目下、佐藤が4連勝中です。5連勝と行きたいところですが、1件はダメでした。

 近年の再請求(自賠責保険の後遺障害申請における異議申立)は5%前後で推移しているようです。つまり、頚椎捻挫等で14級9号認定の対象となる後遺症を負った100人の申請者さまのうち、95人は初回申請で決定している事実があります(申請者の全員が異議申立するわけではないので、正確にはもっと大勢ですが)。この事実から、初回申請で勝負を決めるべきと断言します。それには、受傷直後から丁寧に準備を進める必要があります。加えて、保険会社や医療機関に対して、臨機応変に対応していくことが大事です。いかに、早期の相談を呼びかけているかお解かりと思います。

 本日から、今夏~秋のシーズンの再申請の実績を数例ご紹介します。これらは成功例になりますが、交通事故で後遺症を負った被害者さん達への教訓でもあります。こんな苦労をしてほしくありません。


本件のポイントは、医師の性質を見極めて対策したことです
 

非該当⇒14級9号:頚椎捻挫(60代男性・東京都)

【事案】

信号待ちのため停止中、後続車の追突を受けた。その衝撃で前方の車両にも衝突した。直後から頚部痛のみならず、手の痺れ等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

早期から対応していたため、症状固定までの7ヶ月間、しっかりとリハビリを受けてから後遺障害診断に臨んだものの、主治医が「私の見立てでは非該当であるから治療期間を延ばしてあげた方がいい。」と、業者の言う事には聞く耳を持たないドクターだった。そこで、患者本人から直接伝えてもらい、なんとか後遺障害診断書を記載していただいたが、「これでは取れないだろう」というような出来であった。案の定、ちょうど1ヶ月で非該当通知が届いた。

【立証ポイント】

ご本人は症状固定後も健康保険にてリハビリを継続していたため、病院へ異議申立に必要な資料を患者本人から依頼してもらい、我々は陰で動く方針に変えた。

患者には優しい医師であったため、依頼者さまと念入りに打ち合わせし、完璧な資料を完成させた。非該当通知から約1ヶ月で再申請したが、全ての病院に医療照会がかかったため、2ヶ月の審査期間を経て見事14級9号認定となった。

以前であれば、概ね主たる治療先の資料のみで審査が進むことが多かったが、近年は数回しか通院していない病院であっても厳密に資料も要求する傾向。14級と言えど、再申請の厳しさを痛感した。