骨、筋肉、靭帯、神経と解剖が続きました。いよいよ症状別各論に入ります。やはり図・写真の多用は避けられません。長い文章より如実に語ることができます。

■ 病態説明

 顆部骨折(長管骨の両端、関節部分)の骨折すべてに言えますが、骨粗鬆症に関連した中高年に多く、転倒の際、肩からはもちろん、手をついて転倒した際にも受傷がみられます。 <上腕骨近位端の部位名称>

① 上腕骨頭  ② 小結節

③ 大結節   ④ 骨幹部

a: 解剖頚  b:外科頚 

 

 

続きを読む »

 ムチ打ち、外傷性頚部症候群の症状の多くに単に首の痛みだけではなく、上肢~手指にかけての放散痛(電気が走るようなしびれを伴った痛み)がみられます。何故でしょうか?それは首の神経が鎖骨の裏を通り、腕から手指にかけてつながっているからです。

 また上肢の拳上が不能となるようなケースもあります。これは首の左右の神経根の圧迫、神経孔の狭窄(きょうさく)、つまり首の頚椎と頚椎の間を通る神経がヘルニアや変形した骨の圧迫を受けたり、神経を通る隙間自体が狭くなるために起こります。稀に脊髄自体に頚椎やヘルニアの圧迫がある正中型神経圧迫でも発症するケースがあります。ひどい例ですと肩が上がらなくなった被害者(脊髄前角障害)も経験しています。

 腕の拳上不能の原因は、肩腱板か? 上腕筋の損傷か? 頚部神経症状か?…医師の診断力が試されるところです。   

5、腕の支配神経

腕神経群

 前述のとおり、頚部の神経節を発し、鎖骨の裏側を通り抜け腕に達します。ちなみに胸郭出口症候群ではこの鎖骨裏の神経群が圧迫を受けて症状を発します。

  A.腋窩神経(えきかしんけい) 続きを読む »

4、肘の靭帯    二つの靭帯によって関節の安定が保たれています。    橈骨側(親指側)に外側側副靭帯  尺骨側(小指側)に内側側副靭帯    輪状靭帯とは橈骨頭を取り巻いている橈尺関節の一部で、前腕の回内と回外を可能にします。

やはり平面図ではわかりづらいです。 肘関節模型で再度見てみましょう。

橈骨側                尺骨側 続きを読む »

3、前腕筋群 ・・・肘から手首にかけての筋肉    まず、大きく2つの筋肉の束に分かれます。それぞれ手指の靭帯につながっていますので、基本的な解釈として、「手首をそらす(背屈)、指を伸ばす、広げる」には前腕伸筋群が作用、「手首を曲げる(掌屈)、指を曲げる、握る」には前腕屈筋群が作用します。これだけを頭に入れておけば足りるように思います。

前腕伸筋群             前腕屈筋群  続きを読む »

 昨日は骨を確認しました。今日は筋肉の名前を覚えましょうか。CG画像を使って見ていきましょう。    2、上腕筋群・・・上腕(二の腕)の筋肉   表側(胸腹側から見る) 裏側(背中から見る)  筋肉が束になっていますので、さらに細かく解剖します ↓     ① 上腕二頭筋  続きを読む »

 まずは解剖学的なアプローチ、各部位の名称を確認しましょう。    ご相談者から単に「腕を骨折しました」と言われても、後遺障害の具体的な回答はできません。また毎度のことですが骨折→癒合を果たしても靭帯損傷、神経麻痺などが見逃されるケースもあります。   1、骨と関節の名称

 左の図の名称を覚えない事には医師や患者さんと話が通じません。また診断書には別称で書かれていることもあり、それも頭に入れます。

 長管骨は読んで字のごとく長い骨です。人体を構成する主要な長い骨との解釈で足ります。上肢で言いますと上腕骨、橈骨、尺骨を指します。この長管骨は下肢同様、心臓に近い末端を近位端、遠い末端を遠位端と呼びます。

 手の骨、特に関節部の手根骨、指の骨は覚えるのが大変です。これは別シリーズにて取り上げたいと思います。

 今日はイントロ、ここまでとします。

 次回 ⇒ 上腕の筋肉  

続きを読む »

 昨日は「腓骨神経麻痺」の疑いのある被害者さんと主治医面談でした。足首が完全に動かないわけではないのですが、背屈(足首を上にそらす)が不能なので「不全麻痺」が正確な表現でしょうか。しかしその可動域の制限だけでは後遺障害の認定は得られません。それを裏付ける検査数値と確定診断が必要です。そこで主治医先生にタイトルの検査依頼となるわけです。

 中には「なんで治療が終わったのに検査するの?必要ないよ」、「保険請求のため?それは医者の仕事じゃないよ(・・めんどうだなぁ)」という対応の医師もいます。ましてや、「むち打ち」ごときでは、通常、医師の協力は得られません。

 医師の言う事もごもっともと思いますが、後遺障害を残した患者にとっては切実な問題なのです。毎度苦労させられますが、昨日の医師は検査の必要性に御理解をいただき、誠実に対応して頂けました。本当にありがたいです。     では針筋電図について・・・   ■ 筋電図とは

 筋線維が興奮する際に生じる電気活動を記録することで、末梢神経や筋肉の疾患の有無を調べる検査です。筋電図検査といった場合には,筋肉の活動状態を調べる針筋電図と筋肉・末梢神経の機能や神経筋接合部を検査することができる誘発筋電図の両者を含める場合もあります。   ■ 脊髄損傷に対しては

 脊髄にある前角細胞と呼ばれる運動神経以下の運動神経と筋肉の異常を検出するために行われます。これらの部位に疾患がある場合には,その障害がある部位や,疾患の重症度などを評価することもあります。異常を示す筋肉が限局している場合には,その分布により末梢神経が原因か脊髄が原因かなどをある程度推定することができます。   ■ 顔面神経麻痺に対しては

 表面筋電図検査は四肢や顔面などに不随意に起こる運動が見られる場合に時として有用です。この検査の利点は、針電極や電気刺激を用いないので、疼痛を伴わないことです。                                       

続きを読む »

お問い合せはお気軽に!

事務所メンバー

「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

代表者略歴を見る!

部位別解説 保険の百科事典 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

今月の業務日誌

2025年9月
« 8月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

月別アーカイブ