昨年から今年にかけて、膝関節の等級認定で二度手間を強いられています。初回申請では機能障害(動揺関節)を認めてくれません。いえ、審査自体を避けているようです。

 恐らく、地区審査では可動域制限は別として、”膝関節の動揺性について判断をしない”としているのでしょう。従来、動揺関節が疑われる案件は、上部審査に上がって審査されるものでした。当方、申請側としては、当然にその期待からストレスXPなどを実施して、遺漏のない情報を伝えています。でも、上げてくれない。本件のような二度手間申請が3回連続しています。
 
 号の変更が重要な理由 👉 12級13号と12級6号(7号)の違い
 
 コロナの影響もあるかと思いますが、申請数の増大から、このようなしわ寄せが生じていると推測しています。同様の障害を負った被害者さんにとって、またハードルが上がった感があります。我々のような業者にとっても負担が増します。困ったものです。

クアトロ佐藤が担当
「初回申請じゃ・・まだだ、まだ終わらんよ」
  

12級13号⇒12級7号:前十字靭帯付着部骨折 異議申立(20代男性・埼玉県)

【事案】

バイクにて走行、左折のため減速したところ、後続車に追突され受傷。直後から膝の痛み・不具合に悩まされる。

救急搬送先で作成された警察提出用診断書では、「顆間隆起骨折の疑い」、「前十字靭帯損傷の疑い」とあり、保険会社に提出された診断書には打撲となっていた。また、以前にも受任では、反対の膝で機能障害の等級認定を受けていた。 
 
【問題点】

曖昧な診断名をはっきりさせたかった。面談にて詳細を聴取した際、ちょうど3週間後に膝の専門医(前の事故で膝の執刀を行った医師)の経過観察受診があるとのことだったため、骨折や靭帯損傷を明らかにしてもらうよう指示した。診察の結果、付着部の剥離骨折、前十字靭帯損傷の確定診断を得て、提携する整形外科にてリハビリする流れを作ることができた。

もちろん、弊社では基本通りストレスXP他検査結果、その他所見を示し、膝関節の動揺性を立証したつもり。しかし、初回申請の結果は、動揺性については全く触れず、機能障害の7号ではなく、神経症状の13号の判定。これでは障害の系統が違う。
 
【立証ポイント】

直ちに異議申立をする方針とした。しかし、既に立証尽くされた書類を提出していたため、せめて装具着用写真を添付し、膝関節の機能障害をアピール、わずか2週間で異議申立を提出した。
 
今度は上部機関にもあがり、2ヶ月の審査期間を経て12級7号へ正した。以前の審査であれば、初回申請で機能障害として認定されてもおかしくない事案と思う。新型コロナウイルス蔓延後では、上部審査に上げることなく、安易な回答が返ってくる二度手間請求が増加傾向。大喜びの依頼者と対照的に、弊所では暗たんたる思い。