各種存在する障害申請の中でも「お金」の多寡にもっとも影響する3大申請は、    自賠責保険、労働災害保険、障害年金 ではないでしょうか。    交通事故で重い後遺障害を負った場合、それも通勤中であれば労災も絡み、その3つに申請を行うことになります。一番細かくシビアであるのは自賠責だと思います。もちろん、傷病名や障害の類別によって、労災の方がシビアであったり、障害年金も油断できない部位があります。それぞれの審査基準には違いがあるので、一概に言えないかもしれません。

 大事なことは、必要な検査を実施して、医師に漏らさず診断書に落とし込んで頂くことです。不足・不正確・不明瞭の診断書であっても、以後、客観的に証明された証拠として、一人歩きを始めます。これは審査上に悪影響をもたらし、その後の賠償交渉や裁判で正すことは絶望的に難しくなってしまうのです。今までも診断書の修正が最大の焦点となった件、覆せなかった悲劇を何度もみてきました。遺漏なき申請書類、とくに診断書が事故解決の趨勢を決するのです。

 経験上、医師が障害申請に熱心に取組み、万全の診断書を作成してくれたことは、非常に少ないものです。医師は治す事が仕事で、治しきれなかった患者など、関心は薄れます。保険会社も役所の窓口も基本、事務的です。むしろ、限られた財源からの支払増大を懸念してか、厳しく判断されていると考えるべきです。もちろん、好意的な判断もありますし、好悪両面において、審査員は良く見ているなぁと感心することもしばしばです。

 しかし、希少な障害の場合や、障害の箇所が複数に及び、本人・家族ですら把握しきれない症状を克明に主張することはそれなりに難しいものです。審査側が親切に不足書類や追加検査を指示してくれれば良いのですが、これも限定的なことと覚悟すべきです。多数の審査案件を抱えた担当者にとって、追加的な調査業務は負担になると思います。その審査員に対して、自分の親兄弟や子供をみるように熱心に審査してもらうなど、過剰な期待と言えます。

 重度の障害を追った被害者さん達にとって、障害○級の認定は今後の人生にとって命綱なのです。各申請はその緊張感をもって望むべきですし、そのお助けをしている私達を是非とも活用して頂きたいのです。できれば、診断書の記載をする前の段階で、周到な準備と十分な打合せをしたいと思います。私達の報酬は決して安いとは言えませんが、被害者さんの命綱を繋ぐべく、相応の働きをする覚悟です。  

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