顔面の骨折について数例経験があります。通常、医師は変形や転位なく骨折を修復するよう努めます。しかし、頬骨が折れる程の衝撃であれば、痛みはもちろん、軽度の顔面神経麻痺や感覚器の異変が起きてもおかしくありません。しかし、診断名が骨折のみで、癒合後の画像を細かく観察しなけば・・・自覚症状だけの評価に留まり、ほとんどが14級となってしまうのです。

 12級を加えれば併合で等級が一つ上がります。絶対に譲れない戦いです。
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併合7級(8級2号・12級13号):第2頚骨骨折・頬骨骨折(60代女性・埼玉県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、右方よりの自動車と出会い頭衝突しもの。その際、外傷性くも膜下出血、頬骨骨折、そして第二頚骨を骨折した。
脳出血は大事に至らず、顔面はチタンプレートで3箇所固定した。頚骨は2本のスクリューで固定され、以後、首の回転は不能となった。

【問題点】

整形外科、形成外科、脳外科の3医師と面談、各科にて診断書をまとめる作業となった。頬骨は癒合良く、医師は抜釘を決断、抜釘術後に症状固定とした。首の8級は照準内だが、顔面はこのままだと14級9号。

【立証ポイント】

第1~2頚椎が固定された為、首の回旋・可動域は5度レベルで8級は確実。念のため理学療法士の計測に立会い、正確な計測値を確保した。
しびれを訴える顔面部について、三叉神経麻痺の診断名を強く訴え、医師に加えていただいた。更にCTを再検査し、その画像から頬骨のわずかな陥没と眼窩外側壁のこれまた微細な欠損について記載を求めた。顔面を12級にして併合7級に引き上げるためである。

申請後、保険会社から「顔は14級」との予審回答があったが、「12級でなければ異議申立てします」と弁護士を通じて回答、この強姿勢・豪腕で併合7級の認定を得る。