毎度、繰り返していますが、交通事故の重傷事案の解決に一番大事な書面は、後遺障害診断書に尽きます。
その診断書は医師が記載することになりますが、正直、完璧な診断書は少ないと思います。記載不足、不正確、余計な記述あり、左右を間違える、記載要領が自己流で的外れ・・・残念ながら、これが普通です。改めて復習したいと思います。近時の秋葉事務所が開いた研修会レジュメから抜粋しました。
(1)後遺障害診断書は医師に任せればOK? 不備だらけの診断書


しかし、経験上、完璧にこれらが記載された診断書を見ることは稀です。医師は治療に多忙であり、一日の患者の診察後、くたくたになった状態で、残業の夜間にさっと書く(だから、達筆?)、一ヶ月溜め込んで、仕方なしにまとめて書く(だから、記憶が曖昧?)、つまり、医師にとって書きたくない書類第一位なのです。
さらに、「治し切れなった証明書?」の記載など、端から乗り気なわけがありません。また、医師向けに、<自賠責診断書の記載要領>など、配布されることも無く、そもそも審査基準は未公表です。こうして、的外れな診断書が頻発するのです。
だからこそ、被害者側がしっかりと症状を伝えて、正しく、漏れなく、記載していただく必要があるのです。さらに、審査に不可欠な検査とそのデータ、審査に必要な画像も、漏れなく撮影・添付しなければなりません。正しい等級が認められない理由は、診断書の不備、検査の不足、提出書類の不足、ほとんどこれに集約します。
(2)かといって診断書を完璧にしすぎるのも良くない???
私達は、自賠責保険の認定の動向を敏感に察知し、その動向に合わせた診断書を揃えます。認定されるには何が記載されている必要があり、どれくらいの裏付けを取るのか。
「不備の無い診断書を作成する」と言っていても、自賠責の近時の動向を鋭敏に察知して診断書の作成を依頼しています。その典型的な例がこちらです。
👉 実績投稿:今秋の認定傾向 ④ 間違った診断書こそリアル?
◆ 後遺症等級の審査方法は、人による書類審査。人の機微をつかむ診断書が肝心!
秋葉事務所では依頼の95%は病院に同行し、医師と打ち合わせの上に診断書の作成をお願いしています。また、既に書かれてしまった診断書の修正・追記依頼に奔走することも日常的、普通のことです。医師の協力をどれだけ引き出せるかが勝負です。最近では、診断書の1文字を修正してもらうために滋賀県まで駆け付けた事があります。


(3)後遺症診断書を交通事故に強い弁護士に依頼した結果
そうだ、後遺症に強い弁護士がいるじゃないか!
こう思い立つも、頼みの弁護士さん(あるいは行政書士さん)の経験・実力差は歴然としています。インターネットの派手な宣伝で釣られて依頼しても、実は「ど素人」だったケースが頻繁に耳に入ってきます。弁護士は法律のプロであって、決して保険や医療の専門家ではありません。独力でこれに注力した頼もしい先生もおりますが、探す事は簡単ではありません。
最近の相談例では・・ある被害者さん、「交通事故に強い、後遺障害ならお任せ」などの宣伝を信じて依頼した弁護士さんが、「被害者請求でやります!」としましたが、自賠責から不足・修正・質問の依頼が返ってきました。それを列挙しますと・・・
1、ほぼすべての画像の提出がない
2、診断書の関節可動域の記載がまったく不足で追加計測が必要
3、さらに他院の診断書をコピーしたような計測値(この弁護士の指示らしいが、不正を疑われる羽目に)
4、既往症の欄に記載があるが、本当か確認を(医師の記載ミスは明らかなのに、そのまま提出してしまった)
5、肝心の関節機能障害の原因が不明のままで、まったく立証されていない 等々
ほぼ何もせずに右から左へ書類を送ったに等しいです。これでは相手保険会社に任した方(=事前認定)がマシどころか、被害者が不利益を被る2次被害です。現在、その尻拭いに奔走しています。腹が立つやら呆れるやら・・。残念ながらこれは少数例ではないのです。
ちなみに秋葉事務所は、全国の弁護士さんに交通事故・保険・医療の知識を付けて頂き、少しでも多くの被害者が救われるようにと、弁護士向け研修会を開いてきました。できれば、弁護士がもっと秋葉を使ってくれることが理想と思っています。