緊急事態宣言下、出張立ち寄りもなく、遠征を控えているところですが、ストックされた過去の温泉をレポします。群馬の地味な温泉ですが、知る人ぞ知る、好温泉・良旅館です。

 渋川・伊香保インターを降りた車の流れは、吾妻川沿いの353号線上を延々と西に向かって走ります。およそ、草津温泉を目指す車でしょうか。ただし、吾妻川沿いには、八ッ場ダムで有名となった川原湯温泉があり、他にもいくつか1件宿の温泉が点在しています。その一つ、以前から知ってはいましたが、草津往復でパスが多かった鳩の湯温泉です。その隣には温泉テーマパークとして群馬で名を馳せた薬師温泉があります。この二つに浸かれば、マイ温泉マップの群馬西部は色が塗られることになります。

風情のある一軒宿、関東一円に根強いファンがいるようです。


お湯は、強烈な草津、その仕上げの湯に相応しい優しい塩化物泉です。浴感は実にまろやか、五感(視・聴・嗅・味・触)すべてに癖がなく、しつこさは皆無。毎日浸かっても飽きのこない湯と言えます。ワインに例えると、草津がどっしり重いカベルネソービニョンなら、さしずめ、甘く軽いピノノワールでしょうか。写真はメインの浴槽(板張りの風呂のふたを取るのに一苦労で有名です)ではなく、展望風呂です。37°で夏場にピッタリ、1時間でもそのまま入っていられます。
 

宿から散歩距離に薬師温泉があります。この門構え(裏、つまり敷地内から観て)含め、茅葺屋根の建物が渓谷の斜面に並びます、この温泉の設計思想は江戸時代の湯治場の再現であり、敷地内の古物の展示館をめぐり斜面を下っていくと、宿and温泉にたどり着くことになります。
 

実物の古民家の中はこの通り。照明は大正時代のレトロ感、まるで鬼滅の刃にでてきそうな和室です。
宿の経営者、設計者の本気を感じました。ディズニーランドの温泉版と呼んでもよいでしょう。