等級が認定されにくくなるからです。

 他方、圧迫骨折で保存療法以外に治療が必要であれば、症状固定をするかどうかは主治医としっかり話し合って決める必要があります。そのような場合には慎重に決める必要がありますので、ご注意ください。

 圧迫骨折で認定される等級としては、11級7号、8級2号、6級5号があげられますが、事故によって圧迫骨折した場合、11級が認定されることが多いです。8級2号や6級5号は、可動域制限まで生じる重症者の場合に認められうるものです。

 次回はその反対に、事故によって圧迫骨折していない場合について、まとめていきたいと思います。  

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 もう一件も醜状痕です。本件は髪の毛に隠れる部分と、露出する部分の区分けが運命を左右しました。

 頭髪内の醜状痕は手のひらの面積を要します。つまり、頭髪で隠すことができない広さです。本件は、前髪をかき上げて、額部の陥没を主張しました。男性の場合、割と額を見せ易いのですが、女性の場合は生え際の醜状を表出させづらいものがあります。多くの方は髪の毛で隠して、何事もなく過ごすでしょう。過去に、自賠責から、「髪の毛で隠れるから後遺障害にはあたりません」と回答されたことがあります。まるで生え際の攻防、これも審査する人によってぶれる障害認定の一つです。

 髪型で何とか隠せる? それでも、醜状痕は存在するのです。 短髪にしたら目立ちますよ!  

7級12号:顔面陥没痕(20代男性・栃木県)

【事案】

自転車で横断歩道を直進中、左方から自動車が衝突、受傷した。救急搬送され、脳挫傷、頭蓋底骨折の診断となった。硬膜をはく離し、縫い付ける手術?を含む「前頭蓋底修復術」を行った。額に陥没痕を残したが、外傷的には予後順調であった。

【問題点】

面談当時、事故から6年近く経過していた。手術痕は大部分が頭髪内に隠れており、額に及ぶ陥没痕がやや確認できた。この陥没痕が基準上、認められるか。  

【立証ポイント】

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(3)秋葉事務所の場合

 最初から「脊髄損傷」の診断名に懐疑的です。相談会での経験上、診断名に脊髄損傷とあっても、70%は脊髄損傷ではなく、外傷性頚部症候群の範疇となる神経症状でした。そもそも、町の個人開業医の診断力にそれ程、期待していません。また、持参頂いたMRIから、損傷を思わせる高輝度所見を確認するまでは信用できません。

(脊髄損傷の依頼者さまから許可を得て掲載)

 そして、その場でホフマン・トレムナー検査を試み、脊髄損傷の陽性反応をみます。これらの所見が訴える自覚症状と一致して、初めて診断名を信じます。 続きを読む »

 交通事故の相談で、診断書を数千枚、拝見させていただいた経験からです。

 医師の書いた診断書は絶対的に正しく、記載された診断名は間違い無い・・そのような事はありません。何事も間違い・エラーは含まれます。それが医師であっても然りです。また、より問題をややこしくしている点は、臨床上の判断と賠償上の判断が一致しないことです。簡単に言いますと、治療者として患者を診た診断名と、後遺障害として自賠責や労災が基準を設定し、認定した診断名が食い違うことがあるのです。そのような診断名をシリーズでいくつか紹介したいと思います。    まず、経験上、多くみられるのは、「脊髄損傷」です。強烈な上肢のしびれがあり、めまいや頭痛等、重度の神経症状を訴える患者が町の整形外科医に行きました。さて、医師の診断は・・・。   1、手のしびれを訴え、歩行も辛そうだ。単なる、頚椎捻挫では症状が重過ぎる。

2、レントゲンを撮ったが、骨に異状はない。

3、(MRIの設備がないので軟部組織はレントゲンで写らないが)、神経になんらかの損傷があったのでは?

4、したがって、診断名は「(軽度の)頚髄損傷」。    診断名はこのようなプロセスで浮上します。以下、迷走を続けます。   5、そして、脊髄損傷(頚髄損傷)の診断名をゲットした患者さんは、紹介された大きい病院に入院してステロイド治療に進みます。

6、対して、保険会社は「むちうちで脊髄損傷?ふざけるな!」と入院先の患者に面会し、医師に症状を問いただします。

7、医師は「強烈な痺れを訴えています。頚部の神経に微細な損傷があると思います。正確に言えば頚髄不全損傷です」。しつこく画像所見を問いただすと、「う~ん、頚髄損傷の疑いでしょうか」と、だんだんトーンダウンしてきいきます。

8、確かにMRI検査の結果からも、脊髄損傷を示す明らかな所見がみつかりません。当然、保険会社は入院治療を拒否、その後の通院も3ヶ月を目処に打ち切りを打診してきます。

9、患者は、保険会社の攻勢に対して、「脊髄損傷なのに横暴な!」と弁護士に泣きつきます。そこからは、弁護士等受任者の経験・実力から、さらなる迷走か、軌道修正か、運命が分かれます。    以下、3パターンをみてみましょう。   (1)交通事故案件の経験少ない弁護士の場合

 診断書を見て、「脊髄損傷じゃないですか!」と最初から丸ごと信じます。「後遺障害は9級、7級が見込めます。少なくとも12級になります!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

 しかし、自賠責の等級は「非該当」もしくは「14級9号」となるはずです。そこで、期待させた依頼者から、散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。毎度、脊髄損傷の診断名はうやむやとなり、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果となります。

 交通事故に限らず、弁護士先生は、医師の診断書(その他の公文章)を信用し過ぎる傾向があります。イノセントとは言えますが、経験不足は否めません。このようなケースを何件もみてきました。   (2)交通事故にそこそこ経験ある弁護士の場合

 「ちょっと待って、診断書の診断名は置いておいて、MRIで脊髄損傷の所見は得られているのでしょうか?」からスタートします。そして、訴える症状を検証するために、現在の主治医だけではなく、専門医の診断を示唆します。臨床上の診断名が賠償上、維持できるか慎重になります。

 結局、自賠責の認定結果を待って、認定等級を前提に賠償交渉を計画します。問題は「脊髄損傷」の診断名にこだわる依頼者をどう説得するかでしょうか。    明日は、(3)秋葉事務所の対応 を披露します。  

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 前日に続き、編集ページ「臓器・胸腹部」の異議申立て、実例    

臓器の障害が少ない理由は、ズバリ手術で治るケースが多いからです。また、手術を施しても・・の場合、内臓破裂では出血性ショックから少なからず死亡に至るからです。等級認定も特殊で、多臓器の症状が複合的に作用した場合、それらを加算しての総合評価で等級を決定します。

胸部のケガ、臓器を除けば、その大多数は肋骨骨折です。肋骨は臓器を守る役目からか、骨折しても癒合するまで保存療法とすることが多く、手術による整復は稀です。せいぜい、コルセットなどで固定するのみです。医師も肋骨骨折には関心薄く、多少の変形はもちろん、完全癒合しない場合でもあえて処置をしません。それ位、軽視される骨折です。したがって、裸体で確認できるほどの変形がなければ、等級認定はほとんどありません。

腹部の場合、臓器を除けば、第一に骨盤骨折でしょう。これも、腸骨自体の骨折なく、恥骨・座骨のみの骨折の場合、自然癒合を待つことが多くなります。また、癒合完了後、周辺の神経を痛めさえしなければ、後遺障害が残りません。   以下の例が代表するように、予後の症状をしっかり把握することが肝要です。臓器も修復し、骨折も無事に癒合しました・・しかし、痛み・しびれの残存、排尿・排便障害などの神経症状、さらに、腎機能の低下、生殖能力の低下などの障害を見逃してはなりません。この分野は、自分から言いづらい、表に出ずらい症状が多いのです。  

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 実績ページを編集しました。    

臓器の障害が少ない理由は、ズバリ手術で治るケースが多いからです。また、手術を施しても・・の場合、内臓破裂では出血性ショックから少なからず死亡に至るからです。等級認定も特殊で、多臓器の症状が複合的に作用した場合、それらを加算しての総合評価で等級を決定します。

胸部のケガ、臓器を除けば、その大多数は肋骨骨折です。肋骨は臓器を守る役目からか、骨折しても癒合するまで保存療法とすることが多く、手術による整復は稀です。せいぜい、コルセットなどで固定するのみです。医師も肋骨骨折には関心薄く、多少の変形はもちろん、完全癒合しない場合でもあえて処置をしません。それ位、軽視される骨折です。したがって、裸体で確認できるほどの変形がなければ、等級認定はほとんどありません。

腹部の場合、臓器を除けば、第一に骨盤骨折でしょう。これも、腸骨自体の骨折なく、恥骨・座骨のみの骨折の場合、自然癒合を待つことが多くなります。また、癒合完了後、周辺の神経を痛めさえしなければ、後遺障害が残りません。 以下、認定例も少なく、事務所としてもより多くの症例を重ねたいと思っています。  

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