【事案】

幼少時代、自転車運転中にバイクに接触され、下肢に重傷を負ったもの。手術によって極度の短縮(7cm)が生じる。この時点で症状固定とはせず、イリザロフ法により骨延長。患側は成長が止まり、健側は成人まで成長を続けるため、患側をわざと長めに延長し、様子を見ることに。月日は流れ、成人時の計測にて左右差はほぼ無いとの診断(主治医の技術、読みが素晴らしい!)。

最終的な損保担当者の損害賠償提示額が驚くほど低く、ご相談。

【問題点】

最も短縮が酷かった当時に症状固定の選択は無かったか?損害賠償提示の際に後遺障害申請の説明は無かったか?確認したところ、一切説明が無いとのこと。このような対応は残念。左右差はほぼ無いとのことだが本当に1cm未満なのか?事故から10年以上が経過しており、後遺障害が認定されれば遅延損害金が馬鹿にならないため、慎重で確実な計測が求められる。

【立証のポイント】

主治医によるパソコン上の計測が認定基準ギリギリであったため、念のため第三者的医療機関も受診し、XPフィルムを繋いで定規で計測、正確な左右差を明らかにした。結果、下肢の短縮で13級8号、同神経症状で14級10号、下肢露出面のてのひら大瘢痕で14級5号、以上の併合13級が認定された。

(平成25年1月)