体力的にも精神的にも本当にキツかった一年でした。週末は会議&忘年会で赤穂です。それから残務処理をして29日には仕事を収める予定です。今日が今年最後の日誌です。営業日は一日も欠かさず更新を続けてもうすぐ4年、まだまだです。

 さて、今年の総括です。大きくジャンプするには十分な助走が必要ですが、今年一年は助走期間だったと位置付けたいところです。来年の飛躍を期して、少し振り返ってみましょう。
 

 反省は例年のごとく、案件の処理スピードです。この部分について依頼者さまのご期待に沿えていません。とにかく病院に行く人手が足りないのです。こればかりは補助者やアルバイトをたくさん雇って解決する問題ではありません。人材育成・組織化を急務としながら進展しない理由は・・やはり医療調査業は特殊なのだと思います。今まで事務所内外問わず、5名の人材の指導を受け持ってきましたが、結局、一人前のメディカルコーディネーターに育ちませんでした。保険会社側の調査会社でも原因調査(事故の原因を調べる、主に物損)には人が余っていますが、医療調査は皆避けるそうです。医師との折衝は嫌な仕事なのかも知れません。だからと言って、皆が避けては被害者が救われません。1人で医師との折衝をこなし、障害を立証できる被害者は少ないのです。多くは右往左往している間に保険会社主導でおざなりに進められてしまいます。この仕事、誰かがやらねばならない、しかし誰でもいいわけではない。
 医師との直接折衝で間違いのない医証を回収する・・険しくも決して譲れないセオリーなのです。

 成果は連携の成熟です。この4年間、弁護士とは12事務所、延べ40人近い先生と一緒に仕事をしてきました。なかなか方針や考えが合わない弁護士先生もいましたが、月日・件数を重ねるごとに呼吸があってきました。被害者救済という根幹さえぶれなければ、どんなに誤解・衝突を繰り返しても揺るぎません。逆に根っこのない先生とは自然に離れていくものです。

 具体的にはある弁護士から肩関節動揺性の相談を受けましたが、ストレスXPにて立証する方法を提案し、その弁護士は見事に12級6号を獲得しました。膝ではお馴染みの作業ですが、本例は私も未経験です。しかしこの成功例にて、肩関節でも実施できる検査先を確保したことにつながります。
 もう一例、頚椎ヘルニアの画像所見を認めない医師に手をこまねいていた弁護士から相談を受けました。画像専門院でMRI検査し、その画像とレポートを示し、医師と交渉するようアドバイスしました。医師の面子を潰さないよう、上手に誘導する方法を細かく打合せしました。その先生は見事に医師との折衝に成功し、12級13号を獲得しました。
 
 これら勝利のポイントは弁護士が私の策を素直に採用したことです。私はアドバイスのみの関与です。それでもさすがは弁護士、ポテンシャルを感じます。このような事例を重ねて相互の信頼関係は造成されていくものと思います。以前、行政書士の仲間から「弁護士にノウハウを伝授したら自分たちの仕事が無くなるのでは・・」このような懸念を聞きました。このような発想は「人間が小せぇ」と思います。なぜなら共に被害者を救った共闘体験はその後の信頼関係はもちろん、仕事の相互紹介に繋がっていきます。そこにはより良い被害者救済を考えた上での判断があるからです。

 弁護士に関わらず他業者との連携は時間をかけて作っていくものです。とても一朝一夕でできるものではありません。才乏しいながら粘り強さだけは私の持ち味、この姿勢を来年以降も貫いていきたいと思います。
 

 医師、弁護士、行政書士、社労士、保険会社、代理店様・・その他たくさんの関係業者の皆様、一年間ありがとうございました。
 そして被害者の皆様、年末年始はどうか心安らかに、良いお年を!