今日は江ノ電に乗って某病院へ。

 目的は腰椎の骨折の病態を聞くために主治医に面談です。

 CR画像(レントゲンをコンピューターで画像処理したもの)を診ながら説明をいただきました。骨折の状態は圧迫骨折でした。

 腰椎の圧迫骨折は上下の衝撃により椎体がつぶれる骨折です。自賠責の評価では一定の変形が残存すれば11級7号の評価となります。後遺障害の立証と治療の両面から、以下いくつかの条件を吟味する必要があります。

1、受傷機転から推察できる骨折か?

2、陳旧性(古い骨折)で事故での骨折ではない?

3、高齢者の場合、骨粗しょう症の進行では?

4、腰の可動域制限をきたすほどの圧潰か?

 1は事故状況と直後の経過を把握します。例えば受傷直後普通に歩いて帰り、数日してから痛みを訴える被害者は、事故での骨折を疑われます。つまり陳旧性骨折の可能性があります。昔のケガでの骨折であったり、また高齢者の方で自然に圧潰が起きているケースも少なくありません。
 では2の陳旧性か否かを判断するには?・・XP(レントゲン)だけではなく、MRIで骨組織の状況を確認します。新鮮な骨折はT1、T2共にはっきり圧潰部が確認できます。医師もそれで陳旧性か否か、進行性の圧潰か急性期の圧潰かを判断します。

 ←MRI(左)とCR(右)の比較
 
 そして今回のテーマは3の高齢者の骨粗しょう症の影響です。若い方なら損壊した椎体も徐々に再生します。しかし骨粗しょう症の方は再生せず、進行することがあるそうです。受傷直後、受傷6か月後の椎体の状況から、それを確認できます。そうなると、椎体の変形は事故ではなく内在的なもの?との判断も出てくるわけです。これを障害認定する際、素因(事故とは関係ない元からの原因)とされる可能性もあります。

 また、圧迫骨折の程度や変形状態にもよりますが、日常生活ではほとんど不便を残さず回復した方を何人もみています。保険会社も腰椎の圧迫骨折に対しては、かなり強硬に逸失利益を認めない見解を示します。

 このように単なる骨折と違い、多角的な視点で立証していく必要があります。腰椎圧迫骨折は奥が深いものなのです。