関節部の骨折は何かと障害が残るものです。本件はめずらしく、肘(尺骨近位端)の骨折です。

 肘頭骨折は、骨折部が尺骨に付着した靱帯に引っ張られるので骨癒合し辛く、手術必至の部位です。術式ですが、針金(キルシュナー鋼線、Kワイヤーとも言います)を使って骨折部を巻いて固定します。完全癒合には時間がかかり、必然的にリハビリ期間も長く取れます。結果として、機能障害は取り辛い印象を持っています。変形や可動域制限を残さずに治すことが基本ですが、せめて14級はおさえたいところです。
   

佐藤、初めての部位でした

14級9号:肘頭骨折(30代女性・東京都)

【事案】

自転車搭乗中、信号のない交差点で右方から来た車に衝突され転倒、肘と肋骨を骨折したもの。肘は手術でワイヤー固定した。

【問題点】

相談時には受傷から1年が経過しており、さらに、3か月前に保険会社から打切りをされていた。骨折部位・様態から、本来であれば肘関節の機能障害で申請を行うケースだが、可動域は既に12級を逃す数値まで改善していた。

【立証ポイント】

急ぎ、病院同行、症状固定とする。手術痕も残存したが、面積は等級認定には厳しい。可動域制限も若干は残存しているため、医師に計測していただき申請する。14級9号認定となったが、この診断名でムチウチと同様の等級は寂しい。少なくとも受傷から半年が経過する前に相談に来ていただければ、違った結果になったのではないかと考える。