変更点(2) 路上横臥(道路上に寝ている歩行者)事故

39号では、泥酔して路上横臥した高齢者・身体障害者について、高齢者等の保護修正を適用しない方向が明示されました。従来の38号では明確ではなかった部分です。
実は、弊所でも路上横臥者の受傷事故は、記憶にあるだけで4例を相談・受任、いずれも重傷でした。また、その半分はひき逃げとなっています。一方、横臥者の状態は泥酔が多く、相当の過失が取られても仕方ないと言えます。それでも、高齢者や身体障害者だからと言って、修正要素から寝ていた者の過失を軽く修正することについて、「そこまで守る必要があるのか?」との疑問はあったと思います。
まず、基本過失は変わっていません。昨年の「過失相殺クイズ」で取り上げた「路上横臥者の事故」の問題・回答は以下の通りです。基本過失は変わっていません。
(Q)路上に寝ている人をひいてしまった場合
(答) (昼) ① 車 70 : 人 30
(夜) ② 車 50 : 人 50
自動車から横臥者(四つんばい、座っているなども含む)が発見しやすいか否か、それが昼、夜の差になっています。したがって、夜でも明るい場所であれば、車60 : 人40 と、10%の修正が入ります。
また、他の判例に同じく、児童・高齢者、身体障害者は、保護する(修正で有利にする)対象です。しかし、その横臥者が泥酔していた場合、自己責任が強く問われそうです。旧基準にはそこまで修正要素には書かれていませんでしたので、酔っぱらっていても高齢者を理由に-10の修正を主張していました。
◆ 修正要素 (38と39は変わっていません)
・ 幹線道路: (昼)人に +10 (夜)人に +10~20
・ 住宅街・商店街: (昼)人に -5 (夜)人に -10~20
・ 児童・高齢者: 人に-10
・ 幼児・身体障害者: 人に-20
・ 明るい場所: (夜) 人に-10
「39」では・・修正要素に以下が補足されました。
高齢者及び身体障害者等が、泥酔して路上に横臥していた場合には、道路を通行するに際して、判断能力や行動能力が低い者を保護するという修正の趣旨が妥当ではないことから、この修正要素を適用しない。
酔っぱらって寝てた場合、例え高齢者や身体障害者であっても、有利な修正は適用しないと書かれたのです。至極、当然の結果と思いますが、以前の「38」では、青字のように保護の対象になり得たのです。実際、路上横臥者は、泥酔者が多い印象です。酔っ払いは自業自得ですね。
次回 ⇒ 判例タイムス39 その変更点シリーズ ③ 道路外からの進入車と衝突





