20140121083658 札幌出張です。この時期、吹雪で飛行機の欠航があります。空港の手荷物チェックで毎度恒例となったゴニオメーター(関節可動域測定具)の説明を終え、飛行機に搭乗し2時間弱、おりよく晴天の千歳空港に着陸しました。

千歳空港から札幌までの車窓では時折なだらかな山野と平原が開けます。松山 千春さんの声、さだ まさしさんのハミングが流れてきそうです。

今回は主治医と症状固定時期と装具の打ち合わせ、理学療法士の先生には足関節計測の依頼でした。症状固定日は被害者にとって一つの節目です。当然ながら医学的判断を第一としますが、被害者の仕事復帰の目途を睨み、総合的な判断が必要です。患者本人の意思はもちろん、医師の診断内容、そして治療費や休業損害を払っている保険会社の立場も影響します。複数の思惑を整理する必要があるのです。そして必要な検査を漏れなく実施しなければなりません・・。すべてを被害者一人で調整していくのは酷なのです。

出張の目的を果たし病院を後にしました。雪道をキシキシ踏みしめてホテルまで街歩きを楽しみます。札幌の人は皆、歩き足が速い!確かに立ち止まると拷問のような寒さが襲います。病院で「今日は5度まで上がる」と聞いていました。5度とはいってもそれは-5°です。こちらではマイナスなどといちいち言わないのですね。この日の最低気温-11°、日中は-5°まで上昇したとはいえ、顔が痛いレベルです。そしてさっきまでの晴天はあっと言う間に吹雪に。本州の雪と違いサラサラのパウダースノウ、頭や肩の積雪も払いのけるだけで体は濡れません。しかし雪にはしゃぐ柴犬のような余裕はもはやありません。足早にホテルに逃げ込み、明日まで部屋に缶詰、事務仕事で過ごすことに。

20140121183643 忌々しく窓の外を見ていました。やはり恒例の出張立寄り湯を断念しきれません。この時期は不安定な天候を考慮して札幌市内を外れる計画はとれませんが、幸い札幌は市内に銭湯が点在しています。何としてでも湯につかりたい、ユニットバスは御免です。容赦ない吹雪の中、てくてく銭湯を目指しました。雪は勢いを増し、視界のせいか道に迷ったようで、なかなか銭湯に着きません。日も暮れ、全身雪まみれで一人「八甲田山」状態。外出を後悔しかけたとき、ぼんやりと煙突と暖簾が現れました。

「凍えた両手にぃ息を吹きかけてぇ~、しばれた体を温ぁめてぇ~♪」

後は湯へドボンです。             つづく