秋葉も頭痛持ちで、仕事上でも「(予期せぬ)非該当」を食らうと生じることがあります。

 
 
 交通事故によって生じた頭痛で後遺障害が認められるのか? 以下、弊所の実績から読み取って下さい。
 

(1)病態
 
 外傷性頭痛の原因は、主に以下の5つが考えられます。
 
① 頭部の挫傷や創傷、脳出血から発症する疼痛

② 動脈の発作性拡張で生じる血管性頭痛、片頭痛はこの代表的なものです。

③ 頚部、頭部の筋より疼痛が発生する筋攣縮性頭痛、過緊張(★)とも言われます。

④ 後頚部交感神経の異常により発生する頚性頭痛、バレ・リュー症候群(※)と呼んでいます。

⑤ 上位頚神経の痛みの大後頭神経痛と後頭部から額面や眼にかけての三叉神経痛、
 
 ①は、頭部外傷・脳外傷による器質的損傷を立証しない限り、後遺障害等級の認定はありません。③ ④ ⑤ は、いわゆるムチウチを原因としたものであり、頚部神経を起因とする一時的な神経症状です。それが何か月も続くことは稀で、普通は後遺障害の対象ではありません。やはり、頭痛単独での認定例は少なく、他の神経症状と丸めて14級9号の認定のケースが普通です。

※ バレ・リュー症候群とは、頚部交感神経の暴走を原因としたもので、外傷性頚部症候群の周辺症状と言われており、治療先は、麻酔科医のペインクリニックでの治療として、交感神経ブロック療法が行われています。受傷後、早期に整形外科と併用すれば、大多数は2、3カ月で改善が得られています。
  
① を原因とする認定  👉  14級9号:外傷性くも膜下出血・頭痛(40代男性・千葉県)
 
③ を原因とした、よくある認定パターン  👉 14級9号:頚椎捻挫(30代女性・東京都)
 
もう一つ、労災での認定 👉 労災14級9号:頚椎捻挫(50代女性・栃木県)
 
★ ムチ打ちと頭痛の関連について、柔道整復師の意見 👉 ムチウチで手足が痺れる・頭痛・めまいが酷い。実は過緊張が原因です
 
(2)診断
 
 診断自体は患者の訴えにつきます。整形外科での特別な検査はありません。「痛み」の評価全般に言えますが、臨床上、数値化は難しいのです。
 
◆ 頭痛ダイアリーの活用

 北里大学医学部 坂井文彦教授が考案された頭痛ダイアリーを参考に取り上げています。詳しく知りたい方は以下のワードで検索をかけて下さい。
 
 片頭痛は治る――世界的名医が解き明かす痛みの正体と正しい治療法
 
 同教授の著書もあります。 『 「片頭痛」からの卒業((講談社現代新書) 』
 

(3)後遺障害のポイント

 

 自賠責保険における頭痛単独の後遺障害等級の認定は、弊所ではわずかに1件です。多くは他の症状と含めての評価でした。一方、交通事故110番の相談例として、労災9級を経験しています。労災での条件は以下の通りです。
 
① 症状固定後も、アフターケアで通院していること

 👉 労災での治療について その4 「アフターケア制度」について(1) (2) (3)
 
② 主治医が、内服の継続を指示していること
 
③ 頭痛ノートで、それらが裏付けられていること
  
 上記の 3点を根拠として後遺障害等級を認定しています。したがって、頭痛ダイアリーの記録など、細かな観察・記録が必須の条件となります。
 
 最近、片頭痛にはトリプタン系の治療薬で著名な改善が報告されています。事故受傷後、頭痛が継続している被害者は、脳神経外科や脳神経内科を受診し、原因を突き止めなければなりません。
 
 繰り返しますが、ムチウチを原因とする頭痛の多くは改善が得られるので、症状の一貫性から諸症状と丸めて14級9号が限界、多くは後遺障害の対象ではありません。