醜状痕の判定も人の印象に左右されるものです。自賠責や労災では瘢痕(あざ)、陥没痕(へこみ)、線状痕(キズ)などから、それぞれ鶏卵大、10円硬貨代、○cmと基準を設けています。  ⇒ 醜状痕の基準

 しかし、キズの様態は様々です。醜状の「みにくさ」という印象も人によって違います。色の薄さ、形状、そこまで細かく基準化できません。医師の診断書の計測・記載内容はもちろん、写真や面接での確認も含め、最後は人が判断するしかありません。調査事務所での面接は必ず2人が担当し、医師の計測が間違いないかを確認します。本件は切り傷であり、線状痕での判定(つまり、瘢痕ではないので非該当)を覚悟していましたが、瘢痕に当てはめてくれたようです。自賠責の、実情を汲んだ柔軟な姿勢を評価したいと思います。

 相談会での宣言通り、切り傷で14級を立証しました! 

  

14級5号:下肢醜状痕(40代男性・千葉県)

【事案】

250ccバイクに搭乗中、左方向から来た車の衝突を受ける。転倒し、膝をざっくり切った。救急搬送され、50針以上の縫合となった。

【問題点】

主な治療先が整骨院であった。既に治療終了とされていた総合病院の主治医に診断書を打診するも、「後遺症はない」と断られていた。また、下肢の醜状痕は瘢痕の面積で判断されるが、裂傷の線状痕であるため、認定基準外か・・。  続きを読む »

win  前回で子供が骨端線や骨端核を損傷しても、後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いことを述べました。しかし、他方で、骨端線や骨端核を損傷しているだけではなく、同じ部位で骨折もしている場合があります。

 骨折しているかどうかはレントゲンで確認できる場合もありますが、関節等を骨折している場合がありますので、わかりやすいCT画像での確認も医師にお願いしてみてください。

 子供の場合は大人に比べて骨折後の骨の癒合するスピードが速く、回復が早いです。よって、子供の場合は、大人に比べて骨折でも等級を狙うのが難しくなります。

 ところが、稀に骨折後、骨片が残存する場合があります。痛みが続いており、かつ骨片が残存している箇所と一致している場合には、14級9号、12級13号が認められる可能性があります。

 先程述べたように、子供は大人よりも骨の癒合スピードが速く、回復が早いです。よって、等級を狙うのであれば、事故から半年が経過した場合、すぐに症状固定をする必要があります。

 この点、症状固定せずに、数カ月で完治できるのであれば、医師と相談して検討した方がいい場合があります。骨片の場合ですと、手術する必要性も検討しなければなりません。

 子供にその判断を求めるのは現実的ではありません。

 親や親戚の大人、主治医が、子供にとって何がいいのかを真剣に考える必要があります。

 子供のお怪我には、損傷部位だけではなく、症状固定時期にもご注意を。  

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win  子供の骨には大人と違い、骨端線、骨端核というものがあります。これらは、成長軟骨のことをいい、骨の隙間に線や分裂した骨を指します。 kottannsen  成長の過程で、骨端線や骨端核が徐々に消えていきます。大人の骨になると骨端線等は基本的に消えますが、稀に跡が残っている場合があります。この跡はレントゲンで薄く線が見えることがあります。

 骨端線は、主に長骨の端の部分にある骨幹と骨端の境目部分に見えます。例えば、腕や足の骨、指の骨の端にあります。骨端核は、主に踵や膝、肘に見えます。骨端核の場合、線状というより、骨の欠片のように見えます。  これら骨端線等は交通事故外傷により、損傷することがあります。骨端線損傷により骨端線が広がったり、骨の位置がずれてしまったりすることで痛みが生じます。治療方法としては、骨のズレを整復後、ギプス等で固定し、骨癒合を待ちます。

 子供の骨端線損傷の場合は、成長過程で骨の癒合するスピードが大人よりも早く、症状固定時期(およそ事故から半年後)にはきれいに骨が癒合する場合が多いです。

 その際に痛みが残存する場合がありますが、基本的に後遺障害の対象ではありません。何故なら、骨端線や骨端核の損傷による痛みは成長と共に消えていくため、将来にわたって残存する症状ではないからです。

 なお、骨端線等を損傷することで骨の成長に左右差(怪我していない方との比較)が出ることがありますが、基本的に左右のバランスが成長と共に取れてきますので、左右差が出ることは少ないです。また、仮に事故(怪我)から数年経過後、左右差が出たとしても、その事故(怪我)によって左右差が出たことの因果関係は不明と判断されることが多く、また、医師もその事故(怪我)が原因でなったと診断するのは非常に困難です。

 以上から、子供の骨端線等の損傷で後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いといえます。  

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 昨日の記事から専門用語を解説します。それと専門医から最新の治療情報を。

  ※1 デブリ洗浄=デブリードマン、デブリードメント、略してデブリと呼ばれます。感染、壊死組織は 正常な肉芽組織の成長の妨げとなるため、は創傷外科治癒において最初の処置です。  開放骨折の場合、傷口を洗うような生ぬるいものではありません。骨折面のゴミや骨片を洗浄・除去するにとどまらず、骨と骨髄をゴリゴリ削り取ります。感染症のリスクを低くするため、なるべく多めに組織を除去する必要があるのです。したがって骨の癒合・再生は遅くなります。  

※2 イリザロフ法=1951年、ロシアの医師ガブリル・イリザロフが初めて実施しました。人工的に骨を切り、創外固定器(通称、イリザロフ)をつけます。 そして、外から1日1mmぐらいのペースで骨の隙間を広げていきます。その間、骨の自然治癒力により隙間が修復され伸びていくわけです。最近ではケガ(下肢の短縮障害)だけではなく身長を伸ばす手術としても知られています。原始的な方法ですが脚を伸ばすには最も効果があります。 c_g_l_26

★ 最新知識

 本日、専門医の面談にて、感染症の監視のためのPET検査があり、これが有用であることを聞きました。開放骨折では感染症を防ぐことが基本中の基本です。PET検査は一般にガン検査に用いられますが、この専用PET検査はまだ一般的には流布していないようです。

pet_001続きを読む »

 現在、下肢の重症案件を数件お預かりしています。下肢の骨折の中でもやっかいなのは開放骨折です。これは骨折部が皮膚を突き破り、外に出てしまった骨折を指します。人体の内部での骨折と違い、骨の内部にゴミやばい菌が入ってしまうからです。 kaihou 過去記事 ⇒ 開放骨折のガステロ分類  治療は骨の整復の前に、骨の開放部のごみや骨片を綺麗にする必要があります。洗浄と言うより、骨や骨髄までゴリゴリ削り取る作業です。ばい菌を残さないために組織ごと、多めに削り取らなければなりません。したがって骨の癒合が大幅に遅れてしまうのです。これを「デブリ洗浄」(※1)と言います。  そして、ばい菌が暴れださない様、血液、骨髄の監視が続きます。昨年、ようやく解決した被害者さんは受傷から1年後になって感染症となり、せっかく骨も傷口も塞がってきたのに、再度切開し、感染部をデブリ洗浄しました。また整復のやり直しです。おかげで症状固定まで3年を要しました。

 現在も感染症の危険を抱えた、開放骨折の依頼者さんを3人お預かりしています。治療費を支払う保険会社との折衝、長期的に診てくれる病院・医師の確保で奔走することになります。場当たり的で何もできない病院には早く見切りをつける必要があります。また、相手保険会社からしっかり治療費を確保しなければなりません。保険会社としては長期かつ手術が数度伴うので健保の使用を強く要請してきます。しかし、病院側は健保使用により、イリザロフ法(※2)など特殊治療、入院期間の縛りなどの治療内容の制限がなにかと妨げになるので困ります。自由診療による治療費の利益(=健保の2倍以上)だけの問題ではないのです。  このような周囲の思惑が絡み、うかうかしていられないのです。色々な調整、交渉が必要となりますので、ここはメディカルコーディネーターの真骨頂です。

 交通事故の解決では、この前半戦が重要となることがしばしばあります。重度の骨折の被害者さんは早期に専門家を確保して下さい。賠償問題は後回し、まずは自らの足で再び歩くことが目標です。

※1~2は明日解説します。  つづく 

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 骨端線(こったんせん)損傷について、特に足関節(脛骨と腓骨)の成長線骨折を例にとって解説します。(XP画像は秋元接骨院さまHPより転用)

 成長期ではどんどん骨組織が発達します。脚では脛骨と腓骨がぐんぐん伸びていきます。その時期に足の捻挫などにより骨端線(成長軟骨部分)を損傷することがあります。足関節を構成する脛骨及び腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長と共に成人の骨へと変化していくのですが、骨端部分が成人に近い状態にまで完成されても、脛骨と腓骨の成長が終了するまでは、骨幹と骨端の間に骨端線が残ります。  骨端線部分は完成された骨よりも強度が弱く、外力による影響を受けやすい部分のため、強い外力の働いた捻挫や衝撃で骨端線損傷を起こしやすいといえます。 損傷の程度が軽いものでは、レントゲン検査でも分かりにくく、捻挫と診断されるようなものから、骨端線からきれいに骨折している重傷なものまで、いくつかの種類に分かれます。

 XP画像はタイプⅠです。悩ましいのは骨端線骨折は、癒合を果たしたとしてもくっきり線が残ること、痛めやすく、骨折しやすくなることです。さらに交通事故外傷の場合、「癒合で完治」とは断定できません。前述の通り成長著しい幼児~10代は爆発的に骨組織が伸長しますので骨組織は容易に癒合します。しかしその後骨折しなかった方の足と比べ、転位や骨成長の左右差、軟骨の不具合による関節裂隙の左右差などが残存することがあります。これが可動域制限や、疼痛などにつながれば後遺障害の対象となるはずです。

 最近、小学生時の事故で成長線骨折となった未成年の被害者を2例担当しています。いずれも数年を経て癒合するものの成長による変化を伴った状態です。慎重な立証作業となります。

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 懐かしい骨折名です。大学の剣道部で同期の部員が2度経験しています。激しい稽古で消耗すると、自然に足の甲の小指側の骨が折れてしまいます。多くは時間をたてば自然に癒合しますが、怖いのは無感覚の偽関節、または骨折癖、つまり簡単に何度も折れてしまうことです。

 交通事故外傷では一度経験していますが、やはり癒合状態もよく、特に痛みも残らないので後遺障害の対象とはなりませんでした。もし偽関節(くっつかなかった)となっても普通に歩けるようです。しかし症状固定時に偽関節化していれば、当然、後遺障害として申請すべきです。

 今日はいつも骨モデルを購入しているトワテックさんからのメール(メディカルリポート)から抜粋しました。ちなみにスミスやジョーンズなど名前のついた骨折名があります。多くは学会で症例と治療法を発表した医師の名前がついているようです。

               

 Jones骨折とはJonesが自らの経験を基に最初に報告した骨折で、第5中足骨の骨幹近位部に繰り返し加わる外力により生じる疲労骨折の1つです。同じ部位に繰り返し弱い力が加わることによって起こる疲労骨折は、運動しているときに痛み、安静にしている時には痛みは治まります。骨折線の特徴として横走するものが多く見られます。 また再発を繰り返し治療に難渋する事が多く遷延治癒や偽関節になりやすいためスポーツ選手(特にサッカー選手)の場合は、選手生命を左右することが多い疾患と言われています。解剖学的に第5中足骨の基部は短腓骨筋腱・第4中足骨と連結している底側中足間靭帯・立方骨と連結している底側足根靭帯がついており強く固定されています。それにより基部は固定され基部中枢から末梢1.5cmの弱い部分に力が繰り返し集中し発生、骨折線も横走するものが多いのです。  症状として初めのうちは違和感程度で、これといって症状はありません。徐々に時間とともに負荷が加わり、疲労骨折の症状として運動しているときは痛み、安静にしているときは治ったりと増悪や緩解を繰り返します。完全骨折になると激痛で歩行困難となります。鑑別診断として、短腓骨筋の急激な収縮により起こる下駄骨折や残存性骨軟骨障害などが挙げられます。

 治療としては、不全骨折の場合は保存療法を選択します。繰り返し同部位に力が加わるため足圧分散の足挿板を使用したり、足底筋や腓骨筋など筋力バランスの強化。または姿勢反射調整などがあげられます。観血的療法に踏み込む場合は、完全骨折の場合など症状に応じて判断していきます。どちらにしても疲労骨折の1つであるJones骨折の治療の目的として、骨の癒合だけにとらわれず、持続的に同部位への繰り返しによる応力の集中を防ぎ、再発に努めることも大切です。

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 本日は足首(距骨)の骨折で足関節が良く曲がらなくなった被害者さんの病院同行です。

 相談会に見えられたときにはすでに後遺障害診断書は完成しており、他動値は以下の通り・・・ 健側:左             患側:右  (けがをしていない方)    (けがをした方) 背屈 10°  底屈 35°    背屈 10°  底屈 30°                 さて以下の表と比べてみましょう。 

部位

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 昨日の筋電図に続いて神経伝導速度検査を。筋電図ができないときに実施します。既に筋電図検査を行っている場合は必要性は薄れます。    ■ 神経伝導速度検査とは

 末梢神経を皮膚上で電気刺激し、誘発された電位を記録し、伝導速度、振幅などを測定するものです。これによって末梢神経疾患、脊髄疾患の診断、病態の把握に活用できます。運動神経刺激によって筋肉で誘発される波形を検査する運動神経伝導検査と、感覚神経自体の電位の波形を検査する感覚神経伝導検査とに大別されます。

 刺激をすることで神経や筋肉の反応が得られ、得られた反応を用いて伝わる速さを測定したり、波形の分析を行います。検査中ピリッ、ピリッと感じます。正常の場合にはある程度の決まった速さで伝わる興奮の速さが遅くなるか、もしくは反応が出ないなどの所見が認められます。障害がある場合には、障害の部位や障害の程度、障害の範囲を判断することができます。   ■ 上肢、下肢の場合

 皮膚の上に電極を貼り,神経に体表から刺激を加えます。腕では通常正中神経か尺骨神経でそれぞれ運動神経線維と感覚神経線維を調べ、足では後脛骨神経で運動神経線維、腓腹神経で感覚神経線維、腓骨神経で運動と感覚神経線維を調べます。

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 昨日は「腓骨神経麻痺」の疑いのある被害者さんと主治医面談でした。足首が完全に動かないわけではないのですが、背屈(足首を上にそらす)が不能なので「不全麻痺」が正確な表現でしょうか。しかしその可動域の制限だけでは後遺障害の認定は得られません。それを裏付ける検査数値と確定診断が必要です。そこで主治医先生にタイトルの検査依頼となるわけです。

 中には「なんで治療が終わったのに検査するの?必要ないよ」、「保険請求のため?それは医者の仕事じゃないよ(・・めんどうだなぁ)」という対応の医師もいます。ましてや、「むち打ち」ごときでは、通常、医師の協力は得られません。

 医師の言う事もごもっともと思いますが、後遺障害を残した患者にとっては切実な問題なのです。毎度苦労させられますが、昨日の医師は検査の必要性に御理解をいただき、誠実に対応して頂けました。本当にありがたいです。     では針筋電図について・・・   ■ 筋電図とは

 筋線維が興奮する際に生じる電気活動を記録することで、末梢神経や筋肉の疾患の有無を調べる検査です。筋電図検査といった場合には,筋肉の活動状態を調べる針筋電図と筋肉・末梢神経の機能や神経筋接合部を検査することができる誘発筋電図の両者を含める場合もあります。   ■ 脊髄損傷に対しては

 脊髄にある前角細胞と呼ばれる運動神経以下の運動神経と筋肉の異常を検出するために行われます。これらの部位に疾患がある場合には,その障害がある部位や,疾患の重症度などを評価することもあります。異常を示す筋肉が限局している場合には,その分布により末梢神経が原因か脊髄が原因かなどをある程度推定することができます。   ■ 顔面神経麻痺に対しては

 表面筋電図検査は四肢や顔面などに不随意に起こる運動が見られる場合に時として有用です。この検査の利点は、針電極や電気刺激を用いないので、疼痛を伴わないことです。                                       

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 腓骨神経麻痺。すねの外側を走る神経が断裂や損傷を受け、足首や足指の自動運動が不能になる症状です。  浅腓骨神経と深腓骨神経の2本の神経が前頚骨筋、長指伸筋、長母指伸筋、第三腓骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、短指伸筋、を支配しています。

 腓骨や脛骨の骨折の影響で神経が損傷するケースが多く、これらが損傷すると自分の意思で足首・足指を曲げられなくなります。程度の軽重はありますが、以下の後遺障害となります。   ○ 足首 → 1下肢の3大関節中の1下肢の用を廃したもの(著しい障害を残すもの =10級)   ○ 足指 → 1足の第一の足指又は他の4の足指の用を廃したもの =12級   ・・・ この場合、上記二つの認定から、併合7級となるはずでした。    この障害の立証で、被害者は2つの壁を経験しました。  

第1の壁 整形外科の仕事は骨をくっつけること?

   脛骨骨折の手術で有名なある名医の手術を受けました。プレートとねじで折れた脛骨をしっかり固定、10か月後見事に骨をくっつけプレートを摘出しました。腕は評判通りです。レントゲンを見ながら、「どうだね、元通りになったろ」と自画自賛です。しかし患者は「あれ足首が動かないな・・」、踏ん張りが利かなくて杖がないと歩けません。足首はだらんと下がったまま動きません。スリッパも自然に脱げてしまう。

 対する医師は、「あとはリハビリを頑張ることだね」と。満足げにリハビリ科に引き継ぎました。足首が曲がらない事には責任がないようです。

 後に後遺障害の審査となり、保険会社に言われるまま、そのレントゲン写真を提出しました。結果は 「骨の癒合は正常で、変形癒合、偽関節は見られないので・・・云々。しかしながら痛みや運動不能は認められるので局部に頑固な神経症状を残すものとして12級13号・・・えっ、杖なしに歩けなくなったのにそんな軽い障害?となりました。

 確かに脛のレントゲンを見ますと、骨折の癒合は問題ないのですが、MRIでは、周辺の筋組織の損傷がはっきり残っています。さらに外見からも筋委縮がはっきり見て取れます。左右の足の太さが違っているのです。そして、いくらリハビリしても足首も足指も曲がりません。これらの事実は審査されていません。   

第2の壁  治療は終わったのに、今頃になってなんで検査を?

   12級13号では異議申立の必要があります。必要な作業は・・・   1、足首・足指の可動域について再度計測します。骨をきれいにつなげる名医でさえ、計測を間違えています。   2、徒手筋力テストを行い、筋力低下を数値化します。   3、筋委縮を立証するため左右の足の外周を計測します。 ※ 私は写真も添付しました。   4、そして、必須は神経伝導速度検査。 麻痺が確実なら「誘導不能」となります。   5、できれば、針筋電図検査。 神経麻痺立証の決定版です。これができれば、4の必要性は下がります。    主治医にお願いして、検査をやり直しです。しかし、この名医である主治医は「可動域の計測は正しい」と自らの間違いを認めません。さらに「筋電図は必要ない」と紹介状を書いてくれません。「私の治療に問題はなかったのだ!」と依怙地になっています。患者さんはこれ以上逆らうこともできず、すごすごと帰ります。手術でお世話になったのだから当然です。    これら困難な2つの壁を乗り越えるのが私の仕事です。もちろん、医師の技術と尽力には敬意を表します。しかしベストな流れは骨の癒合の時点で上記1~5の検査を実施させ、間違いのない診断書を作成することです。そのために、頑なな主治医を説得するか、場合によっては別の病院へ誘導する必要があります。    ちなみにこの被害者のケースでは異議申し立てを行い、腓骨神経麻痺で9級、股関節可動域制限や膝関節硬縮による短縮障害とも併合しなんとか7級までこぎつけました。悪戦苦闘、9か月もかかったのです。    ありのままの真実を立証する・・・名医のおかげで茨の道でした。   続きを読む »

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