秋葉事務所の力量を示す、好取組と思います。脊髄損傷の完全麻痺は、難しい立証作業などなく、誰が介入しようと1級です。解決の肝は等級申請ではありません。本件では3つの重要ポイントでお役に立ったと思っています。
 
1、奇跡を信じて治療継続

 まず、治らない障害だから治療費は無駄と考える保険会社 vs 奇跡を信じて治療を続けたい本人・家族 の構図が生まれます。本件の場合、20代と若く、わずかでも回復の可能性を感じていましたので、弁護士との連携によって、地元のリハビリ病院に次いで専門性の高い国立病院に転院させ、1年間の治療期間・費用を確保しました。これが、好結果を生むことになりました。完全な四肢麻痺が、たとえ1cmでも動くようになることは、本人・家族にとって涙が出るほどうれしいことです。保険会社に交渉を重ね、渋面ながら1年間治療費を持たせました。

2、膨大な諸手続き

 公的・民間の保険手続き始め、膨大な事務が生じます。ほとんど家族はこれで疲弊してしまいます。仮に、受任した弁護士先生が担うにも、それは大変です。ここは手続きのプロに任せてもらいたいのです。現在も各種手続きが進行中です。
 
3、介護費用の完全獲得がクライマックス

 経験のない弁護士に依頼すると、後の介護費用の請求で泣くことになります。脊髄損傷1級の判例に目を通すと、画期的な判例は同じ弁護士が相次いで獲得してます。これは、日本でほんの数事務所・数人の弁護士だけが、十分な介護費用を獲得できる事実を示しています。秋葉事務所はそのような事務所から教えを頂き、実践しています。経験のない事務所には決して依頼しないことです。大げさではなく、数百~数千万円も取りそびれます。

1cmでも本人家族にとっては希望なのです

別表Ⅰ 1級1号:頚髄損傷(20代男性・静岡県)

【事案】

ワゴン車に搭乗中、高速道路で併走車の割り込みを受け、側壁に衝突した。首を車内に打ちつけて頚椎を骨折、頚髄を損傷したもの。首から下はまったく動かず、感覚も失われ、自力排泄も不能、絶望的な四肢麻痺となった。

【問題点】

後遺障害について、立証するほどの作業はない。しかし、諸保険の請求手続きや転院等リハビリ環境の調整に加え、社会福祉をフル活用する必要がある。身体障害者手帳やNASVA申請など、賠償交渉以前の作業が膨大となった。

リハビリの目標は、電動車イスの自力操作。わずか数cm動く右上肢に望みを託すことになった。しかし、不可逆的(治らない)障害である以上、相手保険会社は早期の治療費打切りを切望、その折衝が続くことになる。

 
 家族は奇跡を期待します。保険会社と違って、簡単に諦められないのです。

立証ポイント】

事故直後からの依頼であったことが幸いした。保険会社との折衝は連携弁護士が担い、秋葉事務所は平行して次々と手続きを進めた。本人と家族を励まし、リハビリ病院は2ヶ所梯子して十分な訓練を果たした。おかげで奇跡的に片腕の可動は拡大し、電動車イスの操作を可能とした。

次いで、自宅介護に備えた住宅改造費用の請求の為、介護住宅専門の建築士による鑑定書を依頼した。さらに、介護施設から資料を取り寄せ、公的保険適用の介護人と職業介護人を併用した介護計画表、介護に必要な消耗品明細を作成、それぞれ将来損害の金額を明瞭化した上、連携弁護士に託した。

逸失利益と介護費用を完全に賠償させるには、周到な準備と緻密な立証が必要なのです。介護費用は詳細な資料を基に積算、個別具体的な立証につきます。過去の判例から類似例を列挙するだけの弁護士では、裁判をしても十分な介護費用は取れません。