最近、基本的な問い合わせ、質問が多い傾向です。私達にとっては日常業務の基本でも、被害者さんにとっては、生まれて初めて遭遇する交通事故かもしれません。当たり前ですが、被害者さん達にとって、基本的なことであっても難関となる問題です。
 被害者請求の方法について、復習したいと思います。 (先月の山梨代協セミナーから抜粋)
 
被害者請求、必要書類と手続き

① 自動車損害賠償責任保険支払請求書
 これは、被害者請求の表紙となるもので、請求者と振込銀行を明示し、実印を捺印します。
 ② 印鑑登録証明書
 請求者本人を確認するための印鑑登録証明書です。
 ③ 交通事故証明書
 郵便局から申請すれば、1週間以内に送達されます。 最近はネットで請求手続きできます。加害者欄には、窓口となる自賠責保険の会社名と証券番号が掲載されています。
 発行は自動車事故安全センターです。
 ④ 事故発生状況報告書
定規を使用して分かりやすく説明しますが、刑事記録のような精度は求められません。
 ⑤ 診断書
これまで治療費を負担してくれた保険屋さんに、コピーの提供を依頼します。
 ⑥ 診療報酬明細書
 同じく、これまで治療費を負担してくれた保険屋さんに、コピーの提供を依頼します。
 ⑦ 後遺障害診断書
一般と歯科の2種類がありますが、自賠法で決められた書式を用意しなければなりません。
⑧ 初診のXP、経過のCTやMRI画像が収録されたCD
現在では、フィルムではなく、CD-ROMに収録して提供が普通となりました。

(手順)
1、後遺障害診断書を医師に依頼し、回収します。初診のXP、経過のCT
 やMRI画像が収録されたCDも依頼します。
2、①~⑧を揃え、加害者の加入する自賠責保険の会社に郵送すれば、
 被害者請求は完了します。
3、地域の調査事務所では、40日前後で等級認定が推奨されています。
 本部審査ですと2~数ヶ月はかかります。
4、自賠責保険会社より通知され、自賠責保険金が振り込まれます。
  非該当のときは、通知のみです。
通常はここまでですが・・・
5、認定結果に不満あれば、異議申立(再請求)を行います。これは何度も可能です
6、異議申立の結果を受けて、不満あれば、自賠責保険・共済紛争処理機構での審査が可能です。
 これは1回のみ可能です。(まるで被害者を諦めさせるための機関?)
 
 これ以上は、裁判での認定を求めることになりますが、裁判所はほとんど自賠責の結果を踏襲します。それだけ自賠責の認定は重いのです。
 

 実際、裁判で後遺障害等級を争うと、少なからず裁判長から再度の異議申立が指示されます。
 

 
				
 



