マニアックな分析に突入しております本シリーズ、しばしご辛抱下さい。

 交通事故被害者さんにとっては、単に「判例タイムス」から自らの事故形態を検索し、過失割合の相場さえ分かれば目的は達せられます。しかし、弁護士や保険会社はそうはいきません! 判例の趣旨、改定の背景を知ってこそ、専門家として踏み込んだ考察ができます。実際、このシリーズは今月の埼玉セミナーで取り上げます。単に過失割合を検索するだけでは、すでにAIに仕事を取って代わられています。専門家には、分析の労が課せられると思っています。    前回に続き、T字路判例について、自動車と二輪車を入れ替えた判例も見ておきましょう。今度は車が優先道路になります。   整理・修正 (8)T字路での車vs二輪車   車 vs 二輪車(車が優先道路)

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 「39」では、T字路での自動車対2輪車も整理されています。旧「38」でのT字路事故は車同士の判例のみでした。車vs二輪車の事故の場合は、単に2輪車を交通弱者として、車同士の割合よりバイクを少し有利に修正していたと思います。    これについては、従来からある判例(車vs車)と、新設された判例(車vs二輪車)を比べてみたいと思います。     新設(7)T字路での車vs二輪車   従来から 車 vs 車

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【事案】

自動車で信号待ち停止中、前方不注意の後続車に追突された。直後から全身の痛み等、強烈な神経症状に悩まされる。

  【問題点】

事故から5ヶ月後に相談を受けたが、整形外科と整骨院の併用(整骨院の方が通院頻度が高い)治療を行っていたため、整形外科への通院回数が少なかった。また、対人担当者から事故後半年での症状固定を打診されており、これ以上の治療実績は望めない状況であった。   【立証ポイント】

半年が経過した段階で病院同行し、院長に事情を説明したところ、「後遺障害診断書の作成は保険会社が一括対応終了と言ってきてからで問題ない。患者本人も治療を望んでおり、治療効果も出ているため、こちらから終了させる選択肢はない。」との回答があったため、対人担当者には伝えず、院長の言う通り、治療を継続することとなった。その後も対人担当者からの連絡はなく、整形外科・整骨院にも連絡が入っていないとの事だったが、ご本人とも相談し、事故から1年が経過した段階で後遺障害診断書を依頼する方針を固めた。

今回も「保険会社から何も連絡がないから、治療は継続します。」と言われてしまったらどうしようかと思いつつ、後遺障害診断書を依頼すると、「事故から1年だから…。」と今回はあっさり作成してもらえることとなった。

診断書・診療報酬明細書の収集に時間がかかったものの、後遺障害申請から約40日で14級9号が認定された。本件は、整形外科への通院が少なく、整骨院への通院が100回オーバーという「昔なら認定されたけど…」の典型であったが、受傷機転や症状の重篤さを勘案してもらえたのかもしれない。やはり、理屈だけでは語れないのが14級9号であると改めて感じる一件であった。

(令和8年6月)  

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 本日は、春日部駅から(野田線ではなく)アーバンパークラインに乗換えて、川間駅まで病院同行でした。移動時間にサッカーワールドカップの日本vsスウェーデン戦の真っ最中で、皆スマホに食い入っていました。    かつて、大宮から野田まで(現在は船橋まで)、埼玉と千葉を横断するローカル線、野田線との呼び名が記憶にあります。小学校の時、野田のキッコーマンの醤油工場まで野田線に乗って見学に行ったものです。しかし、いつからか路線名が変更されて・・「アーバンパークライン」、しゃれた横文字になっているではありませんか。この機に、名称変更についてググってみました。    アーバンパークラインは、東武野田線の沿線イメージ刷新と「都会の中の公園」のような路線を表現するために2014年に導入された愛称です。   ○ 愛称導入の背景

 東武野田線はかつて、沿線開発の遅れから「不便な路線」というイメージが強く、利用者数も伸び悩んでいました。そこで東武鉄道は、路線のイメージを一新し、沿線の価値を高める目的で、2014年に「アーバンパークライン」という愛称を導入しました。この名称には「都会の中の公園のような路線」というイメージを打ち出し、若い世代やファミリー層にアピールする狙いがありました

 併せて、駅舎のリニューアルや新型車両の導入などと合わせて、路線の魅力向上が図られました   ○ 名称の意味

 「アーバンパークライン」という名前は、都市(Urban)と公園(Park)を組み合わせた造語で、都心に近いながらも自然や緑が多い沿線環境を象徴しています。大宮駅から船橋駅までの路線は、東京近郊のベッドタウンを結び、都市と郊外の中間的な位置を走ることから、この名称は路線の特徴を的確に表しています   続きを読む »

【事案】

バイクで山道を走行中、下り坂のカーブを曲がりきることができず、縁石に衝突して負傷。直後から全身の痛みに悩まされる。   【問題点】

本件は自損事故であるため、自身加入の人身傷害保険で治療を受けていたが、事故から約3年が経過した後、保険会社から保険金案内が届いたタイミングでご相談を頂いた。肩甲骨には穴が開いたままであり、裸体になると脇の下に出っ張りがあるというにもかかわらず、保険会社に提出した診断書には、後遺障害残存の見込みに「無」と記載されていた。   【立証ポイント】

長期間の治療により疼痛はほぼ消失していたため、「体幹骨の変形」に絞って後遺障害申請を実施することになったが、事故当時よりも肥えてしまったらしいので、医師に後遺障害診断書を依頼する予約日までに、体重を落とすようお願いした。

予約日に病院へ同行し、医師へ今回の趣旨を説明の上、レントゲンとCT検査を依頼し、外貌変形についても確認していただいた。変形については、外貌の写真と変形癒合によって出っ張りが生じた肩甲骨のCT画像を照らし合わせた資料を後遺障害診断書に添付し、審査に付した。

審査に時間がかかり、ご本人も不安そうであったが、無事に12級5号が認定された。   (令和7年6月)  

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 秋葉事務所では、申請前に揃った書類から、ほぼ認定等級が読めております。しかし、その読みを一番外すのは、14級9号「局部に神経症状を残すもの」です。同じような事故状況、治療経緯を辿った、同一条件下での申請であっても、申請の時期や地域によってブレを感じます。究極的には審査のご担当者によって、判断に違いがあるとしか言いようがありません。   接骨院中心の通院の件も、認定が読めないパターンの一つです  

14級9号:腰椎捻挫(40代男性・千葉県)

【事案】

自動車で信号待ち停止中、前方不注意の後続車に追突された。直後から全身の痛み等、強烈な神経症状に悩まされる。  

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 自分が掛金を払って加入している保険の後遺障害、自賠責保険より厳しいと思っています。    部位や障害の系列によりますが、自賠責保険なら○級が見込めるケガでも、あっさり「非該当」回答が目立ちます。請求を受けた保険会社ですが、以前は自賠責保険に諮問をかけて、等級を認定することが多かった印象です。最近は、どうも諮問した様子もなく回答されてしまいます。    「後遺障害保険金はやらん」との悪意なのか、単にご担当者の勉強不足なのか・・自らが加入している人身傷害保険や傷害保険への後遺障害申請、その再請求の依頼が秋葉事務所でも増加傾向なのです。   骨折後の変形などは、とくに初回では認定されません  

人身傷害 12級5号:肩甲骨骨折(20代男性・東京都)

【事案】

バイクで山道を走行中、下り坂のカーブを曲がりきることができず、縁石に衝突して負傷。直後から全身の痛みに悩まされる。   【問題点】

本件は自損事故であるため、自身加入の人身傷害保険で治療を受けていたが、事故から約3年が経過した後、保険会社から保険金案内が届いたタイミングでご相談を頂いた。肩甲骨には穴が開いたままであり、裸体になると脇の下に出っ張りがあるというにもかかわらず、保険会社に提出した診断書には、後遺障害残存の見込みに「無」と記載されていた。   【立証ポイント】

長期間の治療により疼痛はほぼ消失していたため、「体幹骨の変形」に絞って後遺障害申請を実施することになったが、事故当時よりも肥えてしまったらしいので、医師に後遺障害診断書を依頼する予約日までに、体重を落とすようお願いした。

予約日に病院へ同行し、医師へ今回の趣旨を説明の上、レントゲンとCT検査を依頼し、外貌変形についても確認していただいた。変形については、外貌の写真と変形癒合によって出っ張りが生じた肩甲骨のCT画像を照らし合わせた資料を後遺障害診断書に添付し、審査に付した。

審査に時間がかかり、ご本人も不安そうであったが、無事に12級5号が認定された。  

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 「39」より新設した判例です。追い越しや割り込みの判例は昔からお馴染みでしたが、駐停車していた車が発進、それに後続車が衝突したケースは何故か載っていませんでした。これまでも、追い越しや割り込み接触の事故を参考に、およそA20:B80で決着していたと思います。    変更点(6)駐停車車両が発進し、後続直進車と衝突      A20:B80    ◆ ...

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【事案】

交差点の横断歩道を横断中、左方よりの自動車の衝突で受傷したもの。診断名はクモ膜下出血、肋骨骨折、全身打撲。額を数針縫う裂傷。入院時より、臭いがしないことに気付いた。   【問題点】

年齢的な衰えと混同されることがあるので、早期に耳鼻科の受診へ誘導した。   【立証ポイント】

さらに、専門的な検査は東京の病院にお連れして実施した。毎度の立証体制から、確実に嗅覚脱失の12級を確保した。結果、額のキズを併せ併合11級とした。   (令和7年11月)   ※ 併合の為、分離しています  

 

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【事案】

交差点の横断歩道を横断中、左方よりの自動車の衝突で受傷したもの。診断名はクモ膜下出血、肋骨骨折、全身打撲。額を数針縫う裂傷。    【問題点】

頭部から額にかけてのキズは明確に3cmを越えていたが、ほぼ頭髪内。6か月の回復後、どこまで額の線状痕が残るか・・他の障害を追いつつ、写真を残していった。   【立証ポイント】

頭髪をかき上げて計測、なんとか3cmは超えており、写真添付にて認定となった。   (令和7年11月)   ※ 併合の為、分離しています   

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 すれ違い めぐり会い 

 ・・歌の歌詞によく出てくる言葉と思います。    狭い道路でのすれ違い接触も、もめにもめる事故の一種と言えます。「どちらが中央からはみ出てきたのか」、「どちらが先に進入してきたのか」、「動いていた、止まっていた」などの応酬が続きます。熱くなった契約者様に保険会社もお手上げです。弁護士費用特約を使って争いたいご希望となりますが、たいてい物損事故で争うほどの金額や過失割合にならないことが多く、(お金にならない)弁護士も腰が引けます。

 すったもんだが続き、結局は50:50に収まることが多く、保険会社に戻って支払うことで終わります。保険会社及び代理店、弁護士、裁判所等、皆を巻き込んで争議が続きますが、最初の保険会社同士による解決案と変わらないことが多いのです。

 先日のセミナーでも、「この(しょうもない)ケースの裁判が多く、裁判所がブチ切れたのではないか・・」と、連携弁護士が述懐しておりました。過失相殺の争いの多く、いえ一部は、結果ありきの不毛な議論が多く、膨大な時間と何より周囲の人的負担だけがむなしく続きます。双方あるいは片方の当事者も最後まで納得はしませんが・・渋々従うことに。せめて、応援して尽力してくれた代理店さんに感謝してくれたら良いのですが…不満しか残らない人が多いような…来年も車両保険に入らないのです。はぁ…交通事故争議の面倒さを物語っています。   変更点(4)狭い道路でのすれ違い事故      続きを読む »

 つい先月、連携弁護士より「この新基準で過失割合を交渉しました」との報告がありました。結果、相手損保の主張「基本過失は20:80からですね」を、「基本は10:90からでしょう?」とスタートしました。   変更点(3) 道路外からの進入車との衝突    続きを読む »

 変更点(2) 路上横臥(道路上に寝ている歩行者)事故      39号では、泥酔して路上横臥した高齢者・身体障害者について、高齢者等の保護修正を適用しない方向が明示されました。従来の38号では明確ではなかった部分です。    実は、弊所でも路上横臥者の受傷事故は、記憶にあるだけで4例を相談・受任、いずれも重傷でした。また、その半分はひき逃げとなっています。一方、横臥者の状態は泥酔が多く、相当の過失が取られても仕方ないと言えます。それでも、高齢者や身体障害者だからと言って、修正要素から寝ていた者の過失を軽くすることについて、「そこまで守る必要があるのか?」との疑問はあったと思います。    まず、基本過失は変わっていません。昨年の「過失相殺クイズ」で取り上げた「路上横臥者の事故」の問題・回答は以下の通りです。   (Q)路上に寝ている人をひいてしまった場合   続きを読む »

 ケガの箇所が数か所に及び、その回復具合もまちまちで・・・まず最初に後遺障害の設計図を描き、丁寧に作業を進めていく必要があります。本件は受傷直後からの相談から、計画的に併合11級まで作業を進めました。嗅覚、顔面醜状痕、いずれも弊所では多くの認定経験があり、その経験則から適切な誘導ができたと思います。本件のような独居の高齢者の場合、私共が病院に一緒に付き添って進めることが必須と思います。   高齢者は、独力で諸手続きができません  

12級相当:嗅覚障害、12級14号:顔面線状痕(80代女性・埼玉県)

【事案】

交差点の横断歩道を横断中、左方よりの自動車の衝突で受傷したもの。診断名はクモ膜下出血、肋骨骨折、全身打撲。額を数針縫う裂傷。入院時より、臭いがしないことに気付いた。    【問題点】

年齢的な衰えと混同されることがあるので、早期に耳鼻科の受診へ誘導した。

頭部から額にかけてのキズは明確に3cmを越えていたが、ほぼ頭髪内。6か月の回復後、どこまで額の線状痕が残るか・・他の障害を追いつつ、写真を残していった。   【立証ポイント】

嗅覚障害は、専門的な検査は東京の病院にお連れして実施した。毎度の立証体制から、確実に嗅覚脱失の12級を確保した。

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 簡素過ぎる労災・障害給付用の診断書、かつてはたったA4サイズで、障害のすべての記載が難しい時期が長く続きました。とりわけ関節可動域の欄が足りない。それが、数年前に両面になり、可動域の記載欄が増えました。それでも、多種の障害に対応しきれていないものでした。それが今月、何気なくDLしたら、なんとA3の両面になっていたではないですか!    表 

 裏 続きを読む »

 先日は恒例の茨城セミナー、会場は毎度の水戸生涯学習センターでした。水戸駅から徒歩10分、かつてのお城の敷地内、その建物の威容は研修会場随一と思っています。      今回のテーマは、弁護士から今年新版が発売された「判例タイムス39」の変更点でした。個人的に大変勉強になりました。

 秋葉からは、「アニメキャラで学ぶ醜状痕」を解説しました。おなじみの外貌=「顔面」と「日常露出しない部位」を6例、取り上げました。ご参加の皆様には少々マニアックに過ぎたかもしれません。    今後も、メジャー路線(過失割合など)、マニアック路線(後遺障害に関する)、それぞれ取り上げていきたいと思います。   

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(答)ケンシロウは    ③ 非該当    7つのキズを合計しても、胸部+腹部、背部+臀部の表面積の4分の一以上の面積に及びません      基準ではそうなります。しかし、目立つキズでもありますので、自賠責の審査員や労災の顧問医にサービスで14級を認めてもらいたいところ・・。もちろん、訴訟上では等級を主張すべきと思います。    「北斗の拳」に登場する男たちは、皆キズだらけです。ジャギの顔面醜状痕は当然に7級12号認定です。また、キズではありませんが、ラオウはケンシロウと最初の戦いで秘孔を突かれて鎖骨を骨折し、「上腕神経麻痺」12級13号レベルになったことがありました。一方のケンシロウは、「左上腕三頭筋断裂」14級9号レベルのケガを負ったはずです。二人共、後遺症なく完全回復したようですが・・。   続きを読む »

   最後の第3問、  

お前はすでに認定されている

   『北斗の拳』、昭和世代はもちろん、パチンコなどから幅広い世代に浸透しています。最近、夜中にリメイク版が放送していました。日常露出しない部位のはずですが、毎回、戦いの際に露出しています。さてケンシロウのキズは・・  

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(答)ルフィは   ② 14級相当

 日常露出しない部位(胸部+腹部、背部+臀部)の 表面積の4分の一以上の面積に醜いあとを残すもの外貌に著しい醜状を残すもの      胸腹部では、手術痕=切り傷を多く目にします。顔面と違って、線状痕での判定はなく面積で決まります。その点、ルフィの胸はケロイド状の瘢痕から面積を満たし、認められると思います。

 また、ルフィは顔面、左目の下に線状痕があります。長さ3cmありそうですから、12級14号も認定されると思います。   続きを読む »

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