やはり、若年層の骨折の癒合は早い。

 本件のような、足関節の脱臼骨折、まして開放性骨折の場合、10級以上の後遺障害を残す事は珍しくありません。もし、高齢者だったら、歩行に支障をきたすほど絶望的に完全回復は困難です。被害者は当然に完全回復を目指し、リハビリ努力すべきです。しかし、一方で損害賠償のことも考慮すべきです。毎度の主張ですが、ダラダラと無駄にリハビリを続けるではなく、適切な時期に症状固定しなければなりません。とくに、関節可動域の数値は一定の基準値を越えると、等級がつきません。中途半端な回復で等級を逃すなど、悔やんでも悔やみきれません。審査側も一定の回復訓練の末、骨折様態と癒合状況から程度を計りますので、明瞭な数値を望んでいるはずです。

 時期を逃さず障害審査に進めて早期解決・・これも、被害者の務めではないでしょうか。

 本件もやや焦りました

12級7号:足関節開放脱臼骨折(20代男性・神奈川県)

【事案】

オートバイ運転中、交差点を直進中に左方から自動車が進入し衝突、受傷した。救急搬送され、足関節開放性脱臼骨折の診断となる。その後、プレート固定術を施行。

(参考画像)

【問題点】

事故から3ヶ月目で相談を受けたが、癒合順調も家族はなかなか症状固定に踏み切れず、約10カ月目でようやく症状固定を検討することになり、受任となった。治療状況を確認したところ、主治医は骨の癒合を確認、プレート抜釘の手術を近時行う方針を固めていた。足関節の可動域制限は骨折様態の割には回復が良かった。

【立証ポイント】

足関節の可動域を計測したところ、可動域制限3/4で等級が狙えるギリギリの段階であったので、抜釘術後、直ちに症状固定に進めた。後遺障害診断書の可動域数値は、こちらで計測した数値と一致を確認、早急に被害者請求を実行した。急ぎ仕事で12級7号に収めた。