医師は後遺症、つまり、治せなかった症状について、じっくり時間を割いて診断書を書いてくれるものでしょうか?    普通、医師は後の賠償問題に興味はありません。立場上、治すことが仕事です。本音を言えば、目の前の患者さんを診ることが優先、診断書に時間を割けないのです。その後遺障害診断で、もっとも面倒なのが関節の計測、それも手指・足指の計測程、時間がかかるものはありません。自ら丁寧に計測して頂ける先生に出会えたら幸運です。また、理学療法士さんに計測を指示する先生も多いものです。理学療法士さんも、医師の指示とあれば、せっせと計測してくれます。ただし、リハビリの場面で、指を対象とするものは圧倒的に少なく、慣れない手つきとなります。

 指を丁寧に計測して機能障害の等級を確実にする、これこそ私達の出番です。かつて、相談会で手首や肩の関節で等級認定を得ながら、指を取り漏らしている診断書を何枚も見ました。それも、交通事故専門を謳う弁護士先生に任せていながら、です。

 やはり、後遺障害の仕事は「経験」です。手指・足指の障害を受任したことのある事務所を選んで頂きたいものです。     指1本1本の計測は大変です  

6級相当:浅指・深指屈筋腱断裂、手根筋腱断裂、皮膚欠損(60代男性・埼玉県)

【事案】

信号のない交差点の出合い頭、一時停止無視の車に側面衝突される。被害車両は横転し、右腕が車の下敷きになり受傷。利き腕に腱断裂を伴う広範囲のデグロービング損傷により、用廃レベルの状態に。

【問題点】

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