お仕事をもたれる多くの患者さんにとって、お仕事の終了時間に病院は開いていません。リハビリを整骨院、接骨医の施術で進める方は多いと思います。しかし、後遺症を残すような大ケガの患者さんは病院で治療を進めていないと、症状を軽く判断されてしまいがちです。整骨院・接骨院の効果や役割を理解していますが、どうも後遺障害とは親和性が低いと感じます。

 本件はそれでも腰部神経症状が重篤であったこと、整形外科医の理解があったこと、早期にMRI検査を実施していたことから等級が認められました。しかし、多くの被害者さんは接骨院偏重によって等級を取りこぼしているのが現実です。
 

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

バイク運転中、直進道路で並走していた自動車が左折し、巻き込まれた。直後から頚部~肩部・腰部痛の各神経症状に悩まされる。

【問題点】massage2

相談された段階ですでに症状固定時期であった。頚椎捻挫及び腰椎捻挫の診断を受けていたが、整形外科でのリハビリではなく、接骨院に2日に1日のペースで通院していた。さらに、接骨院の施術証明書の内容では、「改善傾向にある」旨の記載があった。

【立証ポイント】

早い段階でMRIを撮っていたことに加えて、整形外科医が接骨院偏重の患者であったにもかかわらず、快く(?)診断書をまとめてくださったおかげで、併合14級が認められた。

主たる治療先を接骨院とすれば、神経学的所見が厳しく問われる。そして、整形外科医の協力も怪しくなる。本件は幸いな結果であったが、冷や汗ものの申請であった。