環軸椎脱臼・亜脱臼(かんじくついだっきゅう・あだっきゅう)       (1)病態

 頚椎は正面から見ると7つの椎体の連なりであり、C1、環椎とC2、軸椎は独特な形状をしています。軸椎には歯突起があり、軸を中心に環軸が回転することで、頚部を左右に回転させることができます。軸椎以下の頚椎は、椎間板という軟骨の座布団で椎体間が連結されており、これにより、頚椎がしなるように動くことができるのです。

 環軸関節の位置は、正面では、口のあたりに位置しています。環椎の上部に頭蓋骨が乗っており、この関節の支えにより、頚部は左右に動くのです。

 交通事故では、後頭部方向から大きな外力が加わり、過屈曲が強制されることで、軸椎の歯突起が骨折し、環椎が前方に転位し、環軸椎亜脱臼・脱臼が発症しています。転位が高度で環椎と軸椎を結合する関節が完全に外れてしまったものを環軸椎脱臼、外れかかった状態で4mm以上の転位があるものを環軸椎亜脱臼といいます。   続きを読む »