受傷機転(どのような事故状況で、どこに、どれほどの衝撃が加わったか)から、かけ離れた診断名、症状を訴えると・・自賠責は怒ります。いくら医師が診断名を付けようと、信じてくれません。残念ながら、これが交通事故外傷の現実です。

 もちろん、検査を重ね、間違いのない損傷所見を見出せば、その障害認定に全力を尽くします。しかし、苦しい事故状況の説明、物理的に不自然な受傷、誰がどう考えても大げさな症状、年齢相応の症状が重なったもの、加えて不明瞭な画像所見が揃えば、苦戦どころか戦いになりません。裁判まで突っ走っても負けます。そこで、現実的な戦略で進める必要があります。

 本件は最初から最後まで、秋葉の予想通りの流れと結末でした。連携弁護士も良い経験則になったはずです。   14級とは言え、主婦でも300万円です! 正しい解決へ導く必要があります  

非該当⇒併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・神奈川県)

【事案】

自動車に搭乗、信号待ち停止中に、左方より右折車の正面衝突を受けたもの。以後、頚部・腰部及び、肩関節の痛みに悩まされる。   【問題点】

本件は弁護士からの調査依頼で、受任時にはすでに後遺障害診断書が記載されていた。頚椎捻挫・腰痛捻挫など、おなじみの診断名に、肩腱板損傷(棘上筋不全断裂)の診断名が続いた。さらに、肩関節の可動域の外転が90°と、左右差1/2(10級10号?)となっていた。

受傷機転から、肩関節に棘上筋が断裂するほどのダメージがあったのかが問われるが・・・自賠責の怒りを買う事必至と思った。この場合、医師の診断名は患者サービスに過ぎ、正しくは「棘上筋損傷の疑い」に留まるもので、多くは頚部神経由来の頚肩腕症、肩関節炎の発症、痛みからの関節拘縮であることが多い。毎度のことだが、このまま提出するにためらわれる内容であった。

ためらわれる理由 ⇒ 肩腱板損傷の認定、過去記事から 発端編   【立証ポイント】

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