高齢者の高次脳機能障害は加齢による認知症状と切り分ける作業となります。

 ポイントはまず、画像所見です。脳の実質的変化を把握します。認知症状をもたらす病変部とは別に、急性期の損傷及び、関連する脳萎縮等と症状の関連性を明確にしなければなりません。さらに、家族にしか知りえない事故前後の症状のコントラストを強調する必要があります。言葉で言うには易しく、綿密な調査が必要で、実際に現場に行かねばなりません。したがって、遠隔地ともなれば、一種の”賭け”になります。高次脳機能障害で国内トップの実績を誇る弁護士事務所が敬遠した本件は、その賭けに勝ちました。

 なにより、震災に被らなくて良かった。震災後の数ヶ月間、病院は野戦病院状態、交通事故の障害立証などに関わっている暇はないのです。  

別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(80代男性・熊本県)

【事案】

自動車運転中、センターラインオーバーの対向自動車と正面衝突、前額部をフロントガラスに強打した。診断名は外傷性くも膜下出血、他に胸椎、肋骨骨折となった。見当識の低下、記憶混濁、情動障害があり、高齢から認知症を発症したとされた。

【問題点】

現役で農業に従事していたが、高齢から事故外傷の影響だけではなく、認知症発症の疑いがあった。リハビリ先でも転倒から下肢の骨折、また内臓疾患での入院も重なり、事故外傷による高次脳機能障害を浮き彫りにする必要があった。

しかし、家族が地元の弁護士数件に相談したところ、「等級が出るまで待ってます」の対応ばかり。どの弁護士も認定結果を様子見しているかのよう。仕方なく、主治医に後遺障害診断書の記載をしていただいたものの、不安は尽きない。東京に在住する家族が、高次脳ではNo1の弁護士に相談したが、「等級認定は難しい」と謝絶され・・・途方にくれて、秋葉事務所に相談にいらした。

【立証ポイント】

高齢者の受任経験が豊富であり、年齢相応の認知機能低下と高次脳機能障害を切り分ける・・秋葉事務所の得意とするところです。早速、本人と主治医への面談を果たすべく、熊本へ飛んだ。本人と家族、主治医と面談、診断書や画像を確認し、「高次脳での等級はいける!」と判断した。もう、これは勘としか説明できません。

脳はレントゲンとCTのみしか撮っていなかったので、MRI検査を追加手配し、脳外科医と画像の精査にあたった。くも膜下出血は受傷した前額部、つまり、前頭葉に出血痕がみられた。しかし、後頭葉に脳挫傷がみられる。これは額をフロントガラスに打ち付けた際、対側損傷と言って、衝撃が脳の反対側に及び、脳が傷つけられたものと判断した。この主治医との打合せを基に画像分析レポートを作成、後遺障害診断書に添付した。

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【事案】

自動車運転中、センターラインオーバーの対向自動車と正面衝突、前額部をフロントガラスに強打した。診断名は外傷性くも膜下出血、他に胸椎、肋骨骨折となった。見当識の低下、記憶混濁、情動障害があり、高齢から認知症を発症したとされた。

【問題点】

現役で農業に従事していたが、高齢から事故外傷の影響だけではなく、認知症発症の疑いがあった。リハビリ先でも転倒から下肢の骨折、また内臓疾患での入院も重なり、事故外傷による高次脳機能障害を浮き彫りにする必要があった。

しかし、家族が地元の弁護士数件に相談したところ、「等級が出るまで待ってます」の対応ばかり。どの弁護士も認定結果を様子見しているかのよう。仕方なく、主治医に後遺障害診断書の記載をしていただいたものの、不安は尽きない。東京に在住する家族が、高次脳ではNo1の弁護士に相談したが、「等級認定は難しい」と謝絶され・・・途方にくれて、秋葉事務所に相談にいらした。

【立証ポイント】

高齢者の受任経験が豊富であり、年齢相応の認知機能低下と高次脳機能障害を切り分ける・・秋葉事務所の得意とするところです。早速、本人と主治医への面談を果たすべく、熊本へ飛んだ。本人と家族、主治医と面談、診断書や画像を確認し、「高次脳での等級はいける!」と判断した。もう、これは勘としか説明ができません。

脳はレントゲンとCTのみしか撮っていなかったので、MRI検査を追加手配し、脳外科医と画像の精査にあたった。くも膜下出血は受傷した前額部、つまり、前頭葉に出血痕がみられた。しかし、後頭葉に脳挫傷がみられる。これは額をフロントガラスに打ち付けた際、対側損傷と言って、衝撃が脳の反対側に及び、脳が傷つけられたものと判断した。この主治医との打合せを基に画像分析レポートを作成、後遺障害診断書に添付した。

 

c_byo_h_7  20141111_2 ①前頭葉 ②側頭葉 ③頭頂葉 ④後頭葉 ⑤シルビウス溝 ⑥中心溝

また、意識障害の記載についても、専用診断書に搬送先病院で追記・訂正を加えた。日常生活状況報告書も介護の必要性を前提に、家族と精密に作成、元気に農業をしていた記録を集積、提出書類に添付した。この間、熊本へ2回出張、滞在中は2つの病院を実に4回往復した。

結果、ややグレーな理由ながら、介護状態も認められ別表Ⅰの2級、胸椎圧迫骨折で11級、まさに逆境からの起死回生の認定を得た。ついで、博多の連携弁護士に賠償交渉を託した。本件の申請は熊本大震災の1週間前だった。震災と重なれば作業は大幅に遅れたであろう。

誰に障害の立証を託すのか? 手前味噌ですが、本件の結果がそれを示しています。

(平成28年8月)  

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