償いの為の賠償保険(対人賠償保険・無保険車傷害特約)

・・・裁判となったら判決された賠償額を払います。
teresa
 契約する際、定額補償を約束した傷害保険(人身傷害特約)

・・・契約時に定められた金額、基準にて支払います。
sanma

保険定食?

 
 無保険車による被害事故の場合、請求先が無保険車傷害特約と人身傷害特約の二つにダブってしまう、どっちに請求するの?

 
 「え~い面倒くさい!」ってな勢いでしょうか? 「そうだ、約款を変えよう!」
 

そして『無保険車傷害特約は吸収された』


(クリックするとはっきり見れます)

 これで、支払基準は自社独自基準に統一できます。あわよくば無保険車による被害でも強制的に「人身傷害保険」基準=傷害保険として、約款で決められた支払額を押し通せます。これが現在、交通事故・保険業界で起こっている事件なのです。誰も異を唱えることのない静かな約款改定ですが、少なくとも私にとっては今後の無保険車傷害特約の請求上、大事件です。

 そして無保険車傷害特約誕生の精神、「公平の原則」が失われる瞬間です。
 
 さてこの問題意識を持つ法律家は全国に何人いるでしょうか。事実、多くの弁護士先生は約款を読み込み、「人身傷害保険は自社基準での支払が契約時に決められた傷害保険なので、その基準以上の請求はできない」と思ってしまいます。徹底した文理解釈です。保険会社の思う壺です。無保険車による被害事故で相手から補償が得られない事件について、弁護士が自分の保険会社へ赤本基準で請求を行ったとします。その返答として保険会社担当者から約款を盾にとった上記の説明をされ、素直に納得してしまう弁護士が多いのです。やはり保険会社の方が役者が上です。

★ 支払限度額を公平にしなければ

 無保険車傷害保険が人身傷害保険に吸収された結果、さらに約款の修正が必要となりました。

 人身傷害保険の支払限度額は、契約時に設定します。最低3000万円から無制限まで。一番目にするのは5000万円でしょうか。
 もし無保険車に被害に遭った場合、被害者が重い後遺障害で8000万円の損害を受けたとします。その場合、人身傷害保険に5000万までしか入っていなかったら?今までは無保険車傷害にて2億円まで補償されたのに、掛け金を多く出して上位の人身傷害付き保険にした途端、無保険車による補償が5000万円までに引き下がる?・・・このような矛盾に気づき、限度額修正を行いました。3メガ損保を例にとります。
 

〇 東京海上日動
・・・相手が無保険車のときは、2億円まで(人身傷害が3000万の契約でも)。人身傷害が無制限なら無制限。

〇 損保ジャパン
・・・相手が無保険車のときは(人身傷害がいくらでも)無制限。

〇 三井住友
・・・無保険車傷害は2億まで。人身傷害は契約金額まで。依然と支払い基準は約款上違う。つまり、まだ吸収されていません。

 他の会社は三井住友型が多いようです。
 

 これでダブルスタンダード問題はすべて解決できたのでしょうか?

 やはり、一連の約款改定と並行して様々な問題が法廷上で争われることになってしまいました。その内の一つが今年2月、最高裁で判示されました。これはまた別の機会で取り上げます。⇒ 人身傷害シリーズ

 これにてシリーズは終了です。長文にお付き合い下さりありがとうございました。

 ⇒ 続編「結局、無保険車傷害特約は独立した」
 

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