すみません、診断書の改定は1年以上前でした。古い情報ですが、絶対に触れておきたいところです。

 まず、長年、A41枚の診断書でしたので、障害の全容を収めるにはいささか紙面不足でした。それでも、労災の場合は、顧問医の診察があるので、それでも良いのかと思っていました。ただし、関節の機能障害の欄がわずかに3つでした。上肢・下肢を骨折した被災者さんですと、ほぼ足りません。恐らく、現場の顧問医からも苦言が多かったと思います。かねてより、労災・障害給付の申請の際は、その診断書を補完する目的で、自賠責保険の後遺障害とその添付書類の写しを一緒に提出していました。当然、職員からは「これは助かります!」と言われたものです。

 さて、A4サイズは変わりませんが、裏面に拡充された診断書は以下の通りです。


 
・手指や足指まで記入欄がありますので、親切設計です。
 
・以前から気になっていた「治ゆ日」の欄、これに「(症状固定)」が追記されています。医師が症状固定日を設定する際、治癒日の日付欄に記入しますが、治癒 = 治った ⇒ 後遺症はない?と感じる患者さんや医師が多く、軽い混乱の元でした。
 
・それでも、まだ自賠責保険に及びません。関節可動域制限は、計測者の手で動かす「他動値」と自らの意思のみで動かす「自動値」に二分します。前者は骨折後の癒合に不整があり、物理的に曲がらない障害になります。後者は、神経麻痺・断裂によって、曲げる機能自体を失った障害です。ケガによって、どちらの計測値を採用するかに分かれるのです。自賠責保険は両方、記入可能です。労災の改定後診断書では、一番下欄にあるように、「自動運動で測定した理由」を示すことにより、どちらかの計測値だけで足りるようになっています。一見、合理的ですが、自賠責保険の審査は、一応、両方の計測値を確認します。より慎重な判断としているようです。
 
 河野大臣が厚労省に就任した際、労災はじめ、多くの手続き書類の印鑑が廃止されました。毎度お堅い公的制度ですが、利便性を第一に改良が進むことは、現場からは大歓迎なのです。