今更のことですが、自賠責保険の後遺障害は、原則、診断書に書かれたことしか審査しません。医師がおざなりに書いて、うっかり記載漏れ、的外れの内容・・このような診断書で被害者の運命は左右されてしまいます。誰かが気付かなければ、等級は薄められてしまうのです。

 とくに、事前認定の場合、相手損保の担当者は診断書の内容など責任も興味もなく、忙しい中、渋々右から左へ、審査書類を転送するだけです。その点、被害者請求者は書類の収集・精査を、被害者自身、あるいは依頼した業者が担うので、慎重度が高まります。なにより、責任を持った審査に望むことができ、審査の透明性が確保できるはずです。

 本例では、診断書の記載がまずかったこともありますが、自賠責も非常に冷たい審査をしたと思います。稀に、親切な担当者なら、医療照会で医師に症状を正してくれたかも・・いや、重傷案件ならまだしも、等級が上がるようなこと(=余計なこと)は基本しません。連携弁護士による被害者請求で、ようやくしっかり見てくれた結果です。

だからこそ、私達の仕事があると言えますが・・

非該当⇒14級9号:上腕骨顆上骨折 異議申立(40代男性・山梨県)

【事案】

原動機付自転車にて走行中、交差点にて右折してきた車に衝突され受傷。事前認定で後遺障害申請をするも、結果は非該当であった。

【問題点】

上腕骨の癒合を待っていたが、不全癒合が続き、偽関節化してしまった。腸骨移植手術を受け、事故から4年後に症状固定となったが、自覚症状には骨採取した腸骨についての記載のみであった。診断書のお粗末さも原因の一つだか、自賠責は簡単に判断してしまったよう。 続きを読む »

【事案】

自動車同乗中、運転手が信号柱に衝突した為、受傷した。直後から顔面部痛のみならず、しびれや目眩、複視等多岐にわたり強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

事故から1年経過してからの相談だったため、すぐに医師面談して、今後の方針について打合せをした。また、目眩については耳鼻科を受診していなかった為、諦めとなった。

【立証ポイント】

骨折部と痺れの領域が一致していた為、形成外科の医師に働きかけたところ、専門外ながら後遺障害診断書に神経症状の残存を記載いただけた。提出時には受傷初期に撮影された3DCTを添付して12級13号認定を試みたが、骨癒合良好の為、神経症状の14級9号認定止まりとなった。

複視については、受傷直後から定期的にヘススクリーンテストを実施していたが、全ての結果で5度以上離れていなかった為、非該当となった。このように重篤な怪我で後遺症に苦しんでいるにも関わらず、14級9号認定に留まってしまうという認定基準の負の面を見た案件となった。

(平成31年1月)  

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