待つこと2か月、Cさんのもとに自賠責保険の等級認定表が届きました。ずばり昨日の解答です。では実際の文章を見てみましょう。

<結 論>
 自賠法施行令別表第二第14級9号に該当するものと判断します。

<理 由>
 左肩腱板損傷に伴う左肩関節の機能障害につきましては、提出の画像上、棘上筋に高信号が認められますが、後遺障害診断書に記載されているような高度の可動域制限を生じるものと捉え難く、しかしながら疼痛や治療状況等も勘案すれば、将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから、「局部に神経症状を残すもの」として別表第二第14級9号に該当するものと判断いたします。
 

 これを見てCさんひっくり返りました。「ええっ!α先生は10級が獲れるって言ったじゃないですか!なんで14級なんですか!」

 Cさんに責められたα先生も面目を潰され、「おかしい!これは自賠責保険の横暴な判断です、異議申し立てしましょう!」と息巻いています。
 
 このようなやり取りをよく目にします。しかし一方では10級が認められる被害者さんもいるわけで・・・。

ある被害者Dさん(43才 女性 主婦)のケース

 Dさんは買い物の帰り自転車で走行中、交差点で一時停止無視の自動車に衝突され、転倒、救急車で搬送されました。レントゲンを撮ったところ、鎖骨の肩関節と接する部分が折れていました。担当した医師は「整復するには手術が一番ですが、手術痕が残るでしょう。」と判断しました。しかし、傷を残したくないDさんの希望が強い為、医師はクラビクルバンドで固定し、適時XP(レントゲン)で骨の癒着具合を観察していきました。

 その後、主治医は適切な治療とリハビリを続けましたが、左腕が半分までしか挙がりません。右肩に比べ、見て目でわかるほど筋肉も落ちています。Dさんは9カ月リハビリを続けましたが、完全回復を諦めて症状固定することを考えていた矢先、あるメディカルコーディネーターβさんを紹介されました。

 βさんのアドバイスは・・・「可動域が2分の1になっただけでは簡単に10級は認めてくれませんよ。可動域制限は骨折や靭帯・軟骨損傷の部位・程度、そして骨折後の癒合具合の良し悪しや変形・転位の有無、靭帯損傷の回復具合から判断されます。それらの前提から矛盾のない、納得できる可動域制限なら認めてくれるのです。

 まず全XPを精査します。特に受傷直後と症状固定直前が重要、提出は必須です。さらにいくつか補強します。MRI検査を追加し、肩腱板、肩鎖靭帯の損傷などを解明し、診断名として診断書に記載していただきます。そして筋萎縮の程度も追記、外貌写真も添付しましょう」と続けました。  

 肝心の関節可動域は屈曲100°、外転80° です。(内転、伸展、内旋、外旋も計測しました)

 以上βさんの指示に従い、自賠責の申請を行いました。・・・結果は以下に全文掲載します。
 

<結 論>
 自賠法施行令別表第二第10級10号に該当するものと判断します。
 
<理 由>
 左鎖骨遠位端骨折、左肩鎖靭帯断裂、左肩筋委縮に伴う左肩関節の機能障害につきましては、後遺障害診断書上、その可動域が健側(右肩関節)の可動域角度の1/2以下に制限されていることから、「1上肢の3大関節の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として別表第二第10級10号に該当するものと判断いたします。
 なお、左肩痛の症状につきましては、前記等級に含めての認定となります。

 

 想定通り10級が認定されました。CさんDさんの運命を分けた要素は何か?分析は次回に。
 

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