【事案】

信号待ち停車中、自車全損の強烈な追突事故の被害者となる。

【問題点】

自覚症状重度ながら素因として重度の腰椎すべり症がある事案。既に一定期間通院していることから簡単に転院は出来ない。コワモテの主治医に、いかに検査協力の必要性を理解してもらうかが受任者の腕の見せ所。

【解決のポイント】

①前提整備
≪変な被害者(失礼!)が変なお願いをしようとしているのではありません!?≫ 医師に安心していただくことを主眼に行動し、結果、検査協力を依頼できる土壌を整えることが出来た。

②検査依頼
早速手配していただいたMRIによってL3/4に異常確認。L3神経根症という診断名がつく(参考までに、神経の呼び方はC2/3ならC3神経、T・L2/3ならT・L2神経と表記する)。神経学的検査ではFNS陽性、膝蓋腱反射低下。自覚症状も領域的に一致し、MRI、神経学的所見、自覚症状、それぞれの一貫性・整合性が明らかとなるが、受任者はそう簡単に12級認定は通らないと予測。針筋電図検査を提案。

③諸刃の剣、筋電図
 ≪異常が無い事≫ を証明してしまうリスクもある針筋電図だが、腰椎に経年性変化のある本件は踏み込んで検査しないことにはどの道14級止まりである。最終的に被害者は検査受診を決断。主治医に打診したところ快く紹介状を発行していただけたため、事故110番医療ネットワークの専門医をコーディネート。以下の診断が下され、後遺障害等級12級13号認定で決着した。

(平成24年4月)