~バレリュー症候群の治療:椎骨動脈辺~

今日は前回の続きで、ムチウチの治療についてです。 私は通常の頚椎捻挫ではないと判断し、 そこからバレリュー症候群と見立てを変え治療しました。   バレリュー症候群と言っても原因はたくさんあります。 多い原因としては、

・椎骨動脈の狭窄 ・交通事故のエネルギーによる大後頭孔神経のストレス ・胸郭出口の狭窄によるもの 続きを読む »

~交通事故に遭ったら、『一日でも早い治療、少しでも多く治療。』~

以前、整骨院勤務時代に診た交通事故患者さんのお話をいくつか記事にしていきます。  

整骨院に通院する交通事故被害者の方は、 比較的、軽度外傷の患者様が多いです。や はり一番多いのが首の症状でムチウチです。軽いムチウチの場合は2~3週間しっかり治療すると殆ど良くなってしまいます。ただ、ムチウチでも症状の重いムチウチも何度か治療を担当したことも有ります。医師の診断書によると頚椎捻挫。 画像所見は特に異常は無しです。

訴える症状は、

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 交通事故死亡者のピークは昭和45年、実に年間16765人が亡くなっていました(参照⇒交通事故で亡くなったアニメキャラ)。それに比べ、車の登録台数がほぼ二倍になった平成29年以降はおよそ4000人弱にまで減っています(参照⇒2017年の交通事故死亡者数)。    最近の死亡事故では、二つのポイントがあると思います。一つは高齢者ドライバーによる事故、二つ目は横断歩道や歩行者天国に暴走車、でしょうか。両親を例に少し語りたいと思います。    高齢者ドライバーの免許更新は近年相当厳しくなっています。高齢者の免許更新期間を短く、また、免許が必要かどうか、地域の事情を加味した免許制度も盛り込むようです。一方、免許自主返納の意識も高まっています。私の父も80歳を前に自主返納しました。返納直前になってかなり未練があったようですが、私も強く賛同して(決断が変わらぬうちに急いで)警察に連れて行きました。「まだまだ大丈夫だが」と思っている時こそ、タイミングかと思います。自分で大丈夫かどうかが、わからなくなってからでは遅いのです。これも最近の事故も含め、教訓ではないでしょうか。    青信号の横断歩道を渡っているときに、酒酔いや居眠りの自動車に突っ込まれて・・これは逃げようがなく、まったく不運としか言いようがありません。当然、加害ドライバーには厳罰が科されますが、被害者の命は戻りません。暴走車を予見すべきとは言わないまでも、道路上では十分に気をつけて、自らを守る心構えが望まれます。

 かつて、弊所の依頼者さまでも、歩道で信号待ちしているところに、交差点で衝突した2台の自動車の一方が、その反動で歩道に乗り上げて依頼者さまを跳ねた件や、居眠り運転の自動車がが歩道に突っ込んできた件ありました。横断歩道上で信号無視の自動車に跳ねられた件など、数え切れません。これらはまったくのとばっちりです。もちろん、このようなケースで歩行者に注意を求めることは酷です。それでも、1人は信号待ちの間、タバコに火をつけるためにうつむいた状態で、衝突まで気付かなかったそうです。とっさに避けることは難しくとも、まったく身構えていない場合にくらべ、危険を意識した場合の受傷ダメージは下がるものです。人間の体は不意打ちに弱いからです。

世界一有名な横断歩道ですが、実際は車がビュンビュン、4人揃っての撮影は難しいようです

   やはり、往来では、車の行き来に気をつけるべきです。タバコやスマホを見ている場合ではないのです。私も、信号は単なる目安とまでは言いませんが、青信号でも周囲に軽く注意して渡ります。逆に赤信号でも車が来なければ渡ってしまってもいいのではと思います(ダメです、交通違反です!)。信号や交通ルールに守られてはいても、最後は自分で身を守る心構えが必要ではないでしょうか。

 私の母は、食品の賞味期限を守らない人でした。子供の頃、古くなった食品でも、「舌先で舐めてピリピリ感がなければ大丈夫」「これは火を通せば大丈夫」「水で表面を洗えば大丈夫」など、キッチンでのサバイバル術?を伝授されました。なんて野蛮な!と言われそうですが、その母は逆に、買ったばかりで賞味期限内の商品の異常に気づいて、傷んでいることを察知することができました。指標に頼らず、自分で判断する人だったのです。

 悲惨な事故を減らすために、加害者を重く罰することや、インフラの整備も当然に必要な努力です。それに加えて、明日の被害者になるかもしれない皆が、安全を人任せにせず、自己判断に基づく自己防衛も意識すべきと思います。  

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余談ではありますが・・・   整骨院では若いイケメンの先生が一人いると、おば様方患者数は増えます。 これは明らかな事実です(笑)

歯医者の衛生士さんが可愛くて優しく愛想が良かったら、 いつもは行かない半年後の検診も、つい、「さて検診に行くか」。 いつもはキャンセルする歯石取りも「さて歯石取りに行くか」となるかもしれませんよね。

これと同じでイケメン先生がいると、予約が増えるんです。 勿論、治療回数が増えると治りも早くなりますが、果たしてそれだけでしょうか?   以前私が治療に当たった、変形性膝関節症による可動域制限・痛みの強い患者様がいました、変形してしまっているので、膝可動域も90°も曲がらないんです。ですが完全に変形して関節が壊れていなかったので、 周りの筋肉+靭帯の柔軟性を出し+関節の隙間を広げて関節液を出す治療+付けたい筋肉を確実に付けられるよう私はキネシオテープを使いながら筋力トレーニングを治療に取り込みました。 痛みを取り可動域を安定させるには、「最低でも3カ月はかかるだろうな」 と思いながら治療していました。

治療を始めて1ヶ月位経った頃でしょうか。新人の柔整師が入社してきて、私はその患者さんと信頼関係があったので、その新人の柔整師を治療に入れることにしたのです。数分後、いつもと違う空気を肌で感じました・・・

ん?・・・ なんか、異様におば様の顔が明るいぞ!?・・・

そう!!新人君は、なんとイケメンだったのです!!!  典型的なジャニーズ顔。

これは・・・と感じた私は、そこからその新人君を担当にして、私は2~3回に一回忘れてないですよという顔をしながら、最後に少しだけ見るくらいです。そこからみるみるおば様の膝が良くなり、90°も曲がらなかった膝は、完全に曲がるようになりました。しかも!!3カ月かかっていないのです!

そう!!新人君は、やっぱりイケメンだったんです!!!! ですが、いくら何でも新人、治療だって教わったことしかできません。 難しい治療は教えてもいません。

ですが私は、本当は気づいていました。 おば様の顔色が明るくなっていた毎日 ...

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変形膝関節症や、膝の痛みで悩まされるのは女性に多いのは何故か。 今日はそんなお話なども混ぜながら書いていきます。   どうも、本当はやりたい運動を今年一杯我慢すると決意した、金澤です。「膝についてその1」の記事にも書きましたが、我慢しています。運動はしないくせに、靴屋があれば、何故かカッコいい運動靴を眺める自分がいます。 店員さんに話しかけられたら、もうジョギングをいつもやっているかのような口調で話してしまいます。お店に入る前は快晴だった空も、帰るころはいつも雲がかかっています。前置きはこの辺にして、今日は何故膝の痛みや、変形は女性に多いかなどをお話しします。   やはりホルモンが関係しているからです。 ご存知の方も多いですが一応。骨格や筋肉の増大・発達を促すホルモンの代表はテストステロンで男性ホルモンです。 女性のテストステロン量は男性の10%程度ですから、ここが不利です。前回の記事でも書きましたが、筋肉が関節を守っているわけですから、 少ないと絶対的に守りが弱くなってしまいますよね。

そして、膝の痛みが出るのはやはり閉経後。 つまりエストロゲンの減少です。 エストロゲンを大量に作っていた卵巣や胎盤がシャッターを下ろしてしまうと、 エストロゲンは少なくなってしまいます。人間の骨は破骨細胞と骨芽細胞という、骨を壊す細胞と骨を作る細胞のバランスが取れて、常に綺麗で新しい骨が作られています。本来エストロゲンは破骨細胞(骨を壊す細胞)を減少させる役割があります。 これが閉経し、エストロゲンが少なくなると、どんどん骨が破壊されるのになかなか作られないという現象が起き、骨粗鬆の始まりです!

つまりエストロゲンの減少は、骨や軟骨を減少させ、関節も弱らせるのです。 これに筋肉量が少ないと来たら・・・関節や骨は大ダメージですよね!! ですので女性の場合、閉経までにどれだけ運動をして、骨密度・筋肉量を貯金できるかがミソになってきます。

よく50歳~60歳前半の方で、「私、骨密度の数値いいの~」と自慢げに話してくる方がいます。いや、当たり前です。 むしろその年で骨密度低ければ、そのまま行けばですが確実に尻もちついて骨折のお決まりパターン行です。もちろん努力で何とかなります! ...

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こんにちは、金澤です。

今日の内容は、

・どのような原理で筋肉が膝関節を守っているか?

・階段・坂道の上りより下りが膝を痛める理由

を主に書いていきます。最初は小難しいお話です、面倒な方は赤字だけ適当にみて頂けると嬉しいです。

まずは、筋肉が力を発揮するためには収縮をします。そして実は筋肉の収縮にはいくつか種類があり、それぞれ強い収縮、弱い収縮があります。

今回は2つ紹介。

①:短縮性収縮(コンセントリック):強い力を発揮する収縮

→ 筋肉はぎゅっと縮み、短くなりながら力を出す収縮です。

ダンベルを持ち上げると力こぶができますよね。筋肉が縮んだ分、膨らんでます。あれがコンセントリックです。上腕二頭筋のコンセントリックは、肘を屈曲する時、大腿四頭筋(太ももの前)のコンセントリックは膝を伸ばす時です。

②:伸張性収縮(エキセントリック):力は弱い収縮

→ 筋肉が伸びながら力を出す時の収縮。

つまり縮まずに長くなりながら力を出すのです。上腕二頭筋のエキセントリックは曲げた肘を伸ばす時、大腿四頭筋のエキセントリックは膝を曲げる時の収縮です。

強さの比較としては圧倒的に求心性収縮が強く、強力です。後ポイントとして、続きを読む »

こんにちは、金澤です。

温かくなってまいりましたね。 今の時期は気温的にはとても過ごしやすいのではないでしょうか?

「最近運動不足だし運動をしようかな~」 と考えている方、たくさんいらっしゃると思います。

ですが!!!!!

ご存知でしょうか。春夏秋冬の内、春と秋に運動を始める人口が一番多く、一番続かない割合が高いのが春と秋に運動を始めた方の層というデータが出ています  ※某、整骨院併設フィットネスクラブデータ

一番過ごしやすい時期に始めた運動は、その時期が飽きやすく、その時期が終わると辛くなり辞めてしまいがちですので、もし今始められるのでしたら、強い信念が必要です。

さて、私金澤もそろそろ運動を始めようと思い立ってから早2年。 温かくなってきたし今度こそ始めようと思います。

・・・

一応2年間、強い信念を練りに練りましたから。

・・・

いや、せっかくですし石の上にも三年。 やっぱり3年は強い信念と決意を練るための期間にして、運動は来年からにしようかな・

さて、前置きが長くなりましたが、今回は膝の話をまとめます。

運動不足は人口膝関節の始まりです。

人口膝関節まではいかずとも、注射器を求める毎日。(※ ヒアルロン酸注射) 三度の飯よりグルコサミンという身体になってしまいます。(※ 科学的根拠は乏しい)

次の記事から、

筋肉の低下   ↓ 膝関節のストレス   ↓   動揺性から膝くずれ多発 ...

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 先日、久々に骨盤骨折の被害者さんの股関節の計測を行いました。診断名と骨折部位から、内転・外転の可動域制限を予想しました。計ってみたらビンゴ! 案の定、12級レベルの可動域制限を確認しました。 そこまでは良かったのですが、参考運動である外旋と内旋の計測に際し、どちらが外旋と内旋だったか、疑問が生じました。

 下図を見ると、外側に下腿(すね)を倒すからこれが外転、逆に内側に倒せば内転と一瞬思いがちです。しかし、正解は逆です。計測するのはあくまで股関節です。下腿を外側に倒せば、大腿骨の骨頭は骨盤の寛骨臼の中を、内側にぐるりと回って曲がる(だから内旋)ことになります。下腿を内側に倒せば、その逆です。

 

 後遺障害等級の評価上影響は無かったとはいえ、あまり計測することがない関節ですので、すっかり油断していました。   続きを読む »

 今までも数々の障害年金の請求フォローを行ってきました。ただし、代理請求はもちろん、障害年金の諸事務を有償で行うには、社会保険労務士の資格が必要と聞いています。それでも、自賠責保険請求を目的として行った医療調査の諸事務、収集した書類・画像はそのまま、労災や障害年金の請求に転用できますし、何と言っても、私達は被害者さんの後遺症の全容を一番把握していることになります。

 多くの交通事故案件の場合、障害年金請求は最後の作業になります。それまでに豊富に揃った診断書・画像を基に、障害年金専用の診断書を医師に記載依頼し、必要な添付書類を指示し、その他の書類記載は年金の相談窓口に頼ればOKです。別途、手間賃や報酬を頂くまでもありません。私達にとって、行きがけの駄賃のような事務です。添付書類には、自賠責や労災の認定結果なども含めます。それらは当然、障害年金の審査基準と異なるものですが、今まで真逆の判断などなく、結果は安定したものでした。自賠責や労災の結果にも、参考程度にそれなりに目を通していると推測しています。

 ところが、昨年、自賠責の審査結果がでる前に障害年金を申請した件で、思わしくない結果が返ってきました。その依頼者さまは独力で申請を行ったのですが、再申請をしなければならなくなりました。そこで、障害年金申請を業務としている社労士先生、数件に相談を持ちかけたそうです。そこでのアドバイスで多く指摘されたことは、専用診断書に「別紙の通り」と記載したことがNGだそうです。社労士先生が揃って言うには、「障害年金は診断書に書いてあることのみで判断するから、別紙など見ない」そうです。診断書に到底書ききれない、検査結果や症状の説明は無視されるのでしょうか? 自賠責に比べると、審査精度が低いように感じてしまいます。そのような意見を聞くと、近年の「消えた年金」「労災の未払い」など、厚生労働省の杜撰な体制を思い出させられます。

 すると、「自賠責請求に際して細心の注意・緊張を持って完璧な申請と結果を出したのだから、後の障害年金など楽勝!」と思っていた、今までの姿勢を改める必要があります。最近も、障害年金の診断書に障害等級を左右する程の重要な記載漏れを発見、医師に追記をお願いする件がでてきました。まったく最後まで油断できません。

 私達もできれば専門の社労士先生を頼りたいと考えています。餅は餅屋のはずです。今までも社労士先生に連携の呼びかけを行う際、色々とお話を伺う機会がありました。ところが、書類の手続きに精通する先生も、医学的な知識が絶望的に弱いと知りました。例え手続きのプロであっても、肝心の中身=医療はハードルが高いようです。医学的な知識・経験は、あらゆる障害申請において最重要ポイントのはずです。障害年金を主業としている社労士先生と言えど、その受任数が年間30件ほどであれば、10年でやっと300件、経験すら不十分ではないでしょうか。書類の記載等手続きなどは、年金窓口でそれはそれは丁寧に教えてくれます。もし、社労士先生に依頼する場合は、何人かにあたって慎重に判断すべきです。これはどの業務においても、士業者に依頼する場合の鉄則です。

例えば、各関節の用廃を見極めるには、関節可動域の測定ができることが絶対です。 秋葉事務所は全員がマスターしています。専門は理学療法士でしょうか。  しかし、これを専門外である社労士、行政書士や弁護士に求めることは酷です。

   今後は、障害年金についてより勉強し、個別対策を練る事が望まれます。それでも、保険医療に精通している者なら、自賠責保険請求で精密に固めた書類と、その審査結果を一緒に提出するか、その内容をベースに診断書を作成することが有効かと思います。医師には、事前にそれら診断書の内容をスライドして専用診断書に記載頂く事が安全です。とくに珍しい傷病名や難しい後遺症などは必須で、障害年金の審査員は他の結果を踏襲しないまでも、意識すると思います。良くも悪くも横並び意識は、お役所体質に合致すると思うからです。    未だ、被害者さんを安心して任せられる社労士先生にめぐり合えていません。交通事故に限定すれば、わざわざ社労士先生に依頼するより、秋葉がフォローする方が適切だと思っています。  

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 どうも、仕事はもちろん、生活にも追われている秋葉です。    自分の使う部屋の掃除は当然に自分で行っています。さらに、事務所のトイレは業社任せにせず、週1で清掃しています。これは事務所内での割り振りで私の担当です。以下、写真の通り男女二ヶ所です。私の趣味で好きな絵を飾っています。

 男子トイレ (伊ソレントの風景画) 続きを読む »

 秋葉事務所の力量を示す、好取組と思います。脊髄損傷の完全麻痺は、難しい立証作業などなく、誰が介入しようと1級です。解決の肝は等級申請ではありません。本件では3つの重要ポイントでお役に立ったと思っています。   1、奇跡を信じて治療継続

 まず、治らない障害だから治療費は無駄と考える保険会社 vs 奇跡を信じて治療を続けたい本人・家族 の構図が生まれます。本件の場合、20代と若く、わずかでも回復の可能性を感じていましたので、弁護士との連携によって、地元のリハビリ病院に次いで専門性の高い国立病院に転院させ、1年間の治療期間・費用を確保しました。これが、好結果を生むことになりました。完全な四肢麻痺が、たとえ1cmでも動くようになることは、本人・家族にとって涙が出るほどうれしいことです。保険会社に交渉を重ね、渋面ながら1年間治療費を持たせました。

2、膨大な諸手続き

 公的・民間の保険手続き始め、膨大な事務が生じます。ほとんど家族はこれで疲弊してしまいます。仮に、受任した弁護士先生が担うにも、それは大変です。ここは手続きのプロに任せてもらいたいのです。現在も各種手続きが進行中です。   3、介護費用の完全獲得がクライマックス

 経験のない弁護士に依頼すると、後の介護費用の請求で泣くことになります。脊髄損傷1級の判例に目を通すと、画期的な判例は同じ弁護士が相次いで獲得してます。これは、日本でほんの数事務所・数人の弁護士だけが、十分な介護費用を獲得できる事実を示しています。秋葉事務所はそのような事務所から教えを頂き、実践しています。経験のない事務所には決して依頼しないことです。大げさではなく、数百~数千万円も取りそびれます。

1cmでも本人家族にとっては希望なのです

別表Ⅰ 1級1号:頚髄損傷(20代男性・静岡県)

【事案】

ワゴン車に搭乗中、高速道路で併走車の割り込みを受け、側壁に衝突した。首を車内に打ちつけて頚椎を骨折、頚髄を損傷したもの。首から下はまったく動かず、感覚も失われ、自力排泄も不能、絶望的な四肢麻痺となった。

【問題点】

後遺障害について、立証するほどの作業はない。しかし、諸保険の請求手続きや転院等リハビリ環境の調整に加え、社会福祉をフル活用する必要がある。身体障害者手帳やNASVA申請など、賠償交渉以前の作業が膨大となった。

リハビリの目標は、電動車イスの自力操作。わずか数cm動く右上肢に望みを託すことになった。しかし、不可逆的(治らない)障害である以上、相手保険会社は早期の治療費打切りを切望、その折衝が続くことになる。

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 私はかつて保険会社のSC(サービスセンター=保険金支払部門)に配属されたことがあります。対人・対物・傷害各門の担当者は超多忙の毎日で、それこそ常時100件もの案件を抱えています。とくに対人担当者は、打撲捻挫などの軽傷は3ケ月以内で治療費の打切りを意識し、「そろそろ(治療の終了は)いかがですか?」と、軽傷と思われる被害者さんに毎日電話をしているわけです。

 それでも人間のやること、たまに忘れたのか電話が遠ざかってしまい、放置状態となることがあります。すると、打ち切り攻勢なきまま、静かに通院実績を重ねることができます。経験では、14級9号の認定者の多くにみられる傾向は、症状の重篤度もさることながら、保険会社と軋轢なく6ヶ月通院した患者さんです。その点、本件は放置され治療実日数を稼げた結果、ギリ認定を得ることができました。治療費打切りを巡ってひどく争った被害者さんは、その悪印象から症状を疑われたのか、どうも認定結果が振るわないように思います。

担当者とケンカしても良い事はないです

14級9号:頚椎捻挫(50代男性・静岡県)

【事案】

オートバイ搭乗中、交差点で信号待ちしていたところ、自動車の追突を受ける。直後から頚部痛のみならず、手指のしびれ等が残存した。 続きを読む »

 何事も10年ぶれずに続けていくことは、周囲の信用・信頼につながるものです。それが、相手損保や自賠責調査事務所など、被害者側からしてみれば反対となる立場の方からも、時折好印象を頂いています。秋葉事務所の立場は被害者側の損害を調査・立証するものですから、相手保険会社にとって保険金支払いの増大を図る憎い存在?にもなろうものです。しかし、現場はそれ程単純ではありません。理由は以下の通りです。    損保担当者は、常時100件の案件をどんどん消化していく必要があります。解決が遅れるとファイルが山積み、えらい事になります。したがって、早期解決の第一歩として治療費の打切りを急ぐのです。それに対し被害者側は、「保険金を払い渋っている!」と考えがちですが、担当者にとって、”早く処理する”ことがまず大目標なのです。むち打ち患者の一定数は症状が長引き、治療の長期化となれば、担当者は早期の治療費打ち切りが命題となります。秋葉事務所は被害者側ですから、一定の治療期間の要求はします。それでもきちんと6ヶ月で症状固定させるものですから、うっとおしい打切り打診をせずに済んだ担当者から、(連携弁護士を介してですが)「助かります」と言われることになります。

 単純に払い渋っているのかな?

 損保の対人担当者にとって、早期処理が成績評価になります。その後、後遺障害等級が認められ、損害額が増大したとしても、それは自賠責のジャッジであって、担当者に責任はありません。次いで、被害者に弁護士がついて、さらに支払額がUPしたとしても、それは”弁護士が介入した”からであって、担当者の責任ではありません。

 ここまで言えばおわかりと思います。彼ら担当者はサラリーマンですから、自分に責任のない事に躍起になりません。上司に怒られさえしなければ良いのです。仮に、打撲捻挫で1年も打切りが出来ないケース、被害者との直接交渉で折れて保険金を多く支払った解決・・これこそ、上司の激怒と勤務査定の低下となるのです。    被害者さんはもちろん、交通事故に関わるすべての業者さんは、このような保険会社の側面を知るべきです。    これ以外にも、自賠責保険の調査事務所からも、感謝の意が届きます。等級審査で自賠責が毎度難儀していることは、病院への追加的な書類、不足画像の請求、その他診断書の修正などです。病院は大抵迅速に回答してくれません。これらが審査の遅れる主原因となります。それを被害者に代わって速やかに進める私達の存在は、第一に被害者の利益を求めながらも、自賠責の審査業務を助け、早期解決を求める相手側の利益につながります。

 確かに、被害者側の損害を明らかにする医証(診断書や検査結果など医学的な証拠)は、相手損保の支払いを増大させることになるかもしれません。しかし、自賠責保険の審査を助け、後の交渉・斡旋・裁判に進展した際にも、紛争の決着に決め手となる書類の完備と早期収集は、大局的には関係各者にとって歓迎すべきことです。もちろん、決定的な書類を突きつけられた上での(保険会社が困る)結果についても、保険会社担当者へはなんら責任は問われません。裁判での決着など、保険会社にとって「仕方ない」ことですから。

 秋葉事務所の活動は、被害者さんの利益の為の業務でありますが、保険会社にすんなり支払いを促す効果を併せ持つ業務になります。被害者さんの損害を明らかにする=事実証明を明瞭・迅速に進め、紛争の防止と拡大を防ぐ、まさに社会貢献につながるものと自負しています。  

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【事案】

ワゴン車に搭乗中、高速道路で併走車の割り込みを受け、側壁に衝突した。首を車内に打ちつけて頚椎を骨折、頚髄を損傷したもの。首から下はまったく動かず、感覚も失われ、自力排泄も不能、絶望的な四肢麻痺となった。

【問題点】

後遺障害について、立証するほどの作業はない。しかし、諸保険の請求手続きや転院等リハビリ環境の調整に加え、社会福祉をフル活用する必要がある。身体障害者手帳やNASVA申請など、賠償交渉以前の作業が膨大となった。

リハビリの目標は、電動車イスの自力操作。わずか数cm動く右上肢に望みを託すことになった。しかし、不可逆的(治らない)障害である以上、相手保険会社は早期の治療費打切りを切望、その折衝が続くことになる。

  家族は奇跡を期待します。保険会社と違って、簡単に諦められないのです。

  【立証ポイント】

事故直後からの依頼であったことが幸いした。保険会社との折衝は連携弁護士が担い、秋葉事務所は平行して次々と手続きを進めた。本人と家族を励まし、リハビリ病院は2ヶ所梯子して十分な訓練を果たすことができた。おかげで奇跡的に片腕の可動は拡大し、電動車イスの操作を可能とした。

次いで、自宅介護に備えた住宅改造費用の請求の為、介護住宅専門の建築士による鑑定書を依頼した。さらに、介護施設から資料を取り寄せ、公的保険適用の介護人と職業介護人を併用した介護計画表、介護に必要な消耗品明細を作成、それぞれ将来損害の金額を明瞭化した上、連携弁護士に託した。

逸失利益と介護費用を完全に賠償させるには、周到な準備と緻密な立証が必要なのです。介護費用は詳細な資料を基に積算、個別具体的な立証につきます。過去の判例から類似例を列挙するだけの弁護士では、裁判をしても十分な介護費用は取れません。

(平成30年9月)  

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 自賠責保険の後遺障害審査では、全画像の提出が必須です。

 とくに骨折案件では、レントゲンは当然として、CTやMRIなども加わります。事前認定の場合は、相手保険会社が取り寄せてくれますが、往々に時間がかかります。それは病院側が遅いことが理由ですが、超多忙な保険会社・担当者の催促に任せることになりますので、心もとないものです。被害者請求の場合では、被害者自身、あるいは手続きを任せた業社の取り寄せになります。秋葉事務所でも、矢のような催促に駆られることが少なくありません。病院側も多忙なのはわかりますが、今やパソコンに空ディスクを入れて15分も待てばできるものです。怠慢を感じることが多々あります。  かつて、自賠責保険・調査事務所の職員がブログで嘆いていました。「いくつかの事務所からの被害者請求で、毎度まったく画像を添付していないケースがあります。これは、自賠責側に収集させようと意図しているのか、あるいは、費用負担を自賠責に課す目的か・・非常に困っています(略)」。被害者請求のルールはあくまで、書類収集は被害者(側の代理人)が行い、自らの責任で提出することです。明らかなルール違反ですから厳重注意です。確信犯的な事務所は懲戒ものとまで思います。

 私がより問題視していることは、画像を全く観ないで提出している仕事内容です。宣伝では「後遺障害申請は任せて!後遺障害に強い!」と言っても、事前認定に同じく、右から左へ書類を転送するだけの事務所が多いことを物語っています。弊所では、決して全件すべての画像を観ているわけではありませんが、等級認定のポイントとなる画像は必見としており、提出の際にはその画像をピックアップして打出しを添えている程です。後遺障害申請はクジではありません。申請前に障害の全体像を把握、認定等級を見極めておくべきなのです。その点、素人と言えど、軽易であっても、画像の読影力が求められます。医師面談の場でも、医師と画像を観ながら、打合せをすることが普通です。このような医療調査を経ず、書類を取りまとめて転送するだけの事務所なら、お金をかけて依頼する必要はないと言えます。    最近、画像CDの一部焼き漏らしから、自賠責から追加提出の要請を受けました。病院のミスではありますが、提出前に画像を総覧して気付くべきでした。(念のためですが)決して確信犯ではありません。2ヶ月も待たせた病院のおかげで、どうしても提出を急ぐ事情があったとはいえ、反省しています。今度はわずか1週間で追加提出を果たしました。

 ポーズだけのヘタな被害者請求はやめて、事前認定にすべき業者が少なからず存在するものと思います。審査する側の負担はもちろん、(被害者請求を選択した)依頼者への背信行為でもあると思います。  

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 本日の長野出張は、長野でも東京からもっとも遠い飯田市です。新幹線、名古屋経由で乗り継いでも4時間ですから、飛行機で北海道や九州出張と時間的に変わりません。高速バスでは4時間半なので、運賃の安い新宿発のバスにしました。定刻の移動に不安がありましたが、幸い行き帰り共に遅れませんでした。

 初の飯田市は、緩やかな山裾に広がる扇状地に広がった坂道の街です。日帰り突貫ツアーも覚悟しましたが、街の繁華街に宿を取り、翌朝戻りとしました。そのホテル周りは市内一番の飲み屋街なのですが、捨て置けない店が多く、なんとも風情がありました。

 ホテル前に千劇?・・見ての通り昭和っぽい映画館です。時間があったら入ってみたかったです。   続きを読む »

 患者ではなく、病院が症状固定を嫌がるケースもあります。

 もちろん、骨折の癒合が不完全の場合や予後の感染症など、医学的に治療の続行が判断されれば、症状固定の判断は延びますし、当然に患者は従います。保険会社も渋々ですが従います。打撲捻挫での神経症状でも、治療の継続が有効であれば、そうすべきところです。しかし、画像や検査で明確な所見が得られず、患者の訴えだけの打撲捻挫となれば、保険会社は治療費を支払い続けるわけがありません。そもそも、打撲捻挫での長期療養など医学的に非常識なのです。ですから、症状固定をして、賠償関係を整理・解決させ、健保などで治療継続すればよいと思うのです。

 本件はその流れに医師が難色を示しました。私達は何も治療を止めろとは言っていません。対保険会社との関係を、症状固定で断ち切りたいだけです。以後は、患者の自己負担で治療費を払えばよいだけの事です。確かに自由診療から健保診療に変われば、医療費(病院の利益)はがた落ちします。このような事情から、症状固定を巡って保険会社vs病院との構図が生じ、患者を取り巻く3角関係に発展することもあります。    このような場合、病院側にも理解を促す必要があるのです。症状固定に対する医師の理解にも、諸々違いがあるものなのです。

 病院側との調整の為にも、山梨までも病院同行しているのです  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(50代女性・山梨県)

【事案】

交差点で信号待ち停車中、後続車の追突を受けた。直後から頚腰部痛、上肢下肢のしびれに加え、飛蚊症(小さい虫が飛んでいるように見える)の症状も表れた。

【問題点】

眼科でヘスコルジメーター等、各種検査を重ねるも、明確な所見は得られなかった。頚部神経症状から目耳鼻口に異常が生じることを多数経験しているが、明確な検査結果を得る件は非常に少ない。訴える症状が軽微であることから、追っても14級相当である以上、神経症状の14級9号の確保を第一優先とした。

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 「治っていないのだから、まだ治療費を出して下さい!」

 痛みや痺れの症状が残っているのに、相手保険会社から治療費の打切りを切り出されれば、被害者さんはこのように言うはずです。これは当然の被害者感情です。しかし、賠償金で考えると、受傷から半年関治療を続けても症状が残っているのなら、後遺障害14級9号「局部に神経症状を残すもの」の認定を得て、高額となる賠償金を得て解決させるべきです。仮に保険会社が治療費を打ち切っても、その後は健康保険を使って治療を続ければ、自己負担する3割の治療費など高が知れており、後遺障害のお金の方がずっと高額なのです。

 神経症状というものは、通常、受傷からどんどん軽減していくものです。さらに、極端に治療を延ばせば、心因性(心の病で痛いと感じる)、あるいは詐欺(休業損害や慰謝料など賠償金・保険金目当て)に思われるかも知れません。このような被害者さんはおよそ非該当になります。原則、症状がはっきりしている時期までに、後遺障害審査に付すべきなのです。

 つまり、交通事故被害者さんは、解決に向けての損得勘定をする必要があるのです。本件は相手保険会社の打切り後、さらに労災で治療を継続しました。症状は軽減傾向となりましたが、なんとか後遺障害14級9号を得ることができました。結果的に1年以上も治療費を確保した上の認定ですから、結果オーライです。それでも、私達はこのような危ない橋を渡らせることに眉を潜めてしまいます。

巻きの作業でした

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・静岡県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛等の神経症状に悩まされる。

【問題点】

受傷後半年まで保険会社から治療費を出して頂けたが、症状が続いていた。治療費打切り後、本件は労災事故だったらしく、遅れて労災申請、適用し、さらに治療を継続した。その後、労災からも治療費が打ち切られ、この段階で相談の連絡があった。事故から1年以上経過していた。

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【事案】

交差点で信号待ち停車中、後続車の追突を受けた。直後から頚腰部痛、上肢下肢のしびれに加え、飛蚊症(小さい虫が飛んでいるように見える)の症状も表れた。

【問題点】

眼科でヘスコルジメーター等、各種検査を重ねるも、明確な所見は得られなかった。頚部神経症状から目耳鼻口に異常が生じることを多数経験しているが、明確な検査結果を得る件は非常に少ない。訴える症状が軽微であることから、追っても14級相当である以上、神経症状の14級9号の確保を第一優先とした。

しかし、肝心の整形外科医が症状固定に際して、急に「もっと治療を延ばすべき」などと言い出し、その調整に苦慮した。

【立証ポイント】

主治医には半年で症状固定、その後は健保で継続と約していたが、相手保険会社から自由診療の治療費をもっと引っ張れると思ったのか、単に思いつきなのかは今となってはわからない。現場では、診断権を持つ医師の判断に左右されることも多い。もちろん、患者さんの希望を押し通して、診断書を回収、無事に認定を得ることができた。

(平成31年1月)  

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