人生でお世話になりたくない2大先生とは? それは、医師と弁護士ではないでしょうか。
 
 病気やケガとなれば、医師に頼ることになります。また、揉め事となれば、弁護士先生に相談、場合によっては代理人になっていただくことになります。病気も揉め事も、それが深刻であればあるほど、起きてほしくないことです。2大先生には、できれば一生お世話になりたくないものです。

 依頼者にとって深刻なことは、2大先生は共に専門分野、得意分野、そして能力差があるので、それぞれの専門家を慎重に探さなければならないことです。幸い医師は、内科・外科の各科、眼科・歯科など専門院に分かれていますので、最初のドアノック先は決まっていると言えます。例外的に、救急車で搬送された場合、患者に選択の余地がありません。もっとも、救急処置の後に、評判や症例実績、医師との相性で転院するなど、患者には自ら判断・選択する自律性が必要です。その前に、医師間のルールで、より専門性のある院や医師に紹介することがあります。患者の生命・健康がかかっているので、当然なことでしょう。

 その点、弁護士は看板に受任可能分野を表記するも、なかなか素人には解り辛く、依頼者はとりあえず弁護士なら何でもできると思いがちです。当たり前ですが、弁護士にも専門分野、得意分野があり、”何でもできる事務所は、何も出来ない事務所と同じである”とすら、言われます。どのような仕事にも、専門特化したプロと器用貧乏が存在するものです。その点、弁護士さんも医師と同じく、より専門の先生への紹介を常として頂きたいと思います。

 また、医師も弁護士も、当たり前ですが、能力差があります。ヤブ医者とはよく言いますが、ヤブ弁護士も当然に存在します。不案内な依頼がきても、他へ紹介せず、何でも抱え込み、挙句の果てに間違った方向へ・・弁護士過誤ともとれる事例を何度も目にしてきました。罪深いことですが、素人目には判断できないと思います。依頼者さんはできれば、複数の事務所を尋ね、専門性、能力、相性を吟味する必要があると言えます。

優秀2割、ダメ2割、どっちつかずが6割?

 
 さて、メディカルコーディネーターは、日夜、この2大先生の間を行き来しています。頑固な医師に検査を拒まれ、診断書の記載もおざなり・・困り果てた被害者さんに代わって、保険審査に必要な書類を完備させるべく奔走しています。そして、連携弁護士に有用な証拠をせっせと引き継ぎます。交通事故の場合、最も重要な証拠が、自賠責保険の後遺障害等級と思っています。

 その後遺障害認定について、被害者さんから助けを求める声が毎日のように事務所に届きます。より良い治療環境や検査可能な病院へ誘致し、医師と粘り強く折衝、後遺障害○級の”のし”をつけて、弁護士に引継いでいます。このように、弁護士を縁の下から強力にバックアップ、時には尻を蹴飛ばしながら、被害者救済の仕事を貫徹していきたいものです。
 
 2大先生を結びつける・・まさに、私達の仕事です。
 

 ちなみに、キューバ革命を成功に導いた2人、そもそもの職業は何でしょう?
 
 昨年、亡くなったフィデル・カストロは弁護士、チェ・ゲバラは医師です。