山本、連投!

 事故によって圧迫骨折していない場合について    例としまして、骨粗しょう症や、骨粗しょう症とまではいかなくても骨シンチクラフィで骨密度が少なくて骨折しやすい人が、すでに骨折している状態で不運にも交通事故に遭ってしまった場合があげられます。その例では、交通事故に遭うまで痛みがなく、圧迫骨折していたことに気づかなかった方でした。その方は交通事故が引き金となって痛みが出てきたようです。

 交通事故によって圧迫骨折したかどうかの判断は、簡易的なものとして、MRI撮影することで判別可能です。画像上、強い水分反応が出ていれば、事故による圧迫骨折(新鮮骨折)といえるのに対し、事故前から少しずつ圧迫骨折しているような場合、水分反応は低くなります。(以下の画像のように判別可能です)

 しかしながら、事故によって圧迫骨折していないかったとしても、完全に後遺障害等級が認定されないわけではありません。この点、事故が引き金となったことが信用されれば、後遺障害等級で12級13号ないしは14級9号が認定される可能性があります。この場合の注意点としましては、12級13号、14級9号は、痛みなどの神経症状が残存していることが前提とされている等級である点があげられます。よって、事故から痛みなどを発症し、かつ、症状固定時まで神経症状が残存していなければ認定されません。

 以上から、事故によって圧迫骨折しているかどうか判別が困難な場合、後遺障害等級の認定のためには、前回述べたとき以上に、症状が残存しているうちに症状固定(事故から半年後)をする必要性があるといえます。

※ 高齢者の圧迫骨折の場合→「高齢者の骨折にはご注意を・・・」という記事をご参考ください。  

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本日は山本が担当します

 圧迫骨折とは、骨が圧迫されることによって生じる骨折をいいます。骨が折れるというより、つぶれるようなイメージです。圧迫骨折は、一般的に歩行中や自転車登場中に自動車にはねられ転倒、路面に尻餅をつくような縦の強い衝撃によって起こりうるものです。  圧迫骨折をした場合、受傷直後は激痛により、動けなくなることが多いです(救急搬送されることが多い)が、他方で、事故から半年ほど保存療法を続けていれば、痛みは多少残存しますが、軽減しやすいものといえます。そのため、圧迫骨折をしてもすぐにお仕事に復帰できる方も過去にはいらっしゃいました。

 この通り、圧迫骨折の場合、痛みが軽減しやすいものですので、事故から半年が経過した場合、骨の癒合が確認できていて、さらに、主治医のやることが保存療法ぐらいしかない場合には、症状固定することをお勧めします。なぜなら、症状としての痛みがなくなると、その分、後遺障害等級が認定されにくくなるからです。

 他方、圧迫骨折で保存療法以外に治療が必要であれば、症状固定をするかどうかは主治医としっかり話し合って決める必要があります。そのような場合には慎重に決める必要がありますので、ご注意ください。

 圧迫骨折で認定される等級としては、11級7号、8級2号、6級5号があげられますが、事故によって圧迫骨折した場合、11級が認定されることが多いです。8級2号や6級5号は、可動域制限まで生じる重症者の場合に認められうるものです。

 次回はその反対に、事故によって圧迫骨折していない場合について、まとめていきたいと思います。  

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 もう一件も醜状痕です。本件は髪の毛に隠れる部分と、露出する部分の区分けが運命を左右しました。

 頭髪内の醜状痕は手のひらの面積を要します。つまり、頭髪で隠すことができない広さです。本件は、前髪をかき上げて、額部の陥没を主張しました。男性の場合、割と額を見せ易いのですが、女性の場合は生え際の醜状を表出させづらいものがあります。多くの方は髪の毛で隠して、何事もなく過ごすでしょう。過去に、自賠責から、「髪の毛で隠れるから後遺障害にはあたりません」と回答されたことがあります。まるで生え際の攻防、これも審査する人によってぶれる障害認定の一つです。

 髪型で何とか隠せる? それでも、醜状痕は存在するのです。 短髪にしたら目立ちますよ!  

7級12号:顔面陥没痕(20代男性・栃木県)

【事案】

自転車で横断歩道を直進中、左方から自動車が衝突、受傷した。救急搬送され、脳挫傷、頭蓋底骨折の診断となった。硬膜をはく離し、縫い付ける手術?を含む「前頭蓋底修復術」を行った。額に陥没痕を残したが、外傷的には予後順調であった。

【問題点】

面談当時、事故から6年近く経過していた。手術痕は大部分が頭髪内に隠れており、額に及ぶ陥没痕がやや確認できた。この陥没痕が基準上、認められるか。  

【立証ポイント】

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(3)秋葉事務所の場合

 最初から「脊髄損傷」の診断名に懐疑的です。相談会での経験上、診断名に脊髄損傷とあっても、70%は脊髄損傷ではなく、外傷性頚部症候群の範疇となる神経症状でした。そもそも、町の個人開業医の診断力にそれ程、期待していません。また、持参頂いたMRIから、損傷を思わせる高輝度所見を確認するまでは信用できません。

(脊髄損傷の依頼者さまから許可を得て掲載)

 そして、その場でホフマン・トレムナー検査を試み、脊髄損傷の陽性反応をみます。これらの所見が訴える自覚症状と一致して、初めて診断名を信じます。 続きを読む »

 交通事故の相談で、診断書を数千枚、拝見させていただいた経験からです。

 医師の書いた診断書は絶対的に正しく、記載された診断名は間違い無い・・そのような事はありません。何事も間違い・エラーは含まれます。それが医師であっても然りです。また、より問題をややこしくしている点は、臨床上の判断と賠償上の判断が一致しないことです。簡単に言いますと、治療者として患者を診た診断名と、後遺障害として自賠責や労災が基準を設定し、認定した診断名が食い違うことがあるのです。そのような診断名をシリーズでいくつか紹介したいと思います。    まず、経験上、多くみられるのは、「脊髄損傷」です。強烈な上肢のしびれがあり、めまいや頭痛等、重度の神経症状を訴える患者が町の整形外科医に行きました。さて、医師の診断は・・・。   1、手のしびれを訴え、歩行も辛そうだ。単なる、頚椎捻挫では症状が重過ぎる。

2、レントゲンを撮ったが、骨に異状はない。

3、(MRIの設備がないので軟部組織はレントゲンで写らないが)、神経になんらかの損傷があったのでは?

4、したがって、診断名は「(軽度の)頚髄損傷」。    診断名はこのようなプロセスで浮上します。以下、迷走を続けます。   5、そして、脊髄損傷(頚髄損傷)の診断名をゲットした患者さんは、紹介された大きい病院に入院してステロイド治療に進みます。

6、対して、保険会社は「むちうちで脊髄損傷?ふざけるな!」と入院先の患者に面会し、医師に症状を問いただします。

7、医師は「強烈な痺れを訴えています。頚部の神経に微細な損傷があると思います。正確に言えば頚髄不全損傷です」。しつこく画像所見を問いただすと、「う~ん、頚髄損傷の疑いでしょうか」と、だんだんトーンダウンしてきいきます。

8、確かにMRI検査の結果からも、脊髄損傷を示す明らかな所見がみつかりません。当然、保険会社は入院治療を拒否、その後の通院も3ヶ月を目処に打ち切りを打診してきます。

9、患者は、保険会社の攻勢に対して、「脊髄損傷なのに横暴な!」と弁護士に泣きつきます。そこからは、弁護士等受任者の経験・実力から、さらなる迷走か、軌道修正か、運命が分かれます。    以下、3パターンをみてみましょう。   (1)交通事故案件の経験少ない弁護士の場合

 診断書を見て、「脊髄損傷じゃないですか!」と最初から丸ごと信じます。「後遺障害は9級、7級が見込めます。少なくとも12級になります!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

 しかし、自賠責の等級は「非該当」もしくは「14級9号」となるはずです。そこで、期待させた依頼者から、散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。毎度、脊髄損傷の診断名はうやむやとなり、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果となります。

 交通事故に限らず、弁護士先生は、医師の診断書(その他の公文章)を信用し過ぎる傾向があります。イノセントとは言えますが、経験不足は否めません。このようなケースを何件もみてきました。   (2)交通事故にそこそこ経験ある弁護士の場合

 「ちょっと待って、診断書の診断名は置いておいて、MRIで脊髄損傷の所見は得られているのでしょうか?」からスタートします。そして、訴える症状を検証するために、現在の主治医だけではなく、専門医の診断を示唆します。臨床上の診断名が賠償上、維持できるか慎重になります。

 結局、自賠責の認定結果を待って、認定等級を前提に賠償交渉を計画します。問題は「脊髄損傷」の診断名にこだわる依頼者をどう説得するかでしょうか。    明日は、(3)秋葉事務所の対応 を披露します。  

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 前日に続き、編集ページ「臓器・胸腹部」の異議申立て、実例    

臓器の障害が少ない理由は、ズバリ手術で治るケースが多いからです。また、手術を施しても・・の場合、内臓破裂では出血性ショックから少なからず死亡に至るからです。等級認定も特殊で、多臓器の症状が複合的に作用した場合、それらを加算しての総合評価で等級を決定します。

胸部のケガ、臓器を除けば、その大多数は肋骨骨折です。肋骨は臓器を守る役目からか、骨折しても癒合するまで保存療法とすることが多く、手術による整復は稀です。せいぜい、コルセットなどで固定するのみです。医師も肋骨骨折には関心薄く、多少の変形はもちろん、完全癒合しない場合でもあえて処置をしません。それ位、軽視される骨折です。したがって、裸体で確認できるほどの変形がなければ、等級認定はほとんどありません。

腹部の場合、臓器を除けば、第一に骨盤骨折でしょう。これも、腸骨自体の骨折なく、恥骨・座骨のみの骨折の場合、自然癒合を待つことが多くなります。また、癒合完了後、周辺の神経を痛めさえしなければ、後遺障害が残りません。   以下の例が代表するように、予後の症状をしっかり把握することが肝要です。臓器も修復し、骨折も無事に癒合しました・・しかし、痛み・しびれの残存、排尿・排便障害などの神経症状、さらに、腎機能の低下、生殖能力の低下などの障害を見逃してはなりません。この分野は、自分から言いづらい、表に出ずらい症状が多いのです。  

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 実績ページを編集しました。    

臓器の障害が少ない理由は、ズバリ手術で治るケースが多いからです。また、手術を施しても・・の場合、内臓破裂では出血性ショックから少なからず死亡に至るからです。等級認定も特殊で、多臓器の症状が複合的に作用した場合、それらを加算しての総合評価で等級を決定します。

胸部のケガ、臓器を除けば、その大多数は肋骨骨折です。肋骨は臓器を守る役目からか、骨折しても癒合するまで保存療法とすることが多く、手術による整復は稀です。せいぜい、コルセットなどで固定するのみです。医師も肋骨骨折には関心薄く、多少の変形はもちろん、完全癒合しない場合でもあえて処置をしません。それ位、軽視される骨折です。したがって、裸体で確認できるほどの変形がなければ、等級認定はほとんどありません。

腹部の場合、臓器を除けば、第一に骨盤骨折でしょう。これも、腸骨自体の骨折なく、恥骨・座骨のみの骨折の場合、自然癒合を待つことが多くなります。また、癒合完了後、周辺の神経を痛めさえしなければ、後遺障害が残りません。 以下、認定例も少なく、事務所としてもより多くの症例を重ねたいと思っています。  

 脊椎は上から、頚椎7、胸椎12、腰椎5、仙椎5、(尾椎3つ)の連なりです。  椎骨そのものの骨折で、周辺に神経が集まる頚椎は重篤な症状が予想されます。しかし、棘突起や横突起が折れた場合はほとんどが保存療法となり、椎体の連続性が損なわれない限り、深刻な障害は残りません。 胸椎や腰椎の圧迫骨折の場合も、受傷直後の激しい痛みは数年で消失し、長年、障害で苦しむケースは少ないと言えます。脊髄と隣り合わせですが、脊髄損傷、神経症状がなければ、比較的、予後の障害が軽いと言えます。

 したがって、棘突起・横突起骨折は普通に癒合さえすれば、14級9号が限界です。1椎体の圧迫骨折は11級の評価ですが、後の賠償交渉で、保険会社は逸失利益の年数で激しい反発を示します。「そんなに長い年数は痛まないでしょ!」とのことです。確かに腰の曲がった高齢者をみれば、その通りかもしれません。レントゲンやCTを観ると年齢変性により、自然に椎体が潰れているからです。  現状、画像上で椎体の圧壊が認められれば認定されますが、将来、圧迫骨折の認定基準が厳しくなり、相当の圧壊がなければ、12級に落とされる懸念を持っています。  

佐藤が担当しました 14級9号:頚椎棘突起・関節突起骨折(40代男性・埼玉県)

 

11級13号:胸椎圧迫骨折(50代女性・静岡県)

 

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 脊椎は上から、頚椎7、胸椎12、腰椎5、仙椎5、(尾椎3つ)の連なりです。 1、椎骨そのものの骨折で、周辺に神経が集まる頚椎は重篤な症状が予想されます。しかし、棘突起や横突起が折れた場合はほとんどが保存療法となり、椎体の連続性が損なわれない限り、深刻な障害は残りません。胸椎や腰椎の圧迫骨折の場合も、受傷直後の激しい痛みは数年で消失し、長年、障害で苦しむケースは少ないと言えます。 障害の程度を測る上で、まず、折れた部位と折れ方が問われます。   ※ 圧迫骨折、変形・可動域制限での評価・・・初期の実績では、圧壊率○%こだわっていますが、○%潰れたら・・などの明確な基準は未発表です。経験上、明らかな骨変性があれば11級となるようです。また、運動障害を伴う8級となるケースも、自賠責の顧問医先生から色々と詳細をご指導頂き、基準をほぼ把握しています。椎骨に50%以上の圧壊は必要で、それは2椎体以上の合計でも該当します。総じて、3椎体にまたがる固定術が成されれば、可動域に影響があると判断されます。ただし、可動を司る部分が問題となりますので、頚椎と腰椎が対象となります。通常、胸椎や仙椎は運動障害には該当せず、変形障害で判断されます。   2、次に、気をつける点は、胸椎・腰椎の圧迫骨折が、事故外傷による骨折なのか、陳旧性(元々、潰れている)なのかです。MRIが必須となります。 3、そして、脊椎の骨折によって神経症状が起きた場合、その立証が最大の到達点となります。つまり、痛みはもちろん、四肢のしびれ、排尿・排便障害等を証明する検査が必要です。    それでは、以下、悪戦苦闘の記録を参考にされて下さい。  

 毎年、夏は相談会を控えて全国の弁護士さん達と勉強会を開いています。もう、かれこれ8年目を迎えます。まさに勉強の夏です。

 それにちなんで、本シリーズは後遺障害の立証上のポイントを、実際の取り組み例から復習したいと思います。該当する傷病名を抱えた被害者さんはもちろん、弁護士はじめ交通事故外傷に関連する業者さんの検索に引っかかると思います。ご参考になれば幸いです。    初日は腰椎の圧迫骨折です。注意が必要な点は、陳旧性(事故以前から腰椎が潰れている)骨折です。高齢者や骨粗鬆症(こつそしょうしょう:骨量の減少と骨組織の微細構造の異常の結果、骨がもろくて弱くなり、骨折が生じやすくなる疾患)の方に多く見られます。腰の曲がったお年寄りは、腰椎が自然に潰れています。また、骨粗鬆症の方は、転んだり、運動しただけでも、腰椎が潰れてしまうことがあるのです。その骨折がそれ程の痛みもなく、そのままになっています。そして、事故で受傷した場合・・その骨折は事故受傷によるものか、MRI等から検討が必要なのです。漫然と医師の診断やレントゲン画像だけで判断すれば、自賠責から手痛いしっぺ返しを食らいます。つまり、その骨折が陳旧性であれば、「事故以前からあった骨折ですので、本件事故のケガではありませんよ」との回答です。   新鮮骨折か陳旧性か? ここがポイントです!  

11級7号:腰椎圧迫骨折(50代女性・神奈川県)

【事案】

自動車走行中、交差点で右方から信号無視の自動車と衝突、受傷した。病院で腰椎圧迫骨折の診断を受ける。

【問題点】

圧迫骨折するときは激痛で動くことができないことが一般的であるが、本件では痛みを我慢し、翌日に病院に行ってから初診を受ける。また、途中で医師が変わったため、最初の医師がMRIを撮ると言っていたが、後任の医師にそのことが伝わっておらず、MRIを撮影せずに症状固定していた。

【立証ポイント】

医師はXP(レントゲン)から圧迫骨折を認めていた。確かに、臨床上ではそれで十分であるが、保険手続上では圧迫骨折が事故受傷による新鮮骨折か、さらに、どの程度圧壊しているかをMRIで確認する必要がある。本件の医師は業者を嫌うタイプと聞いていたので、病院同行はせず、依頼者にMRIを医師に依頼する話法を具体的に指示した。幸い、医師と信頼関係を築いており、前任の医師が撮影する約束をしていたこともあり、無事に検査に進んだ。

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頭部・顔面外傷の異議申立・実績ページを編集し直しました。改めて紹介します。   頭部の障害は、脳挫傷や脳出血のケガから高次脳機能障害となったものを除きます。すると、頭蓋骨骨折、脳損傷、くも膜下出血から、主にめまいや頭痛を追いかけることになります。しかし、見落とされたまま、後遺障害の審査に進んでしまうことがあります。

やはり、少々珍しい傷病に類するのか、時折、残念な初回審査の結果を見ることがあります。以下の2例は、本人や医師もまったくノーマークであった後遺障害をあぶりだした感があります。

 

後遺障害等級認定実績(初回申請)はコチラから 後遺障害等級認定実績(異議申立)はコチラから 続きを読む »

 頭部・顔面外傷の実績ページを整理しましたので、改めて紹介します。   頭部の障害は、脳挫傷や脳出血のケガから高次脳機能障害となったものを除きます。すると、頭蓋骨骨折、脳損傷、くも膜下出血から、主にめまいや頭痛を追いかけることになります。 顔面の障害については、実例の通り、顔面骨の骨折後に重度の顔面神経麻痺(ビートたけしさんは12級レベル?)にまでに至るケースは少ないですが、痛みやしびれの残存は是非とも認定を受けたいものです。

  

 ドクターヘリですが、過去の依頼者様で操縦士さんがおりました。また、元出身の医師のいる病院に何度もお伺いしており、以前から知っておりました。遅ればせながら、その存在を一般に知らしめたドラマを先月から初めて観ました。過去に2シーズンもあったのですね。     毎回、救急救命のシーンで興味深いシーンの連続です。また、平素から業務の中で出てくる専門用語が満載です。私達はメディカルコーディネーターとして、毎日のように病院にお伺いしていますが、それは事故受傷からしばらく経ってからとなります。受傷直後の処置などは診療報酬明細書で確認するに留まります。記録された処置は、後の障害の立証に必要な情報となりますが、イメージの鮮明度は決して高いものではありません。やはり、書面からの知識は限界があります。言葉の意味は知っていても、実際にその場面を見る事はほとんどないのです。その点、ドラマでの実写の描写は大変参考になります。

 例えば、前夜のシーンで、戸田 恵梨香さん扮する医師が、ICUで患者の指を弾き、「中心性頚損ですね」と医師間でささやく場面がありました。これは、ホフマン(あるいはトレムナーも一緒にやったかもしれません)反射といい、脊髄損傷の陽性反応をみるものです。↓写真のように中指をピンと弾いて、親指が内側に曲がれば、脊髄損傷(陽性)です。ドラマの患者さんはこの反応がはっきり出ていました。中心性脊髄損傷(頚髄損傷とのことですので、頚の脊髄がやられたようです)では、ほとんどすべての患者さんは、上肢や下肢の完全麻痺となるか、程度の差はありますが麻痺の残存は確定的です。交通事故相談会でも脊髄損傷の被害者さんが来ると、私達はホフマン・トレムナーで反応をみています。もっとも、ドラマでは解説がないので、「?」と思った視聴者が多かったと思います。  それと、患者が救急搬送される過程で毎度のセリフ、「JCSは2桁です!」「GCSは6!」などがあります。これは、意識障害のレベルをあらわすものです。後に高次脳機能障害の立証の場面では、大変に重要な記録となります。いずれ、ドラマで象徴的なシーンがくると思いますので、その機会に解説します。

 主人公の山下 智久さんは脳外科医です。救急救命科に脳外科医がいることは大変に恵まれていると思います。救急救命科は色々な科からの医師が、一定期間配属されるようです。しかし、第一線の専門医・執刀医がヘリに搭乗することなど稀でしょう。今後、穿頭ドレナージを緊急で行う場面を予想します。頭部外傷の患者、急性硬膜下血腫で出血が大量・急激の場合、急ぎ、頭蓋骨内の血を外に出さなければ、血の圧迫で脳がやられてしまいます。脳への圧迫の除去が命を左右します。また、処置のスピードが後の身体の麻痺や言語障害、高次脳機能障害の程度に大きな影響をきたすことになります。脳外科医の活躍はまさにここにありです。    引き続き、ドラマを毎週チェックして注目点を取り上げたいと思います。    (山Pとガッキーの関係には関心なしか?)   

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 最後は個人賠償責任保険ではなく、施設賠償責任保険です。

 個人賠はあくまで、日常生活上で第三者に損害を与えた場合に対応する賠償保険です。したがって、業務上の賠償問題は専用の賠償保険の対象となります。   ・工事現場で請負工事の作業中に第三者に損害を与えた場合 ⇒ 請負賠償責任保険

・商品を購入したら、商品が不良品だった場合 ⇒ 生産物賠償責任保険

・品物を預る業者が預り物を壊してしまった場合 ⇒ 受託物賠償責任保険

・お店の設備に問題があり、お客さんに損害を与えた場合 ⇒ 施設賠償責任保険  他にもありますが、代表的なものは以上です。    本件は宿泊施設が加入していた施設賠償保険に頼ることになりました。賠償保険の多くは、自動車の任意保険のように積極的に示談代行ができない上、担当者は自賠責保険の基準で押し切ろうとします。それでダメなら、弁護士介入がパターンです。それでも、保険の加入はありがたいものです。連携弁護士とのコンビでしっかり解決させます。

賠償保険なら何でも来い!  

施設賠14級9号:頚椎棘突起骨折(30代女性・長野県)

【事案】

旅行でペンションに宿泊中の事故。地下の乾燥室で作業中に棚が転倒、頚部に直撃して受傷した。救急搬送後、レントゲンで第5頚椎の棘突起に骨折があり、外傷性頚部症候群の診断名もついた。帰宅後、リハビリ通院が続いた。

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 内臓の障害は珍しい部位になります。内臓損傷は手術対象で、軽度の損傷はわりと手術で治るものです。

 本件は少し説明が要ります。横隔膜が事故外傷によって、下部へ突出(ヘルニア)し、小腸に圧迫したことから腸閉塞(イレウス)を併発、小腸の部分切除となりました。二次的な病変とも言えますが、骨盤を骨折していたことや、初期の診断書の記載内容から因果関係に問題は生じなかったようです。それにしても、事務所にとって貴重な経験となりました。

勉強に勉強の毎日です

13級11号:外傷性横隔膜ヘルニア(70代女性・静岡県)

【事案】

自転車で走行、道路を横断しようとしたところ、右方から自動車が衝突、受傷した。全身を強打し、頭部骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折した。複数の障害認定となったが、本件では、外傷性横隔膜ヘルニアについてまとめる。

【問題点】

救急搬送された病院で治療し、2か月後退院したが、さらにその2か月後に、リハビリ先の病院で背中の痛みを訴え、CT検査後、救急搬送された病院で緊急手術となった。横隔膜のヘルニアを原因とするイレウス(腸閉塞)が生じたため、小腸の部分切除を行った。ただし、事故から4か月後の病変であるため、因果関係で否定される恐れがあった。

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【1】閉尿・頻尿を残すもの

排尿障害(閉尿 等)を残すもの

ぼうこう君

 膀胱は都合のよい時まで尿をためておく貯水池の役目を果たしています。通常の場合で 250ml 、牛乳瓶 1 本分より少し多目の量を貯蔵可能です。  尿道は読んで字のごとしですが、男性で ...

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 排尿障害が一時的なものであれば、専門医への受診によって、ある程度の改善が見込めます。ただし、中高年の病的疾患の場合は完治は難しく、長期な通院を必要とします。

 交通事故外傷で、膀胱や尿路に損傷があった場合は手術での改善を検討します。やはり、やっかいなのは神経因性のもので、完全に治す(根治療法)より、症状の抑制が中心(対処療法)の傾向です。   【1】閉尿の処置  出ないものは出さなければなりません。   ① 導尿 ⇒ おなじみのカテーテル

 カテーテルを”おしっこの度に”挿入するものを「導尿」といい、カテーテルを”挿入したまま”を「持続導尿」といいます。カテーテルはこの2種に加え、長さに差のある男性用、女性用があります。

  ② 尿路拡張 ⇒ 糸状ブジー

 尿道狭窄(文字通り尿路が狭くなった)の場合は、尿道よりブジーを挿入して尿道の拡張をはかります。ブジーは、管腔を探ったり、拡張したりする棒状、管状のものです。拡張する場合は細いものから順次太いものへと変更していきます。

 尿道狭窄の拡張は、一般に金属ブジーを用いますが、狭窄が著しい場合は、糸状ブジーを挿入して順次拡張します。

 読んでいるだけで痛そうですが、カテーテルも挿入時に使うローションがあり、特に麻酔効果のあるキシロカインゼリーが代表です。   ③ 服薬 

 神経因性膀胱では、エブランチル、ウブレチドの服用を考慮します。

・エブランチルはα1受容体遮断作用により、末梢血管を拡げ、血圧を下げます。その結果、前立腺・尿道の平滑筋収縮を抑え、尿道を拡げることにより、尿を出しやすくします。

・ウブレチドは、筋肉を収縮させるアセチルコリンという神経伝達物質を増やします。膀胱の収縮を助け、排尿をスムーズにします。    ★ 尿路拡張術など、観血的手術を伴うものは、また、別の機会に解説します。   

【2】頻尿・尿失禁の処置    ① 抗コリン剤の服用  定番薬はこれ

 頻尿、過活動膀胱には、対処薬があります。抗コリン剤は、副交感神経を亢進させる(アセチルコリン)の作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬です。

 アセチルコリンという物質は副交感神経を刺激⇒筋肉の緊張⇒膀胱の収縮⇒排尿を促す、これらの運動を活発にさせる作用があります。コリン剤はこのアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)があるので、消化管の過活動=頻尿を抑えることになります。  これは、前述の閉尿のウブレチドと逆の作用になります。

 頻尿のお薬は他に、バップフォー、デトルシトール、ベシケアがあります。   ② 物理的な対処  多い日も安心?

 尿失禁への対処はオムツ、尿パッドがあります。それぞれ、市販のものがあります。症状が酷ければ抗コリン剤の服用ですが、それでも漏れてしまう場合はパッドで対処するしかありません。

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 「おしっこがでないからここ(病院)にきたんでしょ?」

 ・・・(今更、でないことを検査してどうするの?)    毎度おなじみ、医師の対応です。交通事故受傷で排尿障害となった場合、例えば、おしっこが出なくなった証拠を突きつけなければ、障害等級の認定はありません。医師は患者の「おしっこがでない」ことに疑いを持たず、治療にあたります。しかし、自賠責保険・調査事務所は「客観的な検査結果」がなければ信じません、つまり障害の判定ができないのです。ここに、臨床判断と賠償請求の壁が存在するのです。

 もっとも、検査の設備があり、30年前の知識のままのおじいちゃん医師でなければ、速やかに排尿検査を実施します。大学病院の泌尿器科となれば、尿流量検査はじめ、一連の設備があります。ただし、ウロダイナミクスを完備している病院は極めて少なく、検査誘致はメディカルコーディネーターの活躍場の一つとなります。    排尿障害の検証、2段階目は各種検査を紹介します。検査にて障害の実態を明らかにする事は治療の第一歩であり、障害審査、しいては賠償請求の証拠として必要なのです。   【1】尿の成分検査

 尿中の蛋白、血液、糖などの有無とその量を調べます。通常は中間尿(はじめの尿を取らずに、途中からコップに取り、途中までの尿を入れる)を採取します。結果は30分後に成分表が作成されます。  内蔵機能の病的疾患の検査ですので、交通事故外傷とは離れますが、腎損傷などの場合はその初期検査には有用と思います。腎臓機能の障害はさらに、GFR検査(※)に移ります。

※ GFR =糸球体濾過値(しきゅうたいろかち)  腎臓の能力、どれだけの老廃物をこしとって尿へ排泄することができるのか? つまり、腎臓の能力は、GFR値で判断されています。 この値が低いほど、腎臓の働きが悪いということになります。腎機能の障害については、また別の機会に解説します。

  【2】尿流量検査(ウロフロメトリー)

 専用トイレで排尿し、検査機器が自動的に尿流のカーブを描く検査です。10分程度できますので、閉尿・頻尿・尿失禁、どの場面でもまず実施すべき検査です。この検査で、尿の勢い・排尿量・排尿時間などが明らかになります。このデータから、排尿障害の種別・状態が客観的に把握できますので、排尿検査の出発点となります。  検査前には十分に水分を取って、検査までトイレは我慢となります。   ← 測定用の専用便座   【3】残尿測定

 通常は上記のウロフロメトリーと一緒に実施します。排尿後、超音波検査で膀胱の画像をみて計算します。  泌尿器科の医師は、尿流量と残尿測定から、蓄尿機能の低下、排尿括約筋の異常など、排尿機能の異常を把握します。   続きを読む »

       脊髄損傷では多くの場合、排尿障害を発症します。

 脊髄損傷以外の原因ですと、骨盤骨折など下腹部への直接のダメージがあれば、膀胱や尿路への物理的な損傷、末梢神経性・膀胱の神経障害(排尿括約筋不全など)が考えられます。また、病的疾患として前立腺肥大、さらに心因性での発症もあります。

 医学的な難しい解説はほどほどに、実例や簡易なイメージから説明します。これから、排尿障害が自賠責や労災の後遺障害として認定を受けるまでを、4段階で追っていきましょう。   【1】排尿障害の種類  一般的に、以下、3種でしょうか    ① 閉尿 ・・・ 尿がでない、でずらい、尿が途切れる、尿意が乏しい

② 頻尿 ・・・ 尿の回数が頻繁になる、尿意がありすぎる

③ 尿失禁・・・ 尿意がすると我慢できない、くしゃみ程度で漏れる、知らずに漏れてしまう    経験上、頻尿の多くは尿失禁を伴います。高齢者は外傷に関係なく、頻尿・尿失禁に悩まされている方が多いようです。当然に既往症の影響を検討します。また、むち打ち等、外傷性頚部症候群で排尿障害となった被害者さんの場合、「なぜ、むち打ちでおしっこに異常が?」からの出発となり、因果関係や病的疾患との区分けに大変な苦労を強いられます。    【2】尿失禁の種類  ここで、尿失禁について、さらに3分類します。    ① 持続性尿失禁

  膀胱の括約筋機能が低下、または欠如しているため、尿を膀胱内に蓄えることができず、 常に尿道から尿が漏出する状態のことで、膀胱括約筋の損傷、または支配神経の損傷により出現します。

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○ 鼻の障害は、

 外貌の醜状(鼻の欠損、鼻が曲がった)と嗅覚障害 に大別できます。   ○ 口の障害は、

 咀嚼障害(食べ物を噛み砕けない)、嚥下障害(飲み込めない)

 言語障害(上手く話せない)

 歯牙の障害(抜けた、折れた、補綴(人工物を使って修理)した)

 味覚障害(味がしない)  このように、大きく5分類できます。

   例えば、顔面の多発骨折や脳損傷の場合、上記の障害が複数生じる可能性があります。しかし、顔面や脳の手術が優先され、その後のリハビリが続く中、徐々に上記の障害が確認されていくのです。鼻の醜状や言語障害は周囲が気付きますが、咀嚼や嚥下、味覚・嗅覚は注意深く観察する必要があります。とくに、高次脳機能障害の被害者さんの場合は、周囲がチェックしなければ、何かと見落とされるものです。

 本人が主張しない症状、家族が気付かない症状、そして、医師が見落とした症状は・・「障害はなかった」ことにされてしまいます。

 交通事故外傷による後遺障害の世界では、”病院にさえかかっていれば”、障害が自動的に認められるわけではありません。目耳鼻口の中でも感覚器の障害は、被害者側の医療調査・損害立証の必要性を強く感じる分野でもあります。    それでは、味覚障害が(そもそも、高次脳機能障害が)見落とされた実例をご参照下さい。   

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