どんなにうれしくても言ってはいけません。例え家族でも言わない方が良いです。当たったことは必ず漏れ伝わります。 当たった人に対して誰も賞賛などしません。あるのは「嫉妬」だけです。親しい家族も豹変します。必ず、親兄弟・親戚から「お金を貸して」と言ってきます。友人は「奢れ」とたかってきます。断れば関係に亀裂が入ります。例え、おすそ分けをしても、「なんだ、たったの○万円だけか」と、半分ほどまであげないと文句が残ります。皆、不機嫌になるのです。
これは、交通事故被害者にもあてはまります。かつて、脚がズタズタに骨折した被害者さんがおりました。切断は免れましたが、一生片足が不便のままです。入院中からリハビリまで、奥様はもちろん友人まで、色々と助けてくれました。今後も家族の補助は続いていくでしょう。 最初は、気の毒な被害者だったのです。 ところが1年後、この被害者さんの人生は暗転します。後遺障害は6級レベルで数千万円の賠償金をとりました。ついで身体障碍者手帳を取得し、大手会社に障害者雇用として就職しました。ハンデから軽易な業務ですが、中々に良い給与をもらえます。賠償金から片足で運転できる特別仕様車を購入し、高級腕時計を身に着け颯爽とドライブ、高級宿に障害者割引で頻繁に旅行です。それを見た友人は、「あの時、色々と助けてあげたのに、お見舞い返しのタオルしかもらっていない・・」と不満を漏らします。友人が一人また一人離れていくのです。
親戚も「お願い、お店の回転資金が苦しくて・・少し貸して」と言ってきます。貸したら戻りません。親戚の借金などは、たいてい踏み倒されます。そして、貸さなければ恨まれます。
奥様も献身的に介護を続けてきました。今後も一生、面倒を見ていくことになります。治療中は本当によく尽くしてくれたのですが・・・数千万円の賠償金が入った後、「私の介護負担分は?」と折半の要求です。対して被害者さんは「これは俺の慰謝料だ!」と反論しました。以来、夫婦仲に亀裂が入って、ついには離婚して財産分与の話にまで発展です。この奥様は「がめつい」のでしょうか? 一生、介護負担の覚悟をしなければならないのに、主人だけが大金を独り占めに我慢がならなかったのでしょう。 この被害者さん、大金を手にしたのですが、周囲の嫉妬と戦う日々となりました。別に運よく宝くじが当たったわけでもなく、脚の障害と引き換えにお金を手にした瞬間、「気の毒な人」から「気に食わない人」になってしまったのです・・。 もう、結論はお分かりですね。”お金が入ったことを人に言ってはいけない”のです。それだけで、周囲の人は嫉妬に狂い、本人は孤独となってしまうのです。もう全員が不幸になるだけです。お金などない方が、気の毒な被害者のままで周囲と上手くいったのです。 このような、人間のどす黒い感情を知ってから、私は交通事故被害者さんに、とりわけ大金を得た方に口を酸っぱくして言い続けています。 「賠償金が入ったことを言ってはダメです。例え親兄弟でも。」 もし、しつくこく聞かれても、「雀の涙で」と返し、絶対に額を言ってはいけないのです。そして、通帳と印鑑を貸金庫へと指導しています。お金を盗み出すのは、他人や泥棒より家族や親戚ですから。 お金が入ったことが知れると全員が不幸になる、これは法則なのです。





