その一文字が被害者さんの後遺障害等級を左右するものであれば、時間や交通費など考慮するまでもありません。最終的に受取る賠償金が何百万円も変わるからです。しかし、等級に影響のない事、大勢に影響の無い記述、誰が見てもわかる軽易なミスなど、普通はスルーとなります。本件はそれに類するものながら、違った意味合いを持つものでした。

 被害者は既に故人、本件のご依頼はご家族からのものです。”すでに亡くなった被害者様の生前の交通事故による後遺障害申請”は、各件深い事情があり、それなりに珍しい案件ですが、秋葉事務所では今までに5件をカウントしています。今月はその認定が1件、申請が1件と集中、最早、得意分野と言えます。

 今回の滋賀行きは、等級認定を左右するものではないのですが、記述に事実と違うことがありました。当然、故人はそれを指摘することができません。そのままでも問題ないと言えますが、正しい医療調査ではないことになります。医師に修正依頼するか迷っていたところ、ご家族から「(亡き父)故人の名誉の為にも正したい」とのご意見から決意、新幹線に乗りました。ご家族と共に病院へ行き、結果は些細な間違いであることから、主治医は快く一文字の修正をして下さいました。

 「わざわざ、東京から!」・・病院側もびっくりでしたが、主治医の先生に退院後の経過を報告し、改めてご挨拶できたこと、書類でお世話になった医事課の方に、郵送ではなくお会いして領収書を頂きお礼を言えた事、何より、ご家族にとって逝去以来、お世話になった医師にお礼を言う機会となったこと、これら様々な目的を含んだ病院同行となりました。残された家族にとってのけじめであり、交通事故解決へのプロセスとして必要な道筋だったのです。たった一文字ですが、依頼者様の心を汲んだ仕事を果たした充実感は言うまでもありません。

 そして、毎度日帰りの関西行きでしたが、今回は翌日の連休を利用して観光が叶いました。

 それは週明けに。

  宿からの夕焼け

 

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