16条請求とは、自賠法16条の定めによった保険請求の方法のことで、一般には「被害者請求」と呼ばれています。交通事故で後遺障害が残るようなケガの場合、被害者にとって検討すべき手続きと思います。しかし、後遺障害の認定は相手の保険会社に任せる「事前認定」が、まだ多くを占めています。

 交通事故に力を入れている弁護士なら、普通に被害者請求を推進するようになってきました。一方、受任しながら「事前認定」に任せている弁護士も少なからず存在しています。そこで、かつての記事を加筆修正して再UPしたいと思います。    これまで、何度も双方のメリット・デメリットを語ってきました。    👉 事前認定vs被害者請求 最終決着します!     この記事を読んでいただければ、双方のメリット、デメリットがご理解いただけると思います。被害者の立場とすれば、できれば16条請求が望ましいはずです。そこで被害者請求を選びますが、楽なケースとやたら面倒なケースに分かれます。    治療費などを加害者側保険会社が「自由診療で一括払い」(病院に直接、自由診療の治療費で払ってくれる)してくれれば、その損保会社の担当者は自賠責に求償する必要から診断書・診療報酬明細書を病院から取得、所持しています。被害者は、それら申請に必要な診断書類および事故証明書のコピーをもらうことによって、ほぼ書類は揃います。画像の貸出しは微妙で、拒否されることが多いようです。    一方、健保、労災が絡む件、一括払いを拒否された件は絶望的に面倒な手続きを強いられます。その労苦とは・・・   1、健保、労災で治療費を確保した場合、あらためて病院に通院期間の自賠責用診断書・診療報酬明細書をお願いしなければなりません。

 診療報酬明細書については、病院はすでに健保・労災に発行しており、二重発行はできないと拒むケースが多くなります。診療報酬明細書とは病院にとって治療費の請求書なので、すでに健保・労災に提出して費用が精算されていれば、再び発行はできない・・・これは筋が通っています。経験上、それでも、文章代さえ払えば発行してくれる病院もあります。また、診断書を有償で請求する際、「診療報酬明細書のコピーを付けて下さい」とお願いしたところ、OKの病院もありました。

 この書類の流れや請求パターンを熟知している法律家は少なく、病院の医事課の事務員や健保・労災の担当者ですら、自分の所管する事務以外は把握していません。損保の人身担当者が一番詳しいと思います。    2、診療報酬明細書が入手できねば、健保・労災に診療報酬明細書の開示請求を行う必要が生じます。開示請求には開示申請、開示決定、謄写請求など、数段階の手続きが必要です。印紙代は300円~ですが、手間と何より時間がかかります。そもそも、病院の診療報酬明細書発行は治療1か月後ですから、治療終了の1~2カ月後に開示請求することになります。さらに開示請求後、労基は開示の許可を病院ごとに求めます。開示決定までに、さらに1~2カ月月待たされることが普通です。病院の回答が遅ければ、その分延びます。    👉 社会保険の開示請求について    👉 行政文章の開示請求 ~ 労災の診療報酬明細書の場合 Ⅰ   3、病院によっては、健保・労災で治療した患者に対して、1の自賠責用の診断書の記載すら拒みます。その場合、病院の事務方、医師へ説得が必要です。そして、記載が異常に遅い医師も存在します。常時、診断書を2カ月位ため込んで、記載まで半年なんてこともあります。   4、画像の収集。病院によっては極度に画像の貸し出しを嫌います。また、ディスクなら500円~2000円で済みますが、なかにはXPフィルム(レントゲン)のコピーを1枚1000円で売る病院も存在します。最近も骨折が多かった被害者さんは220枚も買わされるはめになり、22万円+消費税を支払いました。CDに焼ける設備がありながら、院内のルールだそうです。こうなると病院の悪意を感じます(この院は数年前、ようやくディスク化OKとなりました)。    👉 画像代の価格を医師会が決めてくれないものか・・   5、これらの手続きに際し、患者本人ではない場合、同意書が必要であることはもちろんですが、署名から期限1ヵ月を要求されることもありました(行政文章は3カ月が普通です)。さらに、病院によっては「郵送不可」、「患者本人のみ対応」、「文書料金の振込み不可、窓口で現金払いのみ」など、無駄に厳しいルールを盾に、非協力的な対応も珍しくありません。なにより、事情をよく解っていない医事課(文書課)の事務員に説明、理解を得なければ進みません。      このように書類・画像の収集が複数の病院に及べば、被害者はヘトヘトになります。交通事故被害者は複数の病院に行きやすく、先月は9か所!も通院した被害者がおりました。もし、これらの手続きを弁護士が受任したら、弁護士だけでなく事務所の事務員も事務の洪水と、病院はじめ健保、労災との折衝で消耗してしまいます。やはり「事前認定」を是認する弁護士の本音は「このような面倒を負いたくない」ではないでしょうか?    それでは、相手任せの楽な事前認定を選択したとします。この場合はいかがでしょうか?・・・事務的に書類を転送するだけの危険については、先の「事前認定vs被害者請求 最終決着します!」で説明の通りです。さらに、病院が多数に及べば、年間100件もの案件を抱えている担当者にとって、事前認定はめったにない事務かつ、大変な事務負担となるのです。かつて、申請まで書類が整うまで10カ月、さらに不足画像の追加請求で3カ月、結局、審査に入るまでに1年以上もかかったケースがありました。担当者は、忙しくて一々に労基や病院に催促などしないでしょう。秋葉事務所であれば、適時、催促しますので、半年もかからなかったと思います。    弊所ではこれらの手続きを弁護士から依頼され、ぶつぶつ愚痴を言いながら収集を進めています。最高記録の案件は、なんと病院16か所に対する診断書・画像類の請求と、労災開示、健保開示が加わり・・毎日、大量の文章が行きかいました(いつか、その事務処理方法をマニュアルにしようと思っています)。    医証収集のプロである以上、弊所では避けられない主業務と言えます。しかし、被害者さんが単独で進める場合、その苦労はどれだけのものでしょう。病院の数が多く、特殊な傷病名であったり、病院の(非協力的な)姿勢によっては、1年もかかり、へとへとになることは間違いないと思います。無理せず、ご相談頂いても良いと思います。おそらく、多くの弁護士事務所は嫌がると思いますが・・。    

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 長野県へは新幹線が便利です。かつては、夜行バスで一晩かけてスキー場へ行く事になりましたが、新幹線+バスで3時間もあれば、山奥でない限りOkです。

 今回は、未湯であった戸倉上山田温泉を探索しました。温泉街は千曲川を挟んで西側です。老舗旅館から近代的なホテルが並びます。駅寄りの東側にも温泉が点在しています。こちらは公共施設やスーパー銭湯の構えで、住宅地に4軒ほどありました。今回は、両側から3軒を選びました。  

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 15年前の記事を令和7年版にブラッシュアップします。事故の初期対応についての記事ですが、打つべき手を説明した内容です。

 令和になっても、初期対応ができていない被害者さんが実に多いのです。すでに弁護士に相談中でも、です。      弊所の事故相談が単なる法律相談と違うこと、それは解決までのロードマップを示すことです。「法律的にはこうなります」など、被害者の疑問にお答えするだけで終わらず、解決までの手続きや作業を列挙、具体的に指示します。    典型的な例をお話します。ある相談者さんは自動車で通勤途上、交差点で出合い頭事故で首を痛めて、会社を休むことになりました。日給月給で、当面の生活費に困っています。そして「無料相談」にひかれ、先に弁護士の無料相談に電話しました。過失割合などの回答は頂いたものの、労災や健康保険の手続き、自動車保険の請求に話が及ぶと「それは各窓口で聞いて下さい」と回答です。

 弁護士費用特約に入っていないので、弁護士はどうも委任契約を遠慮気味で、後遺障害等級が認定されるまで相談扱いのようです。つまり、様子見を決め込んでいるのです。本人の主張も、過失割合「20:80じゃ納得できない!」ばかりです。    この被害者さんが急ぎ打つべき手は・・・    1、労災申請。治療費の圧縮を図ります。まず労災のメリットを最大活用します。    2、自身加入の傷害保険や共済、日額払いの搭乗者傷害保険など、取れるものは速やかに請求します。    3、主治医と面談し、初診時から頚部の神経症状について、症状の訴えが一貫しているか確認します。追ってMRIの実施。後の後遺障害認定に備えます。    4、労災又は相手保険会社へ休業損害の請求。労災から確保できれば、不足額の請求は最終的な賠償交渉に棚上げで良いと思います。まれに労災の休業給付で足りない40%ほどの休業損害金を、保険会社が並行して支払ってくれる場合もあります。    5、加害者側保険会社と物損の示談。弁護士の介入以前に、相手から有利な提示がきていれば飲みます。紛糾する場合は、弁護士に託し、最後の賠償交渉に棚上げでもよいと思います。     このように、前半戦から必要な作業があります。弁護士費用特約がなく、法律家に依頼したくても経済的に困難であれば、他の傷害保険や搭乗者傷害保険の部位・症状別定額払いを充てます。とくに、部位症状別払であれば、治療日数が5日以上になれば請求可能です。自身契約の保険会社に連絡し、即6万円の支払を受けられます。これを使って法律家への着手金に充当すればよいのです。

 労災対応に切り替えたら、相手保険会社に労災切替の報告をします。労災治療は保険会社も歓迎するところで、今後の対応も和らぎます。相手保険会社にとっても、一括対応(治療費の支払手続き)をせずに済み、自由診療と違って安く上がりますのでメリットがあるのです。

 通勤中ではなく、労災の対象外であれば、健康保険の適用も検討します。最終的に、全ての賠償額から自身の過失分20%が差っ引かれます。ならば、健保治療で治療費を半額にすれば、最終的な受取額が増える計算です。労災治療に同じく、相手保険会社もにとっても治療費が安く上がります。

 物損は、相手が妥協的な割合を提示するなら、さっさと示談し、修理費を払わせます。渋い回答のままなら、最後の賠償交渉に棚上げ、弁護士に任せても良いと思います。実は、弁護士が交渉するよりも、被害者の粘り強い交渉によって、早期に解決を図りたい相手の物損担当が妥協してくることがあります。    後は、半年後の症状固定日に向けて、間違いのない後遺障害等級認定へまっしぐらです。この間、被害者は治療やリハビリに専念、すみやかに復職すべきです。これが戦略的なロードマップです。ほとんどの弁護士先生は後遺障害が認定されるまで動きません。全体的な流れを示すこともありません。質問すれば、場当たり的なアドバイスはしてくれますが、後遺障害の結果がでるまで待機が普通なのです。弁護士の仕事は最終的な賠償交渉だからです。

 被害者自身も、いつまでも僅か数万円しか増減しない過失割合でだらだらもめていて、上記の手続きをしないとどうなるか・・・最大の賠償金となるであろう、後遺障害の立証が手遅れになってしまいます。

 

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 鎖骨骨折・脱臼では、弊所は15年間無敗記録を更新中です(すべて等級認定)。

 この15年、鎖骨骨折をみていますと、医学の進歩を実感します。折れた鎖骨を金属プレートで固定する術式が確立して以来、鎖骨変形での認定は減少傾向です。かつては、余程の骨折でない限り手術は選択されず、外側からぐるぐる巻きで固定していました。すると、骨折部が盛り上がって癒合、ややズレて癒合、結果として変形癒合の認定となりました。そのような変形癒合を防ぐために、手術での固定が必要なのです( ↓ レントゲン)。

   そのプレート固定術も日進月歩、プレートの形状が向上しています。鎖骨のカーブに沿って曲がりを加えたもの、そのバリエーションが増えたと思います。鎖骨にジャストフィットすれば、きれいに接合しますし、仮骨形成で太くなることも防げます。治療上は良い事ですが、後の賠償問題として12級5号「鎖骨の変形」が認定されないことに繋がります。事実、本件を含めて鎖骨の変形癒合は減少していると思います。

 それでも、骨折するほどの衝撃が加わった人体への破壊です。骨癒合が良好であっても、痛みや不具合は数年は残るものです。その後遺症について、丁寧に14級9号「神経症状」をつける仕事が望まれます。弊所の無敗記録、実は、この「せめて14級9号を抑える作業」に支えられていると言っても過言ではありません。

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 長年、自賠責保険の申請をしていますと、実感することですが・・後遺障害の審査機関である調査事務所は、診断書に書かれている事より、画像を重んじています。

 医師の書く診断書、あってはならないことですが、よく間違っています。間違いとまでは言えずとも、画像の読影については、医師の見解が分かれることが珍しくありません。骨折状態や変形癒合の判定については、1次的には主治医の書く診断書になりますが、自賠責はその診断名や診断内容に左右されず、改めて独自の読影をします。自賠責の顧問医に画像を診せて判断しているはずです。

 後遺障害を追うものとしては、画像を観ることがいかに重要かを思い知らされます。   ご本人は若く、回復が良かった事がなによりでした。  

併合10級:頚椎・胸椎椎体骨折(20代男性・千葉県)

【事案】

自動車で信号待ち停止中、後続の大型車に追突された。前席まで潰れるような酷い損傷で、助手席に座っていれば死亡となったはず。

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 初回申請で14級が取れると思っていたところ、2度手間(異議申立)となったり、逆に異議申立てを覚悟も、初回で認定された件もあり。このように、骨折等、目に見える人体への破壊がない、打撲・捻挫、むち打ちの類の審査は予想を外しやすいものです。

 審査において一定の基準があるものの、審査員によって分かれるものと思っています。これは邪推でしょうか?      まずまずの成果と思います     14級9号:頚椎捻挫(40代男性・山梨県)   14級9号:頚椎捻挫(50代女性・埼玉県)   非該当⇒14級9号:頚椎捻挫(40代男性・神奈川県)  

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 あまり、原因調査の依頼はこないものですが、死亡など重大事故、事故状況が食い違う場合は、どうしても現場検証が必要です。本日は長野県へ出張、事故現場の実調、撮影を行いました。    ※ 原因調査とは、主に事故現場を実調、事故状況を調べることです。    事故現場の把握だけでしたら、グーグルマップのストリートビューで足ります。昔と違って、便利になったものです。また、警察の調査を経て送検後、刑事事件が終わっていれば、実況見分調書を取り寄せます。これで、事故状況は精密に分かります。後の交渉や裁判において、この実況見分調書を含む刑事記録が客観的な証拠になります。

 それでも、事故状況によっては、違った視点で調べたい件もあります。刑事記録だけに頼らず、被害者側が自ら事故調査を実行することは重要です。刑事記録のような中立的な視点こそ証拠能力が高いとは言え、被害者側の視点から調べ、検証すべき事故があると思います。

 弊所ではビデオをよく用います。写真より動画で観ると、事故のイメージが変わることが少なくありません。今回も、双方車両の進入角度、衝突までの視点の経過を明らかにすべく、同速度での動画撮影を試みました。      明日は祭日ですが、長野から事務所を経由、さらに千葉県へ自ら運転です。バスで行くには時間がかかる旭市まで・・慣れない運転が続いてクタクタです。  

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 温泉宿を選ぶ際、その温泉地のシンボルとも言うべき古い老舗宿を優先しています。近代的な鉄筋コンクリートに再建された宿はひとまずパス、やはり江戸~昭和初期に建立された黒光りする木造建築こそ、急ぎ泊っておかなければなりません。    それらの歴史的建造物と言える宿は、いつ失われるかわかりません。理由として、宿の後継者問題が真っ先に挙がります。多くは、高齢のご夫婦がやっとのことで管理しています。いつまで存続するのかわかりません。当然ながら、修繕なども行き届きません。実際、朽ち果てて倒壊してしまった那須の宿、火災で失われた福島の宿もありました。残念ながら、ほとんどは再建されません。泊っておいてよかったと思います。

 古い建造物こそ管理が大変で、その費用も膨大です。ある山形の宿は、雪下ろしで毎年100万円の経費と人力が必要です。運営・存続には村人全員の協力が欠かせないのです。そして、何より後継者がいない。幸いにして、常連客が交代で管理している宿が会津に存在します。このような例外を除き、多くは時代と共に消えゆく運命なのです。したがって、世界中のどこでも古宿を優先することになります。

 素晴らしいのは外観だけではありません。増築を重ねた為に迷路のように上下左右に廊下が屈曲、あらゆる宿泊客を迷わすダンジョンと化しています。年期で磨かれた黒光りする板壁、不自然に傾斜している床や畳、なんでそこまで凝っているのか天井の意匠、職人の遊び心からか趣向を凝らした建具、今では使われなくなった木枠の窓(開け閉めがキツキツで大変)、いつの時代の物か?多種多様な置物にも一々怨念がこもっているようです。湯屋の造りでも、現代では再現不能なヒノキ造りや、謎のローマ風モザイクタイル、そして、この子は何代目か?代々続く猫・・これら言い尽くせないミステリーとサスペンス、そして、重厚な歴史とロマンを体感するには泊るしかないのです。

 一方で、宿泊施設としては行き届かない点もあります。家族経営かつご近所さんのお手伝いだけでは、建物全体に掃除が行き届くことは稀です。人手が決定的に足りず、サービス面での不全は致し方ないところです。対策として、海外からのアルバイトさんを住み込みで勤務させている宿も増えました(いつか、私も住み込みで勤務したいものです)。このような古い宿を選ぶお客さんは、ある程度の覚悟をしているようです。逆に、清潔度、接客含めサービスの充実を求める方は避けると思います。まさに、客を選ぶ宿とも言えます。

 行き届かないことの中でも、とりわけ問題視される事・・ノックも無しに仲居さんが部屋に入ってくることです。家族経営の民宿でさえ、ドアの前でノックか、「お湯を持ってきました」など声をかけて、こちらの返事を待ってからドアを開けるものです。何より、適度に放っておかれることが有難いのです。ところが、老舗宿の仲居さんにこそ、接客業の基本教育がなかったでは済まされない、人間性を疑う人が存在したものです。

 バックパッカーをしていた秋葉は、海外ではドミトリー(集団の相部屋、鍵などなく出入り自由)に泊ることが多かったので、たいていの事は気になりません。些細なマナー違反など、一々気にしてはいませんが・・ある宿では、朝7:00にお茶の交換を日課としているのは分かりますが、寝ているのに勝手に入室して(ノック・声掛けなどなし)、茶器をカチャカチャ片付ける音で起こされました。眠い目をこすると、枕元に仲居さんです。朝食まで、まだ1時間はあります。幸せな二度寝中を叩き起こされるとなると・・さすがにイラっとします。接客教育などされていない昭和、いえ鍵のない相部屋が普通だった江戸時代から変わらぬ姿勢なのかもしれません。

 また、山形のある宿では、男性の仲居さんが浴衣の代えを持ってきてくれたのは良いのですが、(ドア前にスリッパがあるので、在室はわかると思いますが)いきなりガチャガチャと鍵を解除しての入室です。こちらが、入室許可を返事する前に入ってきました。おそらく、昼間の不在中に浴衣を補充しようとして、鍵を持っていたのだと思います。急いでいるのでしょうが、私が女性でしたら犯罪成立です。近年は男女の差はありませんが・・。

 おばあちゃんだから、悪気はないから、昔の風習のままだから、これらを「仕方ない」とは言えないと思います。あるボロ宿(失礼)の90歳現役の仲居さんは、普通に許可を求めてから入室します。返事がないと、ドアの前にそっと備品を置いてくれます。やはり、その仲居さんの人間性の問題です。許可なく入ってくる仲居さんは、思いやりやマナーのない、ダメな人なのだと思います。そして、やっとのことで経営してる古宿は、接客面について改善する気など、さらさらないと思います。      いくつかのデメリットを覚悟しつつも、貴重な歴史的構造物への逗留は捨てがたいものです。日本に限らず、どこでも常に、古い宿を目指してしまうのです。    ↑ 写真は、栃木にある安政(江戸時代)に建てられた宿の廊下と階段。廊下は狭く迷路のよう、天井も低いのです。外国人は頭を何度もぶつけます。(上記とは無関係の宿です)  

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 上野から特急ひたちに乗って1時間余り、水戸は近く感じます。先週の土浦は特急ではなく鈍行なので、同じく1時間程度かかるのです。

 水戸駅に着く5分前、急な強風と豪雨で電車が止まりました。通り雨のようにすぐに去った嵐でした。この時間帯、関東各地で局地的豪雨があり、つくば市は竜巻に見舞われたそうです。駅から研修会場までに雨は止み、研修後は晴れていましたので、傘をさすことはなくすみました。

 セミナーの内容は土浦に同じく、顔面醜状痕、鎖骨骨折、むち打ちの3つを取り上げました。後遺障害はそれなりの重傷ですから、そう頻繁に起こるものではありません。ただし、この3つは後遺障害が見逃されやすく、後遺症とまで思わずに申請すらしない方が相当数、水面下にいるのではないかと案ずるところです。    季節の変わり目は、異常気象が起きやすいものです。雨あがりの風が、急に涼しく感じられました。  

 水戸セミナーでは恒例の記念撮影、駅前の黄門さま。

 

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ラシックス(サノフィ)      高血圧のほかむくみ対策にも     腎臓に作用して尿量を増やす、効果の高い利尿薬です。 腎臓内で塩分と水分の再吸収をおさえて、尿の量を増加させます。体内で細胞組織の液体と血液の圧力バランスが崩れて水分がたまったむくみの状態から余分な水分を輩出し改善することで、圧力のバランスが調整され血圧が降下します。

 高血圧の治療をはじめ、むくみの治療に使用されることが多く、心臓病や腎臓病、肝臓病にともなうものや、月経前のむくみの改善にも処方されます。   ● 有効成分:フロセミド   ● ジェネリック:フロセミド「NP」(ニプロファーマ)など。  

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プレミネント(MSD)      降圧&利尿の効果で血圧を降下させる    2種類の血圧を下げる成分を配合した薬です。1つは血圧を上げる体内物質をおさえる作用があります。それによって血管が広がり、体内の水分や電解質の濃度が調節されて血圧が降下。もう1つの成分は、体の余分な水分と塩分を輩出して血圧を下げます。

 これらの2つの成分が一緒に作用することで、効果が高まり十分に血圧が下がるようになるでしょう。また、心臓や腎臓への負担が軽くなる効果もあります。尿量が増えるので、多尿や頻尿に注意しましょう。   ● 有効成分:ロサルタン、ヒドロクロロチアジド   ● ジェネリック:・ロサルヒド配合錠LD「AA」(あすか製薬)など。  ※ジェネリック品は「LD」のみ。  

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レニベース(MSD)      安全性が高くジェネリック品も多数    血圧を上げるアンジオテンシンⅡという物質をつくらないようにして血圧を下げる薬です。このような薬は、ACE阻害薬と呼ばれています。主に高血圧症の治療に使用されており、病状によっては心臓病や、腎硬化症にも有効とされています。

 安全性が高く、心不全や糖尿病のある人に向く薬です。血糖、尿酸、脂質などに影響を与えないので、年齢を問わず使うことができます。血圧を下げる薬や利尿作用のある薬と併用されることが多い薬です。   ● 有効成分:エナラプリル   ● ジェネリック:エナラプリルマレイン酸塩「サワイ」(沢井製薬)など。  

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 テーマは、「決して見逃してならない後遺障害3選」。顔面醜状痕、鎖骨骨折、むち打ちから3問出題、弁護士の解説を加えました。セミナー会場は雨の日も安心の駅直結です。      とくに、参加された損保代理店の方で、ちょうどご自身が転倒して肩鎖関節を脱臼し、その脱臼部分が出っ張っているとのことです。傷害保険に加入しており、通院などの保険金は受け取っているものの、後遺障害の申請をしていないそうです。早速、後遺障害診断書を記載頂き、鎖骨の写真を添えて提出するよう指示しました。死亡保険金額が1000万円なので、おそらく12級5号の認定から、その10%である100万円が支払われるはずです。

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   前回 👉 妊婦の死亡事故 、胎児への罪    「妊婦の死亡事故」に関する記事に、追補する必要を感じましたので、以下、任意保険の面から続けます。   (1)事故による、胎児の流産・死産、中絶の場合      お母さんに対して、通常の慰謝料に表のように加算されます。これは人身傷害保険の規定ですが、この金額を基準として、対人賠償でも考慮されているはずです。その他、傷害保険に同様の規定は、各社・保険によってまちまちです。    続きを読む »

ミカムロ(日本ベーリンガーインゲルハイム)      長時間、作用する新しいタイプの配合剤    血圧を上げる体内物質をおさえる作用のある成分と、体の血管を広げて血流が流れる際の抵抗を減らし血圧を下げる成分の2種類の有効成分からできている薬です。2つの成分が同時に作用することで、血圧が下がる効果が高まります。また、心臓の収縮をおさえて休ませる働きなどもあり、心臓や腎臓の負担も軽くなります。

 この薬は、2つの有効成分の配合バラナンスが異なる「AP錠」と「BP錠」の2種類が用意されています。   ● 有効成分:テルミサルタン、アムロジピン   ● ジェネリック:テラムロ  各社から後発薬が発売されています。  

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ブロプレス(武田薬品工業)      血圧を上げる成分をおさえ、血管を広げることで血圧を下げる    比較的新しいタイプの薬で、通称ARBと呼ばれる血圧治療主力薬です。心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮して血圧を上昇させる体内物質をおさえる作用があります。それにより、体の血管が広がって血流がよくなり、体内の水分や電解質などの濃度が調整されて血圧が下がります。心臓や腎臓の負担も軽くなるでしょう。

 主に高血圧症の治療薬として使用されていますが、症状によっては心不全などの心臓病や、腎硬化症などの腎臓病にも有効だと考えられています。緩やかに血圧を下げるので、初めて服用した時は、血圧が下がったと実感するまでに1~2週間ほどかかるかもしれません。車の運転や高所での危険な作業などを行う時は、注意が必要です。

 また、これらの症状は徐々に慣れることが多いでしょう。血圧がなかなか下がらないからといって、自己判断で服用する薬を増量したり、服薬を中止したりしないで下さい。適正な血圧には年齢や性別などによって個人差がありますので、心配な場合は医師、または薬剤師に相談しましょう。   ● 有効成分:カンデサルタン   ● ジェネリック:カンデサルタン「あすか」(あすか製薬)など  

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アムロジン(大日本住友製薬)        高血圧を解消するために、血管を広げて、血圧を下げる    体の血管を広げ、血流をよくする作用があります。血液が流れる際の抵抗が減り血管への圧力が下がるので、血圧が降下。また、心臓が過度に収縮することをおさえ、心臓を休ませる効果もあります。主に高血圧や狭心症の治療に使用されています。

 この薬は、血管の壁にある筋肉の細胞内にカルシウムが取り込まれ、血管が収縮することに拮抗する、カルシウム拮抗薬に分類されます。食べ物や飲み物からカルシウムを摂取しても、そのカルシウムが細胞内に入ることはないので、サプリメントなどのカルシウムは血圧上昇に影響しません。

 高血圧の治療薬として初めに選択されることが多い薬です。ゆっくりと効き目を発揮し、作用する時間が長いのが特徴です。服用開始後、頭痛や動悸などの副作用が出る場合があります。他の薬との飲み合わせには注意は必要です。服用期間中にグレープフルーツジュースを飲むと、薬の血中濃度に影響を与えることがあります。ただし、飲む量や体質にもよりますので、心当たりのある方は薬剤師に相談するとよいでしょう。   ● 有効成分:アムロジピン   ● ジェネリック:アムロジピン「JG」(日本ジェネリック)    多数のメーカーからジェネリック医薬品が発売されています。  

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 これから再請求をする被害者さんは、まず通知の理由を取り寄せ、しっかり分析してから臨んで下さい。    <異議申立に際して ②>

 つまり、「自身が何等級であるか」を分析する知識と、対策を講じる冷静さがないとダメなのです。まず、1.認定理由を理解し、2.不足した検査を補充し、3.新しい診断書や意見書を記載頂き、4.審査員が再調査をするに納得できる文章を書くことが必要です。この4段階をクリアする必要があります。実践的な話に移ります。    <異議申立の進め方>

① 認定理由をよく読む

 残存する症状について、なぜ認められないのか、症状別に細かく書いてあるはずです。そこをしっかり読み取って下さい。

 例えば、「頚部が痛い、重い」、「上肢がしびれる」、「関節が曲がらない」、「めまい、吐き気がする」・・・これらは自覚症状です。世の中の人間がすべて天使のように清純であればいいのですが、残念ながら嘘の症状、大げさな症状を訴える被害者も少なくありません。審査する側は、まず「疑ってかかっている」ことを肝に銘じて下さい。「なぜ、症状が信じてもらえなかったのか?」、足りなかった書類や検査を検討します。   ② 自覚症状と他覚症状を結び付ける    調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 1    「同部に骨折、脱臼等の損傷が認められず ~ 自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから、自賠責保険が認める後遺障害には該当しないと判断します」    否定の理由ですが、つまり、他覚的所見が乏しいのです。これは、医師の診断、検査・画像所見の不足を指します。   ・ 不足している検査はないか?

 神経麻痺なら筋電図や神経伝達速度検査が必須となります。これら検査をしていなければ、等級を付けようがありません。   ・ 症状を裏付ける画像は?   

 骨折の場合レントゲンやCTでOKですが、靭帯損傷などはMRIでないと写りません。   ・ 可動域制限・・関節の角度は正しい計測か?

 間違った計測の場合は測り直す必要がありまが、そもそも、骨折や靭帯損傷など、器質的損傷が伴わないのに「曲がりません」と言っても信じてもらえません。神経麻痺で曲がらない場合は、筋電図や神経伝導速度検査など、検査での異常数値が無ければ信用されません。    ◆ 上記の検査結果が伴わない症状もあります。その代表がむち打ち、打撲捻挫の類です。骨折のように器質的損傷が画像に写らないものは、他覚的所見がそもそも無いに等しいのです。この場合、自賠責・調査事務所は全件を非該当とはせず、症状の一貫性や受傷機転、全体的な信憑性から14級9号認定の余地を残しています。それらを示す申請書類を揃える必要があります。      ③ その症状はいつから?    調査事務所 お決まりの非該当、決め言葉 ...

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 新コーナー「保険の百科事典」の編集にて、過去記事のブラッシュアップを進めています。その中で、14年前の記事、「異議申立について」(自賠責保険・後遺障害の再請求)を大幅に改変しました。秋葉事務所の姿勢についても、より明確に説明し直しています。    一度申請して出た結果には、それなりの重みがあります。できれば、初回申請で遺漏なく書類を揃えて提出すべきです。ところが、保険会社が教えてくれる必要書類は最低限のもので、医学的に要求される検査や書類など、なんら指示はありません。そして、医師も何が必要なのか、知らされていません。治療者の立場からの診断書記載に留まります。したがって、不完全な申請となることは普通なのです。

 また、「むち打ち、頚椎捻挫」などの場合は、「初回では等級はくれないな・・2度目で認定の覚悟」の申請もあります。とにかく、後遺障害申請は奥が深いものです。弊所でも再申請の50%は認定をとっていますが、毎度、大変な手間暇となります。改めて、14年前の意見展開を令和Va.でUPします。      <異議申立に際して>     異議申立てについては、等級変更の可能性のある件だけをお引き受けします。    弊所&連携弁護士は仕事の基本を、「受傷から解決までを間違いなく案内する船頭たるべし」としているからです。「駄目元で再申請したい」、「気持ちの整理の為に、もう一度申請したい」・・そのような動機だけでの受任に対し、ご依頼者の貴重なお金と時間を頂くことが忍びないからです。

 中には、どうしても異議申立(再請求)をやらざるを得ない、お気の毒な被害者さんが存在します。限定的ですが、お引き受けすることもあります。最初からお任せいただければベターなのですが、相手保険会社任せ、あるいはご自身で動いた結果、つまづいた・・厳しい状態からのスタートを覚悟しなければなりません。

 また他の選択肢として、異議申立てに積極的な事務所、完全成功報酬制で着手金0円(等級が変わらなければ0円)の事務所もあるようですから、そちらをご検討いただいた方が良いと思います。お金だけ取られて同じ結果は目も当てられません。     では、すでに異議申立をしたが、3度目となる再々申請を検討中の被害者さんへ、以下をご参考にして頂きたいと思います。「なぜ、認められなかったのか?」を分析します。失敗の原因を浮き彫りにしましょう。   <異議申立てが不調となる理由>   1.非該当、もしくは認定された等級の理由書を読んでいない。

 自賠責保険調査事務所は必ず「理由」を明示しています。自賠法16条の4および5 (最下段参照)で決められているからです。ですから、その理由に対しての反論が必要です。それなのに、「なぜ私のケガが○級なのか! 非該当はおかしいのではないでしょうか! 審査に納得がいきません、どうしてなんでしょうか?」・・・単に怒っている、愚痴をいっていっている、文句を言っている、再質問を繰り返している文章が目立ちます。認定されない理由に対しての感情論に終始、的確な反証をしていません。これでは再審査になりません。   2.

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 通勤災害での労災使用を総括します。しつこく、繰り返します。  

第4話 通勤災害で労災を併用する

(1) 相手に保険会社があるから労災は使いません

 交通事故の場合、真っ先に請求する相手は、加害者の保険会社ではないでしょうか。それは通勤災害、業務災害の場面でも同じかと思います。確かに、加害者が弁償するのが筋とは思います。しかしながら、交通事故で労災を使いたいと申し出ると・・・

   「相手(保険会社)のいる交通事故では、労災は使えません」

   又は

 「相手に保険があるので、自賠責の120万円の枠が終わってからでないと、労災を適用することはできません」    ・・・かつて労基ですら、このような対応でした。社会保障制度ですから、じゃぶじゃぶ使われると困ります。加害者に支払い能力がある=保険がある場合は、そちらを優先し、支払いを抑制しなければならない側面は理解できます。しかし、近年の労基は文句言わずに普通に使わせてくれます。なぜなら、健康保険に同じく、「使うか否か」、「その順番」でさえも、請求者の意思が第一と、法で定められているからです。   (2) 会社の責任は?

 通勤中の交通事故に対して、会社に責任があるわけありません。あくまで、加害車両の責任でしょう。あるいは、被害者となった社員にも過失が問われるかもしれません。したがって、通勤災害では、労災の掛金の計算、メリット制が除外されているのです。掛金は上がりません。安心して使えます。

 とくに、20:80など、被害者となった社員さんは、賠償金から20%差っ引かれます。治療費や休業給付は、事故後、全額支払われてきましたが、最後に慰謝料等から、20%引かれてしまうのです。労災を使えば、少なくとも、治療費などは全額確保できます。つまり、被害者にとって、過失案件での労災併用はマストなのです。

 会社になんらデメリットのない、通勤災害での労災使用、文字通り社員への福利厚生のための制度ですから、助けてあげても良いと思います。きっと、その社員は会社に感謝するでしょう。   (3) 労災利用で会社も「助かった~」の例   労災 14級の9 : 頚椎捻挫(20代男性・埼玉県)   【事案】

その日は、社有車で通勤の社員Aさん、赤信号で交差点に進入、右方よりのトラックと衝突、横転してしまった。たまたま積んでいた什器も壊れて修理費が100万円! 幸い、運転者の社員Aさんは頚椎捻挫で済んだのですが・・・。   【問題点】

 100:0事故です。車両保険に入っていないので、車両と什器の損害は合わせて200万円になった。社長はカンカン、社員の給与から差っ引くぞ!と息巻いて・・・。 Aさん「会社、辞めようかな」と秋葉に相談にいらした。   続きを読む »

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